こんにちは!今回も知って得する情報を皆さんと共有していきたいと思います。テーマは「発達障害とてんかん」です。

てんかんを患っている人は日本全土で60万人~100万人いると言われており、約100人に1人はてんかんを患っているとされています。

てんかんと発達障害は併発率が高く、注意欠陥多動性障害(ADHD)は約1割、自閉症は約3割の併発率が報告されています。

てんかん発作と発達障害の関係性や、具体的な対策などを記事にあげていきたいと思いますので最後までお付き合いください。

てんかん発作も発達障害も両方とも脳の機能障害が原因

てんかん発作が起きる原因は脳の大脳皮質の神経細胞が何らかの理由で過剰に興奮し、それまでは規則正しいリズムで脳の電気活動が行われていたのが、突然乱れ、一時的に異常な電気活動を引き起こし、発作を誘引させます。

てんかんは大きく分けて、「症候性てんかん」と「突発性てんかん」に分かれます。

「症候性てんかん」は生まれた時の仮死状態や低酸素、脳出血、脳梗塞、脳外傷など、脳に何らかの障害や傷を起因として起こります。

「突発性てんかん」は異常が見つからない原因が不明のてんかんです。てんかん発作の多くはこの突発性てんかんで原因が不明の場合が多いと報告されています。

https://twitter.com/Himawari2411/status/1381526120344915969?s=20

発達障害と脳

発達障害の症状は、先天的な脳機能障害が原因とされています。障害が起きている脳の部位の沿って発達障害の特性も異なります。

自閉症スペクトラム障害(ASD)では脳の側頭葉、偏桃体、前頭前野の機能が低く、対人関係やコミュニケーション障害に影響しています。

注意欠陥多動性障害(ADHD)は前頭前野、側坐核、線条体、尾状核、偏桃体の機能が低いことで多動、衝動性、不注意に影響が見られます。

ちなみに、発達障害者支援法では、発達障害の定義として「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」とされています。

しかし、なぜ脳の機能障害が引き起こされているのかは、いまだ原因は不明で、現在も研究が続けられています。

発達障害とてんかん

双方ともに脳に原因があるとされています。先天性で生まれつきの要素が高く、またてんかんと発達障害の併発率の高さが報告されています。

てんかんを患っている子供の一部には運動面や精神面、あるいは両面での発達の遅れが見られることがあります。

この原因にてんかんの原因となる脳の障害が影響している場合や、てんかんそのものに起因して発達が遅れる場合が考えられます。

発達障害とてんかん、合併したらどうするの?

てんかん、発達障害の多くは低年齢期にあらわれます。

その兆候に気がついたら正確な診断のもとで早期に治療、療育を開始することが大切です。

小児科へ受診

発達障害などの先天的な障害の根本的治療は難しいですが、てんかんは現在では適切な薬による発作のコントロールが可能です。

子供の場合は、やはりまずは小児科に受診する場合が多いと思います。

軽症で病状が安定している場合はかかりつけの小児科医、難治の場合や特殊な事情がある場合は、てんかん専門治療施設や小児病院、大学病院などが検討されます。また、てんかんの医療費の補助制度もあります。

てんかんの受診は薬を出してもらって終わりではないので、治療の方向性や子供のライフスタイルも考慮してもらえるよう医師と相談すると良いと思います。

療育を通じて社会性の向上を図る

てんかんと発達障害の併発率は高いため、どちらかが先に発症し、残りが後から発症するケースもあります。

どちらにせよ早期に治療、療育を開始することが重要です。

脳の神経細胞は生まれてすぐに急激なスピードで成長し、3歳の頃には生きるために必要な動作を行う部分が発達します。

そして7歳の頃には記憶や運動能力、自己認識や自制心などの部分が発達します。

体と比べて脳の成長は非常に早いため、脳の神経細胞が完成される前に療育を行い、社会に適応できるよう支援を行うことが大切です。

環境を整えてあげることが大切です

発達障害もてんかんも先天的な障害は、生まれ持った特性と考え、うまく付き合って生活を送れるように環境を整えてあげることが大切です。

そのためには福祉制度のサービス利用は有効な手段と言えます。

具体的には障害者保健福祉手帳を取得して、保育、教育、就労面の援助や、各種サービス・割引、税金の減免・控除や給付などの支援を受け、無理のない生活環境を整えます。

てんかん発作が起きてしまったら…

てんかん発作にはいろんな症状があります。一般的に知られているのがけいれん発作ですが、それ以外にも症状はあります。

口がモゴモゴと勝手に動いたり、フラフラと意味もなく歩き回ったり、全身、または体の一部が硬直したりなどがみられます。

けいれん発作が起きた場合の対処として

  • 危険な場所で発作が起きた場合は速やかに安全な場所へ移動させます。
  • てんかん発作では時に嘔吐を伴う場合があり、その際は嘔吐物で窒息しないように体を横向きに寝かせ、周囲にある危険物を除去し、けいれん時にケガをさせないようにします。
  • 発作中、呼吸がしやすいように服のボタンを外したり、ベルトをしている場合は緩めます。
  • 発作が起きた時間を確認して、発作が収まるまでの時間を記録します。

てんかん発作が起きても通常は数分間で自然と収まります。てんかん発作が起きた後は無理に起こそうとせず、静かな環境で様子観察をします。

しかし、発作が異常に長引いたり、いったん発作が終わっても、意識が戻らないうちに再度発作を繰り返す場合はてんかん重責発作を起こしている可能性が高いです。

てんかん重責発作は死亡率が6%~10%と報告がされており、この場合は迅速に適切な治療を施す必要があるため救急患者として対処する必要があります。

まとめ

てんかんと発達障害には脳の機能障害という共通した要因があり、併発する可能性があります。

てんかんに関しては適切な治療を施し、医療と福祉サービスを組み合わせて生活環境を整えながら病気とうまく付き合っていく姿勢を持つことが大切です。

発達障害は根本的な治療は難しいとされていますが、脳の神経細胞が完成される前に療育を行い、社会に適応できるよう支援を行います。

最後まで見てくれてありがとうございました。この記事が、てんかんと発達障害の子供の支援を行う方々の参考になれば幸いです。