皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害者のオウム返し」についてです。
エコラリア(オウム返し)にどう向き合っていけばいいのか分からない。あなたもそんな一人ではありませんか?
子供も両親も人間です。親子といっても全員が最初から上手にコミュニケーションを取れるわけではありません。
実は、エコラリアは立派なコミュニケーションの一つです。上手く付き合うことで、より深いコミュニケーションが取れるようになります。
今回は、発達障害のある方のオウム返しについてお伝えします。
発達障害の特性であることを理解し、オウム返しとうまく付き合う方法を一緒に考えていきましょう。
目次
発達障害者のオウム返し(エコラリア)とうまく付き合う5つの方法
発達障害がある方のオウム返しとうまく付き合うためには、「理解」することから始まります。紹介する5つは理解するために大切なポイントです。
①意思の尊重
オウム返しを行うことは、「話したい」「気持ちを伝えたい」、これらの意思が表面上に出ている証拠です。
しっかりと「嬉しい」や「悲しい」などの喜怒哀楽が隠されています。
抑制をするのではなく、本人の意思を理解して、耳を傾けてみましょう。
②コミュニケーションの第一歩
オウム返しは、自分ではない誰かとコミュニケーションを取るための最初の一歩です。
相手の働きかけに対し、「マネをする」という応え方をしているだけなのです。
エコラリアで言葉を返すことからコミュニケーションが始まり、徐々に自分の言葉を発するように変化していくのです。
本人たちの言葉の奥にある気持ちや、伝えようとしている気持ちを推察していくことが大切です。
参照:東北大学 まなびの杜
女子栄養大学 教職課程センター年報
③小さな成功経験を大切に
自分の気持ちが上手く伝わった瞬間や、半歩でも前進出来る瞬間はその喜びを言葉と身体で表現していきましょう。
親子間だけではなく、第三者と言葉を交わす場所を作ることもとても大切です。
時には焦ることもあるでしょう。
しかし、一度深呼吸。
大丈夫です。ゆっくりと向き合っていきましょう。
④ASD 言葉の特徴を知ろう
オウム返しをはじめとするASDのお子さんの言葉の特徴について、くわしく解説している動画がありますので参考に紹介します。
⑤専門機関への相談
オウム返しなど、お子さんの発達障害の症状により悩みが尽きないという親御さんは、ぜひ専門の相談機関に相談してみてください。
自治体の発達相談窓口のほか、こちらの記事を掲載している大阪府のライズ児童デイサービスでは、お子さんの成長過程に応じた個別支援を継続的に行っています。
お子さんの可能性を最大限に伸ばすことを目指し、日々色々な取り組みを行っているので、ぜひ一度のぞいてみてください。
エコラリアと向き合ってきた親御さんの声
エコラリアと向き合っている親御さん3人のリアルな声を紹介します。
親御さんのお声①
娘、今日は今までで一番ずーっと喋ってた!
遅延エコラリアや言葉のクレーンがごちゃ混ぜになってる合間に、本気の要求あるから油断できなかった。
「あつあつハンバーグ〜オツムかえてピッタカピッタ♪」(オムツ変えて欲しい)
ストレスなのか、機嫌良いからか、独特な成長の形なのか。
引用元:twitter
こちらは、エコラリアの合間に自分の要求を含ませて話していたと言う事例です。
親御さんのお声②
本日息子が4歳に… 1年前単語ちらほらだった息子、 ざっと数えただけで242語、 3語文メインに成長しました
叱ると出てくるエコラリアも「だいじょうぶんぶん」の歌詞なんです… 健気で泣ける
課題も多いけど、頑張ろう。
引用元:Twitter
こちらは、話せる単語が少しだけだったお子さんが、1年後には3語文まで話せるようになったという事例です。
親御さんのお声③
お気に入りの言葉を、しっかりと記憶するために、自分なりに一生懸命覚えようとしています。
少しずつ成長するペースに合わせて付き合っていくことが大切なのですね。
エコラリア(オウム返し)の対応方法
お子さんのエコラリア(オウム返し)の対応と向き合い方をみていきましょう。
不安や不満の解消
なぜ、本人はエコラリア(オウム返し)で言葉を返すのでしょうか?
実は、本人たちの不安や不満が表れているケースもあります。
例えば、対象者からのこのような問いがあったとしましょう。
それに対して、こう応えたとします。
これに対して対象者が示した反応は、
延々と「カレーを食べてもいい?」の繰り返しです。
このように答えた結果、会話が成立しました。
このように、「はい」や「だめだよ」だけでは本人たちは、本当にしていいのか分からずに不安を覚える場合もあります。
エコラリアで本人たちの不安や不満が解消されているかもしれません。
子供の興味関心が心を動かす
- 食べたいもの
- されちゃ嫌なこと
- 遊びたいもの
このような気持ちを、上手く伝えることが出来ないとしても、子供には心の裏には興味関心が隠れています。
絵本の車や、公園の砂遊びなど、少しでも興味のあることから言葉を引き出していくことがコミュニケーションを取る第一歩です。
お子さんの気持ちを信じよう
このように、単純なオウム返しの時期を経て、少しずつ自分の言葉を表現できるようになった発達障害の方はたくさんいます。
今現在、お子さんのエコラリアに悩んでいる親御さんも、どうか下を向いて悩むのではなく、お子さんの言葉の裏にある気持ちを信じてみてください。
エコラリア(オウム返し)とは
エコラリア(オウム返し)とは、「コミュニケーション」の一つです。またエコラリアにも2つの種類がありますので、解説していきます。
コミュニケーション手法の一つ
オウム返しとは、鳥のオウムのように相手の人が話した言葉をそっくりそのままくり返すことをいいます。
コミュニケーションの手法としてビジネスの場で用いられることもありますが、発達障害のある方にとってのオウム返しはこのようなものとは種類が異なります。
発達障害のある方にとってのオウム返しは「エコラリア(反響言語)」と呼ばれ、ASD(自閉スペクトラム症)の典型的な症状のひとつであるといわれています。
エコラリアには次の2つの種類があります。
・即時エコラリア
・遅延エコラリア
参照:東北大学 まなびの杜
これらのエコラリアは、いったいどのようなものなのでしょうか?
それぞれについてくわしくみていきましょう。
即時エコラリアとは
即時エコラリアとは、相手が言った言葉をそのまますぐに繰り返して言うことをいいます。
例えば、次のような会話が即時エコラリアにあてはまります。
このように、相手の質問に回答するのではなく、ただ単に相手の言葉を繰り返しています。
参照:東北大学 まなびの杜
続いて、遅延エコラリアを紹介します。
遅延エコラリアとは
遅延エコラリアとは、以前聞いたことのある言葉を、時間をおいて繰り返して言うことをいいます。
例えば、次のような会話が遅延エコラリアに当てはまります。
このように、テレビなどで聞いたことのある言葉を、時間をおいて突然繰り返しています。
参照:東北大学 まなびの杜
どちらのエコラリアも会話が成り立たず、周りの人にとってはコミュニケーションをとるのが難しいと感じてしまうかもしれません。
しかし、エコラリアは発達障害のある方にとっては、立派なコミュニケーションのひとつです。
まとめ
今回は、発達障害のある方のオウム返し(エコラリア)についてお伝えしました。
発達障害のある方にとってのオウム返しは、大切なコミュニケーションのひとつであり、その裏に秘めているご本人の気持ちをしっかりとくみ取ることが大切です。
何を話しかけてもオウム返しばかりだと心が折れてしまうこともあるかもしれませんが、成長の過程のひとつであることを信じて、ゆっくり向き合ってみましょう。