皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害と癇癪」についてです。
今回は、発達障害のお子さんがおこしやすい癇癪についてお伝えします。
癇癪への対処方法と専門機関に相談するべき癇癪の状況についてくわしくみていきましょう。
目次
癇癪が激しい子どもは発達障害?
癇癪は発達障害の有無にかかわらず、どんなお子さんでもおこす可能性があります。
決して「癇癪=発達障害」ではありません。
しかし、発達障害のあるお子さんが癇癪をおこしやすいのは事実です。
なぜなら、発達障害のあるお子さんは脳の影響により「自分の思いを言葉で表現するのが苦手」「感情をコントロールするのが苦手」など常にストレスを感じやすい状態だからです。
発達障害の影響により自分の思いどおりに物事が進まず、癇癪としてあらわれている場合が多いです。
発達障害の有無にかかわらず、癇癪はお子さんの気持ちのあらわれである場合が多いので、お子さんの気持ちに寄り添いながら癇癪へ対処する方法を考えていきましょう。
子どもの癇癪への対処方法
お子さんが癇癪をおこした時、どのように対処するのが良いのでしょうか。
効果的な対処方法を知るために、まずは癇癪についてくわしく理解していきましょう。
癇癪とは
癇癪とは辞書に次のように記されています。
【癇癪】
神経過敏で怒りやすい性質。また、怒り出すこと。
引用元:広辞苑無料検索
癇癪とは上記のように、怒りやすい性質のことをいいます。
具体的には次のような行動が見られます。
・大声で泣く
・大声で叫ぶ
・暴力をふるう
・物をこわす
・物を投げる
・床に寝転ぶ
・手足をバタバタする
・足をふみならす
参照:MSD マニュアル家庭版
このように、癇癪をおこしているお子さんは自分で感情がコントロールできない状態におちいっています。
では、お子さんが癇癪をおこす背景にはどのような原因があるのでしょうか。
そもそもの原因についてくわしくみていきましょう。
子どもの癇癪の原因
お子さんが癇癪をおこす背景には、具体的な原因がある場合が多いです。
考えられる癇癪の原因は次のとおりです。
【身体的要因】
・生理的欲求
・疲労
・光や音など感覚の刺激によるストレス
【精神的要因】
・思いどおりにならないことがある
・周囲の気を引きたいと思っている
このように、「眠い」「お腹が空いた」などの生理的欲求や疲労などの身体的要因が癇癪の原因であることが多いです。
また、「自分の思いどおりにしたい」「自分に注目してほしい」などの精神的な要因が癇癪の原因となることもあります。
では、実際にお子さんが癇癪をおこした場合はどのように対処すれば良いのでしょうか。
効果的な対策についてくわしくみていきましょう。
子どもが癇癪をおこしたらどうすれば良い?
お子さんの癇癪への一番の対処方法は「状況を変えて気をそらす」ことです。
癇癪をおこしているお子さんは、自分でもコントロールできないようなパニック状態におちいっています。
周りの人が状況を変えてあげることで自然と気がそれ、落ち着いてくる場合があります。
そのために有効な方法が「タイムアウト法」です。
お子さんの癇癪には「タイムアウト法」が効果的
タイムアウト法とは不適切な行動を減少させるために行われる行動療法で、海外の家庭ではよく行われています。
タイムアウト法の実施方法は次のとおりです。
(1)してはいけないことについて子どもが理解できるように説明する
(2)また同じことをしたら「次同じことをしたらタイムアウト」と警告する
(3)それでも同じことをしたら、設定した時間(年齢×1分間、最長5分間)タイムアウト用の椅子や場所に座ってもらう
(4)設定した時間内にその場所を離れた場合は元の場所に戻し、最初からやりなおす
(5)設定した時間になったら子どもにタイムアウトをすることになった理由をたずねる
(6)理由が正しく言えない場合は、簡潔に説明して思い出してもらう
(7)理由を正しく理解していることを確認できたら終了する
【注意点】
・2歳頃までは理解できない可能性があります。
・集団の場で実施する場合は屈辱を感じないように配慮が必要です
・あくまでタイムアウトはクールダウンのために実施するので、恐怖心をあおってはいけません。
・終了後は褒めたり注意したりするのではなく、状況を変えて新しい活動に気を向けさせると良いといわれています。
参照:MSD マニュアル家庭版
このように、お子さんが癇癪をおこした場合は、クールダウンをさせるためにタイムアウト法が有効です。
その反対に、一番やってはいけないことは怒って抑えつけることです。
お子さんは癇癪をとおして何かを表現しようとしています。
先にお伝えしたとおり、癇癪の背景にはお子さんの身体的な欲求や精神的な欲求があります。
その欲求を抑えつけるのではなく、自分自身で落ち着いて向き合える時間を設けてあげましょう。
タイムアウト法以外にも、お子さんの癇癪に対処する方法が動画で紹介されていますので、参考に紹介します。
まずはお子さんの癇癪への対応について、子どもクリニックの先生に相談した内容を紹介しているこちらの動画をご覧ください。
続いて、タイマーを使って癇癪への対策をしている方の動画です。
続いて、発達障害がある思春期のお子さんの癇癪への対応を紹介した動画です。
このように、お子さんの状況に応じてさまざまな対処方法が考えられます。
年齢や発達の状況、性格などによって効果の現れ方は異なる可能性がありますので、そのお子さんに適した方法を見つけられるよう、気になるものを試してみてください。
専門機関に相談するべき癇癪の状況とは
ここまで紹介した癇癪への対処方法は、すべての方に必ず効果があるとはいえません。
もしも発達障害がある場合は脳の影響によるものなので、周りから働きかけをしても反応がない場合もあります。
発達障害の場合も含め、次のような状態にはご家族だけで抱えずに専門機関に相談してみましょう。
・癇癪が長時間続く
・癇癪を頻繁におこす
・周りに危害をくわえてしまう
・自分を傷つけてしまう
・本人が辛そうな様子である
・家族が精神的に参ってしまっている
・癇癪以外にも発達面で気になることがある
・癇癪以外にも心配なことがある
このように、癇癪をとおして自分や周りを傷つけてしまう可能性がある場合には、躊躇せずに専門機関に相談しましょう。
また、発達障害がある場合には人とかかわる場面で困難が生じたり、行動面で異常があらわれる場合があります。
お子さんのこれまでの様子から発達障害の可能性を感じている場合には、次の記事を参考にご覧ください。
では、癇癪の状況がひどくて相談したい場合、どこで相談できるのでしょうか。
癇癪や発達障害について相談できる専門機関について紹介します。
癇癪や発達障害について相談できる専門機関
自治体の発達相談窓口
お住まいの地域により名称は異なりますが、各自治体にはお子さんの発達について気軽に相談できる発達相談窓口があります。
障害福祉関係の課や子ども家庭関係の課などに設置されていることが多いです。
保健師や家庭児童相談員などの専門職員がお子さんやご家族の困っていることについて相談に応じてくれるので、気になることがある場合には気軽に相談してみてください。
参考:東大阪市公式HP
発達障害者支援センター
発達障害者支援センターでは、専門的な知識を備えた職員がさまざまな機関と連携してお子さんの発達に関する相談に対応しています。
お子さんの発達に関して気になることがある場合は、ぜひ相談してみてください。
参考:国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害者支援センター一覧
児童相談所
児童相談所では、お子さんがいる家庭が抱えるさまざまな問題について、高い専門性を用いて対応しています。状況に応じて医師や臨床心理士、保育士などの専門職が連携して、お子さんの福祉を守っています。
お子さんや育児について心配なことがある場合には、ぜひ相談してみてください。
医療機関
医療機関では、お子さんの発達障害の有無などについて検査や診断を受けることが可能です。
お子さんの癇癪や発達障害について医療機関を受診する場合は、専門性のある医療機関を受診しましょう。
発達障害の診療が可能な小児神経専門医の一覧がありますので、医療機関を探す場合には参考にご覧ください。
児童デイサービス
児童デイサービスでは、放課後や休日などの時間にさまざまな活動をとおして、お子さんの可能性をのばすための支援をしています。
この記事を掲載している大阪府のライズ児童デイサービスでは、365日お子さんの個々の状況に合わせてさまざまな活動を行っています。
苦手なことの克服など成長過程に応じた支援を行っていますので、ぜひ一度のぞいてみてください。
このように、癇癪や発達障害について相談する専門機関はたくさんあります。
ご家族だけで抱えこまずに、気になることがある場合には気軽に相談してみてください。
では、実際にお子さんの癇癪と向きあっている親御さんはどのような体験をされているのでしょうか。
お子さんの癇癪に向きあうの親御さんの声を紹介します。
お子さんの癇癪に向き合う親御さんの体験談
まずは、お子さんの癇癪に有効な対策を見つけたというツイートを紹介します。
続いて、癇癪をおこすことだけに注目せずお子さん全体受けとめている方のツイートを紹介します。
続いて、実際にお子さんの癇癪に対応している際の動画を紹介します。
このように、お子さんの状況にあわせてそのご家庭ならではの方法で癇癪に対処されています。
どんな方法にも共通しているのは、「お子さんの気持ちを切り替えること」です。
お子さんが癇癪をおこした場合は決して抑えつけたり怒鳴ったりせず、お子さんがうまく気持ちを切り替えられるように寄り添うことを意識しましょう。
まとめ
今回は、発達障害のお子さんがおこしやすい癇癪についてお伝えしました。
・「癇癪=発達障害」ではない
・癇癪への効果的な対処方法は「状況を変えて気をそらす」ことである
・癇癪をおこしたお子さんを決して怒ったり抑えつけたりしてはいけない
以上のことを頭に入れて、癇癪をおこしたお子さんに対して冷静に対応しましょう。
そして、お子さんの癇癪や発達について困ったことがある場合には、専門機関に気軽に相談しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。