皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害と吃音」についてです。
日常生活で言葉は欠かせないですよね。
言葉をうまく口に出せない「吃音(きつおん)」という症状に心当たりがあり、「発達障害ではないか?」と不安に思うお母さん・お父さんもおられるでしょう。
この記事では、発達障害と吃音の関係について紹介させて頂きます。お子さんが言葉につまづく原因を一緒に勉強していきましょう。
目次
発達障害の症状「吃音」
「吃音」は発達障害の症状のひとつです。もしお子さんが言葉をうまく話せない様子であれば、発達障害が原因である可能性もあります。
しかし、言葉がうまく話せないからといって、必ずしも発達障害であるとは限りません。吃音には他にも原因が考えられるので、「吃音=発達障害」とはいえないのです。
「吃音」は診断基準の1つ
吃音という症状は、発達障害を診断する基準に使われている「DSM」「ICD」のどちらのマニュアルにも記載されています。
発達障害を診断する時の基準として、吃音の症状があるかどうかがチェックされるのです。
- DSM:アメリカ精神医学会が作成
- 和訳は『精神障害の診断と統計マニュアル』
- ICD:世界保健機関WHOが作成
- 和訳は『国際疾病分類=疾病及び関連保健問題の国際統計分類』
支援の対象になっている
発達障害者支援法では、「吃音」も支援対象として定められています。
吃音の症状があると診断された場合、障害者手帳を取得でき、公的な支援を受けることができます。
発達性の吃音は改善することも
発達性の吃音は、70~80%ほどのお子さんは自然に改善するといわれています。
お子さんが上手く言葉を話せないと周囲の大人はつい焦りを感じてしまうと思いますが、まずはできることから初めてみましょう。
周囲にできること
周囲にできることは、「本人が焦らないで済む環境をつくる」ことです。下記の3つの工夫をためしてみて下さい。
- 指摘やアドバイスを避ける
- 難しい質問を避ける
- 楽しく話をする経験を増やす
工夫①:指摘やアドバイスを避ける
「話し方が変だ」「どうしてそんな風にしゃべるの?」と指摘されたり、「ゆっくり声を出してみなさい」などのアドバイスを受けると、お子さんはますます緊張してしまいます。
大人でも、緊張すると言葉が出にくくなってしまいますよね。ついお子さんのためを思ってアドバイスしてしまうと思いますが、そのことでお子さんが緊張してしまうようなら控えてみましょう。
工夫②:難しい質問を避ける
考えながら話すのは難しいものです。
一度にたくさん質問せずに、簡単な質問に分けてみるなどしてみて下さい。
工夫③:楽しく話をする経験を増やす
お子さんが話す内容の方に注目して、「それは楽しかったね」「良いことがあったね」と一緒に感情を共有していくと、お子さんも会話が楽しくなるでしょう。
楽しく会話をする経験が増えることで、お子さんも自信が持てるようになってきます。
そもそも、吃音ってどんな状態?
吃音には、下記の3つの特徴があります。
- 音を繰り返し発声する
- 音を引きのばして発音する
- 言葉が出ない
いずれも本人には「そうしよう」という意思があるわけではなく、真面目に一生懸命話そうとするのですが上手くいかないのです。
症状を知らない人から見ると「ふざけている」「わざと黙っている」ように感じられてしまい、対人関係でトラブルになってしまうことも少なくありません。
吃音の特徴①:音を繰り返し発声する
「え、え、えっと…」のように、話し始めの言葉がくり返し続いてしまう状態です。
吃音の特徴②:音を引きのばして発音する
「あーの」「こーれは」のように、言葉の一部の音が長く続いてしまう状態です。
吃音の特徴③:言葉が出ない
最初の一言目がなかなか出て来ず、周囲から見ると黙り込んでいるように感じられてしまう状態です。
「楽に話す機会」が減ると、症状が改善しにくくなる
「吃音」には段階があり、経験によって改善したり、かえって悪化してしまったりします。
最初は軽い「発音の繰り返し」でも、からかわれたり、叱られたりすることで話すこと自体に緊張するようになってしまい、次第に言葉が出にくくなっていくそうです。
お子さんが「上手く話せないこと」に不安や緊張をたくさん感じてしまわないように、周囲の人とも連携しながら、「会話は楽しい」「また話したい」という体験ができるようにしたいですね。
吃音の相談先
最初にお伝えしたように、お子さんに吃音の状態が見られても、それだけでは「発達障害」かどうかは断定できません。自然に治るものか、支援が必要なものなのかなど、程度にも個人によって違いがあるでしょう。
まずは、以下の専門家に相談してみて下さい。
- 発達障害者支援センター
- 住んでいる地域の放課後等デイサービス
- 住んでいる市区町村の保健センター
- かかりつけの小児科
まとめ
この記事では、「発達障害と吃音」をテーマにお伝えしました。お子さんに吃音の状態が見られると、お母さん・お父さんはとても心配されることでしょう。
- 指摘やアドバイスを避ける【工夫①】
- 難しい質問を避ける【工夫②】
- 楽しく話をする経験を増やす【工夫③】
周囲にできることを取り入れつつ、お子さんが会話を楽しめる上記のような工夫をしてみてはいかがでしょうか。また、吃音にはいくつかの要因がありますので、判断に迷ったら専門家にご相談下さいね。