皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報を皆さんと共有していきます!今回のテーマは『発達障害、くるくる回る』についてです。
そこで今回は、お子さんが「くるくる回る」動作をしていたとき、何に注目してどう判断したらよいのかを詳しくお伝えしていきます。
目次
発達障害?くるくる回る疑いの見分け方
「くるくる回る」にもいろんなパターンがあります。
- その場で自分を軸にして駒のように回る
- 円になった線路を走る電車のようにグルグル走り回る
- くるくる回る物をじっと見つめる
この3つとも、子どもの大好きな行動です。
心配しなくていい「くるくる回る」
それは、回転する物を見ることで得られる刺激を楽しんでいるときです。
- 子どもの気をそらすと、回転の動きを止められるときがある
- 回転した後に目が回っている(眼球が左右に揺れる「眼振」の様子が見られる)
- 飽きて興味が他へ移っていくとやらなくなる
視覚や体の感覚を楽しみながら発達を促す行動なので、心配しなくても大丈夫でしょう。無理に止める必要もありません。
障害が疑われるときの「くるくる回る」
それは、強いこだわりからくる行動になります。
発達障害のうちでも自閉スペクトラム症にみられる行動で、以下のうち複数の特徴が合わせて見られるときです。
- 常同行動がずっと続く(ぴょんぴょん飛ぶ、体を前後に揺する、行ったり来たり)
- 回転した後、目が回っていない(眼振が見られない)
- 気をそらしても止められないことが多い
- 社会的コミュニケーションの障害がある
- 発達に応じた対人関係に障害がある
参考:厚生労働省『e-ヘルスネット』
どうしてくるくる回るの?
子どもは基本的に回る物、回ることが大好きです!
くるくる回る理由
自分が回転することで視界が大きく変化し、体のバランスが変化するのを楽しんでいます。
回転することで三半規管が刺激されると、バランス能力だけでなく、落着き、集中力、感覚統合による指先の微細運動などの発達が促されるといわれています。
つまり、子どもたちは回転による三半規管への刺激がさまざまな発達にとって重要であると本能的に知っており、その本能に突き動かされて遊ぶ、と考えられるのです。
遊びと教育 ボーネルンドPLAYSCAPE
体のいろいろな感覚を連携させる練習でもあるんですね。
回転する遊具やくるくる回るのを楽しむおもちゃが多いのにはこんな理由があるのでしょう。
自閉スペクトラム障害の子どもの場合
自閉スペクトラム症のお子さんの場合、気に入った行動を強いこだわりをもって繰り返す傾向があります。
単に回転を楽しんでいるときもありますが、不安な気持ちを落ち着けるために行動している場合もあるのです。
気持ちを落ち着けるために行っている場合、無理やり止めるとことでパニックを起こすことも。気をそらすことで行動を止めることが出来ないのが難しいところです。
なにかに没頭しているときや、興奮しているとき、ストレスを感じたり疲れたりしているときなどによく起こります。逆に、退屈なときに起こりやすいこともあります。
ハートクリニック こころのはなし
自閉スペクトラムの方が子どもの頃の「くるくる回る」行動について語っている動画です。
ご自信が子どもの頃にくるくる回っていた時の気持ちを分かりやすく説明してくれていますね。
対応の仕方は
もし、あなたのお子さんに発達障害が心配される特徴がみられたらどうしたらいいのでしょう
「くるくる」してるときの対応
本人が楽しんでいるときは、危険が無ければやらせてあげましょう。
しかし、度を越していたり危険な時は止めなければいけません。そんな時は叱るのではなく、遊びの一つとして止まれるように誘導していきます。
- カウントダウンをして「捕まえた!」
- くすぐる真似をしてだんだん近づいてコチョコチョコチョ!
無理に止めずに安心できる環境を作ってあげましょう。お子さんにとって止まりやすい方法を見つけられるといいですね。
発達障害の特徴が確認されたら
もし、複数の特徴が同時に見られたなら、専門家に相談をしてください。
自分でいろいろ調べていると、悪い方に考えて心が参ってしまいます。
相談の出来るところ:市町村の保健福祉センター、子育て支援センター、児童相談所
参考:厚生労働省『地域にある相談機関「みんなのメンタルヘルス」』
くるくる回るのって楽しい
子どもはくるくる回るのが大好き!楽しくてキャッキャと笑いながら回っていることもあるでしょう。
歩き始めたお子さんが嬉しそうにくるくる回っている様子はとても可愛いですよね。どこかで障害について指摘されたり目にした瞬間から、その可愛い行動は不安でしかなくなってしまいます。
せっかく子どもたちが楽しんでいるのに不安になってしまうことへのお母さんの疑問が分かりますね。目の前のお子さんの様子を冷静に観察しながら、出来るようになったことを喜んであげましょう。
自閉症の特徴がしっかり現れてくるのは、コミュニケーションが取れるようになったころからです。くるくる回ると同じように、発達障害の特徴と言われやすい「つま先歩き」についての記事もぜひ参考にしてください。
まとめ
この記事では「くるくる回る」行動について、その理由と発達障害を判断する基準を解説しました。くるくる回る行動が発達障害かどうか見分けるポイントは次の5つ。
- 気持ちをそらすと動作を止められるか
- 回転したあと目が回っているか
- 興味が他へ移らずにずっとやっているのか
- この他にも複数の反復運動があるか
- 発達に応じた対人関係に問題があるか
本来、子どもの行動一つを切り取ってそこから何の障害なのかを探すものではありません。生活に何か困りごとがあったときに探っていくものです。
診断も複数の専門家がいろいろなデータをもとに総合して判断します。1つの行動だけで安易に「くるくる回るから障害」と決めつけないでください。