皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害乱暴」についてです。

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小野田
お子さんが怒鳴ったり、手を出したりするなど、乱暴な行動を取ると「わが子は発達障害ではないか」と不安になってしまいますよね。
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都築
このままだと、「問題児」だと噂になり、学校や地域から孤立してしまうかも・・と考えると、なんとかして解決したい問題です。

 「本当はみんなと仲良くしたいんだけど、つい手がでてしまう」

今回はこのようなお子さんの気持ちに寄り添いながら、怒りの感情とうまく付き合っていくための「アンガーマネージメント」を紹介します!

発達障害の乱暴な子供が怒りをコントロールできる方法

お子さんの問題行動で悩んでいる、発達障害を疑うといった場合は、出来るだけ早めに専門機関に相談することが大切です。一人で悩まず、まずは電話しましょう。発達障害の電話相談窓口は、以下の記事で確認できます!

しかし、発達相談の件数は年々増加しています。そのため、電話しても相談できるまで何か月もかかる可能性もあります。大都市では、相談できるまで半年待ち、初回の相談から療育のプログラムが始まるまでさらに1年ほどかかる例も珍しくありません。

支援が始まるまで様子を見ていたのでは、その間にお子さんがトラブルを重ねてストレスをため込み、問題がより深刻になる可能性もあります。

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小野田
次からは、家庭でもできる怒りのコントロールの方法「アンガーマネージメント」をお伝えしていきます。お子さんの個性に合わせて取り組める内容なので、おすすめです。

「アンガーマネージメント」とは

「アンガーマネージメント」とは、怒りをコントロールするための手法です。この方法は、1970年代にアメリカで生まれました。

この手法の中で注目すべきなのは、「怒ること」そのものは否定しないという点です。怒らないように努力するのではなく、自分の怒りの感情に向き合い、それとうまく付き合っていくためのメソッドなのです。

どうしてもお子さんに腹が立ってしまうあなたにも効果的

この方法はお子さんにはもちろん、子育て中のあなたにも大変効果があります。

「早く起きなさい」「宿題はやったの」「どうしてできないの!」

朝から晩まで叱ってもなだめてもいうことを聞いてくれないわが子にイライラし、疲れ果てる毎日。あなたが怒りを爆発させればさせるほど、お子さんのほうも反抗的になり、親子げんかもどんどんヒートアップしていきますよね。

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橋口
あなた自身の怒りにも、この方法をぜひ活用してみてください。

怒りの感情はどこから湧いてくるのか

そもそも、人はなぜ怒るのでしょうか。

あなた自身が腹が立った経験を想像してみてください。「なぜ怒ったのか」と問われると「〇〇さんが丁寧に対応してくれなかった」などと、他人のせいだと考えるでしょう。

しかし、怒りの原因は、あなたの心の中にあるのです。あなたが大切にしている思いや期待が裏切られた時、すなわち「こうあるべきだというゆずれない価値観」を裏切られたときに、怒りは生み出されるのです。

「時間は守るべき」

「約束は守るべき」

「嘘をついてはいけない」

このような価値観は、人が育ってきた環境やその人の性格によってそれぞれ違います。

お子さんがものごとに対してどのような考えを持っているのかをよく観察しましょう。そして、「違う考え方の人もいるんだよ」ということについても、認め合っていくことが大切です。

時間はかかりますが、絵本や物語を一緒に読むことなどを通じて、お子さんとゆっくり話し合ってみるのもよいかもしれません。

怒りやイライラの本当の原因は心の奥底にある

怒りとはとてもエネルギーを使う感情であり、「二次感情」と呼ばれます。

「二次感情」の奥底には、「一次感情」と呼ばれる、私たちが本来持っている感情が潜んでいます。

「悲しい」「寂しい」「苦しい」「辛い」

お子さんの怒りやイライラの裏側にある、このようなネガティブな思いに注目しましょう。

声かけの例

お子さんが「〇〇君が勝手におもちゃを使った」と訴えたとしましょう。

「勝手におもちゃを使われてどんな気持ちだったかな」と問いかけると、「何も言わずに持っていかれて悲しかった」「おもちゃを取られたせいで自分の遊びをやめるのが嫌だった」などと、腹が立った本当の理由を導き出すことが出来ます。

お子さんと一緒に、腹が立った時の気持ちについて話し合うことを通して、お子さん自身も自分の本当の気持ちや、相手に本当に伝えたかったことに気づくことが出来るようになっていきます。

また、お子さんが自信をなくし、自己肯定感が下がっていた場合、ささいな出来事でも「無視されて悲しい」などと反応してしまい、怒りを爆発させているということも考えられます。

今日からでも出来る!お子さんの怒りをコントロールする方法

1.ゆっくり6まで数える

怒りのピークは6秒だと言われています。ですので、6秒以内に怒りに反応すると、「相手を叩く」「言ってはいけない暴言を吐く」といった乱暴な行動になってしまうのです。

反対に6秒経つと状況について冷静に判断することが出来ます。

声かけの例

お子さんに「腹が立ったら、1,2,3,4,5,6と数えてみよう」などと声をかけてみましょう。腹が立っているときに数を数えるのは大人でも難しいかもしれません。そういった場合は、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」など、お子さんの好きな呪文を決めておくのもよいですね。

2.怒りを点数であらわす

家庭の中でお子さんがイライラしたとき、または学校で腹が立つことがあったときなどに、怒りを点数にしてみましょう。

今までで一番許せない怒りは10点、冷静な時は0点として、「さっきの怒りは何点だったかな」と問いかけてみるのです。

声かけの例

「4点」とお子さんが答えたら、「この間、〇〇君に腹が立った時は7点だったよね。あの時ほどは嫌じゃなかったのかな?」などと話し合ってみましょう。すると、お子さん自身が自分の怒りがどれほどのレベルであるのかを比較し、客観的に考えられるようになります。

「この前よりはましだった」「これは本当に許せない」などとお子さんが自分自身の感情を評価していくことによって、徐々に怒りをコントロールできるようになっていくでしょう。

3.その場から離れる

6まで数えても怒りがおさまらない場合は、いったんその場から離れるように声をかけましょう。

お子さんが怒りを爆発させる前に別の部屋に移動したり、外に出て深呼吸したりすると気持ちが落ち着き、自分の思いに対して冷静に向き合うことが出来ます。

子供が乱暴してしまう原因となる発達障害の種類

ここでは発達障害のタイプ別に、子供が乱暴してしまう原因について説明していきます。

発達障害の種類と特徴については、以下のページで確認しておきましょう。


ADHD(注意欠陥多動性障害)

ADHDのお子さんは、注意欠陥、多動性、衝動性という特徴を持っています。感情のコントロールが苦手なため、すぐに怒り出したり、腹が立つととっさに相手を叩いてしまったりします。
また、ADHDのお子さんが乱暴するのは、怒った時だけではありません。ADHDには、新しいこと、珍しいこと、面白いことなどに熱狂し、興奮しやすいという特徴があります。友達にちょっかいを出し、反応が面白いとふざけて何度も繰り返し、エスカレートして強く叩いたりするなどの暴力につながってしまうこともあるのです。

ADHDの事例

小学生のA君とB君は、明るくて好奇心旺盛な兄弟です。しかし、しばしば激しい兄弟喧嘩をするので、困り果てたご両親が相談に来られました。ゲーム機の取り合いなどからすぐに殴ったり蹴ったりの暴力になります。また、兄が勉強している弟をつついたりしてからかっているのが、冗談がいつの間にか本気の喧嘩になり、取っ組み合いを始めたりしてしまいます。

ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)

ASDのお子さんは、他人とコミュニケーションを取るのが苦手、こだわりが強い、感覚が過敏もしくは鈍いといった特徴を持っています。

人の感情を読み取るのが苦手なため、相手が急に近づいてきたりすると、不安感から大きな声を上げたり、押したりすることがあります。また、こだわりが強いため、相手に自分のペースを乱されると不快感を覚え、暴力や暴言につながってしまいます。

ASDの事例

7歳のCちゃんは、一人で没頭して絵を描くことが多い女の子です。友達と遊ぶことも好きですが、突然叫んだり、怒り出したりし、友達が困惑する場面が見られます。よく観察すると、道具の並べ方や使う順序にこだわりを持っていて、勝手に使われることに抵抗を感じるようです。また、感覚が過敏で、肩を軽く叩かれただけでびっくりして暴力を受けたと感じ、やり返してしまったりします。

子供が成長するためには自己肯定感が大切

ここまで、子供の乱暴につながる発達障害の特徴について説明しました。

しかし、発達検査をしても、どの発達障害の特徴にも当てはまらないけれど生きづらさを抱えている「グレーゾーン」のお子さんがとても増えています。


発達障害だと診断されてもそうでなかったとしても、大切な人の支えがなくては人は生きていけません。

人が成長するために一番大切なこと

どのお子さんにとっても大事なことは「自己肯定感」です。

周りとのトラブルが多いお子さんの心には、「お友だちとうまくいかなかった」という失敗の体験がどんどんと蓄積されていきます。

すぐに手が出てしまうお子さんは、叱られたり、嫌がられたりする体験を何度も重ねるうちに自分に対しての自信をなくしていきます。気づいていないように見えますが、周りの冷たい視線にもとても敏感です。

その結果、お友達の悪気のない言葉やふるまいに対しても「嫌われた」「疎外された」と感じ、過剰に反応してしまうのです。

子供の自信を育てるためには周りの人の協力が不可欠

悪循環を断ち切るためには、小さな成功体験を少しずつでも重ねることが大切です。子供は周りの人から承認を得ることで自信をつけ、成長していくものです。

乱暴などの問題行動を改善するためには園や学校との連携が不可欠です。担任とこまめに連絡を取り、困ったことは何でも相談できる関係を作っておきましょう。

そのままの個性を認めよう

ここまで、お子さんの怒りを鎮める方法をお伝えしてきましたが、強制するのは禁物です。トラブルが起きても焦らず、まずはお子さんの気持ちを尊重することも大切。

「そのままのあなたが大好きだよ」といつもメッセージを伝え、家庭はお子さんにとって一番安心できる「安全地帯」にしたいものです。

まとめ

お子さんがすぐに怒り出し、友達に乱暴してしまう。

宿題などをするように声をかけると逆上し、暴言を吐く。

このようなお子さんの行動は発達障害が原因かもしれません。発達障害の特徴に思い当たることがあれば、早めに専門機関に相談しましょう。

また、園や学校での様子は見えづらいものです。

日ごろから家庭で「アンガーマネージメント」に取り組み、お子さんが一人でも怒りをコントロールできるように支援していくとよいでしょう。

最後まで読んでくださってありがとうございました。