皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「なぜ発達障害になるのか」についてです。

近年、大人の発達障害など「発達障害」について、多くのメディアでも取り上げられるようになりました。発達障害と言う言葉を聞いたことがない人の方が少ない程、世の中に広く知れ渡っているのではないでしょうか。

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橋口
発達障害と言う言葉は聞いたことがあるけど…。どうして発達障害になるの?
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都築
発達障害を持って生まれるのは親の責任なの?
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小野田
なぜ発達障害になるのか、知らない人が多いのでは?
今回はその原因に注目していきましょう。

なぜ発達障害になるの?

発達障害は生まれつき脳に機能障害があることが原因とされています。脳に機能障害があることで、発達に偏りが出ます。なぜ脳に機能障害が起こるかは、まだ解明されていません。多くの研究がされている中、原因には遺伝的要因と環境的要因があると言われています。

遺伝的要因

妊娠後、受精卵が成長していく過程で遺伝子や染色体に異常が起こることです。

発達障害の親から発達障害の子が生まれるのか、研究はされています。中には可能性があるとする研究結果もあります。しかし、学校で習った「メンデルの法則」のように親から子へ単純に遺伝する訳ではなく、やはり様々な要因が複雑に影響し合っているようです。

環境的要因

妊娠から出産までの母体の状況、置かれた環境から受ける要因のことです。可能性があるとされているものを、以下に挙げます。

  • 妊娠中の飲酒や喫煙
  • 妊娠中の感染症や薬物(抗てんかん薬・精神安定薬の一部の成分)
  • 妊娠中の合併症(糖尿病や高血圧など)
  • 妊娠中に母親が受けるストレス
  • 妊婦本人又はパートナーが高齢
  • 低体重や早産での出産
  • 化学物質(有機リン酸系の農薬や大気汚染)

2つの要因が複雑に関係し合い、発達障害が発症すると考えられています。発達障害の症状の現れ方はとにかく多彩であるため、ほとんどの場合、原因をはっきりと結論付けることは難しいようです。

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橋口
たくさんの原因が複雑に関係し合っているのか…
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都築
妊娠中に気を付けられる原因もありますね。

親御さんができる妊娠中の配慮

上記に発達障害になる原因を挙げました。この中には妊婦さん自身が配慮し、影響を回避できるものもあります。妊娠中の飲酒や喫煙、服薬などは妊婦さん自らが注意をし、防ぐことができます。また、決められた妊婦健診をきちんと受けることで、糖尿病や高血圧などの症状に気付けます。妊娠中にストレスを溜め過ぎないことも大事でしょう。

親御さん(特に妊婦さん)ができる限りの配慮をしても、お子さんが発達障害になる可能性はあります。しかし妊娠中にそれらの配慮が出来なかった、又は足らなかったとしても、必ず発達障害になる訳ではありません。

一方で、昔は「親のしつけの問題」「親の愛情不足」などと言われていたこともありますが、現在では医学的に否定されています。厚生労働省でも、発達障害は生まれつきの特性と発表されています。

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小野田
親御さんの育て方や接し方が原因で発達障害になることはありません。

そもそも発達障害とは

発達障害とは、生まれつき脳の機能に障害があり、言葉の遅れやコミュニケーションの取りづらさ、落ち着きがない、集団行動が苦手など日常生活で様々な問題を抱えている状態のことです。大きく分けると自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠陥多動症(ADHD)、学習障害(LD)に分けられます。

【自閉スペクトラム(ASD)】

3歳くらいまでに表れる。コミュニケーションが苦手、言葉の発達の遅れ、興味関心が狭く特定のものにこだわる。

【注意欠陥多動症(ADHD)】

注意力が散漫、衝動的・多動的で落ち着きがない。学校生活で支障をきたす場合が多い。

【学習障害(LD)】

聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する能力のうち特定のものが極端に苦手


参照:厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス総合サイト

発達障害は治るの?

残念ながら、発達障害は治らないとされています。脳の機能障害である以上、現在の医学では難しいようです。しかし、早期発見早期治療(療育)により、症状を改善することはできます。

いつ発達障害だと分かるの?

赤ちゃんの成長・発達は個人差が大きく、周りの子と比較して一喜一憂してしまう親御さんは多いでしょう。よって、乳児期に発達障害と診断することはできません。一般的には、早くても3歳くらいから発達障害だと診断ができると言われています。

出産後、お住まいの市町村から乳児健診のお知らせが届くため、多くの親御さんはお子さんに健診を受けさせているのではないでしょうか。3歳頃までは自治体での健診があるため、そこで発達障害に気付く場合も多いようです。

現在は発達障害の知名度も上がり、ネットを利用すれば簡単に情報が手に入ります。発達障害に関する情報も膨大にありますので、「何かおかしいな」と気付く親御さんもいらっしゃいます。しかしネット上の情報を鵜呑みにせず、必ず専門家に相談しましょう。自治体には保健センターや子育て支援センターなど、無料で相談ができる機関もありますので、同時に検索してみると良いでしょう。

子供が発達障害と分かったら

子供が発達障害であることが分かったら、お住まいの自治体にある保健センターや子育て支援センター、役所の子育て支援課などへ相談に行きましょう。お子さんが既に幼稚園や保育園に通っている場合、先生に相談するのも手です。

もし医療機関を受診することになったら、母子手帳、健康保険証を持っていきましょう。母子手帳には分娩時や乳幼児健診の結果が記載されているので、お子さんの生育歴が分かります。発達障害の診断には保険が適用されますので、必ずお子さんの保険証を持参しましょう。更に育児日記や日頃のきになる点をメモして持っていくと診療の助けになります。

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最後に

発達障害になる原因として、遺伝的要因と環境的要因があるとされています。未解決な部分も多いですが、研究は日々進んでいます。

親御さんの中には自分のせいで我が子が発達障害になってしまったのではと思い悩む人がいるでしょう。しかし、親の育て方や愛情不足などの、子供が受ける心の問題から発達障害に至ることは無いと医学的に否定されています。親の育て方、接し方が原因になる可能性はありません。

一方で、発達障害は治らないことも医学的に分かっています。脳の機能障害であるため、現在の医学では治せません。しかし、発達障害を持つ子供に対し、将来の自立と社会参加を支援する療育を受けることができます。この療育を受けることで、お子さんだけでなく、親御さんのストレス軽減も期待できます。

医学は日進月歩で、今後も少しずつ発達障害のことが解明されていくでしょう。それに伴い、国・自治体の支援や療育内容も更に充実していくのではないでしょうか。障害の有無に関わらず、誰もが生きやすい世の中になっていくことを願うばかりです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。