皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「子育て 適応障害」についてです。

適応障害を知っていますか?芸能人が自身の適応障害を公表したり、メディアでも取り上げられたりと、耳にする機会が増えたのではないでしょうか。

この記事をお読みいただくと、子育てと適応障害の関連が分かり、もしも発症してしまった場合の対処方法などが分かります。適応障害は放っておくと更に深刻な心の病気にもなりかねません。

それでは、説明していきます。

適応障害とは

ある特定の状況や出来事がストレスとなって情緒面や行動面で症状が引き起こされ、社会生活に支障をきたしている状態。精神疾患の一つ。

引用元:weblio デジタル大辞泉

結婚や転職など、環境が大きく変わった時だけでなく、日常生活の些細なことの積み重ねでも発症することがあります。

特に女性の場合、出産は人生の一大イベントです。良くも悪くも大きなストレスを受けることになります。更に出産して終わりではなく、そこからが子育てのスタートになります。

思い通りにならないことの連続、疲労や不安を抱える毎日が育児の現実です。

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橋口
まさに発症しやすい状況ですね。
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小野田
更に詳しく学んでいきましょう。

症状

必ずこの症状が見られるという決まりはありません。本人が強い苦痛を感じ、生活に支障を来す心身の変調は、全て適応障害の症状と言えます。

多く見られる症状をいくつか紹介します。

心の不調不眠、不安、気分の落ち込み、イライラなど
体の不調倦怠感、疲労感、動悸、吐き気、便秘、眩暈など
情緒面家事や育児に集中できない、考えがまとまらない、ボーッとしてしまう、
物忘れがひどくなるなど
行動面口論が増える、家族と話をしなくなる、暴飲暴食する、タバコが増えるなど

原因

強いストレスを感じることが原因となります。同じ出来事でも発症する人としない人がいるため、その人の性格や置かれている環境なども影響していると言われています。

原因が明確であることが、診断する上で重要になります。

治療方法

環境調整

原因が明確であるため、ストレス源から離れたり、取り除いたりすると軽快すると言われています。しかし、子育てが原因となっている場合、簡単に離れたり取り除いたりすることはほぼ不可能でしょう。

まずは現状を冷静に見つめ、何がどうストレスになっているか、理解する必要があります。そして、現状で改善できそうなことから取り組みます。

ストレスコントロール

適応障害を発症するということは、自分の理想と現実とのギャップが大きく、強いストレスがかかっている状態と言えます。我が子への愛情や、周りの家庭と比較して理想が過度に高くなっている可能性は大いにあります。

自分が思い描いている理想は妥当なのか、客観的に整理する必要があります。

休養

育児中は睡眠不足や慢性疲労はつきものです。しかし、体の不調は心にも不調を及ぼします

育児中はなかなか休養を取るのが難しいですが、家族の手助けや一時保育などのサービスを利用して、休める時間を確保しましょう。

薬物療法

心身の不調が強く出ている時は、冷静な判断をすることは難しいでしょう。薬に対し、抵抗感を持つ人いますが、適切に使用すれば心身に悪い影響は殆どありません

薬でつらい症状を和らげ心身を整えると物事のとらえ方が変わったり、現実的な問題に向き合いやすくなったりします。

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小野田
とにかくイライラや不満を溜め込まず、助けを求めることが重要です。

似ているけど違う心の病気

症状が似ている心の病気はいくつかあります。

うつ病

精神、身体的ストレスなどが原因で、脳がうまく機能しなくなっている状態です。以下の表に示したような症状が、一定期間以上継続する場合を指します。ストレスが引き金になると言われていますが、厚労省では原因が正確には分かっていないとされています。

精神症状気分が落ち込む、過度に自分を責める、何もする気が起きない、
興味が失せる、考えがまとまらないなど
身体症状食欲低下、体重減少、性欲低下、不眠や早朝覚醒など

症状は似ていますが、適応障害との違いは長期間継続すること、原因がはっきりしていないことです。

育児ノイローゼ

育児によるストレスの影響で、精神的に不安定になっている状態を指します。

ノイローゼとは一般的に精神的な不調全般に使われています。正式な病名ではありません。

産後うつ

うつ病の中でも、出産が引き金となり発症した場合を指します。産後3ヶ月以内に発症することが多く、産婦の10%が経験すると言われています。症状は2週間以上継続し、改善が難しいようです。

うつ病の既往があったり、マタニティーブルーズを経験したりした女性は注意が必要です。

妊娠、出産は女性のホルモン分泌が大きく変動し、バランスが崩れやすい状況にあります。うつ病はホルモンバランスの乱れでも起こりやすくなりますが、産後うつはパートナーのサポートなど育児環境も大きく影響します。

参考:公益社団法人 日本産婦人科医会 産後うつについて教えてください

マタニティーブルーズ

産後数日から2週間程度の間に軽度の精神症状が出現することです。多くはイライラしたり、急に涙が止まらなくなったり、憂鬱、情緒不安定になることがあります。
多くは一過性であり10日程度で治まりますが、中には長引いて産後うつに移行してしまう場合もあります。
参考:公益社団法人 日本産婦人科医会 マタニティーブルーズについて教えてください

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橋口
出産・育児って、こんなに負担が大きいんだ…
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都築
「産後クライシス」という言葉も流行りましたよね。
産後クライシス

心の病気ではありませんが、適応障害とは関連があります。
出産を機に夫婦の関係が急に悪化する状態を指します。家族が増えたことで、絆が深まりそうですが、出産・育児は想像以上にハードです。パートナーの育児参加や考え方、その他些細なことでパートナーにイライラしたり、気持ちが冷めたりと愛情の変化が起こります。
出産直後の夫婦に多く起こる現象とされており、夫婦仲の改善対策がなされていないと、家庭が壊れる可能性もあります。
参考:はぐふる 産後クライシス とは?産後クライシス を予防するためのパートナーシップについて

発達障害との関連

自分の理想と現実とのギャップが大きく、強いストレスがかかっている状態が適応障害になる原因であることは前述しました。家族に、又は自分が発達障害の場合を考えてみましょう。

お子さんが発達障害の場合

発達障害は種類によって様々な特性があり、お子さんは育児書通りの発達をしません。コミュニケーションの取りづらさや落ち着きのなさ、こだわりの強さなどで手を焼くことが多いでしょう。

定型発達の子と比較して、いつまで経ってもできるようにならない自分の子供に、苛立ちや不安を覚えることも多々あります。

これらは理想の育児と現実に大きなギャップがあると言えるでしょう。

更に発達障害のお子さんを育てるパパママの困り事に、周りに理解者がいない、偏見の目があることもよく挙げられます。気持ちを共感できない、きちんと理解してもらえない環境も大きなストレスとなります。

自分が発達障害の場合

相手の気持ちや空気が読めない、他者への関心が薄いところがあり、子供の気持ちを汲んだり、表情や泣き声から要求を判断したりすることが難しいでしょう。

社会のルールや暗黙の了解を理解することも難しく、ママ友関係で苦労することも考えられます。子供への教育・しつけにも影響があるかもしれません。

注意散漫なところがあると、子供の危機回避が遅れる可能性があります。忘れっぽいところがあると、育児中の山ほどあるタスクが中途半端になってしまうことが考えられます。

育児が上手くいかないことが、精神面への大きな負担になります

パートナーが発達障害の場合

育児は重労働であるため、夫婦での協力は必須となります。

協力するには役割分担や日々の対話が必要不可欠です。しかしパートナーが発達障害の場合、社会性やコミュニケーションに問題があったり、優先順位がつけられなかったりと問題が生じてくるでしょう。

冷静にパートナーの特性を見極めていないと、高望みしてしまったり、無理なことを押し付けてしまったりしてしまいます。自分が求めるクオリティまで到達していないためイライラする、これも理想の育児と現実に大きなギャップがある状態です。

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橋口
発達障害があると、より一層ストレスを感じやすそうですね。

もしも発症してしまったら

治療方法でも紹介しましたが、環境調整やストレスコントロールなどを試みる必要があります。それには家族の理解が大切です。

声掛けの仕方

適応障害を起こした人への声掛けで、良い例と悪い例を紹介します。

NG・今後のこと問う:「いつまで休むの?」「これからどうするの?」
・体調について言及する:「結構元気そうじゃん」「病気には見えないね」
・周囲と比較する:「育児がキツイのはみんな一緒」「もっとつらい人がいるよ」
OK理解を示す:「いつでも話を聞くよ」「できる限りサポートするからね」
行動を認める:「心配しないでゆっくり休んでね」「よく頑張ったね」

NGのような声掛けは更に精神的に追い詰めてしまいます。見た目からは分かりにくいですが、本人しか分からないつらさがあります。

つらく苦しい時こそ、人から理解されることが嬉しくなります。最も近い存在である家族から理解が得られることは、早期回復に繋がります。否定せず、焦らせず、受け入れる姿勢が重要です。

接し方

次に接し方について、良い例と悪い例を紹介します。

NG・過剰に心配する
・無理強いをする
OK・いつも通り接する
・見守り、寄り添う

とにかく優しくされたり、何でもかんでもサポートされたりすると、無力感や申し訳なさを感じてしまうそうです。症状が重いと、起き上がることや食事を摂ることさえつらい状態の時もあります。

過干渉や無理強いは、症状を悪化させる可能性があります。

なるべく普段通りの声掛けを本人のペースを優先した姿勢でいることが良いでしょう。もどかしく、イライラしてしまうこともありますが、見守り、寄り添うことが大事になります。

まとめ

  • 適応障害はストレスが原因で発症するが、そのストレス源は明確である。
  • 他にも似た症状の精神疾患がある。
  • 育児中は適応障害になりやすい状況である。
  • 発達障害と適応障害は関連がある。
  • 適応障害になってしまった場合、家族の理解が必要不可欠。

育児中は適応障害になりやすい環境であり、家族や自分に発達障害があると、更にその状況に陥りやすいことを紹介しました。

日頃から家族のコミュニケーションを大事にすると、未然に防げたり、早期発見に繋がったりします。もしも心身の不調が続くようであれば、抱え込まず、すぐに医療期間などで相談をしましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。