皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害 コミュニケーション」についてです。
発達障害の子どもとのコミュニケーションが、なんだか噛み合っていないなと感じることはありませんか?
子どもが指示した内容とは違った行動をとったり、何気ない会話から思わぬ返答が返ってきたりする経験のある方も少なくないでしょう。
コミュニケーションのずれを感じたままにしていると、私たち子育てする側としてはストレスを蓄積していくことになります。
本記事では、こういった発達障害の子どもとコミュニケーションの疑問についてお答えしていきます。
目次
発達障害の子どもがコミュニケーションが苦手な理由!
子どもとのコミュニケーションのずれに、頭を抱えている方も多いのではないでしょうか。
発達障害の子どもがコミュニケーションを苦手としている理由は、自閉症スペクトラム障害や学習障害による影響が考えられます。
発達障害を構成している障害は以下の3つになります。
- 自閉症スペクトラム障害(ASD)
- 注意欠如・多動障害(ADHD)
- 学習障害(LD)
各障害について解説している記事もありますので、さらに詳しく知りたい方はあわせてご覧ください!
中でも、自閉症スペクトラム障害と学習障害は、対人関係でのコミュニケーションに影響が出てくる障害です。
それぞれの障害について詳しく見ていきましょう。
自閉症スペクトラム障害の場合
自閉症スペクトラム障害は、人との関わり合いや本人が強いこだわりを持つといった特性が見られる障害です。
自閉症スペクトラム障害を持つ子どものコミュニケーションは、キャッチボールに例えるとわかりやすいです。
- 投げても相手に届かない・・・相手に自分の意図が伝わらない
- 相手とは違った方向に言葉が飛んでいく・・・的外れなことを言ってしまう
- 相手の言葉をうまくキャッチできない・・・相手の言葉の意図がわからない
- キャッチしても投げ返すことができない・・・相手の言葉の意図を読み取って、自分の言葉を話す
こうしたコミュニケーションの困難さ、コミュニケーションに違和感があるなと感じた場合は、自閉症スペクトラム障害の特性によるものと考えることができます。
学習障害の場合
学習障害は、読み書き障害と算数障害の2つからなります。
こちらの障害は、コミュニケーションとはどういった関係性があるのでしょうか。
人とのコミュニケーションを取る手段は何も言葉を発したり、聞いたりするだけではありませんよね。言葉を文字として書き記し、相手に伝えることもあります。
読み書き障害がある場合は文字通り、読むことを苦手としているため、書かれている内容が理解できないことがあります。
そのため、手紙やメッセージツールなどの文章のやり取りは困難な場合が多いでしょう。
それぞれの特性から見る!コミュニケーションに悩む原因!
発達障害の中でも、自閉症スペクトラム障害と学習障害がコミュニケーションを苦手とする障害ということをお伝えしました。
ここでは、これらの障害による困りごとをもう少し深掘りして見ていきましょう。
自閉症スペクトラム障害の場合
身振りや表情などのを読み取れない
私たちは普段会話をする際、言葉だけでやりとりするのではなく、ジェスチャーや表情などで相手に伝えようとします。このジェスチャーや表情などのことを、非言語コミュニケーションと呼びます。
自閉症スペクトラム障害の子どもは、この非言語コミュニケーションを読み取ることに困難を感じることが多いです。
例えば、相手から笑いながら冗談を言われても、言われた内容だけをそのまま言葉通りに受け取ってしまうことがあります。
そのため、相手とトラブルに発展してしまうケースも考えられるでしょう。
言葉の受け取り方に問題がある
私たちが発する言葉には、本来その言葉が持つ意味あいで使われることが多いですが、違った意味で使われる言葉も多くあります。
例えば、「まっすぐ帰ろう」の「まっすぐ」
文章的な意味合いからすれば、「寄り道をしない」ということになります。本来の意味であれば、「直線や曲がっていないさま」を表す言葉ですよね。
自閉症スペクトラム障害の子どもは、言葉が本来持つ意味でしか捉えられない場合があります。先程の例で言うと、「まっすぐ帰ろう」と言われた時、「家には曲がらないと帰れない」と考えてしまうのです。
他にも、「水に流す」「胸がいっぱい」などの慣用句、「あれ、これ、それ」などの代名詞の理解も苦手なことがあります。
相手の感情を読み取れない
相手の感情を想像できずに不適切な発言をしてしまうことがあります。
自閉症スペクトラム障害の子どもは、「自分がこんなことを言ったら、相手はどう感じるだろう」といった相手の気持ちを想像することを苦手としています。
例えば、相手が嫌がる行動や発言を繰り返したりすることで、相手を怒らせてしまうことがあります。
その結果、喧嘩などのトラブルの元になってしまうのです。
感情表現が困難
自分の中にある感情を言葉にして表現することを苦手としています。
例えば、自分の中で悲しい感情がいっぱいに広がっている時。このような時は、「悲しい、切ない」といった言葉が思い浮かびますが、自閉症スペクトラム障害の子どもは感情に合った言葉を選びきれません。
そのため、どんな感情が湧いたとしても、全て一定の言葉を用いて自分の感情を伝えようとすることも。
結果、周囲も子どもが何を考えているのかがわからないという状況になってしまいます。
学習障害の場合
「読む、書く、聞く、話す」などに困難が生じてくる学習障害の子どもは、自分が苦手と思っている伝達方法を使われると話の内容をしっかり理解することができない場合があります。
例えば、学校ではよくプリントが配られることがありますよね。読むことが困難な子どもは、プリントに目を通しても内容が理解できなかったり、読むことに時間がかかり、内容の理解が遅くなってしまったりすることもあります。
こういった子どもには、文章で伝えることは得策とは言えません。
また、学習障害においても自閉症スペクトラム障害同様、非言語コミュニケーションの理解や相手の言葉を受け取ることに困難があるといった「社会性の困難」を併せ持っている場合もあります。
こちらの動画でも、発達障害の子どもがコミュニケーションを苦手とする理由について、親の目線から解説しています。
子どもとのコミュニケーションを円滑にする対策方法は?
障害の特性からくるコミュニケーションの困難はどうしようもないことなのでしょうか。
いいえ、私たちにまだできることは残っています。
ここからは、子どもとのコミュニケーションを円滑にする対策方法を紹介します。
具体的に話すことを意識してみよう
コミュニケーションを困難としている子どもは、曖昧な表現や遠回しな表現は理解できません。そのため、シンプルにかつ具体的に話すことが大切になってきます。
例えば、子どもが水道水を出しっぱなしにしている時。こんな時は「水を出しっぱなしにしないで!」と声を荒げてしまいそうになりますが、グッと堪えて「蛇口をひねって水を止めましょう」と促します。
具体的に話すことで「ここをひねれば水が止まるんだ」と子どもは理解し、水を止めるという行動に移してもらえます。
長文で話すことをやめる
具体的に話すことは大切ですが、伝える内容が多すぎると子どもは、「あれ?なんの話だっけ?」と混乱してしまいます。
最初に話した内容はすでに頭の中にはなく、話終える頃の内容しか覚えていないこともあります。長文で話すことをやめるようにしてみましょう。
特に何か子どもにやってもらいたいことがあるときは、簡潔に話すことを目標にしてみましょう。
図やイラストなどで説明する
発達障害の子どもの中には、言葉を聞くより図やイラストで伝えた方が理解しやすいという子どもがいます。また、聞くことに困難がある子どもの場合でも図やイラストは効果的です。
例えば、椅子に座って欲しい時は、子どもが椅子に座っているイラストを見せながら、口頭で座るように伝えれば、子どももわかりやすいですよね。
日頃からよく子どもに伝えていることがあれば、図やイラストを作成して準備しておくとよいでしょう。
準備が大変な場合は市販のイラストカードを使ってみることをオススメします。
名刺サイズの絵カードセットです。開けたらすぐに使えるようになっています。また、スケジュールポケットなどに入れることによって、子どものスケジュール管理することも可能です。
・カードをめくってジェスチャー大会のようにして遊んでいる!
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最初に子どもの注意を引きつける
話し始めるときは最初に子どもの注意を引きつけるようにしましょう。発達障害の子どもは最初の言葉を聞き逃してしまうことが多いです。
例えば、「椅子に座りましょうね」と促した場合、「椅子」という言葉を聞き取れずにそのまま床に座ってしまうことが考えられます。
「〇〇ちゃん」とまず名前を呼んでみたり、「今から話すよ!」と声出しすることによって、伝えたいことを最初から聞いてもらうことができます。
コミュニケーションのトレーニングってできるの?
上記でコミュニケーションを円滑にするための対策方法を紹介しましたが、中にはこんな疑問が浮かんだ方もいるのではないでしょうか。
「私たちが努力しなければならないのはわかる。でも、子どもの方を何とかできないの?」
結論、発達障害の子どももコミュニケーションのトレーニングは可能です。
ここでは次の2つのトレーニング方法を紹介します!
書籍を使ったトレーニング
書籍を使ったトレーニングです。
コミュニケーショントレーニングと称し、発達障害の子どものコミュニケーションの向上を図るための書籍が販売されています。こうした書籍を活用し、ゲーム感覚でコミュニケーションのトレーニングを行ってみましょう。
この書籍では、15のステップからコミュニケーションのトレーニングを行うことができます。また、トレーニングだけでなく、実際の事例に対しての対処法などもまとめられています。
・字が大きく、子供でも読みやすい!
・家庭でトレーニングする方法が多く記載されている!
・時々本を開いて対処法やトレーニングの参考にできる!
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この書籍では、読み書き遊び・コミュニケーション遊びとしてゲーム感覚でコミュニケーションを学ぶことができます。
・家庭でも実効性のある対策が書かれていた!
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・情報量が少ないと感じる人もいるかもしれない
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SSTでトレーニング
SSTを受けることによるコミュニケーションのトレーニングです。
SSTとはソーシャルスキルトレーニングの略語です。主に対人関係や日常生活で必要になる技術などを学ぶことができ、子どものできることを増やして生活しやすくすることを目的としたものです。
SSTでは、ディスカッションやロールプレイなどを通して、コミュニケーションの困難に対する訓練を行います。
以下はSSTについて解説されている動画です。
「SSTについてさらに詳しく知りたい!」「どこで受けることができる?」など、以下の記事にも詳しくまとめていますのであわせてご覧ください!
まとめ
- 発達障害の子どもがコミュニケーションに困難を感じるのは、自閉症スペクトラム障害や学習障害によるもの!
- 言葉の受け取り方、相手の感情を読み取れないなど特性による原因が見られる!
- 具体的に話す、文字やイラストを用いるなどをして対策しよう!
- 書籍の内容を実践、SSTを受けることでコミュニケーション能力を鍛えることができる!
発達障害の子どもとコミュニケーションについてお伝えしました。
子どもとのコミュニケーションのすれ違いは、親である私たちだけでなく、子どもにもストレスを与えてしまうものです。
コミュニケーションを円滑にして両者が生活しやすい日常を送るためにも、この記事がお役に立てればと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。