皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害 併発」についてです。

発達障害と診断される方の多くが、精神疾患や他の発達障害を併せ持っていることがわかっています。

併発する障害や疾患は大きく分けて2種類。

そのうちの一方は、かなり注意が必要なものなんです。

放っておくと、かなり深刻な精神疾患に陥ってしまうことも。

しかし、どんな障害や疾患を併発していても共通する、重要事項があるんです。

そのポイントをしっかり押さえて、より良い生活を目指しましょう!!

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都築
発達障害と診断される方の大部分が、その他の障害や疾患を併発されているとか。
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小野田
そうなんです。
しかし、何を併発していても、一番大切にすべきことは変わりません。
そのポイントをしっかりと押さえていきましょう。

発達障害|何を併発していても共通の重要事項とは

何を併発していようと共通する、大切なこととは、本人の困り感を解決する方法に焦点を当てる、ということです。

なかなか診断名がつかない、ついたとしても、ご本人や親御さんの納得がいく結果でない、ということはよくあります。

医師によって診断名が異なるということも。

すると、「結局どんな障害をもっているのか、はっきりしてほしい」という気持ちが強くなり、診断名にこだわってしまう方も少なくありません。

診断は、困り感を解決する方法を考える上で一助にはなります。

しかし、どんな診断になろうと、その症状の表れ方や困り感は、人によって違うもの。

同じ障害を併せ持つからといって、何に困っているか、どんな解決方法が合っているかは、人それぞれです。

なので、診断名にとらわれず、何に困っているのか、それをどうしたら解決できるのか、ということに着目することが大切なんです。

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都築
何を併発していても、大切にすべきポイントは同じなんですね。
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小野田
正確な診断には、時間がかかりすぎることもあります。
それよりも、具体的ですぐに取り組める、困り感解消の方法を探る方が、実生活の役に立ちますね。

併発する疾患で注意が必要なものとは

では、発達障害に併発する障害や疾患について知る必要はないかというと、そんなことはありません。

なぜなら、発達障害に併発する障害や疾患には大きく分けて2種類あり、一方はかなり注意が必要なものだからです。

併発する障害や疾患は大きく分けて2種類

発達障害と診断される方が、他に併発する疾患の種類は大きく分けて2つです。

併発する疾患

・重複…先天的
・二次障害…後天的(環境や失敗体験)

重複とは、複数の発達障害や精神疾患を元々併せ持っているという状態です。

なので、先天的に複数の障害や疾患の因子をもっているということになります。

一方、二次障害とは、元々持っている障害への周囲の無理解や、失敗体験、それによる自己肯定感の低下によって生じます。

よって、二次障害は後天的なものであり、環境によって生じる障害だと言えます。

注意すべきは二次障害

発達障害に併発する疾患で注意すべきなのは、二次障害です。

二次障害は、周囲からの無理解や失敗体験などがストレスやトラウマとなって生じます。

したがって、二次障害として併発しやすい疾患は、うつ病や双極性障害など、生活の質を大きく損なう可能性の高いものです。

二次障害を放置してしまうと、不登校や引きこもりなど、深刻な事態に及んでしまうことも。

しかし、二次障害は元々障害や疾患を重複して併せ持つ場合とは違い、併発を防いだり、治療したりすることができるものです。

まずは、発達障害をもつご本人が、少しでも安心して過ごせるよう、周囲の人との環境調整をしましょう。

また、二次障害の兆候(頭痛や腹痛などの身体症状、元気がない・攻撃的な態度など)に注意し、早めに対応できるよう、心がけておくことが必要です。

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都築
併発といっても、重複と二次障害の2つがあったんですね。

発達障害と併発|二次障害

では、ここから二次障害について詳しく見ていきましょう。

二次障害として併発しやすい疾患とは

二次障害も、さらに2種類に分類することができます。

二次障害として併発する疾患

・内在化障害
・外在化障害

内在化障害

内在化障害とは、気分の落ち込みや不安が強いなど、自分に向けて気持ちの不安定さが表れる疾患です。

<内在化障害の例>

  • 抑うつ障害
  • 不安症
  • 双極性障害
  • 不登校
  • 引きこもり
  • 強迫性障害
  • 心身症
  • 依存症 など

特に抑うつ障害は、発達障害のある成人に最も多くみられる二次障害です。

▼二次障害としてうつ病を発症してしまう仕組みについて、わかりやすく解説しています。

外在化障害

外在化障害とは、内在化障害と対局にあり、精神面の葛藤や不安定さが他者に向けられるものです。

反社会的な行動に出てしまったり、強く反抗的な態度をとってしまったりします。

発達障害をもつ方は、その特性から、失敗経験や叱責されることが多くなってしまいます。

そのような経験が蓄積されることで、以下のような障害を引き起こされることがあるのです。

反抗挑戦性障害:社会や目上の人に対して、過度に反抗的・挑戦的な態度をとってしまう障害。

行為障害:年齢相応の、社会規範に則った行動ができない障害。

▼二次障害の症状や、発達障害のあるお子さんの反抗期についてまとめています。

二次障害の治療

上記に示したような症状が見られる、兆候があるという場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

これらは医療の力を借りて治療すべき疾患です。

服薬という選択肢もあります。

お子さんやご家族にこのような方がいらっしゃる場合、医療機関につなげることが難しいということもあるでしょう。

クリニックや病院によっては、最初はご家族の話を聞くことから始めてくれるという場合もあります。

まずは、医療機関に相談、または地域の保健センターなどに問い合わせをしてみましょう。

▼一次障害として発達障害をもつことがわかっている場合は、二次障害についても併せて相談できますので、参考にしてみてください。

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都築
二次障害を発症すると、人生に関わる深刻な事態になりかねないですね。
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小野田
そうなんです。
その一方で、二次障害は予防や治療のできるものなので、周囲との環境調整や兆候を見逃さないことに注意していきましょう。

発達障害と併発|重複

元々複数の発達障害を重複しているという方も多いです。

ADHDと診断される方の12-50%が、ASDを併せ持つとも言われています。

では、発達障害を重複してもつと、どのような症状が表れるのでしょうか。

重複とはどんな症状?

必ずしも、重複する障害それぞれの症状全てが強く出るというわけではありません。

「ADHDとASDの重複です」と診断されたとしても、人によってその症状の表れ方は様々です。

それぞれの特性を薄く網羅的にもつ人、一つの特性だけが強くでる人、また、成長するにつれて症状の出方が変わるという方も大変多いです。

なので、しつこいようですが、診断名にとらわれず、本人の特性をきちんと見て、目の前の問題をどのように解決していくか、ということに着目することが重要になります。

重複の実際

ここでは、実際に複数の発達障害を重複して持つ方の実際について、動画でご紹介します。

▼ASDとADHD併発と診断されている、小学4年生のお子さんの学校生活について、話されています。

▼ASDとADHDを併せ持つ大人の悩み、そしてその特性の表れ方について解説されています。

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都築
同じ障害、症状であっても、子供と大人なら、悩みは大きく異なりますよね。
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小野田
やはり診断名にとらわれないことが大切です。
診断名は、悩みの解決方法を考案するための一助とし、本人がどのような悩みをもつのか、それをどうやって解決したらよいのかということに着目しましょう。

まとめ

  • 後天的にどんな障害や疾患を併発していても重要なことは、目の前の問題をどのように解決するかに着目すること。
  • 発達障害に併発する障害や疾患は大きく分けて、先天的に障害を複数持ち合わせる重複と、周囲の無理解やストレスにより後天的に生じる二次障害がある。
  • 二次障害は人生の質を大きく損なう可能性があり、注意が必要な一方、予防したり治療したりすることができるものである。
  • 同じ障害を重複していたとしても、症状の表れ方は人それぞれである上に、年齢によって症状の出方も変わってくる。
  • 本人の特性をきちんと見ることと、どのように困り感を解決するか、ということに焦点を当てる必要がある。

発達障害の併発の症状は非常に複雑で、発達の専門医や精神内科の医師であっても、その障害や疾患の由来が先天的なものか、後天的なものか判断がつかない場合も多いです。

しかし、障害や疾患の生じた原因を探ることも大切ですが、それ以上に、本人が「今」何に困っているのか、それをどのように解決するのか、ということを考えることの方がはるかに意味があります。

診断名ではなく、障害をもつご本人がどのような特性をあるのかを見て、より良い生活、より良い人生にすることを考えていきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。