こんにちは、今回も知って得する情報を皆さんと共有していきたいと思います。テーマは「発達障害 チック」です。

子育てや療育をしていると「チック」という言葉を耳にすることがあります。チックは子供の1~2割ほどにみられ、決してめずらしい疾患ではありません。

その多くは自然と解消すると言われていますが、まれに症状が重くなることもあります。

今回はチックについて原因と対策を解説していきますので、最後までお付き合いください。

チック症は原因が不明の疾患だが発達障害と合併しやすい!

チック症は自閉症スペクトラムや注意欠陥多動性障害、不安障害をもった子供に合併しやすいと言われています。

そもそも、チック症とは?

チック症とは自分の意志とは関係なく、突然体の手や足が動き出してしまう発達障害で、幼児期から学童期の子供にみられます。

子供の1~2割程度に見られますが、ほとんどが一過性で、成長とともに症状がなくなるか、軽くなってきます。

発症のピークは6,7歳と言われており、男女比は3:1で男子に多いです。

ハッキリとした原因はまだわかっていませんが、家族間で発症するケースが多いことから、遺伝性ではないかと言われています。

また神経伝達物質のドーパミンにかかわる発達障害という説もあります。

具体的な症状は?

最初はまばたきや、首ふりなどの軽い運動症状に、咳払いや発声による音声症状が加わります。

ひとつの症状が消失すると、また新たに違う症状が現れるなど、2~3週間、または2~3月など周期で症状が良くなったり、悪くなったりを繰り返します。

本人の意思とはまったく関係なく起こる完全な不随意運動です。

チック症の分類

チックは症状のパターンから大きく4つの分類に分かれます。

  • 一過性チック障害:運動チックと音声チックのどちらか、あるいは両方を伴い、1年未満で症状が消失します。
  • 慢性運動チック障害:運動チックが1年以上続く状態。
  • 慢性音声チック障害:音声チックが1年以上続く状態。
  • トゥレット障害:多彩な運動チックと音声チックの両方が1年以上続く状態がです。重度のチック症とされています。

発達障害との関係は?

チック症の原因は神経伝達物質のドーパミンの働きが関係しているという説もあります。

また、ホルモンバランスの乱れや、ストレスから発症するとも言われています。

発達障害を抱えている人は、その障害の特性から日常でストレスを抱えていることが多くあります。

ストレスが影響し、脳や心のバランスが崩れ、チック症が合併するリスクが高まると考えられます。

ストレスが原因で発症するチックは注意欠陥多動性障害(ADHD)と併発する場合が多く、特にトゥレット障害はADHDと高確率で併発していることがあります。

チック症の症状が見られたらどうすればいいの?

一般的には経過観察で自然に消失することが多いです。

チック症の症状を見て、あわててやめさせようとしたり、心配した顔で見るとかえって症状は長引きます。

見てないふりして、普通にするのが良いでしょう。

ちなみに、ゲームやメディア視聴の見すぎはチック症を悪化させる要因となります。睡眠をしっかりとり、生活リズムを整えることが大切です。

確率は低いがチック症が重度になる場合もある…

運動や音声の混在した多彩なチックが1年以上続く場合、「トゥレット障害」という重度のチック障害の可能性があります。

本人も疲弊してしまうようなチック症状がある場合は早めに医療機関へ相談してください。

症状によっては専門的な治療が必要となる場合があります。

トゥレット障害の治療と必要な支援は?

通常のチック症は経過観察で良いのですが、重度のチック症、トゥレット障害の場合は別です。適切な治療と支援が必要です。

脳神経外科への受診が必要

トゥレット障害は脳神経外科への受診が必要です。

他のチック症と区別するため、定期的な医師の診断が必要になります。

https://twitter.com/hirolovesaimer/status/1659839470299144192?s=20

薬物療法

脳から分泌されるドーパミンという神経伝達物質の働きを抑える薬を服用することで症状が改善されるということが医学的に証明されています。

このことから、チック症はドーパミンを代表とする神経伝達物質の代謝と、代謝に反応した神経細胞の活動過剰が原因ではないかとも言われています。

また、チック症に伴う不安感や多動性のコントロールを薬物で行う場合もあります。

薬物療法

脳から分泌されるドーパミンという神経伝達物質の働きを抑える薬を服用することで症状が改善されるということが医学的に証明されています。

このことから、チック症はドーパミンを代表とする神経伝達物質の代謝と、代謝に反応した神経細胞の活動過剰が原因ではないかとも言われています。

また、チック症に伴う不安感や多動性のコントロールを薬物で行う場合もあります。

外科治療

難治性のトゥレット障害に対して、外科治療が用いられる場合があります。

深部脳刺激両方(DBS)という手術で、大脳基底核に電極を埋め込んで持続的に刺激して、脳活動に変化を加えるものです。

まとめ

チック症は子供の約10%~20%にみられる障害で、決してめずらしくはありません。

成長して、大人になる過程で、自然と改善されていきますが、まれに症状が重くなり、トゥレット障害を引き起こす場合もあるので注意が必要です。

チック症の症状が見られても、あわてて指摘などをせずに、静かに見守りながら、経過観察をしましょう。

また、症状が著しく、本人の精神的な負担が大きいようなら医療機関への受診も視野に入れておきましょう。

最後まで見ていただきありがとうございました。