皆さんこんにちは!本日も発達障害について知って役立つ情報をみなさんにお伝えいたします!今回のキーワードは「発達障害 わかりやすく」です。

発達障害」という言葉、結構聞きますよね。でも、一言で発達障害といっても、その内容は様々で、個々人が示す言動の特徴も様々です。対応を少し間違えてしまうと取り返しのつかないことになってしまう可能性もあります。

そんなことになってしまわないように、今回は、できるかぎりわかりやすく、発達障害について解説を試みたいと思います。

発達障害の定義

「発達障害」は、発達障害者支援法において「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義されています。

この定義を簡単にまとめると、発達障害とは

  • 脳機能に障害がある
  • 症状が低年齢で発症する
  • 自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害などが、発達障害に含まれる

ということになるかと思います。

ただ、これらの障害は重なりあって発症することもあり、その重なり具合も人によって大きく異なるため、「発達障害を患う人にはこういう特徴がある」と断言し難いのが特徴でもあります。それゆえに個別の対応が求められることが、発達障害を患う人に対する対応や治療を難しいものにさせています。

発達障害の種類

とは言うものの、発達障害を理解する方法としては、やはり、個々の症状を理解することになります。ここでは、発達障害に含まれる個々の症状がどういうものなのかを見てみましょう。

まず、発達障害に含まれる「病気」には主に自閉スペクトラム症、ADHD(多動性症候群)、LD(学習障害)、チック症があります。

ここでは、この4つの症状について解説をしてみたいと思います。

自閉スペクトラム症(アスペルガー症候群)

自閉スペクトラム症は1歳を過ぎたころから、言葉が出ない、目が合わない、指さしをしない、欲しいものがあるときには他人の手を対象物に持っていく、決まったパターンと違うと癇癪を起こす、集団での活動・遊びが苦手という傾向が表れます。

2020年に弘前大学大学院医学研究科の調査グループが「自閉スペクトラム症に該当する5歳児の割合が、3.22%に上る可能性がある」と発表し、自閉スペクトラム症が珍しくないことが示されました。

しかしながら、成人で自閉スペクトラム症の特徴の多くをもっているものの、社会生活に大きな支障をきたしていない人も多く存在していると報告されています。

また、自閉スペクトラム症を患う方の70%以上に、何らかの身体的異常(例えば、睡眠障害、てんかん、胃腸障害など)または、精神障害(例えば、不安症、抑うつ症そして強迫症など)があることも報告されており、対応を難しくしています。

ADHD(多動性症候群)

ADHDは多動性症候群と呼ばれる以外に「注意欠如・多動」と記されることがあります。

症状としては、文字通り「じっとしていられない」、「考えずにとりあえず動き出す」、「うっかりミス」などが見られます。

ADHDは7歳までに上記のような症状が見られるようになります。

小学校中学年、高学年になると、周囲の児童とも比較され、その症状が顕著なものになります。

例えば、学校生活においても忘れ物が多い、ルールが守れない、順番が守れない、友達とトラブルになるなどです。

多くの子どもは、発達障害である、と認識される前に学校や家庭でしかられつづけて、自尊心を傷つけられたり、自己肯定感を低下させられたりしてしまいます。

注意欠如や多動は、成長とともに症状が軽くなる傾向があり、青年期までには半数が、さらに成人期までにはその半数が、問題なく日常生活を送ることができるようになるようです。

したがって、一番気をつけなければいけないのは、しかられる経験が長く続くことで、うつや不安障害といった二次的な障害を併発させてしまうことです。二次的な障害を併発させてしまうことは、一般的な生活を送ることをより困難にさせてしまいます。早く気づいて、早めに適切な対応をすることが大切になってきます。

LD(学習障害)

LDとは特に「読み・書き・算盤」といわれるような、読んだり、書いたり、計算したりする能力に特異性が見られる障害です。

「8歳から10歳ごろに症状が現れやすい」といわれています。それは読んだり、話したり、計算したりする機会が多く求められるようになる小学校中学年あたりから、他の子どもたちとの違いが顕著になるためです。

ADHDや自閉スペクトラム症を伴うケースも多く、症状が見られるようであれば、単純に「勉強が苦手なダメな子」と考えないようにすることが重要です。

チック症

チック症とは、本人の意思とは関係なく、またばき、顔をしかめる、首をかしげる、肩をすくめる、といった不規則で突発的な動きや、「ん」と言う、鼻を鳴らす、咳払いをすると言った発声を繰り返す疾患です。

4歳から11歳で発症することが多く、その動作の特徴から診断は比較的容易につくことが多いです。

症状が軽い場合には、クセと認識されることも多く、1年以内に症状が消失するケースがほとんどといわれています。

1年以上続く場合や慢性化した場合、思春期に症状が最も強くなるようですが、成長するにつれて、大部分の方で改善あるいは消失すると言われています。

根本的な原因はまだ解明されていないようですが、ストレスや疲労などで症状が出やすくなると言われています。

対応方法としては、ストレスを減らすことで症状を緩和することができると言われていますが、小児期の場合は特に治療をせずに、経過を見るだけで問題ありません。

発達障害は能力が劣っているわけではない

「発達障害」と言ってしまうと、他の子どもと比較して学習能力などが劣っていると思ってしまいがちです。しかし、他の子どもと比較して聞く能力や計算する力、記憶力が優れているケースも多々確認されています。

例えば、京都大学の研究チームは、自閉症の子どもが普通の子どもと比較して、楽曲の不協和音に敏感に反応し、「音楽に早熟」であることを発見しています。

また、紀平(きひら)凱成(かいる)さんは、17歳にして難易度が高い楽曲を全日本ジュニアクラシック音楽コンクールで演奏し、その実力が高く評価されています。

そのほかにも、自閉症スペクトラムも患いながらも、3歳で四則演算や分数、小数、平方根を理解するようになり、ジュニア算数オリンピックで金メダルを取ったお子さんがいたり、生涯で見た便器の型番とその音を全て記憶しているという青年もいるようです。

重要なのは、「他の子どもと同じように」とは思わずに、むしろ違いを喜び、おおらかな気持ちで、子どものやりたいことをサポートすることなのかもしれません。

まとめ

  • 発達障害とは低年齢で発症する脳機能障害。
  • 自閉スペクトラム症、ADHD(多動性症候群)、LD(学習障害)、チック症が発達障害に含まれる。
  • 自閉スペクトラム症の症状は、言葉が出ない、目が合わない、指さしをしない、決まったパターンと違うと癇癪を起こす、集団での活動・遊びが苦手など。
  • ADHDの症状は、じっとしていられない、考える前に動き出す、うっかりミスなど。
  • LDとは読んだり、書いたり、計算したりする能力の獲得に特異性が見られる障害。
  • チック症とは、本人の意思とは関係なく、不規則で突発的な動きや、発声を繰り返す疾患。
  • 発達障害の子どもは他の子どもと比較して必ずしも能力が劣っているわけではなく、むしろ常識を逸脱した能力を持っている場合も多い。