皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害 気持ちの切り替え」についてです。
発達障害のお子さんは、気持ちの切り替えに時間がかかることが多いです。
一度パニックをおこしてしまうと、なかなか収まらず、親御さんが疲弊してしまうということが少なくないでしょう。
そんな悩みをお持ちなら、下記にご紹介する方法を試してみては!
お子さんと親御さんの気持ちが少しでも平穏でいられるように、ぜひお子さんに合った気持ちの切り替え方法を見つけてください。
そして、それに付き合う親御さんは、体力と精神力が要りますよね。
お子さん自身のためにも、親御さんのためにも、お子さんに合った方法を見つけられると良いです。
目次
発達障害|気持ちの切り替えのための方法7選
そもそも気持ちを切り替えられないというのは、どのような状態を指すのでしょうか。
発達障害のあるお子さんは、下記のような「気持ちの切り替え」がうまくできない場面を経験したことがある、という子が多いのではないでしょうか。
<気持ちの切り替えができない場面の例>
・行こうとしていたお店が休みだったが、それを受け入れられず「行く」と言って泣き叫ぶ。
・公園から帰りたくなくて暴れる。
・ゲームで負けたことが許せなくて、対戦相手やチームメイトに暴力を振るったり、暴れたりする。
・時間割りが急に変更になったことについていけず、フリーズする。
小さなお子さんの場合は、「癇癪を起す」という言い方もしますよね。
お子さんが、上記のようなことが頻繁にあるという時、どんなことをすればよいか、オススメの方法をご紹介します。
予めしておくと良いこと
気持ちの切り替えがスムーズにできるように、予めしておくと良いことをご紹介します。
予告する①:変更の可能性
「どのような予定変更の可能性があるのか」を伝えておくことで、予定変更への心の準備ができます。
発達障害の中でも、特に広汎性発達障害のお子さんは、予定変更を受け入れることができずにパニックになってしまうことがよくあるのではないでしょうか。
以下のようなことを予め伝えてあげるだけで、お子さんに少し心の準備ができるかもしれません。
<例>
・時間割りの入れ替えがありそうな時「今日は図工の先生のお仕事の都合で、図工と算数の時間が入れ替わるかもしれないよ」
・お気に入りのお菓子を買いに行く時「〇〇ちゃんの好きなお菓子は、すごく人気だから、もしかしたら売り切れかもしれない。だから、なかったら別のお菓子を買おうね」
予告する②:「負ける」可能性
予定変更だけでなく、「勝負に負ける」といった、本人の望まない状況になることもあることを、予め伝えておくことも良いでしょう。
特に、発達障害の中でもADHD傾向の強いお子さんは、ゲームの負けをうまく受け入れられないことも多いでしょう。
お子さんの年頭に「負ける可能性もあるのか」ということをインプットしておくことが、スムーズな気持ちの切り替えにつながることもあるかもしれません。
予告する③:時間管理
「あと5分で帰るよ」などと伝えてあげることです。
公園で遊んだり、大好きなゲームをしていたりすると、時間を忘れて夢中になってしまうことは、誰でもありますよね。
そんな時、小さなお子さんや発達障害のお子さんは、なかなか帰れなくなったり、ゲームをやめられなくなったりしてしまうことが多く、いざ帰る時やゲームをやめる時に癇癪を起してしまうことがあるかもしれません。
このようなことの多いお子さんには、タイマーを使ってみてください。
そして、何度かに分けて予告してあげてください。
<例>
「あと10分だよ。タイマーかけるね。」
↓
「あと5分でタイマー鳴るからね。」
↓
「あと3分でタイマー鳴るよ。」
↓
タイマーが鳴る
徐々に気持ちを切り替えていくことへの手助けになるかもしれません。
この時に使うタイマーは、残り時間が可視化できるものがオススメです。
▼小さなお子さんや発達障害のお子さんには、このようなタイマーだと、量や大きさで残り時間が示されるので、数字で表記されるものよりもわかりやすいです。
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また、お子さんの生活に使うには、1目盛りの時間が短いものの方が使いやすいでしょう。
▼お子さんでも残り時間がわかりやすい、スマホアプリのタイマーです。
実物のタイマーの方が、お子さん自身だけでも扱いやすいメリットはありますが、スマホアプリも併用すると、外出先に持っていくこともでき、いつも同じものを使えるという良い点もあります。
環境整備と回避
お子さんがどのような時に気持ちの切り替えがうまくいかなくなるか、よく観察してみましょう。
もしかしたら、何かきっかけがあるかもしれません。
そのきっかけに出会わないように、環境を整備したり、回避したりすれば、パニックになることも減るでしょう。
<例>
・特定の友達A君と活動する時にパニックになることが多い
→A君とは同じグループにならないようにする
・スーパーBはおもちゃ屋の前にあり、おもちゃ屋に寄りたいと癇癪を起すことが多々ある
→極力、別のスーパーで買い物をするようにする
しかし、全て大人が先回りをして、パニックを回避することはできません。
また、する必要もありません。
パニックを起こしてしまう体験もお子さんにとっては必要です。
パニックに陥った時に、どうすれば気持ちを切り替えられるか、という方法をお子さんが学ぶことも大切だからです。
特に「ゲームに負けると、悔しい気持ちを切り替えられない」などの場合は、自分で気持ちを切り替える練習が必要なので、「なるべくゲームはさせないようにしよう」とする必要はありません。
とは言っても、特定の環境(ここで言う環境とは、人や場所、物など、お子さん本人以外の全てのもの)が原因で癇癪を起すことが分かっているのならば、お子さんの平穏な生活のためにも、取り除ける場合は、そうしてあげた方が良いでしょう。
スケジュールの可視化
イラストで示したスケジュール表を作成してあげるという方法もあります。
お子さん自身が次にすることが、目で見てわかるようにしてあげると、見通しをもつことができ、心の準備ができるかもしれません。
毎日のルーティン化していることであれば、スケジュールボードにするのも良いでしょう。
▼スケジュールが可視化できるスケジュールボードを作れます。
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パニックになってしまったら
気持ちの切り替えがうまくいかず、パニックや癇癪を起している場合は、以下のような対応策がオススメです。
クールダウンスペース
お子さんが気持ちを落ち着けることができる場所を、用意してあげましょう。
「余っている部屋なんてない」と思われた方もいるかもしれませんが、小さなスペースで構いません。
小さなお子さんであれば、子供用のテントや段ボールハウス、もしくは子供部屋などでも大丈夫です。
とにかく、一人で静かに落ち着ける空間を用意します。
パニックを起こしている時は、一度お子さんをそこに避難させてあげてください。
パニックになった場所や、原因となってしまった事や物から離れることで、気持ちの切り替えが早くできるようになることが多いです。
また、そのスペースに、お気に入りのぬいぐるみやタオルケットなど、お子さんが気持ちを落ち着けられるものを、置いておくのも良いでしょう。
そして、「ここは落ち着くための場所で、ここに来れば落ち着ける」とお子さん自身が認識できるようになると、より一層、気持ちの切り替えが早くなるかもしれません。
見守り
お子さんがパニックや癇癪をおこしている時は、なだめようとしたりせず、静かに見守ってください。
パニックや癇癪を起こしている時は、誰が何を言っても聞き耳をもてないことが多いです。
なので、このタイミングで落ち着くように声をかけたり、暴れないように押さえつけるのは逆効果になってしまうことも。
兄弟やお友達に危険が及ばないか、お子さん本人が怪我をすることはないかに気を付けながらも、お子さんが落ち着くことができるまで、そっとしておいてあげましょう。
しかし、もしそれが外出先だったら、クールダウンスペースはなく、お子さん本人の安全のためにも、「見守る」というのは難しいかもしれません。
そんな時は、できる限り、人が少ないところや部屋の隅に連れて行ってあげてください。
なるべく、お子さんの視界に色々なものが入らないようにすると良いです。
一度うまくいかなくても、何度もやってみることでお子さんが慣れてくるということもあるので、気長に取り組んでみましょう。
そもそもなぜ発達障害の子は気持ちの切り替えがうまくいかないの?
発達障害のお子さん(特に広汎性発達障害やADHD傾向の強いお子さん)は、気持ちの切り替えがうまくできないことが多いと言われます。
なぜ、気持ちの切り替えがうまくいかなくなってしまうのでしょうか。
こだわりが強い
広汎性発達障害のお子さんは、こだわりが強いことで気持ちの切り替えがうまくいかないことが非常に多いです。
こだわりが強いために、急なことや突然の変更に混乱してしまいます。
また、キリの良いところで仕事や作業を終えるということができず、自分のしていることを最後まで終えないと気が済まない、ということも。
なので、自分の決めていた予定が狂わされたり、今終えたいことを辞めるように言われると、気持ちの切り替えができず、パニックになったり、フリーズしてしまったりするのです。
見通しをもつことが難しい
広汎性発達障害のお子さんも、ADHDのお子さんも、見通しをもって行動することが難しいです。
例えば、もし、午前中に公園へ遊びに行ったら、小学生くらいのお子さんならば「昼食を摂る時間には、遊びはやめなければならない」という見通しがもてるでしょう。
しかし、発達障害のあるお子さんの場合はそれが難しいことも多いのです。
なので、事前に「お昼ご飯は家に帰ってから食べるから、お昼前には帰らないといけないよ」と伝えておかないと、「お昼の時間だから帰るよ」と急に声をかけられても、お子さんは「なぜ突然、今帰らなければならないことになったのか」という気持ちになってしまいます。
楽しく夢中で遊んでいた場合は、特に気持ちの切り替えが難しくなってしまうでしょう。
感情や行動のコントロールが難しい
自分の感情や行動をコントロールすることが難しいということも、発達障害のお子さんにはよく見られます。
なので、事前に予定をしっかり伝えてあり、次にすべきことがわかっていたとしても、それでも次の行動に移ることができないということもあるのです。
気持ちに折り合いをつけることや、キリの良いところまでで終えるということが、なかなかできないこともよくあると言えます。
抽象的な指示や暗黙の了解がわからない
抽象的な指示や、みんなが分かっていると思われているために敢えて言葉にはされない「暗黙の了解」というものが、発達障害のお子さんには非常にわかりづらいです。
なので、指示がきちんと伝わっていない場合は、お子さんは次に何をしたらよいかわからず、フリーズしてしまうかもしれません。
それが辛くて、暴れてしまうこともあるでしょう。
誰でも「みんな分かってるのに、自分だけわからない」という状況は辛いものです。
お子さんが分かりやすい、具体的な指示をしてあげられると良いですね。
▼上記に挙げた以外にも、発達障害の症状を詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
「気持ちの切り替え」の実際
ここでは、動画を中心に、発達障害や自閉傾向の強いお子さんが気持ちを切り替えるまでの様子や、親御さんの対応の実際を見てみましょう。
▼タイマーを上手に活用されている実践例なので、使い方を参考にしてみてください。
▼「トイレに行くと気持ちの切り替えにつながる」という、外出先でもできるクールダウン方法を、親子で共有できているところが素晴らしいです。
▼お母さまの対応があたたかく、考え方が参考になるかもしれません。
「気持ちの切り替えが苦手」は保護者が一番悩むことの一つ
癇癪やパニックが頻繁に起こる、なかなか収まらないということは、保護者の方にとってかなりしんどいことです。
あまりの辛さに、親御さんが参ってしまうということも。
辛い時は、一人で抱え込まず、必ず誰かに相談してくださいね。
お子さんの担任の先生、保健センターの職員さん、心療内科の医師など、親御さんの気持ちに寄り添ってくれる人はたくさんいます。
また、身近に同じような境遇の方がいれば、悩みを共有することもできるかもしれません。
誰でもかまいません、お一人で抱え込まず、親御さんがご自身の気持ちを素直に話せる相手をぜひ見つけてくださいね。
▼発達障害や自閉症のあるお子さんを育児中の親御さんの声です
▼悩んだ時の相談先が紹介されていますので、参考にしてみてください。。
お子さんに合った方策を一緒に考えましょう!
まとめ
- あらゆることを予告してあげると、気持ちを切り替える心の準備ができる。
- パニックを起こす要因があれば、限り取り除いてあげた方が良い場合もある。
- スケジュールを本人が見て確認できるようにしておくのも有効。
- クールダウンスペースがあると、早く気持ちの切り替えができるかもしれない。
- パニックになっている時は、声をかけたりせず、そっとしておいてあげるのが、気持ちの切り替えを早める近道。
- こだわりが強い、見通しがもてない、感情や行動のコントロールができない、抽象的なことが理解できない、といったことが、気持ちの切り替えに時間がかかる原因になっている。
- お子さんのことで悩んでいる時は、誰でも良いので、親御さん自身が気持ちを話せる相手を見つけてほしい。
発達障害のお子さんは気持ちの切り替えに時間がかかります。
また、大人が対策を講じても、それは即効性はないかもしれません。
その対策に慣れるのにも、発達障害のお子さんは時間がかかることも多いものです。
なので、ぜひ長い目でお子さんに付き合ってあげましょう。
そうは言っても、親御さんのストレスも多いものだと思います。
親御さんが気持ちを素直に話せる人を、ぜひ見つけてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。