皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害 物忘れ」についてです。
お子さんが診断された発達障害はどれでしょうか? 何に一番困っているでしょうか? 実は発達障害の中には、忘れ物や失くし物をするなどの「物忘れ」が強く見られる性質も見られます。
失くし物や忘れ物をしてしまっては、お子さんが困ってしまいますよね。それを近くでみている保護者もヒヤヒヤしますよね。 この記事では発達障害(主にADHDの注意欠如)の「物忘れ」に対する特徴と、やっていい対策とやってはいけない対策についてご紹介します。
目次
発達障害のどんな特徴が「物忘れ」に繋がるの?
ここでは発達障害のADHD(注意欠如多動性)の子に見られる特徴を挙げてみます。ご自身のお子さんが当てはまっているのか見てみましょう。
忘れ物や失くし物が多い
- 帰宅後にやるべき宿題をやり忘れる
- 事前約束した友達などとの約束事を忘れる
- ものをどこに置いたのか忘れる
整理整頓が苦手
- 部屋がいつも散らかっている
- ものを探すときは全部ひっくりかえす
- 片付けさえ途中で辞めてしまうため、散らかったままになる
やり遂げることが苦手
- 飽き性の傾向がある
- 一つのことに集中できにくい
- 集中してもすぐにできなくなってしまう
- 逆に自分の興味があることには集中しすぎる
順序立てることが苦手
- 計画を立てること、段取りよく行動することが苦手
- 優先順位をつけるのが苦手
- 時間割通りに学校に行くことができない
他にも、
- ルールが守れない
- 友達などとトラブルを起こす
- 話を聞いていないように見える
などがあります。
これらは代表的な例で、全てがADHDの子に当てはまるわけではありません。その子によって現れる特性も様々で、これがあるからADHDだ、これがないからADHDではない、というわけではありません。
物忘れ以外にも、より多くの困難が見受けられます。しかしよく見てみると、物忘れから派生したものも多いように考えられます。忘れ物や物忘れが発生することで、「忘れ物が多い」「ルールが守れない」となり友達とのトラブルに繋がってしまうのかもしれません。
また余談にはなりますが、発達障害は睡眠障害を併発することも多いです。寝付きが悪い、夜泣きが酷い、眠りすぎる、ぐっすり眠れない、よって日中に眠くなり集中することができにくくなる……そして物忘れをしてしまう……という負のループに入ってしまいます。
対処は可能です
発達障害は、脳機能の発達の遅れ・偏りによる特性であって、親の育て方や本人の努力とは無関係で、不注意・多動衝動がみられるものです。親の育て方の問題でもありませんので、ご安心ください。
そのため周囲の理解や自分の工夫など、上手に付き合っていくことが大切です。生活に支障がなければ、たとえ発達障害の診断があったとしても、困難にあたることはありません。その子の環境や生活によって困難として現れるのか個性として現れるのかが変わってきます。
また薬物療法も可能です。どうしても困難な場合は、薬物療法という選択肢があります。
しかしここではできるだけ薬を使わない対策方法をご紹介したいと思います。
では次にどのような配慮をする必要があるのでしょうか。
やった方がいい対策3選
発達障害のそれぞれの性質や状態によって様々ですが、代表的な対処法をここで述べていきます。一見簡単なものばかりですので、すぐに取り入れられるものは取り入れていきましょう。これらを習慣化することで忘れ物は少なくなることに間違いありません。
できたことは褒めるようにする
これは下のやってはいけない3選でも述べますが、不適切な行動はできるだけ見逃すようにしましょう。
そしてできることはどんどん褒めてあげましょう。褒めてあげることによって「自分にもできることがある」と自尊心や自己肯定感を向上させることにつながります。
頭ごなしに叱ることは自尊心を傷つけたり信頼が持てなくなったりするきっかけになってしまい、結果として逆効果となります。自尊心を傷つける言動や行動は避けたほうが良いでしょう。
優先順位を教える
どれから手をつければいいのかわからないときは、親が最初に終わらせておいた方がいいことを子どもに教えてあげましょう。
限られた時間でやるべき重要なことからやる癖をつけるようにするために、時間の使い方を教えることが忘れ物の防止につながることでしょう。
例えば宿題は早めにやることを教えておきます。宿題は早めにやって次の日までに終わらせないと提出が遅れてしまいますので、優先順位の高いものです。
そのように理由を教えながら、優先順位を守るようにすれば、次の日の提出に遅れることはありません。また次の日の準備を前日に行った方が、当日の朝に慌てふためくことは少なくなり、忘れ物がないか確認することができます。
あらかじめ時間とやることを決めておくことが、結果として物忘れの防止、そして焦ること防止に繋がるかもしれません。
忘れ物がないようにチェックリスト・やることリストをつける
忘れ物がないかを確認するツールとして、チェックリストを用意してみましょう。
学校は何かと持っていくものが多いもの。授業によって持っていくものが異なります。体育の時は体操服が必要ですし、図工や音楽の授業では毎回持っていく物が違うことさえあります。
それらを用意をする際に、これは必要か不要か、荷物の中に入れたか準備したか、チェッカーやチェックリストを用意してみましょう。
一つ一つ確認しながら進めていくことで、忘れ物を最小限に抑えることができます。
こちらは、子ども用の「こどもチェッカー ライム(1個入)」です。2021年5月現在400円で買うことができ、宿題や傘・水筒など子どもの持ち物をチェックするためのものです。チェックする時は持ち手を上下させるだけで簡単に動かせ、忘れ物も防止に繋がります。
・使いやすく、とても良かったです。キーホルダー付きでありがたいですね。
・子供のために買いました。出来た事、出来なかった事を把握出来るので大変便利です。
・簡単な作りですが子どもが○にしたいがために朝の準備を進めるようになりました。
シンプルな作りだからこそ使い勝手もいいようです。◯にしたいがために自分から進んで準備ができるようになったというのは親としても嬉しい声ですね。
そして、こちらは「まいにちのやることリスト」です。
シンプルなデザインで毎日のやることをリスト式にできるため、おすすめの商品です。
・豚さんのイラストがたまりません。シンプルなやることリストではなく、ちょっとユーモラスな所がこれまた長続きする秘訣だったりします。
・行幅も使いやすく使いやすいです。
2021年5月現在で200円以下と比較的安価で買うことができますし、子どもだけでなく大人も使っているようですよ。親子一緒に使うのも楽しいかもしれません。
発達障害を持つ子どもの原因と対処法の記事として、こちらも参考になります。
忘れ物が多い我が子に「逆連絡帳」という手段で対策をとっている親御さんの記事です。みなさんいろんな工夫をしていることが伺えます。
やってはいけないこと3選
やっていいことはご紹介しましたが、逆にやってはいけないことはなんでしょうか? まずこれはダメだということをひとつお伝えすると、「頭ごなしに叱ること」です。これはやってはいけません。
子どもからしてみたら、ただの恐怖となって逆効果となり、次に繋げようとする意欲や二度と忘れないようにする工夫をする余地をなくしてしまいます。恐怖心を抱えてしまうなど、良い効果は期待できません。
さて、忘れ物が多い子どもに対して親がしてはいけないことですが、忘れ物をした場合、届ける方がいいのか、そのままにして子どもに気づかせるのがいいのか、迷ってしまいますよね。結論を言うと、親が過剰にサポートすることは望ましくありません。
では詳しくみていきます。
忘れ物を届ける
忘れ物をしたからと、つい親が届けてしまいがちです。確かに忘れ物を届けた方が子どもにとってはありがたいことかもしれません。必要な授業が受けられるかもしれません。しかし本人のためには、忘れ物をしてしまった事実や自分が困る結果になってしまったという事実を受け止めるために、反省を促しましょう。
自分が困る経験をしたことで、「次からは忘れ物をしないようにしよう」「なんで忘れ物をしてしまったんだろう」と考えさせるようにすることに繋がります。ちょっと可哀想な気もしますが、子どもは反省から学んでいきます。
持ち物の準備を親が行う
忘れ物をして子どもが困ってしまうのであれば、学校の準備を自分がやってしまったほうが確実だと考える方もいるかもしれません。困ってしまっているときや子どもがなかなか持ち物の準備をしない場合、やってあげたい・やってしまいたいという気持ちはとてもわかります。
しかし、親が代わりにやってあげてしまっては「親がやってくれるから」と子供は思ってしまいかねません。根本的な「自分のことは自分でやる」という意識から遠ざかってしまいます。
また、親が用意したもので忘れ物があったとしたら子供は「なんで入れてくれなかったんだ」と親を責めてしまうことになり、より「自分のことは自分でやる」意識が育ちにくくなってしまいます。持ち物は自分で準備する癖をつけさせてあげましょう。
性格の問題と放置する
発達障害ではあるけれど「性格だから」と諦めてしまうにはまだ早いです。子どもにとって「どうすれば忘れ物をしなくなるか」「何が原因だったのか」を考える余地を残してあげましょう。
発達障害だからと最初から決めてしまわずに、先述した「やった方がいい対策」のチェックリストを使ってみる、習慣化させてみるなどなど、できることをやってみたあとでも遅くはありません。
忘れ物をした・対策したことで忘れ物をしなかった……と、失敗と成功を繰り返す過程で子どもは忘れ物をしないようにする方法や工夫を学んでいきます。小さな問題解決能力を積んでいくことで、大きな問題を解決する力を養っていくことでしょう。
同時に「どうすれば忘れ物をしなくなるのか」と相談されたら、親なりの工夫や解決策を一緒に考えていけばいいのです。
こちらのYouTubeは、
小学生の親に向けた学用品の収納(セリア、無印良品、イケア、100均グッズで作る収納アイデア)について解説した動画です。簡単な道具を使って、収納方法についてわかりやすく紹介してあります。
この動画でも述べていますが、忘れ物をするお子さんに注意するというよりは、仕組みで解決していきましょう。仕組みで見た目をわかりやすくすれば紛失することや忘れ物が減っていく可能性があります。工夫できるものは工夫していきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?発達障害のADHDのうち注意散漫・不注意型は物忘れを多くしてしまう傾向があります。
- 発達障害の「忘れ物が多い」「整理整頓が苦手」「やり遂げることが苦手」「順序立てることが苦手」の特徴から物忘れを多くする傾向がある
- 対処することができる
- やっていいことは「できたことは褒めること」「優先順位を教えること」「チェックリストをつけること」
- やっていけないことは「忘れ物を届けること」「親が持ち物の準備をすること」「性格の問題だと諦めること」、また頭ごなしに叱ってはいけないこともお伝えしました
発達障害の特にADHD(不注意)には物忘れは多く発生してしまい、本人も周りも困ってしまうことが多いです。しかし、少し工夫すれば未然に防ぐことができるものです。問題を一つ一つ改善して、物忘れがないようにしていければいいのではないでしょうか。この記事が今困っているお子さんや保護者様のお役に立てれば幸いです。