皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害 本が読めない」についてです。

日常生活と本は、切っても切り離せないものです。
学校では勉強に教科書という本を使います。社会に出てからも、仕事でマニュアルを読んだり、勉強や調べものをするためには、やっぱり本を読んだりします。

そんな中で、本を読めない、という子どもたちもいます。好き嫌いでも、頭の良し悪しのせいでもなく、なぜか読めないのです。
そうすると、学校生活にも、社会生活にも支障がでますよね。

それは、もしかしたら発達障害のせいかもしれません。今回は、本が読めないことに関係する発達障害について学んでいきましょう。

発達障害の子どもたちが本を読めないのはなぜ?

まずは、発達障害の子どもたちが本を読めないのはなぜなのか、その原因を見ていきましょう。

学習障害(LD)の可能性

発達障害の一種に、学習障害(Learning Disability、以下LD)というものがあります。これは、知的な発達や聴覚・視覚の機能に遅れや問題がないにも関わらず、読んだり、書いたり、計算したりする能力に支障がでる発達障害です。
大きくわけて、三つの種類があります。

ディスレクシア

読字障害、とも言われるものです。文字を読むときに困難がある障害のことです。
本が読めない場合は、このディスレクシアの可能性が高いです。

・一文字ずつ区切って文章を読む
・文字や行そのものを読み飛ばしてしまう
・途中でどこを読んでいるのかわからなくなってしまう
・「ぬ」と「め」、「ソ」と「ン」などの形が似ている文字を区別できない

などが症状の例として挙げられます。

ディスグラフィア

書字障害、とも言われるものです。こちらは、文字や文章を書くときに困難がある障害のことです。

・漢字を覚えるのが苦手
・読めるけど書けない
・ひらがなや片仮名も書き間違えてしまう
・他人が書いた文字を書き写せない

などが症状の例として挙げられます。

ディスカリキュリア

算数障害、とも言われるものです。文字通り、算数や計算するときに困難がある障害のことです。

・数字という概念そのものがわからない
・一桁でも、足し算や引き算が苦手
・図形が覚えられない
・時計が読めない

などが症状の例として挙げられます。

ディスレクシア、ディスグラフィアの二つについては、以下の記事でもまとめられていますので、よかったらお読みください。

今回は、「本が読めない」ことに困っている方向けのため、ディスレクシアに焦点を当てていきます。

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橋口
ちなみに、この学習障害(LD)は、大人になってから判明することもあります。
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都築
ずっと気がつかないまま悩むのはつらいですね……
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橋口
ほんの少しでも「そうかな?」と思うことがあったら、早めに医療機関などに相談しましょうね。

ディスレクシアの詳しい症状

ディスレクシアの症状について、より詳しく見ていきましょう。

音韻の問題

まずは、文字の音に関する問題があります。

音韻とは?

音韻というのは、ある言語の中で、語彙の意味を区別するために意味がある音のことです。

具体的な例として、「L」と「R」の発音の違いが挙げられます。
英語では「L」と「R」の違いが、単語の意味の違いに影響してきます。

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橋口
よく言われるのは、「lice(シラミ)」と「rice(お米)」ですね。
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都築
日本語では子音が「L」でも「R」でも、どちらでも「ラ行の音」なので、「lice」も「rice」も「ライス」なのです。

ディスレクシアの子どもは、この音韻と文字を結びつけるのが難しいことがあります。
「ひらがな」という文字列を見ても、「ひらがな」という音に結びつかないのです。

もしくは、「ひ」「ら」「が」「な」と個別の音は理解できても、それを一つのまとまりとして認識することが難しいのです。

他にも、撥音「ん」や促音「っ」、拗音「ゃ」「ゅ」「ょ」、長音「ー」などを認識できないために読めない、ということもあります。

視覚情報の処理の問題

次に、目で見たときの問題があります。ディスレクシアではない子どもとは、そもそも見え方が違うということがあり得るのです。

例えば、文字がにじんだり、ぼやけて見えたりすることがあるといいます。
他にも、文字が歪んで見えたり、浮かびあがってみえたりすることがあるそうです。
さらには、鏡に映したように、左右反転して見えることもあるともいいます。

対処方法は?

ディスレクシアには、現在確立した医学的な治療方法はありません。
そのため、日常生活の中で本人や周囲が工夫をしていくことが必要になります。

読みやすいフォントを使う

丸ゴシックのような見やすいフォントを使用することに加え、行間を十分に開けて、サイズを大きくすると、滲んだりぼやけたりする子どもでも読みやすくなるようです。

以下は、明朝体と丸ゴシック、丸ゴシックで行間を開けたものの比較画像です。

丸ゴシックで行間を開けたものが一番読みやすそうですね。

読むべき部分だけがわかるように工夫する

下敷きを使って読まなくていい部分を隠す、などの対応をすると、余計な情報が遮断されて読みやすくなるようです。

こんなアイテムがありました。

商品名クロスボウ 魔法の定規 リーディングルーラー ワイドウィンドウ アクア(みずいろ) C1-WID1-A
価格589円
メーカークロスボウ
2021年11月10日現在 楽天市場商品価格ナビより抜粋

上から1センチのところに線が引かれた定規です。この線を読みたい行の下にあてることで、読みたい行に集中できる、というものです。色はイエローもあるようです。

口コミは残念ながらまだありませんが、おすすめです。

聞く力を使う

視覚情報としては理解しにくくても、聴覚情報は理解しやすいことがあります。そのため、声に出したものを聞いて勉強するようにすると良いようです。

どこが一つのまとまりなのかはっきりさせる

文章の区切りがよくわからないという場合は、/を入れるなどして教えてあげると多少読みやすくなるようです。

スマートフォンなどを活用!

スマートフォンやタブレットなどを取り入れると、クリアできることが多そうです。

実際にディスレクシアと診断された小学2年生の男の子についての特集動画があります。後半では学校からの配慮や、実際にしている工夫などが紹介されているので、よろしければご覧ください。

まとめ

本が読めない、文字や文章を読むのが苦手。それは、本人が怠けているからではなく、発達障害の中の学習障害(LD)の一種、ディスレクシアのせいかもしれません。
ディスレクシアについてまとめると、

  • 文字と音が結びつかないことがある
  • 文字の見え方がディスレクシアではない子どもたちと違う場合がある
  • 医学的な治療方法は確立されていないため、本人や周囲が工夫する必要がある

ということになります。

まずは、苦手であることを認めてあげましょう。そのうえで医療機関や学校などと連携を取ってサポートすることが大切です。

この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。