皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「言葉の発達段階」についてです。
みなさまは、自分がどのように言葉を習得したか、覚えていますか?
自然と身についていくものなので、わからない、というのが当然のことだと思います。
そのため、自分のお子さんの言葉の発達段階がどの程度進んでいるか、またはどの程度遅れているのか、わからなくて心配になるかもしれません。
今回は、そんな言葉の発達にどのような段階があるのか、発達を促すためにどのようなことができるか、まとめてみました。
お役に立てれば幸いです。
目次
言葉の発達には段階がある
何事にも順序と段階があるように、言語の習得も順序があり、段階を踏んで進んでいきます。
ですが、発達障害のお子さんは、それが遅れてしまうこともあります。
発達障害と言葉の発達
言葉の発達に遅れが生じる理由にはさまざまなものがあります。
- 聴覚に問題がある場合
- 喉や舌、顔の筋肉など声を発するために必要な器官に障害や発達の遅れがある場合
- 周囲から話しかけられないなどの環境の問題がある場合
などが挙げられます。
発達障害の中でも、特に、自閉スペクトラム症のお子さんに言葉の遅れが生じることがあります。
脳の機能の発達の凸凹の他にも、誰かと関わりたいという気持ちが足りていないと、コミュニケーションのツールである言葉は発達していきません。
自閉スペクトラム症のサイン
自閉スペクトラム症のサインの中には、以下のようなものがあります。
- 名前を呼ばれても振り返らない
- 独り言が多い
- 指さしをしてもそちらを見ない
- 他人が言ったことを鸚鵡返しにする
- ほしいものを言葉や身振りで伝えることなく、手を掴んで連れていくなどする
- 全く言葉を発さない
このように、コミュニケーションの面で問題が生じたり、言葉の発達に遅れが生じたりすることがあります。
これらが生じるのは、育て方やしつけの問題ではなく、生まれつきの脳の機能の発達の偏りが原因です。
他の機能に問題がない、たくさん話しかけている、複数の言語であふれかえっていてどの言語を習得したらよいかわからないような環境であるなどの原因が考えられない場合は、地域の健康診断の場や、かかりつけのお医者さまに相談してみるとよいでしょう。
自閉スペクトラム症については、以下の記事で詳しく説明されています。
よろしければご覧ください。
発達には個人差がある
さまざまな原因が考えられる言葉の発達の遅れですが、発達にはそもそも個人差がある、という点にも注意が必要です。
なかなか言葉が出てこない、というお子さんでも、あるときを境に突然語彙が増えて話し始める、ということも起こり得ます。
発達の段階
自然といつの間にか習得しているようにみえる母国語ですが、実はきちんと段階を踏んで少しずつ習得しています。
どこかの段階で躓いてしまうことがあるかもしれませんが、どこで躓いているのかがわかれば、発達を促すために何をすればいいかわかるようになります。
それぞれの発達段階とおおよその年齢
言葉は、以下のような段階を踏んで発達していきます。
- 喃語(生後四か月ごろから)
- 一語文(十か月ごろから一歳半前後)
- 二語文(一歳半前後から二歳ごろ)
- 三語文(二歳ごろから二歳半ごろ)
- 多語文(二歳半ごろから三歳ごろ)
- 複文(三歳ごろから)
一つずつ、詳しくみていきましょう。
喃語
生まれてすぐの間は伝えよう、という意思はありませんが、生後二か月ごろから喉を鳴らしたり、周囲の人間に笑顔を見せたりし始めます。
そして、生後四か月ごろから、喃語と呼ばれる音を発するようになります。
「あーあー」「うーうー」「ばぶばぶ」などの赤ちゃんが発する音のこと
一歳に近づいていくにつれて、表情や喃語、身振りなどを使ったコミュニケーションができるようになっていき、大人の簡単な言葉も理解できるようになります。
一語文
生後十か月ごろから一歳前後に、初語と呼ばれる言葉が出てくるようになります。
子どもが最初に発する意味のある言葉のこと
このようにして話し始める「まんま」「わんわん」「ぶーぶー」などの言葉は、一つの単語のみで構成されていることから一語文と呼ばれ、一歳前後から一歳半ごろに使い始めます。
たった一語ですが、「ご飯が食べたい」「犬がいる」「車のおもちゃを取ってほしい」など、文章の代わりの意味を持ちます。
特徴として、「ご飯」「犬」「車」などではなく、「まんま」「わんわん」「ぶーぶー」などの幼児語である、という点が挙げられます。
これには、大人が話しかけるときに幼児語を使っているという理由と、発音しやすい音が使われている理由があります。
二語文
一歳半から二歳ごろの間に、「ぶーぶー、ちょうだい」「まんま、たべる」などのような二つの単語を使った二語文を使い始めます。
「これなに?」と物の名前を聞くようになるのもこのころからです。
何度も繰り返し聞かれて大変かもしれませんが、言葉を覚えるために必要な過程なので、付き合ってあげるようにしましょう。
また、絵本やわらべ歌などは、この時期の言葉の発達を促すのにとても効果的です。
三語文
二歳から二歳半ごろになると、「公園で滑り台しゅーする」などのような、三つの単語で構成された三語文が現れるようになります。
「誰が」「何を」「どうする」といった三つの要素をセットにして考えられるようになるため、三つぐらいの関連するものの連想ができるようになります。
多語文
二歳半ごろから三歳ごろにかけて、「ぼく のど かわいた ジュース のむ」などのように、四つ以上の単語からなる多語文が出てくるようになります。
このころになると、発音もしっかりしてきて、大人の言うことを真似したがるようになります。
時間の流れなどについてもわかるようになってきて、自分の力で考える力や記憶力がついてきます。
複文
三歳ごろから、「○○ちゃんがたべるごはんはママが作ります」のような、一つの文章に中に主語と述語の関係が二つ以上含まれる複文が現れてきます。
そして、「○○だから××できない」という因果関係や、「○○したら××する」という条件文、「○○と××を比べるとどちらが大きいか?」という比較文を理解するようになります。
また、このころから、代名詞や助詞などの文法を使い始めたり、数や量の概念を理解し始めたります。
言葉が遅れているかどうかはいつわかる?
他者から指摘される場合は、一歳半健診、三歳児健診のときに指摘される場合が多いようです。
一歳半健診
言葉の発達に関する質問として、以下のようなものがあります。
- 親やテレビなどの真似をするか
- 「まんま」「わんわん」など、意味のある言葉を発するか
- 「どれがぶーぶー?」などと質問したときに、指差しをするか
- 「ぶーぶー持ってきて」などの簡単な言葉の指示に対して、持ってくるなどして応じることができるか
三歳児健診
三歳児健診での言葉の発達に関する質問としては、以下のようなものがあります。
- 自分のフルネームを正しく言えるか
- 友だちなどの名前を呼ぶか
- 犬や車などを見て、名前を言うことができるか
発達を促すために
ここでは、言葉の発達を促すために有効な方法についてご紹介します。
やり取りを楽しむ
何か聞かれたときに答えてそのまま終わりにしてしまうのではなく、その答えにさらに質問して子どもに答えてもらうといったように、やり取りをすることで、保護者の言葉を真似したりするなどの言葉の獲得が促されます。
例:「これなに?」→「うさぎさんだよ。○○くん、うさぎさんはすき?」→「うん、すき」
共感する
まだ言葉が出てくる前でも、指差しや視線を追うなどして何に興味を示しているかを知り、それに共感する、ということが大切です。
例えば、犬を見ていたら「わんわん、かわいいね」と言ってあげたり、車を指さしたら「ぶーぶー速いね」と声をかけてあげたりするなどです。
絵本やカードを使う
絵本は、子どもが聞いて楽しい音やリズムを取り入れた文章が使われています。
そのため、単語を引き出したり、文章を学んだりするのにとても効果的です。
また、絵カードなどを使って単語や感情の表現などを覚えていくこともとても効果的です。
タイトル | せいかつ絵カードずかん ことばと習慣がぐんぐん育つ!入園・入学準備に役立つ! |
価格 | 1,628円 |
著者 | カモ、岩澤寿美子 |
出版社 | KADOKAWA |
ページ数 | 192ページ |
出版日 | 2020年3月5日 |
「ごはん」「はこぶ」「ふく」など、単語や行動などの528枚の絵カードが一冊の本になったものです。
本になっているため、印刷されたページをコピーしてラミネートするなどして使う方が多いようです。
良い口コミとしては、
- イラストがかわいい
- 本の綴じた側が完全に開くようになっているためコピーしやすい
- いろんなシーンのイラストがあり満足
などがありました。
悪い口コミとしては、
- 最初からカードになっていてくれたほうがよかった
- 男の子のイラストのほうが多いため、女の子のイラストも同じくらいあればよかった
- 自分の子どもはあまり興味がなかった
などがありました。
総合評価が高かったことと、絵の種類が豊富なことから、おすすめしました。
声掛けをする
なんといっても、声を掛けられなければ、相手を認識できないだけでなく、自分の存在を認識することさえできません。
自分という存在に気づいて、他者という存在に気づくことでコミュニケーションは始まります。
コミュニケーションをしたい、と思えるように、たくさん声や言葉を掛けてあげるようにしましょう。
まとめ
今回は、言葉の発達段階についてまとめました。
ポイントは、
- 発達障害以外にも言葉の発達の遅れには原因がある
- 発達には段階があり、何歳ごろという目安はあるが、個人差もあるため心配があるようなら健康診断やかかりつけのお医者さまに相談するとよい
- 発達を促すためには、声掛けや共感するなどコミュニケーションをしたいと思わせることが大切
ということです。
言葉は、大切なコミュニケーションのツールです。
遅れがあると心配になるかとは思いますが、お医者さまなどとよく相談をして、ゆっくりでも段階を踏んで習得できるように働きかけていきましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました。