皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所となることを願って投稿させていただきます。
今日のトピックは「発達障害の子どもが変わる食事」についてです。
発達障害は完治できるものではないと言われていますが、実は、保護者などの協力で症状の程度を軽くしたり、生活への支障を減らすことができることを知っていますか。
今回は食事に関して家庭でどのようなサポートができるか、一緒に見ていきましょう。挑戦することで、子どもが生活への支障のない未来に希望が持てるかも知れません。
目次
食事で発達障害が改善する!?
発達障害の研究が日本よりも進み、社会的認知度が高く、公的サポートが充実しているアメリカでは、発達障害の子どもによく見られる症状のほとんどに「食べ物」が関わっていると言われています。
発達障害の子どもに対する栄養学を専門とする、マシューズ・ジュリー氏が書いた「発達障害の子どもが変わる食事」は、日本ではまだ知られていなかった発達障害と栄養との関係について、詳しく説明されています。
原題は、「Nourishing Hope for Autism」 (=自閉症治療の栄養学的可能性)なので、発達障害と言っても主に自閉症の子どもをお持ちの方が手に取って欲しい1冊です。もちろん、他の発達障害の子どもをお持ちの方にもおすすめします。
なぜなら、発達障害を持っている人だけでなく、持っていない人にも必要な栄養や環境に関する情報がたくさん含まれているからです。
実際に、本書に書かれている食事療法やサプリメント療法を行ってから、発達障害の子ども特有の様々な症状が改善していったという方が多くいます。
さらに、取り組んでから1~数年後で、子どもが周囲から自閉症を持っているかわからなかったり、自閉症の傾向はあっても完全な自閉症ではないと診断されたりなど、症状が改善したという人もいます。
これらは、紹介されている療法に取り組む前に子どもが自閉症と診断された保護者たちの経験談です。本書を読んで適切な検査をしてくれる病院で検査をした後に、紹介されている療法に取り組んでいます。
まずは適切な検査を!
本書では、療法に取り組む前に、病院やクリニックでどのような検査をまず受けるべきか、紹介されています。
簡単に説明すると、その子が何の食物アレルギーを持っているのか、何が消化を妨げているのかを調べる検査です。
アレルギー科
これらの検査を実施している病院やクリニックは少ないですが、実施しているところは「アレルギー科」の診察ができるところです。すべてのアレルギー科で実施している訳ではないので、一度確認してみてください。
もし、お近くのアレルギー科がある病院やクリニックでそれらの検査を実施していなければ、アメリカの研究所に直接送って検査をしてくれる会社もありますので、そちらも検討してみてください。
自宅で出来る検査キット
上記のリンクは、検査キッドを申し込んで、ご自宅に届いたら説明通りにご自身で採尿や採血をして、会社に送るという流れですので、日本どこからでも検査が受けられます。
また、検査料金は現在、全額自己負担になっています。金額は1~4万円と、検査の種類、病院やクリニックによって異なり、結果に関しても、診察で説明も加えて返してもらったり郵送してくれたり、方法が様々です。
そのため、検査をすることが決まったら、料金だけでなく、結果の返し方も聞いた方が安心できますね。
家庭でできる工夫とは?
本書では、 食事や栄養に関してどのような工夫ができるかが紹介されています。
アメリカでの生活をベースに書かれているので、日本では難しいことも中にはありますが、少しずつ変えていったり減らしていくことならできると思うので、ぜひチャレンジしてみましょう。
ここでは、本書を読むにあたってあらかじめ知っておいた方が良いことや、本書の内容をちょっとつまむ程度に述べていきたいと思います。
偏食
偏食は、自閉症の子どもによく見られる症状です。
単なる好き嫌いで食べないのではないので、保護者でも気づくのが遅くなってしまったり、周囲の理解が難しい症状でもあります。
本書での偏食の原因は食物過敏であるとされています。
食物過敏とは、食べてすぐにアレルギー反応が出ることではなく、アレルギーである食べ物を食べて少し時間が経ってから反応が出るアレルギーのことです。
下記のツイートをご覧下さい。
よって、検査によってのみ、この原因に当てはまるかどうかがわかります。
しかし、偏食の原因として他に、匂いや味に過度に反応してしまう「感覚過敏」や、発達障害の子どもによく見られる「強いこだわり」によるとも言われています。
そのため、まだ検査するお金と時間がない方は、次に紹介する方法で偏食が良くならないか試しみてはいかがですか。
1.調理の仕方にひと手間かける
偏食の子どもは飲み込みやすい物を好む傾向があるので、ミキサーやフードプロセッサーにかけてペースト状やスープにしてみましょう。また、切り方や大きさ、味付けもその子に合わせて作ってみましょう。
2.その子に合わせて配膳を変える
1つのお皿に盛ったり、自分で取り分けたり、何度か試してどの方法が一番多くの種類のおかずを食べてくれるのか探してみましょう。お皿やスプーンの色などにも注目してみましょう。
3.おやつを変えてみる
「これ(食べて欲しいもの)を食べたらおやつが食べれる」という流れを作り、食べてもらうように勧めてみましょう。
参照元:りたりこ発達ナビ、及び、公益財団法人母子衛生研究会
有害な食べ物
現在、食品の多くに添加物や化学合成物質などが含まれて加工されています。そして、それが原因で病気や体調不良が昔に比べて増えているのです。
発達障害も例外ではなく、それらの有害な成分が腸や神経に影響を与え、症状が悪化する可能性もあります。
本書でも紹介されていて、有害な食べ物と呼ばれるものは、トランス脂肪を含むマーガリン、牛乳や乳製品、小麦などが挙げられます。
海外では食品にグルテンフリーかどうかの表示がありますが、日本ではグルテンフリーの表示ではなく、小麦などの特定原材料が含まれていると表示されています。
何でも食品を買う場合には、必ず成分を確認しましょう。
サプリメント
「発達障害の子どもが変わる食事」では、サプリメントについても説明されています。
日本ではダイエットなどのために大人が使うものとして、サプリメントを認識している方が多いと思いますが、アメリカでは子どもでも、食事だけでは取れない栄養を補うために飲んでいます。
少し抵抗がある方もいるかも知れませんが、品質が良く、年齢に適した量の成分が含まれているサプリメントを選べば、問題はありません。
まず飲んだ方が良いもの、様子を見て少しずつ増やした方が良いものなど、詳しく説明されており、もしかしたら子どもだけでなく、本書を手に取った保護者にも効くかも知れません。
本書でたくさんの説明をしてくれていますが、発達障害の子どもを対象に、サプリメントの効果の実験について解説している動画があったので、参考に見てください。
まとめ
- 食事によって発達障害の症状を改善できる
- 紹介されている食事療法に取り組む前に検査が必要
- 検査をする前に家で試すことができるサポートもある
- すべての食品の成分表示を確認して子どもに与えられるか決める
- サプリメントの品質や成分が適正かを確認する
いかがでしょうか。食事を変えるだけで改善できるのは、保護者にとって希望が見えますよね。
仮に、検査する前に家でできるサポートを実践して少し改善できても、今後のためにも紹介されている検査をする価値はあります。
ぜひ、「発達障害の子どもが変わる食事」を読んで正確な情報を手に入れましょう。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。