皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害 社会性」についてです。
日々の生活の中で、人は必ず誰かと関わりを持ちます。家族、学校、職場…と成長すると共に、交流の範囲は広く、複雑になります。昨今、10人に1人が発達障害と言われる程、身近になりました。あなたの周りにも発達障害の人がいるかもしれません。
この記事では、発達障害者の社会性の特徴や、それに伴う弊害、周囲の人のサポート方法などが分かります。ぜひ、最後までご覧ください。
目次
発達障害の社会性の特徴
発達障害は代表的なASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)、LD(学習障害)の3つに分類されます。その中でも社会性の乏しさはASDの特性です。
ASDの社会性の特徴
ASDの人は、周囲の状況や相手の気持ちを想像して、柔軟に対応することが苦手です。簡単に言ってしまえば「マイペースな人」です。ASDの特徴で社会性の問題とコミュニケーションの問題を分けて紹介されることがありますが、両者は密接に関係しています。
社会の常識や暗黙のルールが理解できない
具体的には、目上の人を敬い礼儀をわきまえることや、人に会ったら挨拶するなどの常識的なことです。自分と相手との関係性を理解したり、相手の気持ちを推し量ったりしないと行えません。
学校や職場など、規則として決まってはいないけれども存在している、集団内だけでのルール(暗黙のルール)があります。目には見えないため、周囲の雰囲気を感じとることが必要になります。
これらはASDの人には理解が難しく、常識外れな言動や独自のルールを相手に押し付けてしまうことがあります。
その場の空気や相手の様子を理解できない
身振りや表情から相手の感情を読み取ることが苦手です。そこにはアイコンタクトの問題や言葉の問題も絡んできます。
ASDの人は視線が合わないと言われますが、「目は口ほどに物を言う」という言葉があるように、相手と視線を合わせないことで読み取れる情報が少なくなります。
言葉の問題では冗談や比喩が理解できない特徴がありますので、言葉の裏に隠された意味には気付けないことが多くあります。
以上のことから、3人以上のグループになるとますますコミュニケーションのハードルが高くなります。
周囲に配慮をした行動ができない
ASDの特徴として、他人への関心が薄く、自分の関心が優先になります。そのため、自分の話ばかりをして止まらない、自分のペースを貫くため、他者都合で次の行動に移せないなどがあります。
上記で紹介した常識やルールの理解が難しい、場の空気が読めないことも絡み、必然的に周囲に同調することが難しくなります。
ASDの人が見ている定型発達者の世界の話が大変分かりやすく、参考になる内容でした。興味のある人はご覧ください。
社会性に乏しいことで生じるデメリット
発達障害の人は周囲が理解できない言動をすることがあり、「変わった人」「空気が読めない」などのレッテルを貼られてしまうことがあります。周囲の理解が得られず、責められたりいじめられたりなどの辛い体験を重ねると、自尊心の低下や反抗的な感情へと繋がることがあります。
6歳くらいまでの未就学の内は、親や専門職員が密に関われる時期です。発達障害の特性は子供の頃から表れますが、サポート体制により、本人としてはあまり問題にならずに過ごせることもあります。
しかし親の手から離れ始める、小学校入学後からは注意が必要です。集団行動の難しさや周囲との認識の違いが、本人にとっても大きなストレスになってくる頃でしょう。
更に成長と共に人間関係は複雑になり、社会人になってからは仕事の責任も上乗せされます。そのため、早期から社会性を身に付けることが重要になってきます。
発達障害の特性により辛い体験が蓄積していくと、発達障害とは全く別の二次障害を発症することがあります。症状としては精神疾患が引き起こされる場合や、本来の発達障害の特性がより強化されてしまう場合が見られます。
周囲への問題行動として外部に出るもの…家庭内暴力、暴言、非行 等
本人の内面に出てしまうもの…うつ病、引きこもり、対人恐怖症、不安障害 等
発達障害社会性は身に付くのか
結論から言うと、発達障害の人も社会性を身に付けられます。そのためには学び、経験を積むことが重要になってきます。完璧な対応はできなくても、適切な言動や行動を自分なりにルール作りをしておくと、大きなミスを防げるそうです。
何歳からでも社会性を学ぶことはできますが、子供のうちから人との交流をたくさんさせてあげると良いでしょう。今回は子供を対象に紹介します。
親ができること
家族内での挨拶やコミュニケーションを大事にする
家族も小さな社会の単位です。日頃から挨拶やコミュニケーションを積極的に図ることで、外の社会へ出た時の予行練習となります。理屈で教えるよりも、実際に行った方が分かりやすいでしょう。
お手伝いをしてもらう
家庭内で役割を持つことで、自分も家族の一員である、人の役に立てると自信や達成感を育むことができます。お手伝いは具体的に、簡単な言葉で伝えます。上手くできなくても叱ったりせず、できた時はたくさん褒めます。
人と関わる機会をたくさん持たせる
「1人で遊ぶのが好きだから」「急にお友達の前で大声を上げないかな…」と心配や不安はあると思います。しかし、社会性は人との交流なくして身に付きません。
専門家に依頼すること
SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)を学ばせる
SSTは医療機関や福祉施設、学校などで実施しています。SSTは誰でもどんな環境でも行えますが、まずは医療機関や施設など、SSTを学んだ専門家に依頼すると良いでしょう。
SSTとは
SST(ソーシャルスキルトレーニング)とは、社会生活技能訓練とも呼ばれ、社会生活を送っていく中で、現状起こっている問題や今後起こりうる問題を想定して、
・問題を起こさない訓練
・問題を解決する訓練
をすることにより、社会の一員として生活できるようにするトレーニングのことです。
引用:発達障害のSSTとは – 発達障がい支援センター (skill-t.org)
どんなことをするの?
簡単に言うと、テーマに沿って参加者でロールプレイを行ったり、ディスカッションをしたりします。実際に体験をしながら適切な対応方法などを学んで、経験を積みます。
子供の場合ですが、具体的にはお友達に笑顔で挨拶をする方法や、お友達とケンカした時の仲直り方法などがあるそうです。その子の特性を知った上で、その子に合った方法で、専門の職員と学びたいポイントを学習していきます。
SSTについて詳しく紹介されている記事がありますので、こちらもご覧ください。
発達障害の子供への接し方
ゆっくりと話す
子供の顔を見ながら、ゆっくりと、明確に話をします。話す内容も具体的に、簡単な言葉で伝えると良いでしょう。焦らず、ゆったりとした気持ちで会話をすれば大丈夫です。
できないことを叱らない
発達障害のため、苦手なことがあるのは仕方ないことです。どうしてもイライラしてしまう時もありますが、できるだけ広い心で見守ってあげたいところです。
できなかった時は、解決方法を具体的に、簡単な言葉で、順を追って伝えます。すぐに改善することは難しいですが、根気よく寄り添いましょう。「いつかできるようになる」と大らかに構えましょう。
視覚的アプローチの活用
言葉よる情報よりも、視覚的に情報を伝えた方が分かりやすい子もいます。言葉ではなかなか理解できない時に、写真やイラスト、絵カードなどを活用してみましょう。
リラックスできる環境を用意する
特にASDの子では「大きな音」「光」「人混み」が苦手な場合があります。不快な外部刺激がある状態でコミュニケーションや指導をしても、なかなか受け入れにくいでしょう。静かな落ち着ける場所、環境をつくってあげることが大事です。
自分や家族に発達障害の人がいなくても、発達障害のことに関心を持って、少しでも知識を入れておくと良いでしょう。発達障害の特性でどうしても理解できないところは出てきてしまうので、どんな特徴があるのか、何が苦手なのかを知っておくと、気持ちにも余裕が持てます。
まとめ
- 発達障害の中で社会性の乏しさが表れるのはASDである
- 将来のためにも社会性を身に付けた方が良い
- 社会性は経験や訓練によって身に付けられる
- 発達障害でない人も、発達障害の知識を得ておくことで相互にメリットがある。
近年、発達障害に関してメディアでも多数取り上げられ、広く知れ渡りました。自分の家族に発達障害の人がいなくても、子供が通う学校や自分の職場にはいるかもしれません。少し知識を入れておくだけでも、余裕を持った対応ができます。
少しの気遣いで、発達障害の人の生きづらさは和らぎます。お互い歩み寄り、誰にとっても生きやすい世の中になると良いですね。