皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害 会話」についてです。
発達障害の中でも、特にASD傾向のある方には、会話に悩む方も多いのではないでしょうか。
会話への苦手意識から、極力人と接することのないように立ち振る舞うという方もいます。
しかし、ASDの方も、少し意識を変えるだけで、会話力を上げることはできるんです!
会話力を上げる方法を学んで、コミュニケーションを楽しめるようになりましょう。
でも、意識を変えることで、少しずつでも会話力は向上していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
発達障害|ASDさんが会話力を上げる6つのヒント
ASD傾向のある方は、そもそもスムーズな会話が難しいという特性をもちます。
しかし、そんなASDさんも会話力を向上するための方法がいくつかあります。
会話力を上げるために一番大切なこと
ASDの方が会話力を上げるために一番大切なことは自覚することです。
何を自覚するのかというと、会話におけるASDの特性です。
・興味のない話を聞かなくなってしまうことがある
・相手の質問と自分の答えがズレてしまうことがある
・相手の話を遮って話してしまうことがある
この後ご紹介する5つの会話力向上のポイントも、全てはこの「自覚する」ということの上に成り立っています。
まずASD傾向のある方は、自分の会話は上記のような特性をもつ可能性があるということを意識してみましょう。
そうすることで、上記のことを回避できることもあります。
会話力向上のポイント
ここからは、ASDの会話特性を自覚した上で、その他にどんなことを意識すれば、スムーズに会話をすることができるのかをご紹介します。
我慢を意識する
自分が話し出す前に、一呼吸置いてみてください。
前述しましたが、ASD傾向のある方は人の話を遮って話し始めてしまうことがしばしばあります。
それは、相手を不快な思いにさせてしまうこともあるでしょう。
また、相手の質問を最後まで聞いていないことで、相手の求めることを答えられないことも多くなります。
まずは、相手の話を最後まで聞いてから話し始めるということを意識してみましょう。
会話のマニュアル化
会話のマニュアル化とは、会話のいくつかのパターンを用意しておくということです。
<マニュアル化の例>
- 朝は挨拶と共に「今日も暑いですね」のような、天気の話題を入れるようにしよう
- ランチ後は先輩に「お昼何にしたんですか?」と時々聞いてみよう
- 友達の髪型などの変化に気づいたら「髪型似合うね」と必ず言おう
このような会話は、定型発達の方であれば自然に出てくるものかもしれませんが、ASD傾向のある方には難しいです。
しかし、「〇〇のような場合には、××しよう」と予め決めておけば、ASDの方も実行しやすくなります。
「何を話したらいいかわからない」といったことも回避できるでしょう。
会話の手数を増やしておくということです。
相槌にバリエーションをつける
いわゆる「合コンさしすせそ」のように、相槌の種類をいくつかもち、ローテーションさせるような気持ちでいましょう。
<合コンさしすせそ>
さ:さすが~
し:知らなかった~
す:すごーい
せ:センスいい~
そ:そうなんだ~
前述しましたが、ASDの方は、自分の興味関心のない話を最後まで聞けないことも少なくありません。
そうでなくても、自分の興味から外れた話題の時には、相槌も素っ気なくなってしまいがちです。
なので、「合コンさしすせそ」のように相槌にバリエーションをつけ、「話をきちんと聞いている」という姿勢を示すようにしましょう。
しかし、「自分は興味がなくなると話を聞かなくなることがある」と意識し、実際にきちんと話を聞くように努めることが大切です。
オウム返し
相手の言ったことを繰り返す「オウム返し」です。
<オウム返しの例>
・先輩「昨日キャンプに行ったんだよね」
自分「キャンプ行ったんですか!」
・友達「彼氏と別れちゃったんだよね」
自分「別れちゃったの!?」
上記の例に示したように、相手の話の一部をオウム返しします。
その際、語尾に「!」や「!?」が付くようなイメージをもってみてください。
さらに、オウム返しする時に、自分も相手と同じ表情ができると、より効果的です。
状況に合わせなければならないので、少し高度な技術かもしれません。
しかし、オウム返ししたり、表情を相手に合わせたりすることで、自然と、相手に共感を示すような態度にうつります。
相手の質問に集中する
会話の中でも、相手から自分への質問の内容に一番注意を払うようにします。
会話全体に集中することももちろん大切ですが、中でも相手からの質問に一番集中するようにしてください。
集中が途切れてしまい、相手からの質問がよくわからなくなってしまった時は、聞き直しても構いません。
相手からの質問を、自分の中で反芻するようにしてみましょう。
そうすると、少し自分の会話を冷静にコントロールできるようになるかもしれません。
そもそもASDはなぜ会話が苦手なの?
一般に、ASD傾向のある方はスムーズな会話が難しいとされています。
それは、障害特性によるものなのです。
会話に関わるASDの特性
ASDの方の特性は以下のようなものがあります。
・コミュニケーションの障害
・対人関係、社会性の障害
・興味関心の偏り
(参照:国立障害者リハビリセンター発達障害情報・支援センター)
コミュニケーションの障害
ASDの方は会話だけでなく、コミュニケーションが全般的に苦手なことが多いです。
相手の気持ちを汲むことに困難があるからです。
なので、相手の質問の意図が理解できず、ズレた返答をしてしまったり、相手の話を遮って話し出してしまったりすることがあります。
対人関係、社会性の障害
対人関係や社会性の障害とは、コミュニケーションの障害同様、相手の気持ちを汲み取ることが難しいことから起きます。
暗黙の了解が理解できず、空気の読めない発言をしてしまったり、「普通はこうすべき」ということが分からず、場にそぐわないことを言ってしまったりすることがあるのです。
また、相手の気持ちを汲むことが難しいため、共感するということも苦手としている方が多いです。
なので、相手の話に共感を示すということができず、逆に怒らせてしまったり、不快な思いにさせてしまうことも少なくありません。
興味関心の偏り
ASDの方は興味関心が狭く、偏りがあります。
そして、その興味のあることに対しての関心の寄せ方がかなり強いです。
自分の興味関心のある内容に少しでも話題が及ぶと、相手の話を遮って話し始めてしまったり、相手の様子を気にせず話し続けてしまったり、相手の質問とズレた答えをしてしまったりするのです。
ASDの方の会話の実際
ここでは、ASDの方の会話の実際をご紹介します。
▼お子さんも含め、ご自身もASDの方で、当事者の気持ちをとてもわかりやすくお話されています。
▼ASDの方の会話での困難を、わかりやすくまとめています。
▼やはり、ご自身の会話特性を意識することが大切です。
もう少し踏み込んだ対策をしたいなら
ここまででご紹介したような対策だけでは心もとないということであれば、ソーシャルスキルトレーニング(以下SST)を受けてみるのはいかがでしょうか。
SSTとは、社会的スキル(相手に対する態度やものの言い方など)を養うトレーニングです。
ロールプレイなどを通して、どんな場面でどんな話し方をしたり、どんな態度をとればよいのかを具体的に学ぶことができます。
会話の特性を修正するのに、ご自身だけでは限界を感じている方は、一度SSTを受けてみてはいかがでしょう。
▼SSTについてまとめていますので、参考にしてみてください。
今は色々なところで受けることができるので、上記をぜひ参考にしてみてくださいね。
まとめ
- ASDの方が会話力を上げるために一番大切なのは、自分の会話の特性を自覚すること
- 会話力を上げるには、我慢の意識、会話のマニュアル化、相槌のバリエーション、オウム返し、質問に集中することなどがある
- もう少し踏み込んだ対策をしたいなら、ソーシャルスキルトレーニングがオススメ
ASDの方が会話に困難を感じることは、よくあります。
残念ながら、会話への苦手意識から、人とのコミュニケーション自体を絶ってしまうことも少なくありません。
しかし、少し意識するだけで、会話の特性は少しずつですが、変えていくことができます。
もちろん、周囲の理解も大切です。
ご自身の努力と共に、それでも困難があることを周囲の方に伝えておくのも良いでしょう。
ぜひ、コミュニケーションから遠ざかることなく、会話を楽しんでくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。