皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害空気が読めない」についてです。
子どもが周囲からなんだか浮いている。そんなことを感じることはないでしょうか?
もしかしたらその原因は、子どもが空気を読めないことにあるのかもしれません。
その場にあった行動をしたり、相手の顔色から言葉を変えたりなど、私たちは空気を読むという行いを日常的に行なっています。
しかし、発達障害を持つ子どもの中には、空気を読むことが苦手な子どもがいます。
空気が読めないことと発達障害。この2つにはどのような関係があるのでしょうか?
この記事では、発達障害の子どもが空気を読めない理由からその支援策までを紹介します。
目次
発達障害の子どもの「空気が読めない」その原因とは?
空気が読めないことによって、頭を抱える人は少なくありません。
発達障害の子どももそのうちの一人と言えるでしょう。
しかし、自分が空気を読めていないことにすら気がついていないケースがほとんどです。
その理由は以下の発達障害の特性が関係しています。
ASD(自閉症スペクトラム障害)
空気を読めない子どもの大体が、このASDを持っています。
「空気が読めていないな」と感じるASDの特性には以下のようなものがあります。
周囲の雰囲気を読み取れない
ASDの子どもは周囲の雰囲気を読み取ることを苦手とします。
例えば、クラスの同級生が「病気のため入院することになった」と教師からみんなに伝える場面を想像してみてください。
「元気だったあの子が…」「〇〇さんかわいそう…」と子どもたちは悲しい気持ちになるものです。ASDの子どもはこうした周囲の悲しい雰囲気を感じ取れません。
自分が楽しいと思ったことを思い出しては笑ったり、不謹慎な発言をしてしまうことがあります。そのため、空気の読めない子だとレッテルを貼られてしまいがちです。
相手の表情や感情を読み取れない
相手の表情や感情を読み取ることも苦手としています。
私たちは相手の表情から喜怒哀楽を判断して、ある程度その人の感情に合わせた行動や発言を行うことができます。
ASDの子どもはたとえ相手が怒っていようと、その感情を読み取ることができずに、不用意な発言をしてしまったり、相手の嫌がる行動を意図せずに行なってしまうことがあります。
柔軟に対応することができない
物事に柔軟に対応することができません。
私たちは急な予定変更があれば、それに合わせるためにあれこれ考えながらも臨機応変に行動することができます。
ASDの子どもは臨機応変が苦手です。自身の想定していない出来事に見舞われると混乱し、パニックに陥ってしまう子どももいるのです。
また、言葉をそのまま素直に受け取ってしまうこともあります。
例えば、「嘘をついてはいけない」を教えられた場合、身長の低いことに悩んでいる子どもに対して「背が低いね」と正直に伝えてしまいます。
こちらの動画でもASDが空気を読めない原因について解説されています。
ADHD(注意欠如・多動障害)
ADHDを持っている子どもも空気が読めないとよく言われています。
しかし、ADHDには空気が読めないといった特性はありません。
では、なぜADHDの子どもは空気が読めないと言われているのでしょう。
以下の2つにその理由があります。
- ADHDとASDの併発
- ADHDの特性による誤解
それぞれ解説していきます。
ADHDとASDの併発
ADHDを持っている子どもの約3〜5割はASDを併発しているという報告もあります。
自閉スペクトラム症(ASD)は全人口の1%程度が診断を満たす発達障害で、中核症状は社会コミュニケーションの障害と反復的常同的行動です。
引用:ASDとADHDの合併|BiPPs
注意欠如多動症(ADHD)は注意・集中力・オーガナイズ力に問題があり、また過活動・衝動性もその中核症状をなしています。これら中核症状は全く異なる二つの疾患ですが、実は類似している点は多いのです。
遺伝子研究では部分的に共通した異常が認められていますし、脳画像研究では脳の結合の異常が類似していることが知られています。さらに、臨床的にもASDと診断された人の30-50%がADHDの症状をもち、逆もまた同じ程度であると考えられています。
上記からもわかるように、ADHDの子どもにASDが併発していれば、先ほど紹介したASDの特性も強く現れます。
そのため、ADHDで空気が読めないと言われている子どもは、そのほとんどがASDを併発している可能性があるのです。
ADHDの特性による周囲の誤解
ADHDの子どもが空気を読めないと周囲から思われてしまう特性もやはり存在します。
その多くは衝動性や多動性によるものです。
- 考える前に行動してしまう(衝動性)
- 一方的に話し続けてしまう(多動性・衝動性)
- 思いついたことをつい言ってしまう(衝動性)
これらに合わせ、感情や欲求のコントロールが苦手という特性も含めて、周囲から「空気が読めない子どもだな」と思われてしまいます。
それぞれの障害については、以下の記事でも解説していますのであわせて読んでみてください。
空気が読めない!当事者やその親のリアルな声!
発達障害の当事者、またはその親など空気が読めないことによって困ることはたくさん出てきます。
具体的にどのような困りごとがあるのか、ここでは当事者やその親たちのリアルな声を見ていきましょう。
上記の声からもわかる通り、空気が読めないことはさまざまなトラブルに繋がってしまうことがあります。
苦しんでいるのは、当事者だけでなくその親も同じです。自身の子どもであれば、その悲痛な叫びをしっかりと拾って、受け止めてあげたいものです。
逆に空気を敏感に察知する子どももいる!
空気を読めない子どもとは対照的に、周囲の空気を敏感に察知する子どももいます。
しかし、そういった子どもでも困りごとを抱えているものです。
空気を読みすぎるがゆえに物事にどう対応していいかわからなくなり、身動きができなくなってしまいます。
例えば、相手が表情には出さないものの、怒りや悲しみの感情を抱えていることをすぐに察知してしまったり、周囲の顔色をうかがうあまり、ストレスを溜め込んでしまうといった問題を抱えることがあります。
ASDの特性があるからといって、すべての子どもが空気を読めないわけではありません。特性の現れ方は人それぞれ、十人十色なのです。
空気が読めないことへの3つの支援策!
空気が読めないと子どもが周囲から浮いたり、いじめにつながったりもしてしまう危険性があります。そうならないためにも、日頃から子どもに周囲を意識させることが大切です。
ここでは、私たちが子どもにできる3つの支援策についてみていきましょう。
活動の流れを視覚的にわかるようにする
行事などの活動の流れを視覚的に理解できるようにしてあげましょう。
具体的には、イラストや図を使って説明してあげるのが望ましいです。
周囲の雰囲気の理解が難しい子どもは、突然喋り出したり、席を立つなどの場違いな行動を起こしがちです。自分の置かれている状況に不安になったりパニックを起こしてしまうことも。
「これからどうすればよいか」という見通しを立ててあげることで、子どもは安心します。
耳で聞くことより、目で見て判断する「視覚優位」な子どももいます。
どうしていいか分からない子どもには、口頭だけでなく、視覚的に訴えるようにしましょう。
以下の記事では視覚優位について解説していますので、あわせて読んでみてください。
状況を判断するための声かけを行う
ASDの子どもは周囲に無関心なことがあります。
例えば、お友達がみんなで遊んでいても関心を持つことなく一人で遊んでいたり、先生が話していてもどこか上の空だったりします。
そんな時は子どもに意識を向けさせるような声かけを行なってみましょう。
テレビでよく観る実況解説さながらに、子どもに今の状況を説明してあげます。
先程の例で言えば、「広場でお友達が遊んでいるね。何しているのかな?」と状況を説明した上で、子どもに考えさせるのがポイントです。
子どもが状況を理解し「みんなゲームをして遊んでる」と答えれば、そっと「みんなと一緒に遊んでみる?」と促してあげることができます。
言葉ははっきりと伝える
あいまいな言葉の理解を苦手としている子どもは多くいます。
例えば、子どもが学校に行く時間になった時の「そろそろ時間じゃない?」という声かけ。
私たちであれば、この言葉から「学校に行きなさい」という意図を読み取ることができます。ASDの子どもはこうした言葉の意図を読み取ることが苦手なため、「どういうこと?」と頭の中で疑問を浮かべてしまいます。
簡潔にかつ端的に「学校に行きましょう」と伝える方が理解しやすいです。
はっきりとした言葉で伝えて子どもがちゃんと理解することができれば、特性による問題行動も減ってくるでしょう。
まとめ
- 発達障害の子どもが空気を読めない原因は、主にASDの特性によるもの!
- ADHDはそれ単体では「空気が読めない」という特性はない!ASDとの併発率は高い!
- 空気が読めないことにより、周囲からの誤解やいじめに発展してしまうケースもある!
- 空気を敏感に察知する子どももいる!発達障害の特性は十人十色!
- 周囲の状況に意識を向けさせる、はっきりとした言葉で伝えるなどの支援が必要不可欠!
発達障害の子どもが空気を読めない理由や支援方法などをお伝えしました。
当然のことながら誰しも完璧ではありません。
常に正解の行動や発言をできる人はいないと言ってもいいでしょう。
発達障害を持っていれば、なおさらの事です。
空気が読めないことで、子どもが周囲から浮いてしまわないためにも、私たち親のバックアップは常に必要と言えるのではないでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。