皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達知的障害」についてです。

発達知的障害ってなに?どんな診断基準?うちの子は当てはまるかも?様々な疑問を持たれてこの記事に辿り着いたのではないでしょうか。また、うちの子が知的障害と診断されて困惑している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では知的障害について、その概要、定義、診断基準、原因、そして支援の方法についてよりわかりやすくまとめていきます。発達知的障害について知識を深めることができ、あなたのお悩みを解決できれば幸いです!

発達知的障害とは精神障害の一種

知的障害について紹介していきたいと思います。まずここで厚生労働省の公式HPの引用を挙げます。

知的能力障害(ID: Intellectual Disability)は、医学領域の精神遅滞(MR: Mental Retardation)と同じものを指し、論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、学校や経験での学習のように全般的な精神機能の支障によって特徴づけられる発達障害の一つ

厚生労働省 e-ヘルスネット

なんだかややこしいですよね。この記事では主に厚生労働省のサイトを参照させていただきますが、中には難しいことも書かれているため、わかりやすくまとめていきます。

つまり知的障害とは

知的障害は医学領域で「精神遅滞」とも書かれる、全般的な精神機能の障害です。

知的障害は医学的に診断すると、

18歳以下であること
知的機能
適応機能
 ・読み書きや数学、論理的思考、知識や問題解決といった概念的領域、
 ・対人コミュニケーションや社会的判断、自己制御などの社会的領域、
 ・金銭管理や行動の管理などの実用的領域
という、3つの領域に明らかな制約が見られること

で特徴づけられる障害です。

最新の「精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版(DSM-5)」では、「知的能力障害(知的発達症)」とも表記されています。知的障害は医学領域で「精神遅滞」とも書かれる、知的発達における障害です。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、学校や経験での学習のように全般的な精神機能の支障が見受けられます。

知的障害の定義

定義としては

  1. 知能検査によって確かめられる知的機能の欠陥」
  2. 適応機能の明らかな欠陥
  3. 発達期(おおむね18歳まで)に生じる

以上になります。

18歳以下までに、知的欠陥と適応機能の欠陥が認められた場合、知的障害と診断される可能性が高まってしまうわけです。

     主な参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット

            :リタリコジュニア

以下の内部リンクもとても参考になりますので、合わせてご覧ください。

どうやって知的障害だと診断される?

先ほども述べましたが、知的障害とは

  1. 知能検査によって確かめられる知的機能の欠陥
  2. 適応機能の明らかな欠陥
  3. 発達期(おおむね18歳まで)に生じる

と定義されるものです。発達期に発症し、知的機能と、概念的領域・社会的領域・実用的な領域における適応機能両面の欠陥を含む障害なのです。

ではよく使われる「知的機能」と「適応機能」とは何なのでしょうか。

知的機能はIQで測る

知的機能は簡単に言うと言語や読み書きなど学習をする能力、物を考えたり解決するための能力のことです。

これは知能検査によって知能指数(IQ)が測られます。

IQとは、

知能の水準あるいは発達の程度を測定した検査の結果を表す数値。単に学習で覚えた知識や学力ではなく、様々な状況や環境に合理的に対処していくための土台となる能力を知能と捉え、それをわかりやすく数値化したもの

厚生労働省 e-ヘルスネット 知能指数

のことです。IQの平均が100である場合、70未満になると可能性が「知的指数が低い」と判断されること可能性がかなり高くなります。

しかし、IQが必ずしも「社会生活上の困難」と結びつかない場合があることから、現在の診断基準(DSM-5)においては、次の『適応機能』を重視する傾向にあります。

適応機能は3つの領域で測る

適応機能とは『日常生活でその人に期待される要求に対していかに効率よく適切に対処し、自立しているのかを表す機能』のことです。総合的に判断して診断が下されます。

日常生活の適応機能は「概念的領域」、「社会的領域」、「実用的領域」の3つの領域の状態で示すことが指示されています。これらは日常生活・学校・職場など多方面における機能状態の困難さ、支援の必要性を評価した上で判断する必要があります。

概念的領域

記憶、言語、読字、書字、数学的思考、実用的な知識の習得、問題解決、および新規場面における判断においての能力についての領域

社会的領域

特に他者の思考・感情・および体験を認識すること、共感、対人的コミュニケーション技能、友情関係を築く能力、および社会的な判断についての領域

実用的領域

特にセルフケア、仕事の責任、金銭管理、娯楽、行動の自己管理、および学校と仕事の課題の調整といった実生活での学習および自己管理についての領域

これらが支援を必要としているのか、つまり生活に困っているのか困っていないのかによって判断されます。

参考:厚生労働省 e-ヘルスネット

知的機能や適応機能の程度に基づいて診断されます

これらの知的機能や適応機能に基づいて診断され、「軽度」「中等度」「重度」「最重度」に分類されます。

IQと適応機能の程度はこちらの「MSDマニュアル 家庭版 知的能力障害の程度表」をご参照ください。

症状が重ければ早期に発見されますが、症状が軽ければ発見も遅れてしまいます。この障害は適切な治療・療育・教育をおこなうことが必要ですのでなるべく早く発見したいものです。中には大人になってから発見されることも少なくないようです。

必要な支援については、本人だけでなく、その人を取り巻く環境への支援も欠かせません。

どんな症状が現れる?

知的障害の子どもによく見られる行動は以下の通りです。

avatar
小野田
ご自分のお子さんと照らし合わせてみましょう!
  • 学習や技能を身につけることが難しい
  • 言葉の理解が遅い
  • 柔軟に考え物事を対処することが難しい
  • コミュニケーションをとることが難しい
  • 集団が苦手
  • 行動のコントロールが難しい
  • 落ち着きがなく飽きるのが早い
  • 身の回りの自立に時間がかかる

コミュニケーションが苦手な点はASDと似ていますし、学習面の習得は学習障害に似ています。実は知的障害は発達障害とよく似ているところも多く間違えられることもあるようです。もしくはASDやADHDなどの発達障害と併発してしまうこともありますので注意しましょう。発達障害はその育ち方によっては二次障害として精神疾患を患ってしまうこともありますのでさらに注意が必要です。

原因は様々です

要因は主に3つあります

原因として考えられるのは以下の3つです。

基礎疾患などもなく、原因不明な染色体異常のケース
先天的な要因である染色体異常やダウン症や先天代謝異常症・出産前後の感染症など出産前に生じる異常
後天的な要因である脳挫傷や痙攣性疾患、神経皮膚症候群・中枢神経感染症
などがあげられます。乳幼児期の栄養不足や養育環境次第で発症することもあります。

生まれる前に原因があるのか、生まれた後に原因があるのか、とても多岐にわたっていますね。原因がすぐにはわからないのがこの障害の特徴の一つです。

遺伝するのか?

上記したように知的障害の原因は様々です。先天的なものもあれば後天的なものもあり、必ずしも遺伝が原因となっているわけではありません。また親に知的障害があったとしても、それが必ず子どもに遺伝するわけでもありません。

知的障害についてより詳しく知りたい方は以下の動画もご覧ください。知的障害の特徴や原因について述べられています。

支援の方法や接し方

知的障害は改善させることが難しいのが現状です。

しかしその子にあった環境に工夫することができれば適応機能が向上して過ごしやすくなる可能性があります。そのために家族の協力が必要なのです。

家族はどのような協力をすればいい?

1
本人の希望を聞いてサポートしてあげましょう

障害があったとしても幸せな人はたくさんいます。本人が幸せになれるようにその実現に向けてサポートしてあげましょう。

2
わかりやすく伝える

短くて簡単な言葉でゆっくり伝えたり絵や図を使って伝えることができれば、本人にとってより理解しやすく誤解も生まれません。

3
困った行動をする前に対処法を考えておきましょう

困った行動をとらなくていいように、ルールや対処法を決めておきましょう。わかりやすく事前に伝えておくなどの予防的な対応をとりましょう

以下は知的障害を持った子どもたちの、日々の様子や特徴を解説している動画です。「あっくんママチャンネル」「はばたけタケル」チャンネルなど発達障害の子どもをお持ちのママたちが自身の経験を交えながら紹介しています。数ヶ月に一度のペースで発信しているようです。

それぞれの子によって障害の差はあるかも知れませんが、当事者の声を聞くことで参考になることが多いかもしれません。他にも発達障害の子どもの特徴や支援策についての情報発信をしているYouTubeもたくさん見つかりますので、参考までによろしければご覧ください。

福祉サービスも利用しましょう

家族だけで解決するのは荷が重すぎるかと思います。

福祉サービスなどを受けるために療育手帳を取ったり、管轄の児童相談所や障害者センターと一緒になって療育していくことがいいかもしれません。

生きづらさを抱えて二次障害である精神疾患になる可能性もある病気です。お子さまのためにも二次障害を最小限に留めたり食い止めてあげましょう。

知的障害についてもっとよく知りたい方へ

知的障害についてもっとよく知りたい方に向けておすすめの書籍を紹介します。

一冊目は「知的障害のことがよくわかる本」です。

どんな本?

発売日:2007年6月10日 
著者名: 有馬正高
出版社: 講談社

ここがおすすめ

知的障害とどう接して向き合えばいいのかについて書かれた本です。知的障害をお持ちのかたが受けられる社会支援についても書かれています。知的障害についてもっとよく知りたい方やどんな支援があるかについて知りたい方におすすめです。

価格

新品は書籍・電子書籍ともに1540円です(2021/06/18時点)。
中古は990円からあります。

知的障害についてまだよくわからない方や専門ではない一般の方向けにイラストも多く使われているようです。

こんな声が届いています

・入門用として、初めて知的障害の人と接する人にはよくわかる内容になっています。
・知的障害のことを理解する入門書には最適です。
・こちらは内容についてわかりやすく書かれています。
本を読むのがあまり得意でない人にもおすすめできる一冊です。

一方で専門的なことを知りたい方には物足らない印象を受けるようです。また対象としているのは子どもなので、大人の方の知的障害における対処法とは異なるようです。

一方でこんな声も届いています

・もう少し詳しいものが良かった気がしました。
・大半が子どもの対処法だったので、がっかりしました。

ご自身の理解度に合わせてご検討ください。

二冊目は「 知的障害・自閉症のある人への行動障害支援に役立つアイデア集65例 」です。

どんな本?

発売日: 2020年5月1日
著者名: 志賀利一、林大輔
出版社: 中央法規出版

ここがおすすめ

知的障害や自閉症をお持ちの方に向けた、行動障害の支援の本です。65例のアイデアが掲載されています。

価格

新品のみで2200円です(2021/06/18時点)。

こんな声が届いています

・イラストもあり分かりやすかったです。なかなか現場では教えてもらえない事も書いてあり参考になりました。

イラストも多く使われているようです。わかりやすいのが一番ですよね。まずは読みやすいものや理解しやすいものから読んで、少しでも知識や理解を深めていきましょう。

まとめ

  • 発達知的障害ってどんな病気?
  • 知的障害の定義
  • 知的機能と適応機能について
  • どんな症状が現れるのか
  • 原因
  • 支援の方法と接し方

この記事では知的障害について概要、定義、診断、原因などなどさまざまな方面からまとめていきました。

知的障害について知識を深めることができたでしょうか。

発達知的障害について詳しく知り、知的障害のお子さんやお持ちのご家族にとって少しでも力になれたら幸いです。