皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「子育て 脳科学」です。
今このページをご覧になっている皆さんはきっと、「何が正解なのか?」と迷いながら毎日子育てに奮闘していますよね。ネットや著書で「子育てハウツー」が出回っていますが、見たものによって言っていることが違う!何を信じたら良いか分からない!と感じている方も多いと思います。子どもによって発達が異なるからこそ、個人の経験に基づいた子育てハウツーは案外当てにならないものです。
そこで今回は、脳科学に基づいた3つの著書を参考に、「脳の発達に関わる言葉かけ」に焦点を当てて、まとめていきます。
目次
子どもの脳を発達させる1番の方法は「会話」と「単語」の量
今回は下記3つの著書を参考にしていきます。読み進めていくと、共通して「乳幼児期の親子のコミュニケーション(会話)」が重要だと記されていました。なぜ重要なのかを、脳科学の観点から説明します。
3歳までに脳の神経回路の基礎が作られる
脳の神経細胞は産まれた瞬間が1番多く、3歳までに約70%の神経細胞を排除していきます。過剰にある無用な神経細胞を排除することで神経回路(シナプス)の基礎を作っており、その密度は3歳までに最大になります。そのため、どの著書でも乳幼児期に脳の発達を促す親の働きかけがとても重要だと記されています。
1時間に2100語を聞くことが必要
1960年代にカンザス大学で行われた研究では、3歳までに聞く「単語数」が4歳児以降の語彙力を特に高めることが分かりました。4歳児に語彙力強化プログラムを実施しても効果を見いだせず、さまざまな角度から親子の「会話の質」を研究したところ、このような結果になりました。
具体的に必要な単語数は、1日2万1000語です。これだけを聞くとずっと何かを話し続けなければいけないのかと絶望してしまいますが、1時間あたりで計算すると2100語で、時間で言うと15分くらいです。1時間のうち15分くらいだったら、子どもに話しかけることができそうですよね。
例えば、「ミルクを飲もうね。」ではなく、「ミルクをこれから作っていくね。粉を入れて、お湯を入れていくよ。このままじゃ熱いから冷まそうね。もう少し待っていてね。ほら、できたよ。温かくておいしそう。おいしいミルクをたくさん飲もうね。」といったように、親の行うことを実況中継のように説明をすることで、単語数を増やすというのも手ですね。
絵本の読み聞かせが大切?
前章では、たくさんの単語を語りかけることが大切だと分かりました。そう考えると、絵本の読み聞かせは語りかける方法としては最適なのではないかと思いますよね。脳科学の観点から見ると、どうなのでしょうか?
ただ絵本を読むのではなく、「会話をすること」が大切
昔から「絵本の読み聞かせ」は子育ての中で重要視されてきました。大切なのは、冊数でしょうか?読んだ回数でしょうか?答えはどちらもNOです。重要なのは、絵本を通して子どもと会話をしているかです。
言葉が出てきたら、親が全てを読むのではなく、子どもも参加できるように問いかけをしていきます。例えば、「りんごはどれ?」「うさぎさんはどこに行ったのかな?」と問いかけたり、あえて文字数の少ない絵本を読んで一緒にストーリーを考えたりすると、子どもの語彙力や口語能力アップにつながるというデータがあります。
子どもを「本好き」に育てる理由
なぜ、子どもに語りかけて、語彙力を高めることが必要なのでしょうか。それは、小学生や中学生になり勉強を進めていくと、文章を理解するためには語彙力が必要になるからです。そして、その語彙力は会話よりも読書の方がはるかに多く得られます。そのため、子どもを「本好き」に育てる必要が出てくるのです。
まだ言葉を理解できないうちから絵本を読む必要があるのか?と思う方もいるかと思いますが、まずは赤ちゃんのうちから絵本を好きになること・親しむことが必要です。抑揚をつけたり、親自身が楽しそうに読んだりすることで、赤ちゃんが絵本に興味をもつように心がけましょう。
子どもにテレビは見せない方がいい?
子育ての中で必ず話題になる「テレビを子どもに見せるか」という問題にも、3つの著書は触れていました。YouTubeなどの映像媒体や幼児教材が豊富になってきた現代では、どのように考えられているのでしょうか。
2歳まではテレビを「あまり」見せない方が良い
3冊の著者が共通して主張していたのは、「2歳まではテレビは全く見せないことがベスト」でした。2歳未満の子どもがテレビを見ると、感情の抑制がうまくできず他者に対して攻撃的になることや、注意力と集中力に悪影響を及ぼすことが研究で明らかになっているからです。また、テレビをつけると親子のコミュニケーションが20%減るというデータがあり、前章で大切とされていた「会話」が減ってしまうことも大きなデメリットです。
著書の中でこのような言葉がありました。
「テレビに子守をさせないことは大原則」
0歳からみるみる賢くなる55の心得 久保田カヨ子著
ドキッとしますよね。家事や身の回りの準備をしている時やちょっとした親の休憩時間に、テレビをつけて見ていてもらう、という経験がある方が、大多数かと思います。現代生活の中で、テレビを全く見せないということは非現実的だと感じる方も多いでしょう。ただ、続けてこのように記されていました。
「テレビをうまく利用すれば、これほど手近で便利な教材はありません」
0歳からみるみる賢くなる55の心得 久保田カヨ子著
では、テレビはどのように利用していけば良いのでしょうか。
2歳をすぎたら『参加型』テレビを活用する
あくまでも、2歳までは極力テレビを見せないということが前提ですが、2歳を過ぎるとテレビの利用方法によっては、子どもに良い影響を与えることも分かっています。ポイントは「参加型」の内容であることです。
- 番組内のキャラクターが問いかける質問に答える
- 「なんで~なんだろう?」と一緒に考えながら見る
- 「○○ちゃんだったらどうする?」と質問しながら見る
- 「この前一緒に行ったね」と思い出話をしながら見る
- 天気予報を見ながら「明日は晴れだから何をしようか?」と話す
気付いた方も多いかと思いますが、「親が一緒に」見ていることが重要ですね。 テレビをただ見るものではなく、「会話」「単語」を増やすツールとして利用することが大切です。結局のところ、子ども1人でテレビを見せる(=テレビに子守をさせる)ということは避けた方が良さそうです。
まとめ
いかがだったでしょうか。絵本を読みながら「言葉を分かっていないのに意味はあるのかな・・・」や、テレビを見せながら「テレビって子どもに悪影響が大きいのかな・・・」と、不安に思いながら子育てをしていた方も、脳科学のデータに基づいた見解を見て、少し疑問が解消されたのではないでしょうか。
今回、脳科学で研究されたデータに基づき、大切だとされていることは以下の3点です。
- 3歳までに子どもの脳の発達を促すことが重要
- 「会話」と「単語」の量が多いことが、子どもの脳の発達に良い影響を及ぼす
- 絵本やテレビはコミュニケーションツールの1つとして活用する
正直、毎日クタクタな中で家事育児をしている時に、テレビやYouTubeはとても頼れる存在ですよね。ただ今回この記事を読んだ後からは、少しずつでもテレビの見せ方を見直していき、子どもと顔を合わせてとるコミュニケーションを増やしていけたらすてきですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。