皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害 不登校」についてです。

お子さんの不登校、不安になりますよね。

お子さんの普段の様子から、「もしかして発達障害が原因なのでは」と思われる親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

不登校と発達障害は関連性があることが学術的にも示されています。

では、発達障害のあるお子さんが不登校になってしまうのは仕方がないかというと、そうではありません!

発達障害と不登校との関連、保護者のすべきことについて解説します。

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橋口
不登校と発達障害は関連があることも少なくないんですよね。
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小野田
はい。
でも、お子さん自身をしっかり見ることが大事です。
お子さんを知るきっかけにもなるかもしれないので、発達障害と不登校の関連について見ていきましょう!

不登校の原因は発達障害にあり?

お子さんが不登校になったのは発達障害のせいかというと、答えはNOです。

発達障害は、脳機能の一部に障害があることで、様々な症状を呈する障害のことです。

代表的なものとして、以下の3つが挙げられます。

<学習障害>

「読む」「書く」「計算する」等の能力が、全体的な知的発達に比べて極端に苦手

<ADHD>

・不注意(集中できない)

・多動・多弁(じっとしていられない)

・衝動的に行動する(考えるよりも先に動く)

<広汎性発達障害>

・コミュニケーションの障害

・対人関係、社会性の障害

・パターン化した行動、こだわり

参照:国立障害者リハビリセンター発達障害情報・支援センター

発達障害の症状に、「引きこもる」「不登校になる」といったものはありません。

発達障害は、そのような症状を引き起こす脳の障害ではないのです。

発達障害が原因で不登校になるということはあり得ません。

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橋口
では、発達障害と不登校にはどのような関連があるのでしょうか。
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小野田
その答えは「二次障害にあり!」です。

二次障害とは

二次障害とは、過度なストレスやトラウマによって引き起こされる問題のことを指します。

二次障害には以下のようなものがあります。

体の不調:頭痛、腹痛、チック、食欲不振、睡眠障害

精神の不調:過度な不安や緊張、うつ症状、対人恐怖症

行動の問題:強い反抗、暴言・暴力、自傷行為

もともとある障害を一次障害と呼ぶこともあります。

一次障害にあたる発達障害は、脳機能の障害が原因であるのに対し、二次障害の原因は環境です。

つまり、周りの人が態度や言葉で発達障害のある子を傷つけたり、追い詰めたりすることや、発達障害のある子に緊張や無理を強いる状況が、二次障害を引き起こすのです。

それは、周りの人が意図的にしていることか、無意識にかは、二次障害には関係がありません。

あくまで、本人にとって辛い状況であるかどうかが、二次障害を引き起こすかどうかに関わってきます。

▼発達障害と二次障害についての詳細は以下の動画をご参照ください。

不登校の原因は発達障害ではなく二次障害!

つまり、発達障害が不登校の直接の原因ではなく、周囲の人の態度や、学校生活がお子さんに合っていないということで二次障害が生じ、それが不登校の原因となっているのです。

二次障害は、過度なストレスやトラウマによって引き起こされます。

周囲の人(友人、担任、顧問、家族など)に発達障害を受け入れてもらえないことや、学校生活がお子さんの特性に合わずに辛いということなどが原因で、良好な人間関係を作れなかったり、自信をなくしたりして、それがストレスやトラウマとなります。

ストレスやトラウマによって二次障害が生じ、登校できなくなってしまうのです。

お子さんの不登校は二次障害が原因?

では、お子さんの不登校は発達障害の二次障害が原因なのでしょうか?

それとも他に原因が?

文部科学省は不登校の原因を次のように分類しています。

A.学校に係る状況

・いじめ

・いじめを除く友人関係をめぐる問題

・学業不振

・進路に係る不安

・クラブ活動、部活動等への不適応

・学校のきまり等をめぐる問題

・入学、転編入学、進級時の不適応

B.家庭に係る状況

・家庭の生活環境の急激な変化

・親子の関わり方

・家庭内の不和

C.本人に係る状況

・生活リズムの乱れ、あそび、非行

・無気力、不安

D.上記に当てはまらないもの

参照:令和元年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について

この中で、お子さんの様子や本人の話から、原因が「B.家庭に係る状況」、「C.本人に係る状況」、「D.上記に当てはまらないもの」のどれかであると考えられる場合は、不登校と発達障害の関連は薄いかもしれません。

しかし、「A.学校に係る状況」により、不登校になっていると考えられる場合には、発達障害が学校生活の中で受け入れてもらえないことや、学校生活が本人に合っていないことによる二次障害が原因である可能性も考えられます。

二次障害が原因と考えられる場合に親ができることとは?

お子さんの不登校の原因が二次障害である場合、保護者が一番大切にしなければならない事は「この子の不登校は、この子が悪いからではない」と考えることです。

二次障害は、主に本人の特性を周囲に認めてもらえないことや、周囲になじめないことなどのストレスやトラウマによって生じます。

二次障害が原因で学校に行けなくなっているのならば、その不登校は決して本人のせいではありません。

お子さんは学校で「生きづらさ」を抱えながらも、頑張ってきたのだと思います。

しかし、それが限界に達したため、「学校に行きたくない」とSOSを発しているのです。

まずは、学校でたくさん頑張ってきたお子さんを褒め、受け入れてあげてください。

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橋口
不登校のお子さんは、それまで学校でとても頑張ってきているんですよね。
それを多いに認めてあげたいです。
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小野田
そうですね、それが第一です。
その上で、保護者の方は次のようなことをしていきましょう。

学校とのつながりはゆるくていい!そして親がもつ

学校と連絡をとるのは、保護者の役割としましょう。

特に「学校に行きたくない」と言い始めたばかりのお子さんは、学校生活に疲弊している状態と考えられます。

なるべく、本人と学校との距離をとってあげましょう。

学校とのつながりを絶たないように、親御さんが連絡をとれることが理想です。

でも、毎日学校との連絡をとる必要はないと思います。

学校との連絡は時に親御さんの負担になります。

そのあたりは、担任や管理職の先生と相談してみましょう。

登校刺激はしなくてよい

早く状況を改善しようと焦ってしまう気持ちもあると思いますが、これが保護者にとって一番の頑張りどころと言えるのかもしれません。

敢えて登校を促すことはしなくてよいです。

ポイント

登校するように促すことを「登校刺激」と呼びます。

お子さんが不登校というのは、本人だけでなく保護者にとっても、不安の大きな状態です。

なので、つい「明日は行けそう?」「学校に行った方が楽しいよ」などと言って、焦って登校を促してしまいがちです。

しかし、不適切な登校刺激は逆効果となり、かえって状況を悪化させたり、長期化させたりする原因となります。

どのように登校刺激をしていくかは、学校や専門家と相談の上で行いましょう。

家庭の役割としては「安心できる居場所」となることです。

「安心できる居場所」が確立することで、社会に出る再スタートのための土壌をつくることにつながります。

▼登校刺激をせず、家庭を安心できる居場所とすることについて、参考にしてください。

▼お子さんの安心できる居場所となるための、良い考え方ですね!

医療機関にかかる

精神科や心療内科などの医療機関にかかりましょう。

医療機関にかかることで以下のような良い点があります。

・発達障害を自覚することで、本人がラクになることがある。

・二次障害に服薬が功を奏することがある。

発達障害に関して、まだ医療機関を受診していないという場合は、できる限り早めに受診できるようにしましょう。

診断されていないということは、本人がまだ自身の発達障害に気が付いていない可能性があります。

診断名がつくことにより、学校での「生きづらさ」が自分のせいではなく、障害のせいで仕方がないということ、支援があればその「生きづらさ」は軽減していけるものであると気づくことができます。

その気づきによって、本人がラクになるということもあります。

また、心身共に不調をきたす二次障害には、服薬が功を奏することもあります。

それも、医療機関にかかって初めてできる対応なのです。

しかし、お子さんを医療機関に連れていくことが困難な場合もあるでしょう。

医療機関によっては、最初のうちは保護者だけでも話を聞いてくれるという場合もあるので、問い合わせてみてください。

「第三の居場所」ができるとベスト

「第三の居場所」とは、学校でも家庭でもない、本人が安心できる居場所のことです。

「第三の居場所」の意義とは

家庭以外の場所で、家族以外の他人から、自分の存在を認めてもらえるというのは、大きな意味があります。

これは、不登校のお子さん全員に言えることです。

しかし、二次障害によって登校できなくなってしまったお子さんにとっては、より一層大切なことと言えるかもしれません。

なぜなら、二次障害は学校で自分を認めてもらえなかったという経験から生じているからです。

家族以外でも、自分を受け入れてくれる、安心できる居場所があると思えれば、自信の回復や自己肯定感を養うことにつながります。

また、第三の居場所は本人だけでなく、家族にとっても良い意味があります。

登校していないということは、家族は1日中お子さんと家で一緒に過ごすことになります。

同じ部屋にいないとしても、不登校のお子さんと四六時中共に過ごすのは、家族にとっても、不安や負担感、焦りを生みやすいです。

お子さんが学校と家庭以外に居場所ができると、「学校に行けなくても、ここで受け入れてもらえるならば」と、お子さんが登校できていないことへの保護者の焦りも軽減できます。

「第三の居場所」って例えば?

第三の居場所を見つけるのは難しいですが、以下のようなところが考えられます。

<第三の居場所>

日本財団による、子供の居場所を作るプロジェクトです。

全国に展開されています。

<フリースクール>

不登校や引きこもりのお子さんが学校以外で、友達と遊んだり勉強したりできる居場所のことです。

<不登校専門家庭教師>

「居場所」と言うと、場所のことも指しますが、安心できる人のことも「居場所」と言えるでしょう。

そういった意味で言うと、不登校専門の家庭教師が家に来て、お子さんの話し相手になれるかもしれません。

<放課後デイサービス>

障害のあるお子さんが通える福祉施設です。

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橋口
私たち放課後デイサービスも、お子さんの第三の居場所となることができるかもしれません。
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小野田
発達障害のお子さんの気持ちに寄り添い、安心できる場所となりたいと思っています。
一緒にお子さんのより良い生活や道筋について考えていきましょう!

▼下記に詳細がありますので、ぜひ参考にしてみてください。

上記のような、不登校のお子さん向けや、不登校を想定した場所でなくても、お子さんを温かく迎えてくれる人がいて、本人が居心地が良いと感じる場所であれば、どこでも第三の居場所になりえます。

「第三の居場所」にお子さんを繋ぐには

このように、「第三の居場所」には良い側面しかないように思えますが、まずお子さんを「第三の居場所」に繋ぐことが難しいということもあります。

いくら保護者の方が「うちの子にぴったり」だと思う場所を見つけても、お子さんがそこに向かう意思がなければ意味がありません。

また、そこに通うように強いるような言い回しをしてしまうと、登校刺激と同じように、逆効果になりかねません。

お子さんが自分で第三の居場所を見つけられることがベストですが、小さなお子さんの場合は難しいでしょう。

そんな時は、まずは保護者の方が「第三の居場所」となりえそうな場所との関係を築き、本人を誘うタイミングや方法を相談してみると良いでしょう。

しかし、何とか「第三の居場所に繋ごう」と焦る必要もありません。

まずはお子さんの「第一の居場所」としての、安心できる家庭をつくってあげられるように心がけてあげてください。

▼不登校のお子さんへの対応についてよくわかります。

参考にしてみてください。

悩んだ時はまずは相談

お子さんが不登校の状態は、本人だけでなく、親御さんの不安もかなり大きなものだと思います。

その不安を抱え込まないでください。

相談に乗り、親身になってくれる人は必ずいます。

相談窓口は以下のようなところがあります。

・学校(担任、学年主任、養護教諭、スクールカウンセラー、管理職)

・かかりつけ医

・地域の保健センター

・児童相談所

・その他の相談機関

上記のような中から、複数の相談先があると良いです。

まず、前述しましたが、学校とのつながりは絶たないでおけるとよいでしょう。

しかし、発達障害の二次障害が原因で登校できないという場合は、学校、特に担任の先生への不信感もあるかもしれません。

そんな時は、担任の先生でなくても、学年主任、保健室の先生、スクールカウンセラー、管理職の先生など、親御さんの信頼できる方に、ぜひ親御さん自身のお気持ちを相談してみてください。

また、精神科や心療内科にかかる前に、かかりつけ医に相談するのもアリです。

精神科や心療内科にかかる場合、大抵は長期に渡って通うことになります。

信頼できる、通いやすい医院を、かかりつけ医に相談してみましょう。

そして、地域の保健センターや、児童相談所も強い味方です。

児童相談所などはなかなかハードルが高く感じるかもしれませんが、経験豊富な職員さんが相談にのってくれます。

また、その他にも電話で相談できるようなところがたくさんあります。

▼以下は、発達障害についての相談場所として紹介していますが、こちらに紹介されている場所ならば、不登校についても相談にのってもらえます!

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橋口
親御さんだってつらいんですよね…
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小野田
専門家なら、的確なアドバイスをもらえますよ!
でも、専門家でなくてもよいので、親御さんが心の内を吐露できる相手を、ぜひ見つけてくださいね。

まとめ

  • 発達障害が原因で不登校になることはない。
  • 環境要因で引き起こされる二次障害が、不登校の原因の可能性がある。
  • 学校との連絡は保護者の役割とする。
  • 敢えて登校刺激はしなくてよい。
  • 第三の居場所がもてるとベスト。
  • 様々な相談機関がある。抱え込まず、色々な人に話を聞いてもらえると良い。

お子さんの不登校の原因が二次障害であっても、そうでなくても、まずは家庭を安心できる居場所にできるよう、心がけてみてください。

学校での頑張りを認め、家庭でゆっくり休ませてあげましょう。

お子さんが不登校になってしまうのは、本人だけでなく親御さんも大きな不安の中にあると思います。

お子さんが安心して次のステップに進めるよう、親御さんもゆったりとした気持ちでいられるよう、色々な人に頼ってくださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。