みなさんこんにちは!今日も知って役立つ情報を皆さんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害 朝起きられない 対策」です。
発達障害をお持ちのお子さんは、その50%が朝起きられない問題を抱えていると言われています。
なかなか起きない…
起こすと逆切れして暴れる…
など苦労されている方は多いのではないでしょうか。今回は、「朝起きられない問題を解決する対策」を紹介していきます。
色々試したけどうまくいかない!という方も、こちらの方法で再チャレンジ!大声でガミガミと怒る毎日から解放されて、さわやかな朝を迎えましょう。
目次
発達障害さんの朝起きられない問題の対策
この記事では「朝起きられない」お子さんへの工夫として、8つの方法をお勧めします。
全体を通してのポイントは「朝起きると楽しいことが待っている」状況を用意することです。
自閉傾向のあるお子さんは、行動パターンを守っていくのが得意です。そんな方には特に、型(ルーティン)をつくって習慣にしていくことが効果的です。
朝起きられるようになるための工夫8つ
まずは箇条書きで8つ全ての工夫をお伝えしますね!
1.寝るまでの手順を儀式化する
2.好きなことは「夜は我慢、朝はしていい」ルールにする
3.朝起きてからすることを最小限にする
4.朝ごはんを好きなものにする
5.カーテンを開けて眠る
6.目覚まし時計は早めの時間にセットしない
7.室温を整える
8.イヤーマフを付ける
既にご存知の内容も含まれているかもしれませんが、朝起きるための工夫は、ひとつ試して上手くいかなくても、組み合わせることで成功率を高めることができます。
今の方法で効果が得られていなくても、習慣化できているのなら続けてみてください。他の方法も追加していくことで、ある日突然成果が表れるかもしれませんよ!
それでは8つの工夫について、ひとつずつ具体的にみていきましょう。
工夫①寝る前の時間を儀式化する
「儀式化する」とは、眠りに入るための手順をあらかじめきめて習慣化することです。
例えば…
- お風呂に入る
- パジャマに着替える
- トイレに行く
- 布団に入る
- 絵本を読む
- 電気を消す
流れ作るように順番を決めて習慣化することで、この手順を踏むと眠りに入りやすくなります。
まずは布団に入ることが出来ればOKですよ!
工夫②好きなことは「夜は我慢、朝はしていい」ルールにする
寝る前の時間にビデオを見たりゲームをしたりすると、アドレナリンが放出されて睡眠に入るための切り替えが難しくなります。
切り替えが苦手な発達障害さんは特に避けたい行動ですね。
眠れなくてもいいので早くに布団に入る約束が守れたら、起きたときに楽しいことをしても良いルールにしましょう。
“朝起きたら好きなことが出来る!”これが朝起きる原動力になります。
・朝起きたら好きなテレビ(ビデオ)が観られる
・朝起きたらゲームができる
・朝起きたらスマホを触ってもいい
楽しいことが待っていると起きなくちゃ!という気持ちになりますよね。
慣れないうちは、起きてすぐに好きなことをさせるとモチベーションが上げやすいです。
朝の支度がスムーズにできたら、出かける前にできた自由時間に遊ばせるのもモチベーションアップに役立ちます。
特に自閉傾向のあるお子さんの場合、朝起きて最初に好きなビデオを15分観るなどの習慣が定着しやすく効果的です。
大人は、つい将来役に立ちそうな実用的なことをさせたくなってしまいます。
お子さんが「心の底からしたいこと」を自由に選べるようにしましょう。
工夫③朝起きてからすることを最小限にする
朝起きてから出かけるまでにすることが多すぎると面倒くさくなってグズグズしてしまいます。
やることをできるだけ少なくして、起きてからの自分の行動がイメージできるようにしましょう。
そのためにも出かける支度はもちろん、その日に着る服など、前日のうちにできる準備はすべてしておきます。
朝起きたら
- 顔を洗う
- 着替える
- ご飯を食べる
- 歯を磨く
- トイレに行く
- 好きなテレビ番組を観る
やることを書いたカードなどを用意して目で見えるようにするとイメージしやすくなります。
工夫④朝ご飯を好きなものにする
親心としては、出来れば栄養バランスを考えていろんなものを食べさせたいと思いますよね。
でも今は「朝起きること」を優先させましょう。
寝起きにご飯を食べるのはなかなかエネルギーのいることです。
朝ご飯が好きなものだったら起きる楽しみの一つになりますよ!
さらに品数が少なく食べやすいものなら朝ご飯を食べることが楽になります。
こちらの方も、朝が起きれないことによる弊害が多いことをツイートされています。
朝ご飯だけでなく食事全般で食べない、偏りがあるなどの悩みを抱えている方はこちらの記事を参考にしてください。
工夫⑤カーテンを開けて寝る
朝日が入るように寝る前にカーテンを開けておきましょう。
「目を開かないと効果がないんじゃない?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。実はこれ、目を開かなくても効果が期待できる方法なんです!
目をばっちり覚まさなくても、身体の方から起きる準備を整えてくれます。ぜひ騙されたと思って試してみてくださいね。
工夫⑥目覚まし時計は早めの時間にセットしない
目覚まし時計を使って起きている場合は「起きなければならない時間」にセットするようにしてください。
よく、目覚まし時計が鳴ってもすぐに起きられないからと早めの時間にセットする人がいます。
気持ちは分かりますが、たいていは止めてしまい二度寝をするようになってしまいます。
なぜかと言うと、「まだ早めで、起きなくても問題ない時間」であることを知っているからです。
余計に寝てしまい結局遅刻になってしまうことも…。お子さんが自分の部屋で寝ている年齢なら気を付けましょう。
起きられない不安が拭えない場合は、以下のような対策を組み合わせてみてはいかがでしょうか?
- 布団から体を起こさないと止められない場所に目覚ましを置いておく
体を起こせば二度寝の可能性はグッと減りますよ!
- 時報型のアプリを使い、現在時刻が再生されるようにする
何の変哲もない音が流れるよりも、時刻が再生された方が「起きなければならない時間」だと認識しやすくなります
工夫⑦室温を整えておく
朝、寒くて布団から出たくない、暑くてグダグダしてしまう…。親御さんも経験のあることなのではないでしょうか?
こんな状況を回避するために、気持ちよく起きられる室温にしておきましょう。
自分の部屋で寝ているお子さんなら、エアコンのタイマーをかけておくのもいいですね。
工夫⑧イヤーマフをつける【聴覚過敏のお子さんにお勧め】
聴覚が過敏でなかなか寝付けないお子さん向けの対策です。
寝ているときに外れて危険の無いように十分確認してください。
お子さんが寝た後に外してあげるなど大人の対応が必要です。
子供専用に作られたイヤーマフは軽量で柔らかくコンパクト。
寝るときだけでなく音の大きな場所へ行くときにも重宝しますよ!
YorkShin(ヨークシン)イヤーマフ 子ども用
(税込1,980円 送料無料 参考:楽天市場 2022年5月現在)
発達障害さんの睡眠メカニズム
発達障害のあるお子さんは神経系の機能に問題を抱えていて、眠りに入ったり目覚めたりする切り替えが上手にできないケースも多いです。
本人の意識だけでは乗り越えるのが難しいのだと理解して、少しでも眠りの助けをしてあげられるといいですね。
「過集中」が見られるお子さんの場合は特に、寝る直前にやっていたことから睡眠への切り替えがスムーズにできず、眠ることが難しいことがあります。
『朝起きられない!』はASDとADHDに多く見られる
発達障害とひとことで表現しても、いくつかの分類ができることはご存知かもしれません。実は、その分類ごとに『朝起きられない』特徴が表れやすい場合があります。
▼発達障害の分類については以下の記事で詳しく説明しています▼
心も体も疲れている
眠りに限らず、体の機能や心のコントロール機能に問題を抱えているので日頃から疲れやすい状態にあります。
自閉スペクトラム症のお子さんはその50%~80%が睡眠に関する問題を抱えていると言われています。
参考:発達障害者の不眠 瀬川記念小児神経学クリニック理事長 星野 恭子 ドクターサロン 2020年8月
睡眠、行動、コミュニケーションが上手くいっていないと、一日が終わるころはもうへとへとでしょう。
すぐにぐっすり眠れたらいいのですが、眠りにつくのも苦手なお子さんは疲れが取れないことも考えられます。わが子のことを思うと、可哀そうに感じることもあるかもしれません。
お子さんの状態を良く理解して、無理強いしたり根性を叩きなおすような指導はしないように心がけたいものです。
睡眠は脳幹が司っています。さらに脳幹にはセロトニンとかノルアドレナリンとかドーパミンとか、そういう物質が神経をつくるのです。そこがうまくいかないで、小学校高学年、中学生、高校生となってくると睡眠の問題が多く出てきてしまうということです。
発達障害者の不眠 瀬川記念小児神経学クリニック理事長 星野 恭子 ドクターサロン 2020年8月
【医師への相談も検討を】起立性調節障害や睡眠障害
自分なりに朝起きる工夫をしていくことは大切なことですが、自分たちだけでは解決できないこともあります。
特に、起立性調節障害や睡眠障害の併発が見られる場合は医師へ相談することで服薬などのアプローチもとれる可能性があります。
全員が服薬治療することになるわけではありませんが、症状に心当たりがあるのなら一度医師への相談も視野に入れてみてください。
睡眠障害の併発についても、ASD、ADHD傾向の方で見られやすいと言われれています。
起立性調節障害
起立性調節障害とは自律神経に問題が起きている病気です。
この場合は医療機関での治療が必要になります。睡眠障害に比べあまり聞き馴染みがないと思いますので、少し詳しくご紹介しますね。
朝起きられないだけでなく、起きている間にも眠くてしょうがない、立ち眩みがするなど他の症状も見られますので、早めの受診をお勧めします。
こちらのサイトでは起立性調性障害が分かりやすく解説されています。
簡単なチェックリストがあるので心配な時は調べてみてください。
↓↓↓
「子どもに起こりやすい起立性調性障害」恩賜財団済生会
朝起きるための対策は、遅刻対策にもなる!!
せっかく朝起きられたのに、そこからの行動がグズグズしてしまい出かける時間に間に合わない。
こんな時も
- 朝やることを減らす
- 起きたらすることを確認しておく
- ルーティン化する
これらの方法はとても役に立ちます。
朝起きる対策は遅刻防止にもつながります。
「絶対に遅刻できない…!!」日に突然試すのではなく、日頃から訓練しておきましょう。
ルーティン化する
お子さんの行動が習慣づくまでは付き合う大人の頑張りが必要です。
このときにタイマーを活用すれば、大人の負担も減らすことができます。
ここでご紹介するスマホアプリ「ルーティンタイマー」は、登録した作業を一つ一つ音声でアナウンスしてくれます。
何かをするときに他のことに気持ちがそれて手が止まってしまう、だらだらしてしまう、などを防ぐことができます。
登録する時のコツは、作業と作業の間に「次の行動にうつるための時間を30秒設けること」です。
これをすることで、次の作業がすぐに始まらず、せかされることなくゆっくり切り替えていけるのです。
我が家はこれで中学生の朝の時間が改善しましたよ!
ぜひ試してみてください!
親のきもち
いろいろな対策をご紹介しましたが、神経質にならずに出来ることからゆっくりためしていってください。
お子さんが怠け者なわけでも、あなたのしつけが悪いわけでもありません。
新しい対策をためすとき、どうしてもすぐに効果が欲しくなります。
効果がみられないと原因を考えてしまいがちですね。
- 睡眠時間が足りてないんじゃない?
- 睡眠の質は?
- 今日は起こすのに○○分もかかった!
- やり方がいけないの?
こんなふうに延々と考えていたら、あなたが先に参ってしまいますよ!
時間や回数にはこだわらないようにしましょう。
睡眠も発達の一つでお子さんの成長に合わせて変化していきます。
たとえ遅刻をしてしまっても少しずつ改善していこうという前向きな気持ちで対応していきたいですね。
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レビュー
「親の考え方が大事」というような内容の本が多い中で、てぃ先生はいつも必ずすぐに始められる親の具体的な行動を教えてくれます。不思議なことに子どもが自然とこちらの行動に乗ってきてくれるんです。これは絶対に手放さないと決めた一冊です。
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まとめ
今日ご紹介した朝起きられるようになる方法は次の8つでした。
- 寝る前の時間を儀式化する
- 好きなことは夜には我慢・朝はしていいルールにする
- 朝起きて出かけるまでにすることを最低限にする
- 朝ご飯を好きなものにする
- カーテンを開けて置いて朝日を入れる
- 目覚まし時計は早めの時間にセットしない
- 室温を整えておく
- イヤーマフをつける
一日をスタートである朝から、怒鳴ったり喧嘩したりしている日々にうんざりしている方もいらっしゃるかもしれません。
お子さんにとって、朝起きると楽しいことが待っている!
と思わせて朝起きる原動力にしていきましょう。
最終的には、お子さまが自分で起きられるようにしていくことで、親御さんの負担が軽くなることになります。
最後までお読みいただきありがとうございました。