皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報を皆さんと共有していきます!今回のキーワードは「6歳、言葉の遅れ」についてです。
6歳になるけど、どうも言葉が遅れている気がする。
でも、ほかのことはちゃんとできてるから、まだ大丈夫かな?とお考えではありませんか?
小学校からは学習が始まり、言葉によるさらに複雑なコミュニケーションが必要になります。
言葉の遅れが原因で、子どもが学校生活で困らないために今、親ができることは何でしょうか。
目次
6歳で言葉の遅れに気づいたら|入学してから困らないために今できること
小学校で困らないために、一日も早く専門家に相談してください。
言葉の遅れの原因によっては、一日も早いトレーニングが必要になります。
支援環境を整えることで得られる改善を逃さないでください。
言葉の遅れの原因
言葉の遅れには、医学的な原因と、発達による原因があります。
今になって言葉の遅れに気づいた、というとき。ほかの発達に問題がなければ「言語に限定された学習障害」の可能性があります。
これは脳の機能不全が原因なので治療することはできません。
しかし、トレーニングによる改善が期待できます。
また、家庭や学校環境のなかでお子さんの状態に最適な関わりが出来たら、より高い改善が得られます。学校でお子さんが少しでも困らないように、早くから周りの理解と支援を得ましょう。
小学校に入学して困ること
小学校に入学すると読み書きや計算などの学習が始まり、幼稚園の頃に比べて先生からの指示が複雑になってきます。
友達関係が複雑になり、言葉によるコミュニケーションも増えていきます。
言葉に遅れがある場合
- 学習が苦手
- 先生の指示が入らない
- 友達とうまくコミュニケーションが取れない
などの問題が起きます。
本人は頑張っていても、周りからは努力不足だと思われて、叱られることが増えます。
- 仲間に入れない。
- いつも怒られる。
- 分かってもらえない。
こんな状況が続くと、子どもも親も学校が辛い場所になってしまいます。
学校の先生は言語発達障害の専門家ではないので、子どもの問題に気づいても正しい判断ができるとは限らないのです。
クラスの人数や先生の専門性を考えると先生一人の判断で適切な対応をとるのは、より難しくなるといえます。
この問題を解決するために、専門家が連携してお子さんに必要な支援を考えます。
どこに相談したらいいの?
専門家の診断を受けるためには、最初にどこに相談したらいいのでしょうか?
市町村の教育委員会
入学の準備期にあたる子どもの「就学時健康診断」を実施しているところです。
毎年、10月~11月頃に実施されます。
もし、この機会を逃してしまったら、直接個人で電話相談をしてみましょう。
保健センター
日頃から地域の母子保健を支援しているところで、一人一人に合った支援や検査が受けられるところを教えてくれます。
乳幼児健診を実施しているのも保健センターです。
乳幼児健診がきっかけで、発達の遅れが見つかることも多いです。
療育センター
発達に心配のある子どもについて相談を受けていて、子どもの発達検査や診断、支援をしている施設です。
幼稚園や学校とも連携して、総合的に支援しています。
療育相談所や養護教育センターなど、地域によって呼び名が違うことがあります。
児童相談所
児童相談所と聞くと、少し抵抗があるかもしれませんが本来は0歳~17歳の子どもを対象とした、さまざまな相談を扱う機関です。
ここでは発達検査を受けることも出来ます。
小児科
子どもの健康全般を診てくれます。
発達についての相談も受けていて、必要な専門機関への紹介をしてくれますのでどこかに相談することで、その先への道筋が開けます。
そこから、検査を受けて診断が出て、そこで初めて支援計画が作られるのです。
子どもの支援計画にそって、就学先が提案されることもあります。
言語発達障害と診断されたら療育機関による指導も受けることができるようになります。
相談の準備
相談に行くときは、これまでの発達経過の情報が必要になります。
発育については、母子手帳の保護者記入欄を埋めておくと便利です。
いつ頃、どんなことが出来るようになったのかを思い出して、メモをしておきましょう。
細かい情報があるとより正確な診断の助けになります。
電話で最初に相談をするときは「子どもの言葉の発達に関する相談」と伝える事によって、よりピンポイントで対応している機関があれば、そちらを紹介してもらえることもあります。
参考
大阪市役所 特別支援教育(教育委員会事務局)
大阪市役所 発達障がいのあるお子さんのための専門療育機関の利用希望登録について
大阪発達総合療育センター
どんなサポートがあるの?
複数の専門家の診断結果をもとに、支援計画を立てていきます。
進学する小学校でのサポート
- 特別支援学校
- 特別支援学級
- 通級学級
の3つがあります。
特別支援学校とは
支援の必要な子どもたちが通う学校です。
特別支援学級とは
近隣の小学校の中にある支援の必要な子どもたちが通う学級で、普通学級とは別に設置されている少人数クラスですが、必要があれば普通学級と行き来しながら学ぶことも出来ます。
特別支援学級は、全国の小学校の76.6%に設置されています。
(2015年文部科学省 調べ)
通級学級とは
普通学級に席を置いて、必要な時だけ支援が受けられるクラスで一般に「通級」と呼ばれているところです。
学校内に通級学級がないときは、近くにあるほかの小学校内の通級へ通うことができます。
遅刻や早退をして通うことになりますが、出席扱いになります。
「ことばの教室」「ことばときこえの教室」などと呼ばれることもあります。
学校以外の場所で受けられるサポート
療育指導
子どもが遊びの中から言葉を練習することのできるトレーニングができ、入学前から通うことが出来ます。
個々の発達に合わせて、身体的運動、言語的指導、学習訓練を組み合わせた支援計画を作ります。
集団でコミュニケーションをとりながら行われるトレーニングだけでなく、個別のトレーニングもあります。
例えば
- 写真や絵を見せて、言葉を聞き分ける
- 2枚の絵を見せて、言葉を言わせてみる
- 言葉の一文字ずつを、リズムをとりながら
「おにぎり」→「お・に・ぎ・り」と4回手をたたき発音する - 机に向かっての学習指導
家族が子どもに関わるときに気をつけることや日常生活の中で、親子でできるトレーニングの方法もアドバイスしてくれます。
ただし、ほかの障害を持っている子どもたちも通う施設です。
定員がいっぱいで、通い始めるまでに検査などの予約がなかなか取れないのが現状です。
入学前まで待たずに、気になったらすぐにでもコンタクトをとりましょう。
言葉の遅れだけが気になるなら教育機関でトレーニングを進める方が早いかもしれませんね。
民間のサポート
発達障害のある子ども向けの幼児教室・学習教室があります。
オンラインサポートが利用できるところもあります。
小学校入学後にできること
2016年に「障害者差別解消法」が施行され、一人一人に合わせて問題を解決していく「合理的配慮」を行うことが義務化されました。
これにより、学校の先生は障害のある子どもに対して、きめ細かい対応が求められるようになりました。
担任の先生でも教育委員会でもいつでも相談できますが、学校から発信される情報にも目を向けてみましょう。
入学後の相談の機会
4月
入学すると、学校からすべての生徒に「言葉の遅れ」について心配のある人向けの手紙が配られます。
相談窓口や、どのような支援が受けられるかの案内です。
この段階で気になったときは、この案内を利用しましょう。
5月~
担任の先生との保護者面談が行われます。
日頃の家での様子を伝えたり、学校での様子を聞くこともでき、先生からの指摘があるかもしれません。
気になっていることがあれば、自分からも相談してみてください。
担任の先生は、言葉の遅れについての専門家ではありません。
より正しい判断ができるよう、専門機関への橋渡しをお願いしましょう。
不定期
学校から「困りごとはありませんか」と相談窓口の案内が配布されることがあります。
不定期なので待っていてはいけませんが、気になることがあったら積極的に利用しましょう。
普通学級から特別支援学級への転籍
小学校に入学したときは普通学級に在籍していた子どもが、途中で特別支援学級に転籍する場合があります。
特別な教育的支援の必要な子どもを早期にみつけて、具体的に支援をする機能です。
学校の先生だけでなく、必要があれば各専門家との連携で進めていきます。
普通学級に入学してからでも、子どもの状態にあった支援が受けられるのです。
まとめ
子どもが生まれてから学校生活が始まるまで、支援の受けられるタイミングはたくさんあります。
しかし、「そのうち…」「まだ大丈夫かな…」と先延ばしにしていると、チャンスを逃すことになります。
トレーニングは早くに始めるほど改善率が高いのです。
また、9歳、10歳頃になると、子ども自身が支援を受けることを嫌がり始める可能性があります。
「ちょっと気にしすぎかな?」「大げさかな」と思う人がいるかもしれません。
でも、それでもいいんです。
検査を受けて「様子をみましょう」と、言われることだってたくさんあります。
これから始まる学校生活を少しでも楽しく過ごせるように。
お子さんの状況を正しく知るために。
今すぐ行動をおこしましょう。