皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害 一人暮らし」についてです。
発達障害を持つ子の将来が心配……と思われて、この記事にたどり着いたのではないでしょうか。
確かにADHDやASDなど発達障害はその子によって得意不得意はさまざまです。
けれども、公衆マナーや工夫を身に付けておけば、将来大人になって自立する際に困りごとが少なくなります。
ADHD やASDの人だと「一人暮らしは無理」だと諦めないでください。
当記事では、一人暮らしを始める前に身に着けてほしいことを紹介していきます。
困った時の対処方法も分かれば一人暮らしは可能です。ぜひ参考にしてください。
目次
【発達障害】一人暮らしはできるの?
たまにですが、「発達障害があると一人暮らしができないのではないか」と不安に思っている方から相談を受けることもあります。
結論から言って、“発達障害だから”一人暮らしができないということはありません。
・こだわりが強い
・他者の行動に影響を受けやすい
・かなりの綺麗好き
・通勤・通学時間の負担が大きく感じている
・一人の時間を大切に思っている
発達障害の子が一人暮らしの前に身に付けたいことはこの4つ!
将来発達障害の子が自立していくのに必要な要素は、主に4つです。自立に向けて、子どものうちから準備をしておくと安心です。
- 金銭感覚を身につける
- 生活リズムを整える
- 生活リズムを整える
- ビジネスマナーを覚える
では、1つずつ詳しくみていきます。
社会生活に必要なスキルをつける
まずは大人になって社会生活を送るにあたって、どうしても必要なことは教えなければなりません。
例えば公共の場での公衆マナー、電車バスの乗車方法、現代では多くの人が持っているICカードの利用方法などが挙げられます。
必要なのは外に出たときのスキルだけではありません。家事など、家のことをひとりでするスキルも必要です。
子どもの頃からできることを増やしていき、独り立ちする時には身についている必要があるでしょう。
例
- ATMを利用する
- 交通機関を利用する、その時のマナー
- ICカードを活用・利用方法
- 飲食店で一人で注文をする
- 時計のアラームをセットし決まった時間に起きる
- お手伝いなどを通して家事を覚える
▼「身だしなみ」も社会スキルのひとつです。身だしなみについて悩みがある方はこちらの記事も参考にしてください。▼
金銭感覚を身につける
金銭感覚は安定した生活を送る上でとても大切です。もらったお金で自分の好きなものを買うことはもちろんのこと、何が必要で何が不要かを考えるきっかけにもなります。
また、使い過ぎないようにすることと同時に、悪質な詐欺に引っかかったり借金などの金銭トラブルにならないよう、よく考えてお金を使う癖をつけておきたいものです。
例
- 月々の使える自由なお金を決める
- おこづかい制にして適度な金銭感覚を養う
- 「お手伝いに応じてゲーム時間が決まる」など、労働の対価を学ぶ
- おこづかいアプリなどを利用して収入と支出のバランスを覚える
- ネット通販やオンラインゲームなどのクレジット決済の上限を設ける
- 架空請求や勧誘などの可能性があるため、一定以上の金額のやりとりは家族が対応する
生活リズムを整える
子どもの時から生活リズムを整えておきましょう。
疲れてしまう、不眠、予定どおりにものごとが進まない、などで昼夜逆転してしまうことがあります。予定を決め、予定どおり行動することが大切です。
これはどれも大人にとっても必要です。子どもの頃からちゃんと身についていれば、大人になって困ることもそうないのではないかと思います。問題解決能力が鍛えられるものばかりです。
例
- 昼夜逆転してしまうのを防ぐため「〇時までにはテレビを消す」「〇時にお風呂に入る」などの目標をたてる
- 就寝・起床時間を一定にし、休日も変えないのが望ましい
- パソコンやゲームの一日の使用時間を決め、守る
- 夏休みの宿題など「一日でできないこと」は一週間などの長い単位でスケジュールを作成し、守りながら実施する
- 体調不良のときにはきちんと伝えるようにし、適切な人・医療機関を選んで相談する
ビジネスマナーを覚える
ビジネスマナーとは、社会人として必要なルールです。言葉遣いは習慣になってくるものなので、子どもの頃から覚えておくといざというときに役に立ちます。
これらは社会人になった時に人から信頼される人になるために、必要最低限のマナーです。子どものうちから身に付けておきましょう。
例
- 「おはようございます」「お疲れ様です」、会釈などの挨拶をする
- 失敗をしたら謝る
- 教えてもらったり手伝ってもらったらお礼を言う
- 身だしなみを整える(毎日同じ服を着ない、など)
- 報告・連絡・相談(ミスやトラブルは報告する、疑問があれば相談するなど)
参考:リタリコライフ 発達障害
考えられる困りごとと対応の例
いざ一人暮らしとなると期待と不安に満ち溢れているでしょう。期待よりも不安が大きい方もいらっしゃるかもしれません。
発達障害(ADHDとASD)の子が一人暮らしするときに気を付けたいこととして、以下のようなものが考えられます。
・鍵のかけ忘れが多い
・家事を定期的にすることができない
・忘れ物や失くしものが多い
・火を使っているときに他のことに気が逸れる
・近所づきあいが苦手
・ルールに対するこだわりから、近所トラブルにつながることも
・お店での買い物や外食が苦手、できない
困りごとの予想がつけば、対応も事前に考えられる
発達障害の方が一人暮らしをするときには、親御さんも沢山心配事が思いつくのではないでしょうか。「こんな困りごとが起こりそう……」と始める前から頭が痛いような思いをされているかもしれません。
しかし、やる前から心配事・困りごとが思いつくということは、対応も事前に考えておける、ということです。考え方によっては、メリットとも捉えられます。
考えられる不安点と対応例
今回は、様々な発達障害の傾向の中でも”ADHDの子が一人暮らしを始める”という場合を想定して一緒に考えてみましょう!
- 『予想される困りごと』
→『対応例』 の形式で記載していきますね。
- 書類の提出期限を忘れてしまう
→カレンダーアプリを活用する
- 各種申請に必要なものを忘れてしまう
→申請ごとにチェックリストを用意する
- 片づけが終わらない
→引っ越しの片づけは家族・友人も手伝いながらワイワイするのもアリ!
- 書類の記入がなかなか進まない
→書類記入のための時間は余裕をもって設定する
- 書類のミスが多い
→本人の見直しを徹底し、提出前には家族もチェック
- 提出の抜け漏れがある
→チェックリストを活用する
- 引っ越しに必要な資金が足りない
→必要な資金が準備できるまでは延期とする
- 引っ越しギリギリまで予定を入れてしまい、準備する時間が取れない
→プライベートの予定なら、引っ越し後に予定を変更する
- 大事な手続きを後回しにしてしまう
→やるべきことを1つすれば、好きなことを1つできるルーティンにする(子どものうちからクセづけておくとベスト)
- やることのスケジューリングができない
→カウントダウン型のカレンダーアプリを活用する
『事前に対応を考えられる』ということが良いことだと前向きに捉えられる助けになればと思い、考えられるものを列挙してみました。
対応については、あくまで一例なので全員の困りごとが解決されるわけではないと思います。自分なりにアレンジしながら、解決策を考えてみてくださいね。
困りごと解決へ向けての流れ
引っ越し前から色々不安なことが出てきますが、それを少しでも緩和するために解決するための流れをご提示します。
細かい作業や必要な書類がたくさんあり、処理しきてないところがあるため、
するべき契約や申請は多くリストアップしたりやることリストを使ったりする。
申請や契約を記入し抜け漏れをなくしておく。スマホに慣れているならアプリを使うのも効果的。
契約する際は書類などの持ち物も必要になるため、カレンダーに書いておくとよりミスが起こらない。
整理整頓が苦手で荷物がまとまりにくかったり、電気ガスの契約がなどは手続きが手間取ることが多い。
困った時は、適切な問い合わせ窓口を使う。
先ほどご紹介した不安点ごとの対応例も上記1~3のうち、どれかに割り振ることができます。
一人暮らしの始まりは発達障害をもっていなくても大変なものです。発達障害の有無にかかわらず、一人暮らしのスタートを完全に自分ひとりで行う人は少ないのではないでしょうか。程度の差はあるでしょうが、どんな人でも失敗を経て一人暮らしが定着していきます。
困ったら家族や友人、ときには専門の業者など周りに相談することも選択肢ですよ。
おすすめ書籍の紹介
「これが正解!ひとり暮らしスタートブックひとり暮らしがもっと楽しくなる(主婦の友社)」を紹介します。
一人暮らしを始めようとする方に向けた本で、引っ越しの手続きから生活のことまで、イラストつきで書かれています。
評価もとても高く、このようなレビューが見られます。
・引っ越しの準備や、そうじや洗濯、料理など、アドバイスがいっぱいです。
・困った時などさっと開いてみたら、解決することも多いかも。なかなかよい本です。
・住む場所の選び方から、インテリアのこと、料理、洗濯の基本、トラブルが起きたときにはどうするか…など、情報がしっかりと書かれていました。良い買い物ができ、大満足です
価格も1100円と書籍のなかでは安いようです(2021年10月27日時点、楽天商品価格ナビ)。興味があれば、一度手に取ってみてくださいね。
実際に、一人暮らしで困ることを5選にしぼって紹介してくれている動画です。ぜひ参考にしてみてください。
「すべて自分一人でなんとかしなきゃ」と気負わないで!
一人暮らしを始めるのは、発達障害がない人でも勇気のいることです。しかも頼りにしていた親元を離れるわけですから、親も子どもも心配が絶えませんよね。
以下、発達障害者の生活や就職の相談機関をあげていきます。人は一人暮らしをしていても、一人では生きていけません。一人暮らしをするからこそ、悩みは一人で抱え込まずに相談するようにして欲しいと思います。
≪発達障害のある人が自立をした時の相談先≫
障害者の生活と仕事、両面から相談ができる機関です。健康管理やお金の管理のことから、就職や就労まで相談ができます。お住まいのセンターをご利用ください。
障害者に対する専門的な職業リハビリテーションサービス、事業主に対する障害者の雇用管理に関する相談・援助、地域の関係機関に対する助言・援助を実施しています。仕事選びや作業訓練・対人訓練も行うことができます。
就労専門ではありませんが、発達障害のある人の生活を全般的に支援する機関です。日常生活の相談もできます。お住まいのセンターをご利用ください。
一人暮らしは困った時に一人で抱え込みがちですが、さまざまな支援をする施設が整っています。このことを知っておけば安心して一人暮らしを始めることができますね。
参考までに、リタリコ発達ナビの記事を紹介します。ASDとADHDを持った男性が、いかに発達障害の困難を超えて4年間の一人暮らし生活で自立しているのか書かれてあります。
▼いざというときの相談窓口を掲載しています。こちらの記事も参照してみてください。▼
▼こちらの記事では、発達障害者向けの手帳取得についてわかりやすく記載しています。▼
まとめ
最後にこの記事をまとめたいと思います。
- 一人暮らしをする前に身に付けておきたいことは社会人生活に必要なスキル、金銭感覚、生活リズム、ビジネスマナー
- 発達障害の子が一人暮らしする際の代表的な困りごとと解決法
- 一人では生きていけないので関連機関の紹介
将来自立して一人暮らしができるようになるためにも、事前に我が子に基本的な生活を教えておきたいものですね。現代は発達障害を持った人でも一人暮らしができるように整備や制度が整っています。その子が困らないためにも自分でできることは増やし教えておき、「できることはやる」「できないことは他に頼る」ようにしていきたいですね。