皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害3歳」についてです。
お子さんが3歳になり、3歳児健診を受けるという方も多いと思います。そこでは言葉の発達や知能の発達などを確認する項目もあります。そこで発達障害の可能性があると医師から言われる子も多いようです。
3歳児健診で発達障害の疑いがあると言われた方も、発達障害で3歳になる子をお持ちの方も、3歳の発達障害ってどんな特徴や工夫をすればいいのか迷ってはいないではないでしょうか。
この記事では3歳に見られる発達障害を、発達障害ではない子と比較しながら確認していきたいと思います。
皆さんの不安を解決して安心に繋げられたら幸いです。
目次
発達障害3歳児の症状には色々な特徴が挙げられます。
発達障害には主に3つがあります。
一口に発達障害といえども様々なタイプがあり、その中でまた個人差があります。発達障害の方が二人いたとしても、同じ症状とは限りません。子どもも同じで、全く同じ症状の子は存在しないのです。その子に適した対策をし、工夫をする必要があるのです。
分類すると以下の3つです
言葉の遅れが見られる、コミュニケーションが苦手、こだわりが強い、対人関係を築きにくい など
気が散ってしまう(不注意)・過集中・よくものを忘れてしまう、衝動的になる、落ち着きがない傾向がある など
読み・書き・計算学習のうち特定の学習がどうしても苦手、理解するのに困難 など
ただし、発達障害は個人差があり、ASDだけ、ADHDだけという明確な線引きをすることが難しいものです。3つの特徴が混ざっていることも多くありません。
では3歳のお子さんはどうでしょうか?ぜひ確認してみましょう!
ASDの場合
ASD(自閉スペクトラム症)の特徴の中で3歳によく見られる発達障害の特徴をあげてみました。まずはASDのお子さんは以下のような特徴が見られます。
言葉の発達編
・会話を成り立たせるのが苦手
・言葉の遅れが見られる
・尋ねられたことに対して応えられないことが多い
こだわりの強さ編
・気に入った遊びを続ける
・特定のおもちゃなどに執着してしまう
・偏食が激しい
・新しい場所や人を極端に嫌がる傾向がある
・何度言っても言うことをきこうとしない
コミュニケーションや対人関係編
・人見知りの程度が強い
・名前を呼んでも応じない
・癇癪を起こすことが”非常に”多い
・同年代の年齢の子どもと遊べない
・ごっこ遊びをしようとしない
・一人で遊ぶことが好き
・一人にされても泣かない
ASDについて詳しく書かれた当サイトの記事もありますので、ぜひご参照ください!
ADHDの場合
次はADHD(不注意・多動衝動)についてみてみます。ADHDのお子さんはこのような特徴があります。
不注意編
・一つのことに集中しすぎる(過集中)
・気が散りやすい
・癇癪を起こすことが非常に多い
・物忘れをよくする
多動衝動編
・癇癪を起こすことが非常に多い
・気に入らないことがあると、相応しくない行動に出てしまう
・急に思いたったような行動が多い
・落ち着きがない
・何度言っても言うことを聞かない
普通の子とは何が違う?
では発達障害をお持ちでない子はどのような発達をするのでしょうか。
3歳頃になると普通の子は自我が強くなり自分の要求を通そうとします。そして周囲との関わりが増えて友達ができたり、好奇心が広がって「なぜ?」と学ぶ意欲が湧いたりします。
・手先が器用になるなど体の機能が発達
・興味関心が増えて、言葉の数も爆発的に増える
・大きい小さいなど数の認識ができるようになる
・他者への思いやりを伴う想像力や感受性
・ルールを守るなどの社会性の発達
・イヤイヤ期・反抗期に代表される自我の発達
ここでは主に「言語の発達」と「想像力や感受性・社会性」の発達について、発達障害を持っていない子と発達障害を持っている子とを比較してみたいと思います。
言語の発達
言葉が大きく発達して話せる言葉はどんどん多くなります
3歳になると話せる語数は1700にものぼると言われています。この数にもなれば大人と話すことができコミュニケーションが取れるようになるのです。しかし話し方は自己中心的になるため、相手も考えていることや求めに応じるような応答はできないようです。
語数については、興味関心が高まることで増えていきます。特に2歳から3歳ごろまでに物の名前に対して興味を示します。3歳になる頃には物事の「なぜ?」「どうして?」と聞き、答えを大人に求めようとします。よって爆発的に言葉を覚えていくのです。
質問に答えられる素敵な大人になりたいですね!
お子さんから「これなに?」と物の名前を聞かれたり「なぜ?」と疑問を投げられたら、積極的に教えてあげましょう。わからなければ一緒に図鑑を開くなど、学び方を教えてあげられる絶好のチャンスかもしれません。
発達障害のお子さんは?
発達障害のASDをお持ちのお子さんだと、言葉が遅れているために覚えている言葉の数も少なかったり、人見知りがひどく一人で遊ぶことが好きなために、そもそもコミュニケーションが苦手だったりします。
こだわりが強いことから興味関心が狭かったり、その狭い興味関心にこだわってそれだけを追求しようとします。そのため覚えていく言葉も少なくなってしまいます。このようにして発達障害を持っていない普通の子とは言語上の遅れをとってしまうのです。
想像力や感受性・社会性の発達
ごっこ遊びができるほど想像力が発達します
3歳になれば想像力が大きく発達していきます。その代表とも言えるのがごっこあそび。その場にないものを想像する力が身につきます。
ものの想像から他人に対しての想像まで及び、他者に対して気持ちを想像して「思いやり」が出てきます。思いやりをすることで他者に対して我慢することや許容してあげることを徐々に学び、社会性を身につけていくのです。
3歳になると多くの子が保育園や幼稚園に通い始めるかと思います。その準備段階として社会性を身につけたいものですね。
発達障害のお子さんは?
ADHD多動衝動型では自分の欲求通りでないと癇癪を起こしてしまったり、ADHDの傾向が強く見られることによって発達障害でない子とトラブルになってしまうこともあります。
コミュニケーションがうまくできずに苦手意識を抱えてしまうことも考えられますね。注意散漫型の子では気が散りやすく集中力が長く続かないため、友達と一緒に遊んでいてもすぐにやめてしまうことも。
一人遊びが好きなASDの子はそもそも友達と遊ぶこと自体に乗る気ではないので、集団での行動が難しくなってしまい友人ができにくい傾向にあります。
ASD・ADHDともに、周りの環境に馴染めずに幼稚園保育園で浮いてしまう存在になってしまうのです。
自我の発達(イヤイヤ期・反抗期)
ついにイヤイヤ期が訪れて、自我が発達します
3歳になり、言語・興味関心・社会性・他人に対しての想像力を身につけてくると、自我が発達してきていわゆる「イヤイヤ期」「第一次反抗期」に突入します。
これはどんなお子さんにも当てはまることであり、成長の中で重要な意味を持っているため心配する必要はありません。温かく見守ってあげましょう(反抗してくるお子さんに手を焼くかもしれませんが……)。
普通の子でも、以下のような行動が見られます。
- 大人が言っていることを理解した上で反抗
- 自分が何を欲しているのかを言葉で説明してくる
- 大人が注意するとその反対のことをわざとする
- 相手の言葉を真似て口答えをする
- なんでも自分でやろうとして助けを断る
いくら可愛いお子さんでも、困りますね。成長の証です。大人のことを反抗し自分の経験で学んでいき、大人の手を借りずに物事をやってみることで成功と失敗を積み重ねていきます。できたときはその子の自信につながり自己肯定感の向上に繋がります。
発達障害のお子さんは?
発達障害をお持ちのお子さんも、そうでないお子さんも、反抗期は成長の過程でやってきます。ただ発達障害だとその特性上、
- 空気を読むのが苦手なため、声が必要以上に大きい
- 落ち着きがない
- 反抗するときの癇癪が普通以上にひどい
- 自分でやろうとするこだわりが強くなる
など、発達障害を持っていない子と比べて反抗の程度が強いようです。
一人が好きなASDのお子さんは、発達レベルに個人差はありますが、あまり見られなかった愛着行動が出現します。周囲の存在がわかるもののその状況が分かないため”自己の要求を通そうとする”などの時期に突入します。
愛着行動
幼弱な子供が親の保護を確保するために,自分から親につき従い,親の姿を見失わないように反応する行動
参考:コトバンクブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
3歳児の成長と発達についてはかいつまんで説明をしましたので、詳しく知りたい方は以下の動画をご覧ください。
3歳児健診の時にチェックする
3歳児健診で親から会話の様子を見られます。ASDの特徴である「特定のものへ強いこだわり」があるか、ADHDの特徴である「注意散漫・多動性」「衝動性」の可能性があるか親と確認していきます。
3歳のお子さんに対して、質問の受け答えができるのか(コミュニケーションの確認)、大小や長短の違いがわかるかなど、必要であれば簡単な発達検査を行います。発達障害の中でも3歳児では限定することなく精神遅滞・広汎性発達障害などの発見を視野に入れます。
精神遅滞
精神遅滞は、知的機能が全般的に平均よりも低く、環境に適応することが困難な状態を示す言葉です。日常生活において何らかの援助や介助が必要となります。
参考:コトバンク精神遅滞
乳児の段階から子どもからの愛情をお母さん自身が感じられなかったり、身体機能の発達が遅かったり、言葉を発することが他の同年代の子と比べて遅かったり、2歳後半になっても大人との意思疎通がうまくいかない乳幼児は発達障害の可能性が考えられます。
おうちや保育園でできる工夫を考える
発達障害の3歳児には他の子と注意すべきポイントが色々あることをご紹介してきました。言語の発達、社会性の発達、自我の発達……普通の子とは異なることが多いようです。
そんな子達が快適に過ごせるようにおうちでできるような工夫を紹介していきたいと思います。
目でわかるようにする
言葉だけでなく目でわかるようにしましょう!
言語の発達に遅れがある子もいるため、言葉ですべてを伝えるのは難しいです。また癇癪を起こして大声を出したときは言葉も通じません。その時、絵やジェスチャーを用いた方が理解しやすいです。人間は視覚的情報から理解することが多いと言われています。いざというとき視覚的情報の方が言葉より伝わりやすいもの。
そんなときおすすめなのは「絵カード」です。
著者名 | カモ・岩澤寿美子 |
出版社 | KADOKAWA |
値段 | 1628円(2021/07/11現在) |
発売日 | 2020年3月 |
保育園や幼稚園に入園する準備段階で生活と習慣を身につかせる絵カード図鑑。発達障害の子にとって絵で説明ができるためわかりやすく物事を教えることができる。保育園の先生も使っている。
・視覚支援に使いやすいかわいいイラストが多いです。
・コピーしやすいように本の綴じ側が完全に開くようになっていて、かなり良心的な仕様だと思います。
・いろんなシーンのイラストがあり満足しています。
・とっても可愛いくて大満足です!
・少し男の子のイラストが多めでした。女の子のイラストも同じくらいあるとありがたいです。
・切り取る必要があり(中略)最初からカードタイプだったら良かったと思います。
すぐに購入するよりかは、書店で確認してから買ってみるのがいいかもしれませんね。
落ち着ける場所の用意
一人で落ち着ける場所を用意しましょう!
万が一癇癪を起こして収まらなくなったりパニックを起こして落ち着かなくなってしまった場合は、空いた部屋を活用して離れましょう。そうすることで一人でゆっくりできる場所を設けることで落ち着きを取り戻すことができます。
1エリアに1つの遊び道具
遊び道具は1エリアに1つにしましょう!
発達障害のある子の中(特にADHD注意散漫型)には、1つのエリアに多くの遊び道具が目に入ると、目移りして落ち着かなくなる子がいます。他のおもちゃが目に入り、新しいおもちゃで遊び出すという流れです。
また、片付けすることなく前のおもちゃはそのまま放置してしまうことにもつながります。これでは余計にたくさんのおもちゃが散らばってしまいます。他の子とおもちゃの取り合いになってトラブルも発生してしまうでしょう。
何よりたくさんのものを一箇所にまとめておくのは良くありません。
遊ぶ場所と遊ぶものが決まっていれば、それに集中することができます。遊び終わったら、新しいおもちゃで遊んでみればいいのです。1つのことに集中できるようになります。
簡単な言葉選び
言葉選びは簡単なものにしましょう!
ASDの特徴に見られるように、普通の3歳児と比べて言葉が遅れている子もいます。
普通の子なら2語文・3語文を話し、言葉の数自体が多いのですが、発達障害の子は言葉の数が少ない、コミュニケーションが苦手、そもそも言葉を発しようとしないなど様々です。
そんなときは擬音語擬態語の多い「幼児言葉」を用いましょう。擬音語擬態語はその音を真似て表現されているので耳に残りやすいもの。感じたことや聞こえてきた音を自分でも表現しやすい言葉です。
言葉の発達が遅れていても、全く発達しないわけではありません。周りの人が擬音語擬態語を使う中でお子さん自身が真似をしてくれることで言葉の数が増えていきます。使える言葉を少しずつ増やしていきましょう。
参考サイト:NHK福祉情報サイト ハートネット3歳はどんな時期?
対処法について、当サイトの以下の記事も参考になりますので、よろしければお読みください。
まとめ
この記事では発達障害のうち3歳児に焦点を当ててみました。
3歳の発達障害の子と普通の子とを比較してその発達段階で見受けられる特徴を紹介してきました。
- 発達障害3歳児の色々な特徴
- 普通の子と違う点
- 主に3歳児健診の時にチェックする
- おうちでできる工夫
発達障害は早期に発見され療養することで、発達障害が持つ困った特性を改善することができます。
しっかり工夫をし、将来その子が困らないようになるといいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。皆さまのお役に立てたら嬉しいです。