みなさんこんにちは!今日も知って役立つ情報を皆さんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害 赤ちゃん 手がかからない」です。
赤ちゃんがいつも機嫌よく、手がかからないように感じる。よく泣いてグズる赤ちゃんが普通だと思っていたのに感じる違和感、どうして?
個性や環境など、今すぐには分からない理由もあります。
不安になってしまいますが、心配し過ぎてかわいい時期を見逃すのはもったいないことです。
「個性」か「障害」か、見分けるポイントをわかりやすくお伝えします。
目次
手がかからない赤ちゃんは発達障害なの?
手がかからないことは発達障害であるということではありません。
赤ちゃんにも性格や個性があり、実際にあまり泣かない、手のかからない子もいます。
個性のほかには、「兄弟が多い」「親が子育てに慣れている」など環境が影響している場合も手がかからないこともあります。
しかし、中には発達障害が原因で手がかからない場合もあります。
月齢が低いと判断が難しい
月齢が低いと判断が難しいため、しっかりした診断が出るまでは様子を見ることになるでしょう。
なぜなら、医師でも赤ちゃんの段階で明らかな場合以外は診断を下すこともほとんどありませんし、保健師さんも可能性を口にしてくれることがあっても、断定できる権限ないからです。
赤ちゃんの段階で人への興味がみられて、相手とのコミュニケーションがとれていればあまり心配はいりません。
赤ちゃんが大人しくて心配になる時は
「赤ちゃんなのに、喜怒哀楽が乏しい」など、あまりにおとなしくて心配になってしまうことがあります。
そんな時は、次の3つをしてあげてください。
- 目を見てあやす
- 指差しを交えて話しかける
- 笑顔をたくさん見せる
赤ちゃんのご機嫌が良いときは、もしかしたら応えてくれるかもしれません。
しかし、赤ちゃんのどんな様子を見ておけばいいか気になる方も多いと思います。これから、発達障害かどうか見分けるポイントを見ていきましょう。
【月齢・年齢別】母子手帳で見る判断ポイント
みんなが持っている母子手帳の「成長の記録」に記入をしながら発達障害を判断するポイントを見ていきます。
発達障害とあわせて注意していきたい項目に「難聴」があります。
反応の少なさが難聴からくるのか障害からくるのかは2歳頃になるまで判断がつきにくく見極めは難しいでしょう。
お子さんが項目ごとの月齢に達したら丁寧に観察してみてください。
参考:母子健康手帳 厚生労働省
3~4か月
- あやすとよく笑いますか?
赤ちゃんが笑うのは、あやしてくれる相手とのコミュニケーションです。あやしてもらって笑ったり真似したりし始めます。
※社会的微笑については後ほどご紹介します。
- 見えない方向から声をかけてみると、そちらの方を見ようとしますか?
これは、難聴を調べる質問です。
この頃はまだ個人差があるので、出来ていなくても心配はいりません。
6~7か月
- 寝返りをしたのはいつですか
- ひとりすわりをしたのはいつですか?
- からだのそばにあるおもちゃに手をのばしてつかみますか?
これらの動きがはじまる時期は個人差が大きく、なかなか見られないからと言って必ず問題を抱えているということではありません。
ただし、問題を抱えている場合は原因として協調性運動障害が考えられます。
五感から入る情報が上手く統合できず、極端に不器用になる障害です。
- 家族といっしょにいるとき、話しかけるような声を出しますか?
構ってほしい時に声を出すのは人に関心がある証拠です。
人に興味がない、誰がそばにいても関心を示さないのは発達障害が疑われるポイントでもあります。
- テレビやラジオの音がしはじめると、すぐそちらを見ますか?
難聴かどうかをみる項目です。
引き続き個人差が大きく月齢が低いのでこれだけでは判断できません。
月齢の早い段階から検査が可能です。
まるっきり聞こえていないようなら医師に相談しましょう。
9~10か月
- ハイハイをしたのはいつですか。/つかまり立ちをしたのはいつですか?
協調性運動障害の有無を見るのに参考となります。
ハイハイやつかまり立ちは個人差が大きく、中にはハイハイをほとんどしないままに歩き始める子もいます。
赤ちゃんが自分の意思で動きたいと思っている気持ちを妨げないよう、安心して動ける環境を整えてあげてください。
- 指で、小さい物をつまみますか。
まだつまめなくても心配はいりませんが、つまみ方がおかしい、1歳6か月を過ぎてもつまめないときは注意が必要です。
- そっと近づいて、ささやき声で呼びかけると 振り向きますか?
難聴かどうかを調べる項目です。
難聴の検査は月齢の低いうちから受けることが出来ますが、経過を見ることも多いようです。
もし、まるで聞こえていないのではないかと思われるなら、医師に相談してみましょう。
- 後追いをしますか?
人の顔が区別できるようになると後追いが始まります。
特に強い関心を持ったり信頼関係が出来たりした相手に付いて回りますが、ハイハイし始めた時期によっては後追いしないこともあります。
コミュニケーションが取れているようなら後追いが無くても心配いりません。
発達障害なのかが不安になったら
赤ちゃんが発達障害かどうか気になりだして、頭から離れなくなってはいませんか?「お母さんが不安定になると、赤ちゃんにも良い影響はない」とわかっていても辛くなる時はあります。
『心配し過ぎかも・・・?』そんな時はこちらの記事も参考にしてみてくださいね。
1歳
- 大人の言う簡単なことば(おいで、 ちょうだいなど)がわかりますか?
難聴の可能性と言葉の理解を調べています。
「ちょうだい」をして渡してくれるなら、言葉の意味を理解してそれに対する行動ができたと言うことですね。
- 部屋の離れたところにあるおもちゃを指さすと、 その方向を見ますか?
「共同注視」の確認です。
「共同注視」とは、指をさした方向を見ることで相手と意思疎通をしている行動です。
指をさす方向を見る行動は社会性の一つの現れなのです。
共同注視が見られない場合は、会話の中でときどき練習をしてみるといいですね。
初めてのことはなかなかできないものです。
- 一緒に遊ぶと喜びますか?
人に興味を持ち、一緒に遊ぶと楽しい気持ちが育っているかを見ています。
やはり日頃からの関わりが影響してくる項目です。
1歳6か月
自治体による1歳6か月健診で初めて発達障害を疑われる子が出てきます。
この時期は発達の個人差が大きく、自治体でも早めに検査を進める場合と様子を見る場合とに分かれるようです。
早くに分かれば早期の療育を受けられて専門的な発達の助けが得られますが、その後の成長だけで定型発達に追い付く場合も珍しくありません。
- ひとり歩きをしたのはいつですか?
90%が歩き始めると言われていますが、このとき歩いていなくても後から歩けるようになることがほとんどです。
ハイハイやつかまり立ちなど他の動きがどのくらいできているかにもよるので、健診で指摘を受けたときは検査を受けた方が良いでしょう。
- ママ、ブーブーなど意味のあることばをいくつか話しますか?
2語以上を獲得しているかを見ます。
後から追い付いて話せるようになることもあるので、表出言語(しゃべれる言葉)と理解言語(意味を理解できている)に分けて考え、さらに指差し行動を加えて判断していきます。
- うしろから名前を呼んだとき、振り向きますか?
難聴と発達障害を調べる項目です。
この時期に難聴が疑われる場合は検査を受けましょう。
参考:難聴を見逃さないために 1歳6か月健診で判断 日本耳鼻咽喉科学会
:新潟県医師会 乳幼児健康診査の手引
2歳以降
2歳を過ぎるとだいぶ動きも出てきて、「赤ちゃん」とは呼べなくなります。
同年代の他のお子さんと比べてみる機会も増えるでしょう。
この時期になっても感情表現や反応が薄く静かすぎると感じるなら、専門機関に相談することをお勧めします。
お子さまの反応が気になる方は
こちらのサイトでは相談窓口や診断の受け方、発達障害と診断されたときの対応を知ることが出来ます。
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行動から見分けるポイント
笑顔
赤ちゃんの笑顔は周りの皆を幸せにする力がありますね!実は笑顔は生まれた直後から見られ、3段階に分けられています。
生理的微笑
生まれてすぐから見られる神経の反射で、嬉しい、楽しい気持ちとは関係なく笑っているように見えます。
分かっていてもこちらまで微笑んでしまう可愛い反射ですね。
社会的微笑
3か月ごろになると身近な人が抱っこしてくれたりあやしてくれたりすることで嬉しくて笑うようになります。
自分の意思で笑っていますが、比較的誰にあやされても笑うことが多いのがこの社会的微笑です。
社会的・選択的微笑
6か月ごろになると誰にでも笑うということが減ってきます。
笑顔を見せる相手を自分の意思で選んで笑うようになるのです。
この微笑は赤ちゃんの社会性の一端です。
個人差はありますが、発達障害の可能性がある場合は6か月を過ぎても社会的微笑が見られないことがあります。
神経質になりすぎないように!
興味
視線が合わない
赤ちゃんのうちはまだ人の顔をしっかり区別できていません。
人の顔を区別できるようになるのには個人差があり、4か月ごろからではないかと言われています。
でも、6か月過ぎても視線が合わず、視線を避けるようなしぐさが見られたときは要注意!
ただし発達障害ではなく視力に問題があることも考えられます。
人に興味を持つ
ママを目で追う追視は3か月頃から見られます。
7か月頃になると自分から声をかけて興味を惹こうとし始めます。
7か月を過ぎても人の行動や視線に興味を持つ様子が全く見られないときは発達障害の可能性が考えられます。
人見知り
8カ月にもなると「人見知り」が始まります。
泣かない子の場合でも知らない人に抱っこされると不安になりママの姿を探すしぐさをする子が出てきます。
人見知りは表れ方に個人差があり、あまり人見知りをしなかったという子も珍しくありません。「人見知りがない」だけでは発達障害と考えることはできません。
指差し
小さな手で指差しする赤ちゃんはとてもかわいいですよね。その指差しにもいろいろな意味があります。
指差しは、相手との間にコミュニケーションが生まれている行動です。
指差しの発達段階とは?
指差しの発達には次のような段階があります。
①(指差しの前段階として)「目」で追う
②「自発」の指差し(興味のあるものを指で追う。ものの名前+指差し)
③「要求」の指差し(あれがしたい、これがしたい)
④「共感」の指差し(大人にもみてもらいたい、一緒に感動したいとき)
⑤「応答」の指差し(「ワンワンはどれかな?」に対する指差しなど)
②〜⑤までは、大体10ヶ月ごろから1歳半の月齢にみられる発達だと言われています。
他にも、発達障害かどうか心配な時に注目すべき「指差し」があります。
接触の指差し
指差しするのは子どもです。
目の前の絵本の絵に指をさして、「大人にその名前を言ってもらう指差し」の傾向を言います。(他の指差しが見られていたら問題ありません。)
しかし、指差しがこの「接触の指差し」のみ、発達障害を疑うポイントになります。
この場合、「接近した物に指差し」をすることはあっても、「離れた物に対して」指差しをすることはありません。
接触の指差し
自閉症スペクトラム児では、遠くの物には指をさせないが、絵本の中の絵などに 指や手を触れ、その名前を親に言ってもらうことを喜ぶ姿を時々見かける。接触の指さしと表現できる。これ以外の指さしがない場合は、自閉症スペクトラムを考えておくべきである。
新潟県医師会 乳幼児健康診査の手引
(他の指差しが目安となる時期より遅れていたとしても大丈夫です。)
つまり、
双方向のやり取り(コミュニケーション)が取れているかがカギとなります。
それでは改めて、指差しの発達段階を詳しく見ていきましょう。
1. (指差しの前段階として)「目」で追う
赤ちゃんの視力が発達してくると、まずは周りの大人が指を指す方向や、示した先を目で追うようになります。
2.「自発」の指差し
1歳頃から見られる、相手に知らせようとする指差しです。
指差しするのは子どもです。
自分が何かを見つけたとき、その見つけたことに感動した気持ちを相手に伝えようとしている指差しです。「報告の指差し」とも呼びます。
3.「要求」の指差し
1歳2か月頃からみられる、相手にやって欲しいことがあるときに見られる指差し
指差しするのは子どもです。
行きたい方向、取って欲しいものがあるときに相手にその要求を伝えるための指差しです。
自分の希望を伝え、それに対する行動を期待しています。
4.「共感」の指差し
大体生後10か月頃からみられる、「三項関係の確立」です。
指差しするのは相手(親など)で、子ども本人ではありません。
ママが子どもに「ワンワンがいるよ」と指をさすとそちらを見る行動がこれにあたります。
ママ、子ども、ワンワンの3つの関係(三項)が理解できている状態です。
5.「応答」の指差し
1歳6か月頃から見られる、指示や問いかけに応答する行動
指差しするのは相手です。
相手が指をさしながら「オムツを取ってきて」と言うと、取りに行って持ってきてくれるようになります。
相手の意思を受け止め、それに対して期待されることを予想して行動を起こすという双方向のコミュニケーションが見られるようになりました。
言葉
手がかからない赤ちゃんでも、時期が来れば言葉も出てくるでしょう。
1歳6か月頃になると2語以上の言葉が出るようになってきますが、この時期から大幅に遅れていて心配になる人は多いようです。
指差しから徐々に言葉が出てくる
言葉が出ていなくても、指差しでの双方向のコミュニケーションが見られれば後から言葉も出てくるようになるものです。
しばらく言葉の出なかった子が、後からあふれ出るように話し始めて定型発達に追い付くことは良くあることです。
しかし、言葉の遅れと同時に指差しでのコミュニケーションが取れていないときは発達に障害が起きている可能性が考えられます。
まとめ
手がかからない赤ちゃんと一言で言っても、様子も違えば原因も違います。今回は、「手がかからなくて心配時に見分けるチェックポイント」挙げてみました。
・笑顔が見られるか
・視線が合うか
・人に興味を持っているか
・「コミュニケーションの指差し」ができるか
明らかに発達障害の疑いがある「症状」でなければ、プロである医師でさえ診断を下すのが難しいのが現実です。
まずは周りの大人が笑顔でいるようにすると、赤ちゃんの成長・発達にもとても良い刺激になり、より子育ても楽しくなります。
まだまだ成長段階のお子さまにじっくり関わって、楽しい時間を過ごしてください。