皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「つむじが2つあると発達障害なのか」についてです。
生まれたばかりのわが子をあやしている時、ふと頭頂部に目をやると…。
「つむじが2つある?!」
という経験をされた方は、意外に少なくないかもしれません。
実は「つむじが2つある子どもは発達障害である」というウワサが、まことしやかにささやかれています。
今回は、つむじと発達障害のウワサについて、解説したいと思います。
目次
「つむじが2つあると発達障害」というのは間違い
結論から言ってしまうと、 「つむじが2つある子どもは発達障害」 というウワサは間違いです。
皆さんも、はじめから「このウワサには信憑性がない」ということには、薄々気づかれていたかもしれませんね。
しかし、この話が全くのデタラメであるとすれば、どうしてこのようにウワサとして広まっているのでしょうか。
なぜ「つむじ2つ」は発達障害と言われるのか
「火のない所に煙は立たぬ」という言葉からして、ウワサや迷信も、完全な作り話であるとは言えないものです。
ここでは、「つむじが2つあると発達障害」というウワサの根拠になり得る話題について、見ていきたいと思います。
「つむじ2つ」にまつわる言い伝え
インターネットが普及するずっとずっと昔には、口承によって、何世代にも渡り多くのことが語り継がれていました。いわゆる、おばあちゃんの知恵袋などのことですね。
つむじが2つあることについて、昔の人はどう考えていたのか。その言い伝えの内容は、次のようなものです。
・天才である
・お金持ちになる
・ひねくれ者である
・やんちゃになる
・変人である
・乱暴である
どうでしょうか。それぞれの言い伝えに、特に関連性がないというところが、少々面白いですが…。ただ、いずれの言い伝えに関しても、「つむじが2つ」であることが特別であることを述べているものだと言うことができます。また。
天才、ひねくれ者、やんちゃ、変人、暴れん坊。どれも適切なものではありませんが、発達障害の子どもたちを表現するときに、確かによく使われる言葉です。
「発達障害かも」な有名人のつむじ
芸能人やスポーツ選手など、輝かしい活躍を見せる有名人の中には、「発達障害なのでは」と言われている人がいます。
・太田光(芸人・爆笑問題)
・イチロー(元プロ野球選手)
・内村航平(体操選手・オリンピック金メダリスト)
もちろん、彼らが発達障害であるという確証は、一切ありません。また、逆に発達障害であることを明らかにしている有名人としては、・栗原類(モデル) ・勝間和代(著述家) ・トム・クルーズ(俳優) ・スーザン・ボイル(歌手)などがいます。
実は、前述した「発達障害かも」な有名人の3名(太田光、イチロー、内村航平)は、つむじが2つあるのです。
発達障害と関係していそうな「つむじ」の”あれこれ”
言うまでもないことかもしれませんが、多くの人はつむじの数は1つです。
日本毛髪科学協会の発表でも、つむじは、1つの人が90%、2つの人が7%、3つ以上である人が3%と言われています。
また、つむじの数は親から遺伝するとも言われています。そして、まだ解明されていない部分も多いですが、発達障害も遺伝性があるとされています。
▼発達障害(特にASD(自閉スペクトラム症))の遺伝については、こちらの記事で詳しく取り上げています。
※「つむじ曲がり」は、ひねくれている人という意味で、「へそ曲がり」とも言います。
参考:goo辞書 旋毛曲り(つむじまがり)
「つむじ」と「発達障害」の実際
ここまで、「つむじが2つあると発達障害」というウワサの根拠と言えそうな話題を取り上げてきました。
しかし、どの話についても、そうであると断言できる科学的な根拠は見当たりません。ですから、やはりつむじと発達障害とは関係していないと言えます。
「つむじ」の実際
さて、つむじについて数の話をしてきましたが、つむじには、その巻く向きや位置という特徴もあります。
つむじについての様々な統計調査では、以下のことが明らかになっています。
・欧米では、つむじは右巻きの人が約80%、左巻きの人が約20%。
・日本では、つむじは右巻きの人が50~60%、左巻きの人が40%程度
・つむじの位置は、多くの場合、頭頂部にあるが多少左右にずれている
・つむじが頭頂部のど真ん中にある人は20%程度
さらに、つむじの特徴から性格診断が行われたりもします。
このような占いや性格診断は、確実なものではありませんが、ちょっとやってみると面白いものですよね。
ここまでで分かったことは、つむじの数はもちろん、その巻く向きについても異常性というものがないということです。つむじの数が多いとか、つむじが右巻きであるとか左巻きであるとか、つむじが頭頂部にないとか。そういったことと、障害の有無とは関係しないのです。
「発達障害」の実際
発達障害は、先天的な脳機能の障害が原因であると言われていて、実際に発達障害であるかどうかは医師による診断で明らかになります。
先天的であるという点では、つむじも生まれた時にはすでにありますから、関連性があるようにも思ってしまいます。
しかし、例えば「ICD-10」や「DSM-5」という発達障害等の診断基準の中で、つむじはその指標とされていません。
例えつむじが1つでも、発達障害の子と発達障害でない子とがいますよね。
要するに、どのようなつむじであっても、その特徴から発達障害であると言うことはできないということです。
ウワサや迷信が信じられる理由
「つむじが2つあると発達障害」という話については、おそらく古い言い伝え(つむじが2つあると天才である等)が影響していそうです。
人間は偶然の出来事などに因果関係を求めてしまいます。その最たるものが宗教だったりするのですが…、まあそこにはあまり言及しないでおきましょう。
すでにお話ししましたが、発達障害は未だ解明されていない部分が多くあります。そして、人間は分からないものを怖がりますから、多少間違っている話でも、納得できてしまえば信じてしまうのかもしれませんね。
発達障害にまつわる「つむじが2つ…」以外のウワサ
今回は、「つむじが2つあると発達障害」というウワサについて取り上げました。
しかし、発達障害にまつわるウワサは他にもあります。
▼発達障害にまつわる「つむじが2つ…」以外のウワサについては、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
今回の記事では、以下のことについて解説しました。
- 「つむじが2つあると発達障害」というウワサは間違い
- ウワサには、古い言い伝えなどが関わっていそう
- 人はウワサや迷信を信じてしまう
つむじの数では、発達障害かどうかは分かりません。
ですが、もし「我が子のつむじ2つで、親心として発達障害かどうか心配だ」ということであれば、医療機関で診断を受けることをお勧めします。
お子さんが発達障害であるか否かは、実際のところ診断を受けなければ分かりませんし、また仮にお子さんが発達障害なのだとしたら、早期に療育サービスなどを受けることが必要ですからね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。