皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害にはタイマーが有効か」についてです。
発達障害のお子さんの中には、気持ちや活動の切り替えがスムーズにできない、時間管理が困難を抱えるという場合が多くあります。
もしかしたら、そのせいで周囲から「わがままな子」あるいは「時間にだらしない子」という印象を抱かれてしまうこともあるかもしれません。
今回は、発達障害のお子さんにタイマーを使った支援が有効な理由、さらにはオススメのタイマーやその使い方の工夫について見ていきたいと思います。
目次
発達障害にタイマーが有効な理由
もしお子さんが、切り替えをスムーズにできず、一見すると時間にルーズだったり言うことを聞いてくれなかったりする、という場合。
それは発達障害の特性だと考えられます。
そんなお子さんへの支援の道具として、タイマーが役に立つと言えます!
注意欠如・多動症の場合
注意欠如・多動症は、ADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder)とも呼ばれる発達障害の1種で、不注意・多動性・衝動性がその特徴です。
・集中を持続できない、注意が散漫になりがち。
・逆に1つのことに極端に集中してしまう。
・「空き時間」を効率的に使えない。
注意欠如・多動症のお子さんは、時間の感覚を理解できていない、またはその特性のために効率的な時間配分を苦手としているので、タイマーを使った時間管理が有効と言えます。
▼注意欠如・多動症については、こちらの記事を合わせてご覧ください。
自閉スペクトラム症の場合
自閉スペクトラム症は、ASD(Autism Spectrum Disorder)とも呼ばれる発達障害の1種で、コミュニケーションなど対人関係について困難があるとされます。
自閉スペクトラム症のお子さんは、むしろ約束を守るという部分には厳しく、それを自分だけでなく周囲に対しても求めます。
その特徴は、急なスケジュール変更を嫌う、あるいは時にパニックを起こしてしまう点に現れています。この場合のスケジュールとは、「本人が認識している予定」のことです。
つまり、自分が思っていた予定と違うことを言われたりされたりすることが、自閉スペクトラム症のお子さんはとても嫌なのです。そういった事態は、気持ちや活動を切り替えの部分に影響します。
ですから、「今やっていることについてあと何分続けてよいのか」ということなどを、はっきりと確実に、本人に伝える必要があります。
▼自閉スペクトラム症については、こちらの記事を合わせてご覧ください。
限局性学習症(学習障害)の場合
限局性学習症(学習障害)は、SLD(Specific Learning Disability)またはLD(Learning Disability)とも呼ばれる発達障害の1種で、読む・書く・聞く・算数のいずれかについて苦手とします。
・文字の認識が苦手であるため、時計を読めない。
・算数を苦手とし、数の概念が理解できないため、時間の概念もよく分からない。
限局性学習症(学習障害)のお子さんは、知的な遅れがあるわけではありませんが、上記のような特性があるなら、「時間を守ることを前提としている約束」を守ることは難しいかもしれません。
▼限局性学習症(学習障害)については、こちらの記事を合わせてご覧ください。
発達障害の子にオススメしたいタイマー
さて、ここからは具体的に、発達障害のお子さんにオススメしたいタイマーをご紹介していきたいと思います。
視覚支援は、本人が言葉による指示を聞いても理解できない、覚えていられないという場合などに、目で見て理解することができるようにする支援のことです。
視覚支援のタイマーとは、時間を数字だけでなく「円形」などの図形で表現し、パッと見て残り時間を理解できるようなタイマーを意味します。
タイムタイマー モッド ホームエディション
発達障害のお子さんにオススメしたいタイマーとして、まずご紹介したいのが『タイムタイマー』です。
価格 | 2,750円(税込み) |
使い方 | 時間の設定は、文字盤中央のつまみを回すだけとシンプル。 |
機能性 | ・時間は1~60分から設定可能。 ・残り時間が赤い円で表示されるから、時計が読めなくても理解できる。 ・時間をカウントしている時でも静音だから、静かな場所でも気が散らない。 ・別売りの専用シリコンカバーを合わせて使えば、卓上から滑り落ちる心配なし、しかもカラーチェンジができてと一石二鳥。 |
▼別売りの専用シリコンカバーはこちら。
価格 | 1,485円(税込み) |
▼こちらは同シリーズのタイムタイマー モッドの商品紹介を行っている動画です。
minee3
続いてご紹介する視覚支援のタイマーは、『minee3(マイニー スリー)』です。
価格(amazon) | 7,600円(税込み) |
使い方 | 本体背面のボタンを操作することで時間を設定し、本体上部のボタンを押してスタート。 |
機能性 | ・時間は1分~24時間から設定可能。 ・一般的なアナログタイマーと違い文字盤はなく、残り時間の表示はカラフルな円で表現されるのみ。 ・2つの時間設定が可能だから、インターバルタイムを設けることができる。 ・アラームの音を3段階で調節可能。 ・時間をカウントしている時も静音。 |
「タイムタイマーと比べると、値が張るな…」というのが、正直な印象かもしれません。
ただ、機能の面では他の商品とは異なる特徴を持っていますし、デザインもかわいいので、検討してみても良いかもしれません。
▼こちらはminee3の商品紹介を行っている動画です。
スマホで使えるタイマーアプリ
発達障害のお子さんにオススメしたいタイマーとして、スマホあるいはタブレットで使えるアプリをご紹介したいと思います。
ルーチンタイマー
『ルーチンタイマー』は、現に注意欠如・多動症の当事者である方が開発に携わったアプリです。
使い方 | 「順序が決まったタスク」と「その所要時間」をセットして、ルーチンの設定は完了。あとは、実際にそのルーチンを行う時にタイマーをスタートさせるだけ。 |
機能性 | ・タスクごとに秒単位で時間を設定できる。 ・タイマーの開始時と終了時に、それぞれ音声で知らせてくれる。 ・残り時間は、デジタル時計的な数字に加えて、時間の経過を表す円(輪)によって表示される。 ・ルーチンは複数セットすることができる。 |
例えば「朝起きてからのルーチン(顔を洗う→着替える→朝ご飯を食べる→持ち物の用意/点検をする)」や「学校から帰宅した際のルーチン(手洗い・うがい→おやつを食べる→持って帰ってきた荷物の整理→宿題)」をセットすれば、発達障害のお子さんでも、決まった順序で物事をスムーズにこなせるでしょう。
ねずみタイマー
続いてご紹介するアプリは『ねずみタイマー』です。
使い方 | タイマーのスタートは、すでに用意されている時間の中から希望するものを選ぶ、というシンプルな操作で可能。 |
機能性 | ・時間(1分)は食べ物(リンゴやチーズ)で表現される。 ・時間の経過はねずみがそれらを食べ進めることで表現される。 |
上でご紹介してきた他のタイマーと異なる時間表現は、発達障害のお子さんにもより直感的に理解しやすいデザインになっています。
使い方の工夫でより効果的に!
さて、前項でご紹介したタイマーを実際に使ってみよう!という前に、ぜひその使い方の工夫を知っていただきたいと思います。
「楽しみ!」の場面でも使用する
タイマーを使う場面としてまず思いつくのは、お子さんの「遊び時間」ではないでしょうか。
お子さんが遊ぶことを中々やめてくれないと困ってしまいますよね。タイマーを使用して、きちんと時間で遊びを終わらせたいところです。
ママ「遊ぶのは〇時まで。タイマー鳴ったら宿題するのよ」
お子さん「分かった!」
数十分経って…。
ママ「タイマー鳴ったから、もう遊ぶのはおしまい!」
お子さん「え~…」
しかし、このような使い方だけでは、お子さんはタイマーを嫌いになってしまうでしょう。なぜなら、これではお子さんからするとタイマーが「自分の楽しい時間を終わらせる道具」でしかないからです。
オススメしたいのは、「お子さんの楽しみの終了」だけでなく「お子さんの楽しみの開始」の場面でも使う、という工夫です。
つまり、タイマーをお子さんの悪者にしないことが大事ということです。
「嫌なこと」はインターバルを挟みながら
例えば宿題をする時間など、お子さんが嫌がる活動の場面でもタイマーには活躍してほしいですよね。
「決めた時間中、しっかり集中できれば、きっと本人が嫌なこと苦手なことでもやり切れる」
そう思うのは、お子さんを信頼する気持ち、あるいはお子さんへの期待によるものでしょう。
とは言え、そこでいきなり「じゃあ宿題の時間を60分!」としては逆効果になる、ということはお分かりいただけると思います。
オススメしたいのは、お子さんが嫌だと思う活動は、長すぎない時間設定でかつインターバルを設ける、という工夫です。
つまり、本人にとって高くないハードルを設定して、活動に取り組ませてあげることが重要ということです。
「使用するかどうか」は本人と相談して
タイマーを使うことにメリットがあるのは確かです。
「そうとなったら早速、我が家でも導入しよう!」
ですが、あまり導入を急がない方が良いでしょう。
と言うのも、ある日突然、自宅での活動がタイマーによってコントロールされる、となったらお子さんが混乱してしまうからです。
タイマーを使い始めるかどうかは、お子さん本人と相談してから決める、というのが適切なやり方でしょう。
まとめ
今回の記事では、以下のことを解説しました。
- タイマーを使うことで、注意欠如・多動症のお子さんの時間管理の支援をしてあげられる。
- タイマーを使うことで、自閉スペクトラム症のお子さんに見通しを持たせることができる。
- タイマーを使うことで、限局性学習症(学習障害)のお子さんにも時間を意識して活動させることができる。
- オススメしたいタイマーについて。
- お子さんの「楽しみ!」の場面でも使うことで、タイマーをより効果的に使える。
- お子さんの「嫌なこと」は、短い時間設定とインターバルを設けることが有効。
- タイマーを導入するかどうかは、お子さん本人と相談して決める方が良い。
タイマーは、発達障害のお子さんへの支援として有効と言えます。ご自宅での導入を検討してみる価値はあるでしょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。