みなさんこんにちは!今日も知って役立つ情報を皆さんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害 筋肉」です。

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都築
何にもないところですぐ転んじゃう子、いますよね。
椅子に座っても体がぐにゃぐにゃで…。
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小野田
発達障害のあるお子さんによく見られますね。
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都築
筋トレして筋肉が付いたら治るでしょうか?

ちょっと待って!!

筋トレでは治りませんよ!

すぐ転んだりまっすぐ座れないのを治すのに必要なのは「ボディイメージ」と「環境」です。

【発達障害】筋肉をつけても治らないのなら、どうしたら?

子どもは3歳くらいから徐々に左右の足を制御したり、姿勢を斜めにしても保持できるようになります。

日々の活動の中から自然に体の動かし方が上手くなっていくのです。

参考:0歳~6歳子どもの発達と保育の本 著:河原紀子 学研プラス

しかし、3歳を過ぎても何もないところですぐ転ぶ、まっすぐ座れないという場面が極端に多い時は、脳の機能に何か問題を抱えているかもしれません。

発達障害のあるお子さんに良くみられる問題で、原因が脳の機能にあるので筋肉をつけても治らないのです。

ボディイメージを身につける

すぐ転ぶことの対策には、ボディイメージを身に付けることが効果的です。

人は無意識のうちに自分とその周りにある物との間の感覚を把握しています。

例えば、階段を上るときはずっと足元を見ていなくても登れますし、テレビを観ながら手に持ったコップをテーブルに戻すことも出来ます。

これはボディイメージが身に付いているから出来ることなのです。

筋肉を強化してもボディイメージは身に付きません。

ボディイメージとは

ボディイメージとは、人間が身体について持つイメージのことである。
または身体に対してその人が持つ意識的または無意識的な認識のことでもある。

ボディイメージの形成は幼児期からはじまり、自己の知覚や感覚、友人や重要他者の反応、文化、社会的価値観をもとに作り上げられ、常に変化するものである。

ナース専科 看護用語「ボディイメージ」

ボディイメージはスムーズな日常生活を送るために欠かせない感覚なのです。

環境を整える

まっすぐ座ることが出来ないときは、環境を整えてあげましょう。

椅子や机の高さを調節することや、座る姿勢をサポートするグッズの力で楽に座れるようになります。

上手く座れないのは筋肉をうまく使えていないからで、筋力が足りないからではありません。

それでは次に、すぐ転ぶ・まっすぐ座れない理由を詳しくお話ししましょう。

すぐ転ぶ・まっすぐ座れない理由

発達障害のお子さんが何もないところですぐ転ぶ、まっすぐ座れないのは主に次の2つが原因です。

  • 「発達性協調運動障害」
  • 「筋力低緊張」

ボディイメージが身に付きにくいのもこのためです。

すべて脳の働きのせいなのです。

発達性協調運動障害

主に中枢神経の機能に問題があって起こる障害です。

脳は視覚、触覚、聴覚など体の様々な感覚から得た情報をつなぎ合わせて、ちょうどいい動きができるよう手足に指令を出しています。

この感覚をつなぎ合わせてちょうどいい指令を出す脳機能に問題が起きているのです。

先天性のものなので治すことは出来ませんが、日常生活の中で慣れていくと出来ることが増えていきます。


ママの工夫で出来ることが増えた事例です。
↓↓↓

▼発達性協調運動障害について、より詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

筋力低緊張

こちらも中枢神経の機能障害で起こる問題です。

筋肉に適度なハリが出せるように脳が指示を出しますが、それが弱いために力が出せません。

必要とされる強さに比べて実際の筋肉の収縮が弱いのです。

体を動かすのにちょうどいい筋肉のハリを決めているのが脳なので、筋トレでは改善しないということです。

まっすぐ座れない原因と、子どもにとって筋トレがあまり効果ないことを分かりやすく解説してくれる動画はこちら。
↓↓↓

ボディイメージが身についていない

身体の感覚をつなぎ合わせたり、筋肉の働きを調節する機能が上手く働いていないと、ボディイメージもなかなか身に付きません。

普通に生活する中で感じる身体感覚を経験から育てていくことで身に付くボディイメージ。

普通に生活しているだけでは身に付きにくいのなら、普段の生活にはあまりない動きを経験させてあげましょう。

こちらの動画はボディイメージによる転ぶメカニズムと改善の方法、そして筋トレがお勧めできない理由がとても分かりやすく説明されています。
↓↓↓

病気が潜んでいる場合

すぐ転ぶ、まっすぐ座れないという程度を超えて、体がだらんとして腕も上げられないような症状が見られたらすぐに専門医に相談してください。
危険な病気が潜んでいることもあります。

詳しい病気の情報や相談できる専門医の紹介はこちらのサイトを参考にしてください。
↓↓↓
SMART EYES (東京女子医大監修)「筋緊張低下について」

具体的な対策

遊びから身につけるボディイメージ

ボディイメージを意識的に身に着けていくにはどうしたらよいでしょう。

日常生活でなかなか身に付かないお子さんには、遊びに普段の生活ではあまりしないような動きを取り入れて楽しむことが効果的です。

ゲーム感覚で何度も遊んでいるうちにできることが増えていきます。

こちらで紹介する動画は、道具を使わず家で手軽にできる遊び、家にある物で出来そうな遊びです。

楽しみながらやるのがコツ。
お子さんから笑い声が出たら成功です!
↓↓↓

グッズを使った環境からのサポート

「座る姿勢」を改善するのはトレーニングではあまり効果は期待できません。
一番いいのは環境を整えることです。

姿勢が崩れるお子さんにとって、正しい姿勢を保つのはとても大変なこと。
少しでも楽に座れる環境を整えてあげましょう。

イスや机の高さを調節し体が崩れるのを防いで、姿勢を保つためのサポートをしてくれるグッズが効果的です。

椅子そのものが姿勢を保ちやすくするもの、クッションで体を適切に支えるもの、お尻が椅子から滑り落ちるのを防ぐマットなど様々です。

楽に座れるようになると座っていられる時間も自然と延びてきます。

こちらのサイトでは、座ったときの姿勢の問題を解消するサポートグッズがたくさん紹介されています。

ぜひ参考にしてください。
↓↓↓

楽しくなければ遊びじゃない

他人と強さや上手さ、順位を比べるようなやり方はお勧めできません。
他の子より出来ないことで劣等感を抱いてしまうからです。

気持ちが落ち込んだらやる気も失われてしまいます。

楽しく遊んでいたら出来ることが増えてきた!!
これを目指すのです。

訓練の要素が増えてしまうと楽しむことが出来なくて苦痛になり、長続きもしませんし発達にも悪影響です。

子ども自身の成長

その子のままで

子どもはその子が好奇心のままに動いているだけで成長していきます。

好奇心を刺激して楽しくおもいきり活動する。

これが一番ですね!

筋緊張低下や発達性協調運動障害を治すのは難しいことですが、成長に合わせて出来ることは増えていきます。

お子さんの成長を信じてください。

筋肉が原因の場合

もちろん足の筋肉が弱いために転びやすいというときもあります。
加齢による筋力低下、ケガや病気で長い期間体を動かせなかった間に筋肉が落ちたときなどです。

この場合は筋トレが有効でしょう。

子どもの発達段階でも筋肉の強化で転ばなくなることはありますが、これは成長によるもの。

わざわざ筋トレまでしなくても大丈夫。
遊んでいるうちに筋肉もついてきます。

他のお子さんより筋肉が付きにくい印象があるかもしれませんが、これは脳からの指令で筋肉をうまく動かしきれていないからです。

筋肉がなかなかつかないからと言って、筋トレを無理強いさせてはいけません。
無理にさせると体を壊したりストレスで他の問題が起きることもあるのです。

まとめ

発達障害のあるお子さんがすぐ転ぶ、まっすぐ座れないのは筋肉が少ないからではありません。

原因は次の3つ

  • 発達性協調運動障害によるもの
  • 筋肉の筋緊張低下によるもの
  • ボディイメージが身に付いていない

この問題を改善するのは筋トレではありません。

  • ボディイメージを身に付ける遊びを取り入れる
  • 姿勢を保つサポートグッズを利用する

この2つでしたね。

発達障害のあるお子さんは日頃から出来ないことに対して劣等感を抱いていることが多いでしょう。

出来ないことを心配するあまりトレーニングで負荷をかけてしまうと体も心も負担になってしまいます。

お子さんがいかに楽に、そして楽しく過ごせるかが大切です。

対策方法を試すときは、お子さんの様子を見ながらお互いが苦痛にならないよう楽しく進められたらいいですね。


最後までお読みいただきありがとうございました。