皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害 わかりやすく」についてです。
発達障害と聞いて、「発達障害にはいろんな名称があって、症状も複雑だな…」と感じている方へ向けて、ポイントを絞りなるべく易しい言葉を使って解説した記事を作成しました。
今回は、3つの発達障害にフォーカスして説明していきます。
目次
発達障害は大きく「3つ」に分類される
発達障害を理解する上で必要な「3つの障害」について説明していきたいと思います。
ASD(自閉スペクトラム症)
「対人関係(コミュニケーション)」の難しさ(他者への興味関心が薄い・感情の読み取りが困難)や、
物事への極端な「こだわり」が顕著に表れる特徴があります。
ASD(自閉スペクトラム症)には「自閉症」「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」などが含まれます。
ん?次々に真新しい名称が出てきてややこしい…。と感じたかもしれません。
「自閉症」「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」といったものには、「対人関係」の難しさや、物事への極端な「こだわり」といった、共通する特性が多く存在しているのです。
そのため、「自閉症」「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」といった、共通する特性もっている発達障害をひとまとまりに称したのがASD(自閉スペクトラム症)というわけです。
「Aさんと話しているとき、なかなか目を合わせてくれない」
「Bさんはいつも一人で遊んでいて、みんなで遊ぶことに興味がないように見える」
乳幼児期などでは、「ぐずりが少なく、常に一人遊びに夢中」「親の後追いが少ない」などから「手のかからない子」という印象を受けることも多いようです。
「手がかからない」という点で、「問題なく成長しているのかな」と考えてしまうことも多く、このような場面は見逃しがちであることが多いようです。
そこで、子どもの様子をメモ等に記録することをおススメします。記録を元に、病院受診のタイミング等で小児科の先生に発達相談してみましょう。
≪参考≫
厚生労働省 e-ヘルスネット「ASD(自閉スペクトラム症)について」
AD/HD(注意欠陥多動性障害)
「集中力がない」「忘れ物やなくし物が多い」「落ち着きがなくじっとしていられない」といった特性が見られます。そのため「飽きっぽい性格」「物を大切にできない子」「元気で活発な子」等と捉えられていることも多いのが特徴です。
子どもの場合、これらは親の「しつけ」の範囲で治せることであり、親がしっかりと注意・指導していないことが原因でだと思われることも多いようです。
しかし、AD/HDは、自分で意識的に行動を制御できないという点と、親のしつけや教育が悪いということが原因となっているわけではありません。
「Aさんは、集中して話を聞けず、周囲にちょっかいをかけることが極端に多い」
「Bさんは、座っている必要のある場面で、離席を繰り返し落ち着きがない」
子どもであれば、集中できる時間が限られていたり、興味関心のそそられる物を見つけると突発的に走り出したりするものです。
ポイントとしては、「何度も注意をしたり『聞く・待つ』に関する声掛けをしているにもかかわらず落ち着く気配が全くない」という部分に注目してみましょう。
AD/HDは、特性上「ふざけている」「怠けている」と思われることが多く、周囲から叱られる経験が積み重なってしまう傾向があります。
度々叱責を受けることで、自信を失い学業不振や他の心疾患に発展してしまうこともあります。
≪参考≫
厚生労働省 e-ヘルスネット「ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療」
LD(学習障害)
知的な遅れはないのに、文字を「書く」「読む」「計算する」といった、学習の基礎となる部分に極端な困難が生じている場合をいいます。
小学校低学年での学習において、極端に「書く」「読む」「計算する」ことへの困難が生じている場合は、LD(学習障害)の特性を踏まえて学習を支援する必要があります。
「Aさんが音読するとき、短くひらがなだけの簡単な文章でも、所々つまずいてしまう」
「Bさんは、小さい『ょ』(拗音)、『っ』(促音)を書き間違えたり読み飛ばすことが多い」
「Cさんは、書写の場面で、文字を『鏡写し』のように書き写している」
子どもも、学習に対して努力を重ねているにもかかわらず、上記のようなつまずきが継続されます。
知的に遅れが生じてない分、「本人の努力が足りない」「もっと学習すべきだ」など、怠けていると捉えられてしまうおそれもあります。
そのため、しらずしらずのうちに子どもを傷つけてしまっている他、多大なプレッシャーを与えてしまっている可能性があります。
≪参考≫
・厚生労働省 e-ヘルスネット「学習障害」
具体的な支援方法
発達障害のある子どもと、どのように関わっていけばよいのでしょうか。
この章では、それぞれの特性ごとに支援者の「困りごと」の例を2つあげ、それに対応する「支援の方法」を具体的に説明していきたいと思います。
ASD(自閉スペクトラム症)への支援
「Aさんと話しているとき、なかなか目を合わせてくれない」
支援方法
子どもに何か伝えたいときは、なるべく「刺激」となる物(人・テレビ等)から離れてコミュニケーションをとってみましょう。
ASDの特性として、他者への関心の低さや感情の読み取りに困難を抱えているため、落ち着いてゆったりと話せる環境を作ることで、集中が分散されることなく「私」という存在をしっかりと認識してもらうことが大切です。
「Bさんは、いつも一人で遊んでいてみんなで遊ぶことに興味がない」
支援方法
無理に、集団の中へ誘い込むことは控えましょう。逆に、子どもを委縮させてしまう場合があるからです。
大切なポイントは、同学年の子に限らず「異年齢間の交流機会を増やしてあげる」という視点です。
仮にBさんを「5歳児」としたとき、Bさんよりも低い年齢の子どもや、大人とマンツーマンでの遊びであれば、ひとり遊びから離れて他者と交われる場合があります。
理由は、大人であれば本人のペースに合わせた遊びを共有することが可能ですし、本人よりも低い年齢の子であれば、同年齢同士で求められる「対等なコミュニケーション」よりも、目の前の遊びが中心となり、同じ空間を他の子と共有している状態となるので、本人の心理的負荷も少なくて済みます。
AD/HD(注意欠陥多動性障害)への支援
「Aさんは、集中して話を聞けず、周囲にちょっかいをかけることが極端に多い」
支援方法
子どもと1対1で話をする場合は、ASDへの支援でも説明した「なるべく『刺激』となる物(人・テレビ等)から離れてコミュニケーションをとる」ということを実践してみましょう。
集団の中で誰かの話を聞かなければならない場面では、「話をする人」と距離が近い位置に座る(一番前の席、など)など、なるべく「話をする人」以外の刺激を少なくするよう配慮しましょう。
「Bさんは、座っている必要のある場面で、離席を繰り返し落ち着きがない」
支援方法
「待つ」という行為を育んでいくためには、個別に「待つ」ことへのトレーニングを、日々の生活の中で取り入れていくことが大切です。
「待つ」トレーニングは、子どもにとって刺激の少ない環境を作ってあげるほか、いつまで待てばよいのかを、具体的に伝えることがポイントです。
例えば、時計を見て「長い針が3に来るまで座って待ってみよう」、ストップウォッチを見せながら「10秒間、座って待ってみよう」というように、「いつまで待っておけばよいのか」を明確に伝えたうえで、「待つ」練習を重ねていきましょう。
LD(学習障害)への支援
「Aさんが音読するとき、短くひらがなだけの簡単な文章でも、所々つまずいてしまう」
「Bさんは、小さい『ょ』(拗音)、『っ』(促音)を書き間違えたり読み飛ばすことが多い」
支援方法
一番大切なことは、「できるまでやりなさい」などと、結果を求めるような声掛けをしない、ということです。努力や根性で改善されるものではない、という点をしっかりと理解することが大切です。
LDの子は学習に懸命に取り組みますが「他の子はできるのに、自分はできてない」という現実に直面してしまいます。
自信の喪失と、学習意欲の低下に繋がることが懸念されるため、子どもの通うこども園や小学校等の教育機関の他、小児科医や言語聴覚士等の専門家への相談、連携が必要です。
学校の先生と頻繁に連絡を取り合い、子どもの学習状況(できたこと・挑戦していること)をしっか把握して、子どもの「取り組んでいる過程」をしっかり褒めていくことが大切です。
発達障害はどこに相談すればいいのか
発達障害のある子どもの支援について、一人で悩んではいけません。
あなたの身近にも、専門的な支援を提供している機関や施設がありますので、ぜひアクセスしてみることをおススメします。
お住まいの市区町村
福祉関係を取りまとめている部署(課)で相談ができます。自治体ごとに部署名等は様々ですので、お住まいの市区町村へあらかじめ問い合わせてみることをおススメします。
発達障害者支援センター
国の事業として、各都道府県単位で運営している施設で、より専門的な相談や支援を提供しています。
利用は無料となっていますので、お住まいの近隣の「発達障害者支援センターを調べてみることをおススメします。
≪参考≫
・国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター
まとめ
発達障害について、代表的な特性を3つ紹介してきました。
最後に、それぞれの特性をおさらいしておきましょう。
・対人関係(コミュニケーション)の難しさ
・物事への極端な「こだわり」が顕著
・集中力がない
・忘れ物やなくし物が多い
・落ち着きがなくじっとしていられない
知的な遅れはないが、文字を「書く」「読む」「計算する」といった、学習の基礎となる部分に極端な困難が生じている
発達障害で現れる様々な特性は、その子が「極端に苦手としている部分」であり、将来にわたって「絶対にできないこと」ではありません。
それぞれの特性のポイントを知り、「どんな支援がこの子の魅力を引き出せるかな?」という視点をもって支援していきましょう。