皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ」についてです。

皆さんは、「発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ」という本を知っていますか。

発達障害の子供をお持ちの方はよく、医者や専門家の先生に、「怒らないで、褒めて」と言われることが多いと思います。しかし、実際にどのように言えばいいか教えてくれないですよね。

そう感じている発達障害の子供をお持ちの方や、もしかして子供の成長が少し遅れているかも?と思っている方に、この本をおすすめしたいです。

この本を読めば、その悩みの解決につながるかも知れません。

「発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ」ってどんな本?

本書は、自閉症療育アドバイザーのshizuさんが、3歳の時に自閉症と診断された息子さんとの経験を元に書きました。

医学博士で小児科専門医の平岩幹男先生が監修しており、発達障害の子供との接し方について、ABA(応用行動分析学)を使った対応方法を説明しています。

ここまで聞くと難しく感じるかも知れませんが、内容は4コマ漫画や絵などを使っているので、誰でも理解できるようになっています。

今までにこのような経験をしたり、思ったりしたことはありませんか。

  • 子供に声をかけても反応がない、目を合わせてくれない、話しかけ方がわからない
  • 子供を叱りっぱなしで自分が常にイライラしてしまう
  • 同じ事を繰り返し言っても、言うことを聞いてくれない
  • どうやって子供を褒めればいいのかわからない

すべての親が話しかけ上手、遊び上手ではありません。「その年の子ならそんな感じでしょう、人それぞれだから」という言葉はもう聞き飽きましたよね。

shizuさんの体験談を元に、なぜABA(応用行動分析学)を利用したのか、ABAを使ってどのような言葉かけをすれば良かったのか、それを持続するための鍵などが書かれているので、発達障害があるない関係なく、子育て中の方にはぜひ読んでもらい内容だと感じました。

※上記のTwitterは同じ方の連投になっています。

ABA(応用行動分析学)って何?

ABAは、教育だけでなく、スポーツや企業のコンサルティングなど様々な分野にも活用されており、アメリカを始め、全世界で自閉症の子供の療育に用いられている科学的な療育法です。

アメリカでは、保険適応されている程、その認知度が高いです。

もしかしたら、今までに聞いたことがないかも知れませんが、一体どういうことなのでしょうか。

簡単に言えば、子供の不適切な行動(叫んだり癇癪を起したり)だけにフォーカスするのではなく、その前後の出来事を見て、その不適切な行動の意味や原因を探っていき、適切な行動に改善していくことです。

そのため、子供に注意をするというような改善の仕方ではなく、保護者が子供のそのような行動の動機を理解してあげて、一緒に改善に取る組む方法になります。

本書には、つい叱ってしまったり、中々できないことを急がせてしまったり、ママがやってします行動のあるあるが多く載っているので、実際にABAを用いると何に気づき、どのように変わるのかがわかります。

多くの方が共感でき、今まで「周りに遅れないように、しっかり子育てをしなくては」と思っていた方も新しい発見ができると思います。

紹介されている具体例をチラ見せ!

食事中に子供が味噌汁をこぼしてしまいました。この時、ほどんとのお母さんはとっさに、「何やってるの!ちゃんと見てなかったでしょ!」というような言葉を言ってしまうでしょう。

子供が自分の思うような行動を取れなくてイライラして、つい言っていませんか。

このような場合の解決方法は、クールダウンの言葉かけをします。

子供がこぼしてしまった後、「どうしたらいい?」と声をかけてみましょう。この一言で、自分も子供も一旦落ち着くことができます。その後、子供が「ふきんで拭く」というような答えを出せるために導きます。

そして、目の前の問題(こぼしてしまった味噌汁を拭く)が終わったら、「どうしてこぼれちゃったかな?」と、原因を考えるための質問をします。初めはすぐに答えが出なくても、「テーブルの端に置いていたからだね」といったようにフォローをしていきます。

このように、まずは保護者が気づき、子供が答えにたどりつくように誘導したりフォローしたりすることを繰り返していくうちに、言葉で言ってわからなくてもその過程で子供が理解していき、問題行動が改善していきます。

もちろん、本書の方が上手に説明しています。この例以外にも様々な状況の例を通して、それぞれの気づきポイントや、言動の改善ポイントが書かれているので、ぜひ読んでみてください。

発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ
posted with ヨメレバ
shizu/平岩 幹男 講談社 2013年12月    
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向き不向きはあるの?みんなに適応できるの?

本書は自閉症の子供にだけ通用して、他の発達障害の子供に合わないかと言えば、そうではありません。上記でも述べたように、発達障害の有無に関係なく、子育てやしつけで悩んでいる方は読むべき本だと思っています。特に小さい子供のお持ちの方は特に参考になります。

また、自閉症児の全員にすぐ改善を期待できるかと言えば、症状によって期間は一概に特定できません。なぜなら、ABAの改善に向けた一連の流れを繰り返し行うことで、子供自身がその行動した後にいいことがあると知ること、その行動をしてもいいことがないと知ることを認識するまで個人差があります。

そのため、中々改善できずに焦ったり、簡単な内容ではあるのですが書いてある方法をすべて行おうと思ったりすれば、今度は保護者が疲れてしまい、ストレスが増えてしまいます。

ABAは自閉症児への療育方法として用いられています。

アメリカでは保険適応になっているということは、ABA療育を受けるためには有資格者の指導を受けなければならないということになります。そして、日本でABAを受けられる機関はまだ少ないです。

ではなぜ、本書に書いてある内容の実行をすすめるのか、まとめてみました。

  • 言葉で言ってもまだ理解できない年齢の子供への対応にも使えるから
  • まだ自閉症や発達障害と診断されていないけど、保護者が挑戦しやすい改善策だから
  • 読んだ内容を覚えていればイライラしすぎた時のブレーキになれるから
  • ABAのより専門的なことを知るための橋渡しになるから
  • いきなり専門機関へ行くことに悩んでいる方が基礎知識を得られて勇気をもらえるから
  • 悩んでいる保護者の背中を押してくれて、少しでも親子関係の改善も望めるから

個人的には、最後の点が一番のおすすめポイントです。

全員に当てはまらなくても、もしかしたら本書の内容を実践することで悩みが解決できるかも知れませんね。また、解決できなくても、次のステップに進む時だという判断ができるかも知れません。

まとめ

  • 著者は自閉症の息子さんとの経験を元に書かれているので、発達障害の子供や小さい年の子供を持っている多くの方が共感でき、挑戦しやすい
  • ABAを使った対応方法が簡単に説明されて理解しやすいので、今まで気づけなかったことに気づける
  • 子育てに悩んでいる方に参考にして欲しい1冊

発達障害者への療育がまだ他国と比べて整っていない日本ですが、それでも専門機関に行く前にたくさんの知識が得られる機会があることはとても恵まれていると思います。

挑戦しやすいことからでも大丈夫です。すべてを完璧にするのではなく、少しずつ子供を理解していきながら、一緒に改善していき、親子の仲も深めていきましょう。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。