皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害友達」についてです。
友達というのは、人によって人数も定義も違いますよね。
たくさんの人と広く付き合う人もいれば、少ない人数と狭く深く付き合う人もいます。
発達障害がなくても、友達を作ったり、ずっと一緒にいたりすることはとても難しいことです。
発達障害を抱えるお子さんにとっては、特性上さらに難しいことである場合があります。
今回は、発達障害のどのような特性が苦手になる理由なのか、どんなサポートをしてあげるとよいかをまとめてみました。
少しでもお役に立てれば幸いです。
目次
発達障害の子どもは友達を作るのが苦手?
そもそも、なぜ発達障害を抱えるお子さんは友達を作る際に困難なことがあるとされているのでしょうか。
友達を作るのが難しくなる特性を持っている
何かが苦手なとき、そこには必ず理由があります。
ここでは、発達障害の大きな分類である自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)に分けて、苦手になる特性をまとめました。
自閉スペクトラム症(ASD)
自閉スペクトラム症(ASD)は、特にコミュニケーションに困難があるとされている発達障害です。
コミュニケーションに関する特性としては、
- ことばがでない
- 目が合わない
- 表情から気持ちを読み取ることが苦手
- 言われたことばをそのままの意味で受け取ってしまう
- 独特の強いこだわりがある
- すきなことばかりしゃべってしまうなど、人との会話がかみ合わない
- 本人には自覚がなくても、言ってはいけないことを言ってしまっている
- 適切でなかったり、堅苦しかったり、難しいことばを使ってしまう
- 感覚に過敏さがあることで集団にいられないことがある
などが挙げられます。
自閉スペクトラム症の詳しい説明は、以下の記事でまとめられています。
よろしければご覧ください。
注意欠陥多動性障害(ADHD)
注意欠陥多動性障害(ADHD)の場合は、特徴である不注意、衝動性、多動性のどれもが関わってきます。
例えば、
- 不注意によって話を聞いていない
- 当番や約束を忘れてしまったりする
- 衝動性によって友達に手をあげてしまう
- 話や遊びの途中でどこかに行ってしまったりする
- 授業中に立ち歩いてしまう
- お店の中を走り回ってしまう
などが挙げられます。
注意欠陥多動性障害(ADHD)の症状については、以下の動画でわかりやすく説明されています。
よろしければご覧ください。
学習障害(LD)
読字障害(ディスレクシア)、書字障害(ディスグラフィア)、算数障害(ディスカリキュリア)の三種類がある学習障害(LD)では、以下のような困りごとが友達作りの障害になっていることがあります。
- 他の子どもができることができなくて劣等感を覚える
- 授業についていくことができず、からかわれたり、馬鹿にされたりすることが多い
- 一緒に勉強をしても、話がかみ合わない
学習障害の特徴については、以下の動画で詳しく説明されています。
よろしければご覧ください。
子どもの本心は?
お子さんに友達がいない、とお悩みの方にこそ立ち止まって考えていただきたいことが一つあります。
友達がいないのは悪いことなの?
友達がいない、イコール「悪いこと」「不幸せなこと」「かわいそうなこと」というのが、多くの人の考え方です。
ですが、本当にそうなのでしょうか。
一人でいるのがすきな人間もいる
発達障害の疑いがあり、病院にかかったことがあるというAさん(30代・女性)は、次のようなことを話していました。
小さいころから、「友達と遊ぶ」というのが何をすればいいのかわからなくて苦痛でした。
Aさんは興味があることにはのめりこむ反面、興味がないことにはとことんまで興味を示さない性格だといいます。
「同年代の友人がする遊びに興味が持てず、けれども周りが心配するから、一人でいると何か言われるからと無理やり輪の中に入ろうと努力して、とても疲れた」とも話していました。
もちろん、ただ誰かと一緒に過ごしているときの楽しさを知らないから、友達を作りたいと思っていないだけかもしれません。
Aさんも、大人になってから同じ趣味の友人ができたときは、楽しい時間を過ごすことができたといいます。
それでも、友達と一緒に過ごす時間を楽しいと感じても、一人でいる時間のほうが落ち着くのだそうです。
みんなと仲良く、が苦痛になることも
Aさんは、次のようなことも話していました。
中学校一年生のとき、担任の先生に「お前はクラスで仲が良くないやつがいるのか?」ときつい口調で言われました。
当時はそれがとても怖くて、今でも引っかかってもやもやしています。
保育園、幼稚園、学校、どこへ行っても「みんなと仲良く」と言われますが、誰にだって苦手な人間、仲良くできない人間がいて当たり前なのです。
「みんなと仲良く」は、それを否定することになるのです。
できないことを無理やりやらなければならないことも多々あるでしょう。
そんなつらい思いをしてまで、「みんな」と仲良くすることに意味があるのでしょうか?
本人の意思を尊重することが大切
ここまででお話ししたように、中には一人でいるのがすきな人はいます。
ですが、言いたいことは「だから心配するな」「考えを押し付けるな」ということではありません。
お子さんが本当に「友達がほしいと思っているか」と、本当に「一人でいたいと思っているのか」をよく話し合って見極めることが重要だ、ということです。
Aさんのように、頑張って友達を作ろうとして、実は苦しい思いをしているかもしれません。
反対に、一人でいるのがすきだと思われていたり、本人もそう言っているけれども、内心では友達がほしいと悩んでいるかもしれません。
いつも見ていて、わかっているつもりでも、実は思っていたのとは全く違う内心を秘めているということもありうるのです。
それでも、「こうしたい」「これは苦しい」ということはあるはずなので、そこに耳を傾けて、味方になってあげてほしいのです。
ほしくなったときに親ができること
お子さんが「友達がほしい」と思っていてもできない、という場合には、サポートが必要になります。
ここでは、発達障害を抱えるお子さんに対するサポートとして、できることをまとめました。
友達ができない原因になっているのはどんなこと?
ここではまず、お子さんの行動が友達作りの障害になっている場合のサポートについてまとめます。
発達障害を抱えるお子さんは、原因になる行動があっても、何が嫌がられているかわからず、繰り返してしまう傾向があります。
ことばを見直す
発達障害を抱えるお子さんは、思ったことを素直に言ってしまうために、言ってはいけないことを言ってしまうことがあります。
まずは、よく使うことばや新しく覚えたことばについて、「ポジティブなことば」なのか「ネガティブなことば」なのかを一緒に考えましょう。
そのうえで、ネガティブなことばは使わないように約束するなどしましょう。
距離感を見直す
距離感がうまく掴めず、近すぎたり、ボディタッチが多くなったりしてしまう子どももいます。
そういうお子さんには、どのくらいの距離なら嫌がられないかを具体的に伝えましょう。
「両手を伸ばしてもぶつからないくらいの近さにしようね」「お顔は、げんこつ三個分離そうね」などと子どもがイメージしやすい伝え方をすると効果的です。
また、「異性には触らない」「触って嫌だと言われたら触らないようにする」などを約束することも大切です。
話す時間と聞く時間を作る訓練をする
発達障害を抱えるお子さんは、相手に興味がないのに気がつかず、一方的にすきなことを話してしまうこともあります。
そのため、自分の話をする時間と、相手の話を聞く時間を分ける練習をすることが必要になります。
例えば、日常生活の中で、話し始めるときにタイマーを掛けて、タイマーが鳴ったら相手の話を聞くようにする、などの訓練が効果的です。
商品名 | ソニック トキ・サポ 時っ感タイマー lv-3078-sv |
価格 | 2,550円 |
メーカー | ソニック |
最大60分まで使えるタイマーです。
針を回すと色のついたフィルムが広がって、時間が経つにつれてフィルムが見える面積が減っていくので、視覚的に時間を意識しやすくなっています。
ダイヤルを回すだけなので、お子さんでも操作できるとのことで、アラームの音も、「静音」「中」「大」の三種類が選べます。
良い口コミとしては、
- 子どもが自分でダイヤルを回して遊び始めて、時計がなったときに結構すんなりとやめてくれる
- 子どもが進んで時間の調節ができるようになった
- あと何分か、視覚的にわかりやすく知れて満足している
などがありました。
悪い口コミとしては、
- 1分などを見るためには操作が細かくて難しいため、60秒用でこのサイズがあればよい
- 教室で使用したところ、音が「大」でもかすかにしか聞こえなかった
などがありました。
まだ時計が読めないお子さんにも使えることや、視覚的に残り時間がわかることなどからご紹介しました。
環境を工夫する
Aさんは、こうも話していました。
同じ学年の子どもと仲良くすることができず、いつも二つ年上の姉が友人と遊ぶところに混ぜてもらっていました。
成人してからも、同年代の友人を作るよりも、自治体が開催しているボイストレーニング教室などで年齢が一回り以上離れた人たちと月に一度会うだけのほうが楽しかったです。
子どものころというのは、学校で生活する時間が長く、学校が世界のすべてのように感じてしまいがちです。
しかし、大人になってからわかることですが、学校はとても狭い世界で、すべてではありません。
特に、趣味や興味のあることのサークルや習い事などに参加することで、無理しなくても話ができる相手が出来たり、居場所ができたりすることもあります。
自己肯定感を高める
発達障害を抱えるお子さんは、周りと自分を比べてしまったり、うまくいかない経験や怒られることなどが多かったりするせいで、自己肯定感が低くなってしまいがちです。
自己肯定感が低いと、人と関わることに前向きになることができません。
Aさんも自己肯定感が低いせいで、「自虐的なことや後ろ向きなことばかり言ってしまい、それが嫌がられてさらに友達が作りにくかった」と話していました。
自己肯定感を高めるためには、「できたことはしっかりと褒める」「何かしてもらったらきちんとお礼を言う」などが大切です。
どんな小さなことでも構いません。
- おしゃべりを我慢できた
- 挨拶ができた
- 目を合わせて話ができた
- お皿を出すのを手伝ってくれた
- 探し物を見つけてくれた
など、具体的に褒めたり、お礼を言ったりしてあげてください。
それによって、「自分はこれができるんだ!」「こんないいところがあるんだ!」と気がついてくれます。
できることやいいところに気がつけば、自己肯定感は高まり、不登校や引きこもり、うつ病などの二次障害を防ぐことにもつながります。
まとめ
発達障害を抱えるお子さんと友達についてまとめると、以下のようになります。
- 発達障害を抱えるお子さんは、特性上、友達を作るのが困難なことが多い
- そのため、周囲がサポートしてあげることが必要になる
- やってはいけないことは、具体的にどうしたらいいかを伝える
- 環境を工夫する
- 自己肯定感を高める
- 本当に友達が必要か、本人の意思を尊重する
この記事によって、お子さんに友達がいないことに不安を抱いていらっしゃる方の気持ちが少しでも楽になっていれば幸いです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。