皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害 ノート術」についてです。

みなさんは、やるべきことややりたいことをどのように管理していますか?

手帳に書き込んだり、ToDoリストを作ったりとさまざまな方法がありますよね。

その一つに、ノートに書き出してやるべきことややりたいこと、さらには気持ちの整理などまでできてしまう、ノート術というものがあります。

今回は、特に発達障害で悩む方におすすめしたいノート術、「バレットジャーナル」についてまとめました。

少しでもお役に立てれば幸いです。

発達障害を抱える人にノート術がおすすめな理由

まず、発達障害を抱える方にノート術をおすすめしたい理由についてです。

発達障害の人はタスク管理が苦手?

発達障害を抱える方は、優先順位をつけるのが苦手だったり、マルチタスクが苦手だったり、先延ばし癖があることが多かったりする傾向にあります。

優先順位をつけるのが苦手

特に、自閉スペクトラム症(ASD)の方や、注意欠陥多動性障害(ADHD)の方に多いとされるのが、「優先順位をつけるのが苦手」という特徴です。

まず、自閉スペクトラム症(ASD)の方の場合、特徴の一つである「こだわりの強さ」が関わってきます。

こだわりが強いために「一つのことに極度に集中してしまい、他のことが目に入らなくなる」ことが多々あるといいます。

目に入らなくなってしまった「他のこと」のほうが優先順位の高いことである場合でも、後回しになってしまうのです。

また、注意欠陥多動性障害(ADHD)の方は、特徴とされる「注意力が極端にない」「衝動的に動いてしまう」というところが関わってきます。

注意力が極端にないと、他の何かが目に入ったときに、そちらに気を取られてしまい、今やっているはずのこと、これからやるはずだったことができなくなってしまいます。

衝動的に動いてしまう場合も、目についたものに次々に手をつけてしまうため、やるべきことを忘れてしまうのです。

その結果、優先順位の高いものが後回しになってしまう、ということが起こりうるのです。

マルチタスクが苦手

マルチタスクが苦手ということも、自閉スペクトラム症(ASD)の方や、注意欠陥多動性障害(ADHD)の方に多く見られる特徴とされています。

自閉スペクトラム症(ASD)の方の場合は、ここでも「こだわりの強さ」が関わってきます。

こだわりが強いと、あるタスクを自分の納得がいくまでこだわってやりこんでしまったり、他にもっと効率のいいやり方があっても、自分のやり方にこだわってしまったりすることがあります。

また、「過度に物事に集中しすぎてしまう」という特徴も、マルチタスクでは妨げになってしまいます。

他のこととうまく切り替えて並行して進めなければいけないのに、一つのことに極度に集中した結果、それができない、ということになりかねないのです。

また、注意欠陥多動性障害(ADHD)の方の場合は、ここでも特徴の一つである「極度の注意力のなさ」が関わってきます。

何かをしていても、声を掛けられたり、気になるものがあったりすると集中力が途切れてしまい、いざやっていたことに戻ろうとしても、何をしていたのかわからなくなってしまう、ということがあるのです。

発達障害とマルチタスクについては、以下の記事で詳しくまとめられています。
乗り切る方法や、周囲のサポートなどについても書かれているため、気になった方はご覧ください。

先延ばし癖がある

特に注意欠陥多動性障害(ADHD)の方に多いとされているのが「先延ばし癖」です。

これには、「衝動性」という特徴が関わってきます。

衝動的に目についたことを次々と進めてしまうためにやるべきことを先延ばしにしてしまう、といったことが多々あるようです。

バレットジャーナルとは?

ここまででお話ししたように、発達障害を抱える方は、タスクの管理が苦手になりやすい特徴を持っています。

そこで、今回は、タスク管理に有効な手段として、「バレットジャーナル」をご紹介します。

このバレットジャーナルのいいところは、単なるタスク管理だけでなく、やりたいことやそのときに感じたこと、思い付いたことなどの思考の整理なども同時にできてしまう、というところです。

発案者は発達障害の当事者

「バレットジャーナル」というノート術は、アメリカ在住のライダー・キャロルという方が考案したものです。

ライダー・キャロル氏は、小学校に入ってすぐに、注意欠陥障害(ADD)であると診断されたといいます。

インターネットもないに等しく、発達障害についても今以上にわかっていない中で、ノートとペンだけを頼りに試行錯誤した結果、「バレットジャーナル」ができたといいます。

バレットジャーナルについての動画を2013年に公開したところ、瞬く間に世界中に広まり、2018年には「The Bullet Journal Method: Track the Past, Order the Present, Design the Future」というタイトルで本も出版されました。

日本語版は、2019年4月18日に発売されています。

タイトルバレットジャーナル 人生を変えるノート術
著者ライダー・キャロル
編集栗木 さつき
価格1,760円
出版社ダイヤモンド社
出版日2019年4月18日
ページ数408ページ
2022年2月9日現在、楽天ブックスより抜粋

この本は、バレットジャーナルの公式ガイドブックで、バレットジャーナルの始め方や作り方、実践方法、自分なりのカスタマイズの方法などが書かれています。

インターネットで簡単な始め方や書き方は数多く紹介されていますが、もっと根本的な考え方や、よりよく生きるための実践方法などが書かれています。

少しお高いので、まずはお近くの図書館等で借りてみるのもよいかもしれません。

なぜバレットジャーナルがおすすめなの?

このように、バレットジャーナルは発達障害を抱える方が考案したノート術ですが、だからおすすめ、というわけではありません。

理由はいくつかあります。

一冊のノートですべてが事足りる

まず、一冊のノートにすべてをまとめてしまえる、という点が優れています。

バレットジャーナルは、タスクの他にもアイデアやそのときの気持ち、気づいたことなども書き込みます。

ToDoリストはこの紙に書いて、やりたいことは別の紙に、買うものリストはこっち、日記はこっち、とばらばらになっていると、どこに何を書いたかわからなくなってしまうものです。

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小野田
ですが、バレットジャーナルは一冊のノートにそのすべてをまとめるため、失くしたり、どこに何を書いたか忘れてしまったりすることがなくなります。

先延ばし癖に対処できる

バレットジャーナルには、「デイリーログ」という、一日の予定ややるべきこと、やりたいことなどをすべて書き出す項目があります。

そのため、やるべきことややりたいことの管理がしやすく、やり忘れが少なくなり、先延ばしにすることも防ぐことができます

また、タスクを「移動」させるというプロセスもあるため、「やらないままで終わる」ということもなくなります。

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小野田
同時に、「本当にやらなければならないことなのか」ということも見つめなおすことができます。

短く簡潔に書く

何かを聞きながら書く、というのはマルチタスクにあたるため、発達障害を抱える方は、苦手な方も多いといいます。

ですが、バレットジャーナルでは、中点(・)を使った箇条書きでどんなことでも短い文章で簡潔に書くという記録方法を使います。

そのため必然的に、忘れてしまったら困ること、キーワード、要点だけを素早く記録するようになります。

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小野田
これなら、マルチタスクが苦手とされる発達障害の方でも、メモが取りやすくなるのではないでしょうか?

バレットジャーナルとは具体的にどんなもの?

ここからは、バレットジャーナルとは具体的にどのようなものなのかをまとめていきます。

四つの要素

バレットジャーナルは、四つの要素に分けて考えることができます。

インデックス

インデックスという名の通り、すべてのページについて、何ページ目に何が書いてあるかを一目でわかるようにした目次にあたるものを最初に作ります。

フューチャーログ

インデックスを作った後は、半年から一年分の予定、イベントごとなどを書き込む年間のカレンダーを作成します。

マンスリーログ

一ヶ月分の予定やイベント、やるべきこと、やりたいことを書きこむ月間のカレンダーを作成します。

ここには、前の月にできなかったことなども書き込みます。

デイリーログ

名前からわかる通り、その日の予定、イベント、やるべきこと、やりたいことなどを書き込みます。

他にも、思い付いたアイデアや、感じた気持ち、重要だと思うことなども書き込みます。

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橋口
ここだけ見ると、普通の手帳と同じように感じますね。
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小野田
次からが特徴的なところになります。

キー

バレットジャーナルは、素早く簡潔に箇条書きで簡潔に書いて、その書き込んだことに対して、後からいろいろなことをします。

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橋口
例えば、やるべきことならば、完了したら印をつけますよね。
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都築
あとは、できなかったことを次の日に持ち越したりしますね。

それを行うときに使うのが、「キー」と呼ばれる記号です。

基本的なキーには、以下のようなものがあります。

当日やるべきことなどの「タスク」
誕生日や会議などの大切な「予定」
思い付いたことやすぐには実行しないけれどやるべきこと、情報などの「メモ」
「重要なこと」
ひらめいたことなどの「アイデア」

これらに対して、以下のようなキーを使って変更を加えていきます。

×終わったタスクにつける「完了」の印
次の日に「移動」した印
翌月以降の「未来」の予定の印

これらが一般的なキーになりますが、基本的には自分が使いやすく覚えやすいキーを使えばよい、とのことです。

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橋口
「×」をつけるのではなく、全体を打ち消し線で消してもいいですね。
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都築
「>」だとわかりにくいから「→」にする、というのもありですね。

バレットジャーナルの公式の動画がありました。
音声や文字は英語ですが、日本語の字幕があり、内容もわかりやすかったです。
よろしければご覧ください。

実際の例

ここでは、つい最近バレットジャーナルを始めたというAさん(30代・女性)に見せてもらった写真をご紹介します。

Aさんの例

Aさんが使ったのは、クロッキー帳でした。

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橋口
多くの方はドット方眼のものや、A5サイズなどを使うそうですが、クロッキー帳が余っていたのと、書き味がすきだからだそうです。
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都築
ですが、実際に使ってみて、ちょっと失敗したな、と思ったそうです。
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橋口
なんでも、紙が薄いので、ボールペンで書くと一枚の片面しか使えないのだそうです。
サイズはちょうどよかったらしいです。

バレットジャーナルには、公式のノートが発売されています。

商品名≪バレットジャーナル≫ LEUCHTTURM1917 ロイヒトトゥルムノート ドット罫ミディアムサイズ A5 Black ブラック1896-346703
価格3,080円
2022年2月9日現在、楽天商品価格ナビより抜粋

最初からページ数が入っており、冒頭にはインデックスとフューチャーログのページが用意されています。

あとはドット方眼のページになっていて、自由にマンスリーログやデイリーログを書き込む形になっています。

口コミはありませんでしたが、公式のノートということでおすすめしました。

それでは、Aさんの例に戻りましょう。

キーをまとめたページです。

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小野田
困ったこと、というのが、実際に使ってみて増やしたキーだそうです。

フューチャーログの写真です。

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小野田
そんなに予定はないから1ページで済ませてしまった、とのことです。
多くの方は、見開きで半年分書くようです。

マンスリーログの写真です。

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橋口
〇や×は、体調の波が激しいため、記録として一覧でわかるようにしたくてつけたそうです。
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都築
そういう、自分なりの使い方も加えていけるのですね。
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小野田
ここも、その月のやるべきことなどが多くないため、一ページにまとめたそうです。
多くの方は、見開きでカレンダーとやることリストに分けるようです。
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橋口
日によってタスクの数も変わるため、一ページに入れる日数はばらばらだといいます。
次のページは四日分だったといいます。
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都築
スペースを気にして書き出すべきことに抜け漏れがあってはいけませんからね。

やってみて気がついたこと

Aさんは、実際にやってみて気がついたことがいくつかあるようです。

プラスな点

  • 先送りにしたタスクについて、本当に必要か考えて、もうやらないことにするという選択ができた
  • 既存の枠などがないため、スペース配分を考えなくてもいいので、そのとき思ったこと、体調など、書きたいことが書きたいだけ書ける
  • 思ったよりも多くのことを完了できていることに気がついて前向きになれる
  • 自分だけのノートを作るのが楽しい

マイナスな点

  • 一般的なキーを使おうとしたら間違えたので、最初に本当に自分が使いやすいキーを設定するべき
  • まだ始めたばかりなので、続くかどうかについては何とも言えない
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小野田
Aさんにとっては、プラスの点が多かったようですね。

バレットジャーナルを続けるコツ

Aさんも心配していた、続けられるか、という問題がバレットジャーナルにはあります。

ここでは、続けるためのコツについてまとめました。

書き忘れても自分を責めない

何よりも、書けない日があっても自分を責めないことが大切です。

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小野田
書けない日があったことで自信を失ったり、苦手意識を持ったりしてしまったら意味がないですからね。

書き込みたいことができたときに、新しくページを作って再び始めればよいので、とにかく気軽に、忙しいときは時間を掛けすぎないようにして、負担にならない程度に作っていきましょう。

書き込む時間を決めておく

書き込む時間を決めておくことも、大切なことです。

「朝ご飯の後と夜寝る前」などのように、一日のタスクを書き込む時間と、タスクの移動などの整理する時間を作っておくと、習慣になって続けやすくなります。

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橋口
Aさんは、書き込む時間は、書き込むことに集中したほうがよいと言っていました。
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都築
何かしながらだと、書き漏らしがあったり、タスクが曖昧になってしまったりすることがありますからね。
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橋口
書き漏らしがあるとやり忘れてしまいますし、タスクが曖昧だと達成できないので、何のためにやっているのかわからなくなってしまう、ということもあり得ます。
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都築
何のためにやっているのかわからなくなると、やる気も失せてしまいますよね。
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橋口
そういう意味でも、決まった時間に書き込むというのは大切ですね。

シンプルに作る

インターネットで検索すると、デコレーションされた、きらきらとしたバレットジャーナルがたくさん出てきます。

しかし、バレットジャーナルはあくまでも「ラピッドロギング」、素早く記録するものです。

デコレーションするのが楽しい、という方はやってもいいかとは思いますが、そういうのが面倒だ、という方はシンプルに作って、本来の目的である「予定や思考の管理」に集中しましょう。

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小野田
Aさんも、初めだけマスキングテープを貼って、後は気が向いたとき以外貼らない、と決めたそうです。

自分が書きやすいように書く

字を書くとき、漢字が思い出せなかったり、書き間違えてしまったりすることは誰にでもあります。

バレットジャーナルを作るときは、そのようなことがあっても気にしないことが大切です。

素早く書くことが大切なので、漢字を忘れたらカタカナで書く、書き間違えたら修正テープなどで後から直す、と決めておくとよいでしょう。

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橋口
聞きながら書くときは、特にこの決め事が役に立ってきます。
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都築
人に見せる場合は、後から漢字を調べて書き直す、などすればいいのですね。

まとめ

今回は、ノート術の一つであるバレットジャーナルをご紹介しました。
内容を簡単にまとめると、以下のようになります。

  • バレットジャーナルは、箇条書きを使った短い簡潔な文章による記録方法である
  • タスク管理の他にも、思考の整理などに使える
  • インデックス、フューチャーログ、マンスリーログ、デイリーログの四つで構成されている
  • キーと呼ばれる記号でタスクを管理する

発達障害を抱える方のタスク管理が、少しでも楽になるためのお手伝いが出来ていれば幸いです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。