皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害者のこだわり」についてです。
今回は、発達障害のある方のこだわりについてお伝えします。
こだわりの強さの背景にある気持ちを理解するためにも、こだわりの原因や対策についてしっかり学んでいきましょう。
目次
発達障害者のこだわりの強さとは
発達障害の有無にかかわらず、人にはそれぞれこだわりがあります。
「この店では必ずこれを注文する」や、「靴は絶対にこのブランドがいい」など、誰しも何かにこだわった経験があるのではないでしょうか。
しかし、発達障害のある方のこだわりは、発達障害のない方とのこだわりとは程度が異なります。
発達障害のある方のこだわりは、限定されたものへの強い執着や、特定のものへの異常なまでの頑固さなど、他人の意見にまったく耳を傾けることができない状態です。
発達障害の中でもとくにASD(自閉スペクトラム症)の方はこだわりが強い傾向にあります。
ASDの方は、対人関係を築くのが苦手、オウム返しをするなどいくつかの特徴がありますが、その代表的な特徴のひとつに「こだわりの強さ」があります。
ASDの方のこだわり強さとは、下記のようなものがあります。
・順序や並べ方など決まった方法でないと気が済まない
・特定のもの(電車や数字など)に強い興味を示す
・興味のないことには見向きもしない
・想定外のことが起こるとパニックになる
・ひとつのことに没頭して周りが見えなくなる
・同じ動作を延々とくり返す
このように、ASDの方は「決まったルール」や「興味のあるもの」へのこだわりがとても強く、それ以外のものへの関心がほとんどない場合が多いです。
では、こだわりの強い背景にはどのような理由があるのでしょうか。
こだわりが強くなる理由についてくわしくみていきましょう。
発達障害者のこだわりが強い理由とは
ASDの方がこだわりが強くなる背景には、「感覚の過敏さ」による「不安な気持ち」があります。
ものごとへの感覚が過敏であることから、経験したことのないことへの不安な気持ちがとても大きくなります。
その結果、自分の思いどおりになるとわかっていることばかりをくり返す傾向にあります。
つまり、感覚が過敏であることから不安な気持ちへの防衛本能がはたらきやすく、「こだわり」という行動にあらわれていると考えることができます。
次の動画でこだわりの正体についてくわしく解説していますので、参考にご覧ください。
療育を行なっている支援者の方は、次のようにツイートしています。
このように、こだわりが強くなる背景には、感覚が過敏であることによる不安な気持ちがあります。
そして、こだわりの強いご本人も、その状況に苦労している可能性があります。
では、こだわりの強さに対して、対策する方法はあるのでしょうか。
とるべき対策方法についてくわしくみていきましょう。
発達障害者のこだわりの強さへの対策
こだわりの強さがあらわれる背景には、当事者が不安な気持ちとたたかっている姿があることがわかりました。
少しでもその苦労を軽減するために、ご本人と周りの方ができる対策について紹介します。
当事者ができる「こだわりの強さ」への対策
発達障害の当事者は感覚が過敏であることにより、日々さまざまな不安とたたかっている場合があります。
すでに自分なりの対策を練って生活している方もいます。
こだわりの強さによって生じる苦労を減らすために、次のような対策が考えられます。
・自分のこだわりがあるものについて具体的に把握しておく
・不安になりやすい状況などをあらかじめ理解しておく
・予定どおりにいかなかった場合のことを想定しておく
このように、当事者ができる対策のポイントは、自分自身のことをしっかり理解することにあります。
どのようなことが自分にとってストレスになるのかを知っておくと、先回りして対策することができます。
突然の予定変更へのストレスが高く臨機応変に対応することが難しい場合には、あらかじめさまざまなパターンを想定しておくことでストレスを減らすことが可能です。
例えば、「雨が降った場合は○○に行こう」「バスに乗れなかった場合はタクシーで行こう」など、予定の中にいくつかのパターンを組み込んでおくことで、非常時にも行動がしやすなります。
また、ASDの当事者の中には、次の動画のようにこだわりの強さを「強み」として活かしているという方もいますので、参考にご覧ください。
続いて、周りの方ができる対策について紹介します。
周囲の方ができる「こだわりの強さ」への対策
周囲の方が発達障害のある方のこだわりの強さについて理解することで、ご本人の苦労を軽減させることが可能です。
こだわりの強さによって生じる苦労を減らすために、次のような対策が考えられます。
・こだわりを否定しない
・あいまいな表現は使わず明確な言葉で話す
・注意事項は口頭ではなく書面で伝える
・予定どおりにいかなかった場合の選択肢をあらかじめ示しておく
このように、周囲の方は当事者のこだわりを否定せず、不安な気持ちを受けとめることが大切です。
どのような表現で伝えれば不安が軽減できるのかを考え、先まわりして示すことで混乱を防ぐことができます。
こだわりの強いお子さんを育てるお母さんが、次の動画でこだわりへの対策について解説していますので、参考にご覧ください。
このように、ご本人に対して「こだわり」であることに気づかせることで、ご本人の気持ちが軽くなる場合もあります。
こだわり自体をなくすことはできませんが、周りの方の接し方によって、こだわりに対する負の感情を軽減させることは可能です。
なお、このような対策をしてもどうしてもこだわりの強いお子さんとの関わり方に悩みが尽きないという場合には、専門家に相談するのもおすすめです。
自治体の発達相談窓口のほか、こちらの記事を掲載している大阪府のライズ児童デイサービスでは、さまざまなプログラムを導入し、個々のお子様の状況にあわせた対応をしています。
お子様の可能性を引き出すことに重点をおいて支援を実施していますので、ぜひ一度のぞいてみてください。
まとめ
今回は、発達障害のある方のこだわりについてお伝えしました。
当事者と周囲の方に共通するこだわりへの対策のポイントは、次のとおりです。
・こだわりを否定しないこと
・こだわりの対象を具体的に把握しておくこと
・予定どおりにいかなかった場合のことをあらかじめ想定しておくこと
当事者とともに周囲の方もこだわりの対象を具体的に理解し、不安やストレスを少しでも軽減できるように対策していきましょう。