こんにちは!こんばんは!今回も知っておきたい発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!本日は「発達障害の原因と妊娠中の関連」についてです。
発達障害の原因はここで纏めきれないほどたくさんあります。お酒やタバコなどの妊娠中のトラブル、低酸素血症などの分娩時のトラブル、両親の遺伝などなど。
ここでは、妊娠中の影響で発達障害の原因になるものに的を絞って解説します。
さらに、これから生まれてくる赤ちゃんのためにできることについても最後の方で触れていきますね。
・妊娠と関連した発達障害の原因がわかる
・妊娠中のストレスが赤ちゃんに与える影響についてわかる
・安全な妊娠のためにできる対策や支援について知る
目次
発達障害の原因と妊娠中の関係
よく妊娠中のトラブルは発達障害になりやすいといいます。それはなぜでしょう?
▼こちらの動画の8分52秒ありますが、発達障害の原因になる嗜好品(タバコ・アルコール・カフェイン摂取)について解説しています。
分かりやすい動画なのでチェックしてみてくださいね。
・妊娠中の嗜好品(タバコ・酒・カフェイン)について
・タバコは早産や流産、常位胎盤早期剥離を引き起こす
・お酒は発育不全・顔面の奇形・中枢神経系の異常になる
・お酒を毎日40ml嗜むと32%の子どもに奇形が生じる
・カフェインは特にADHDになる可能性がある
ひとつずつ見ていきましょう!
タバコ
前の動画でも説明されているようにタバコは早産や流産、常位胎盤早期剥離を引き起こします。
つまり、母体で血管の収縮や低酸素が起きると、胎盤の機能が弱って、赤ちゃんが低酸素や栄養不足になるためです。
日本での全国的な研究はありませんが世界ではさまざまな論文が出ているのでご紹介します。
7 ~12歳の男児177名を 6 年間追跡。その結果,母親が妊娠中にたばこを 1 日10本以上吸っていた群では,母親の妊娠中の喫煙本数が 1 日当たり10本以下であった群(非喫煙者を含む)と比べ,行動障害を生じるリスクが4.4倍に達することが明らかになった。
WAKSCHLAG, L., & HANS, S. (2002). Maternal smoking during pregnancy and conduct problems in high-risk youth: A developmental framework. Development and Psychopathology,14(2), 351-369. doi:10.1017/S0954579402002092
妊娠中喫煙を続けた女性では,妊娠中喫煙しなかった女性に比べて,胎児に注意欠陥・多動症候群(ADHD)が生じるリスクが 3 倍近く高くなる。
Milberger S, Biederman J, Faraone SV, Chen L, Jones J. Is maternal smoking during pregnancy a risk factor for attention deficit hyperactivity disorder in children? Am J Psychiatry. 1996 Sep;153(9):1138-42. doi: 10.1176/ajp.153.9.1138. PMID: 8780415.
もちろん、母親だけではなく周囲の関わる環境にも原因があります。
ちなみにですが、授乳期にも母乳からニコチンが検出されます。それによって、赤ちゃんは不眠、嘔吐、下痢、頻脈、哺乳量減少、皮膚蒼白などのニコチン中毒症状を起こしてしまいます。
主流煙や副流煙を避ける
お酒
YouTubeで触れられていた胎児性アルコール症候群とは、具体的に、妊娠中の母親の飲酒は、胎児・乳児に対し、低体重や、顔面を中心とする形態異常、脳障害などを引き起こす可能性がある病気です。
胎児性アルコール症候群に治療法はなく、唯一の対策は予防です。
また、胎児性アルコール症候群の基準を満たさない場合でも、行動や認知の異常・心臓、腎臓、骨、聴覚の障害といった症状(胎児性アルコール・スペクトラム障害)が見られる場合があります。
参考:米国疾病管理センター(CDC), Fetal Alcohol Information
ここでも論文を抜粋した内容でご紹介します。
一般人口における胎児性アルコール症候群の推定有病率は1万人あたり14.6人で、妊娠中にアルコールを摂取した女性の子どものうち67人に1人が、胎児性アルコール症候群と推定した。
Popova S, Lange S, Probst C, Gmel G, Rehm J. Estimation of national, regional, and global prevalence of alcohol use during pregnancy and fetal alcohol syndrome: a systematic review and meta-analysis. Lancet Glob Health. 2017 Mar;5(3):e290-e299. doi: 10.1016/S2214-109X(17)30021-9. Epub 2017 Jan 13. Erratum in: Lancet Glob Health. 2017 Mar;5(3):e276. PMID: 28089487.
気になるのは妊娠初期で「妊娠に気付かず飲酒していた」という場合です。
実は妊娠初期の飲酒が最も飲酒が胎児に与えるリスクは高いと考えられています。
妊娠初期は、赤ちゃんの器官形成期にあたるので、気付いた時点でお酒をやめることが大事です。
ここまでなら大丈夫という飲酒量は分かっていない。短期間であっても大量の飲酒はリスクが高く、また妊娠初期がよりリスクが高くなる。基本的には妊娠全期間を通して何らかの影響が出る可能性。
鈴木健二, 他. アルコール依存症の母親を持つ子どもにおけるFetal Alcohol Spectrum Disordes(FASD)についての研究.日本アルコール・薬物医学会雑誌40:219-232.2005.
気づいた時点でお酒をやめる
カフェイン
YouTubeでは言及されていませんでしたが、カフェインの過剰摂取は流産や早産、低出生体重児、発達障害のリスクを高めると言われています。
米国産婦人科学会(ACOG)やWHO(世界保健機構)は、妊婦に対しカフェインの摂取量を1日当たり200〜300mg以内に抑えるよう推奨していますが、米国の9~10歳の子ども9,157人の調査で以下の報告がありました。
母親の胎内でカフェインに曝露された子どもの多くで脳画像に変化が認められた。行動上の問題につながる家族歴や社会経済的な要因も重なった場合、子どもの成長過程で意味を持つ可能性がある。
Christensen ZP, Freedman EG, Foxe JJ. Caffeine exposure in utero is associated with structural brain alterations and deleterious neurocognitive outcomes in 9-10 year old children. Neuropharmacology. 2021 Mar 15;186:108479. doi: 10.1016/j.neuropharm.2021.108479. Epub 2021 Jan 30. PMID: 33529676; PMCID: PMC8857536.
今は「カフェインレス」な飲料が多く販売されていますし、緑茶や紅茶などはカフェイン多めですが、カフェインを含まないお茶もあります。
この機会に飲み物を新規開拓
薬
こちらも前のYouTubeで言及されていませんでしたが、さまざまな事情によりお薬を飲んでいる方も多いと思います。大事なことのなので触れておきますね。
別のYouTubeに分かりやすい説明がありました。
▼こちらの動画の6分25秒ありますが、分かりやすく網羅して解説されているので、薬を飲んでいる方は是非ご覧ください。
・先天奇形を起こす薬と発育に影響する薬(胎児毒性)がある
・どんな薬でも胎盤を通して赤ちゃんに行く
・妊娠4~12週の間(器官形成期)は避ける ※薬を飲まないと母体の命が危ない場合は産科の医師に相談
お薬ごとの添付文書(説明書)を調べてもリスクやベネフィットは難しいと思います。
何より、お薬を自己判断してしまうとかえって赤ちゃんにも危険を及ぼすことがあります。
厚生労働省は「妊娠と薬情報センター」を設置し、相談を受けています。
受付時間 | 月曜日から金曜日(祝日を除く) 午前10時から12時、午後1時から4時 ※ 現在はWebでのみ申し込み対応 |
なるべく飲まない
自己判断で薬を中断しない
ストレス
妊娠していても生きている上でストレスは少なからずあるものです。
- ホルモンバランスの乱れ
- つわり
- マタニティーブルー
- 家事(嗅覚の変化)
- 仕事環境の変化
- 体重管理によるストレス
- 人によっては禁煙禁酒
- ご主人
などなど
しかし、放っておいていい問題ではありません。
母体が慢性的にストレスを感じている状態だと、疫学研究は、栄養不足をはじめ、統合失調症や自閉症スペクトラム、およびADHDのリスクの増加に関連していることを示唆されています。
出生前ストレスにさらされると、エピジェネティック修飾、MIA、およびHPA軸の変更を通じて、子孫の統合失調症、ASD、またはADHDに対する感受性を高める可能性があります。
宇田川潤, 日野広大, 妊娠期の母体ストレスと脳機能形成異常, 日本衛生学雑誌, 2016, 71 巻, 3 号, p. 188-194, 公開日 2016/09/30, Online ISSN 1882-6482, Print ISSN 0021-5082, https://doi.org/10.1265/jjh.71.188, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjh/71/3/71_188/_article/-char/ja,
妊娠34週以降で出産した70人の親子ペアを対象にコルチゾールの分泌と生後24ヶ月の児童の精神状態を調査。より高い妊産婦産後うつ病は、より大きな子供の内面化と有意に関連していた。
Graham AM, Rasmussen JM, Entringer S, Ben Ward E, Rudolph MD, Gilmore JH, Styner M, Wadhwa PD, Fair DA, Buss C. Maternal Cortisol Concentrations During Pregnancy and Sex-Specific Associations With Neonatal Amygdala Connectivity and Emerging Internalizing Behaviors. Biol Psychiatry. 2019 Jan 15;85(2):172-181. doi: 10.1016/j.biopsych.2018.06.023. Epub 2018 Jul 7. PMID: 30122286; PMCID: PMC6632079.
しかし、現代社会においてストレスはなかなか回避できません。
ストレスと上手に付き合っていくためにはどうしたらいいか。
私なりに思いつくものを挙げてみましたので参考にしてみてください。
- お散歩
- “何もしない日”をつくる
- しっかり睡眠をとる
- 温泉
- 好きなものを食べる
- 気を許せる人と話す
- ヨガ/ピラティス
- 思いっきり歌う
- 家事代行サービスを使う
ストレス発散は妊娠に限らず大事です。
ちなみに、暴飲暴食はストレス発散になってもNGです。食習慣の乱れは身体に良くありません。
周りに甘える
ストレスを吐き出す
ストレス対策として、家事代行サービスを上手に使う
妊娠中はまさに身体が大変ですから、たまには家事を甘えてもいいと思います。
家事代行サービスも、ご家族と相談してぜひ検討してみてください。マタニティプランのある業者さんはたくさんあります。
ダスキン メリーメイド (マタニティママ応援プラン) | ニチイライフ (産前産後サービス) | ベアーズ (Welcome baby 出産応援プラン) |
出産前後はママにとっても赤ちゃんにとっても大切な時期です。普段の体調とは違うため、体と心に負担がかかります。安心して出産いただけるよう、ママの為にも、赤ちゃんの為にも、そして家族の為にも、「マタニティママ応援プラン」をぜひご利用ください。 | 妊娠期~出産直後は、ママと赤ちゃんにとって一番大切な時間。心と体が不安定なときのママの強い味方として、様々なお手伝いをいたします! 忙しくてなかなかママをフォローできないパパも、これで安心です。 | 母子手帳を持ったらベアーズへ。連日の家事サービスをお得にご提供し、いつもと変わらぬ安心快適な毎日を支えます。 |
7,700円から(2時間/1回) 対象の期間中に6回 | 週に1回以上のご利用で 2,860円(1時間あたり)から 単発でのご利用の場合は 5,500円(1時間あたり)から ※エリアごとで最低価格が異なります | ご利用頻度:1回2時間(10日間) 通常97,170円 → 特別価格71,500円 訪問回数10日間(平日2週間) |
ちなみに、自治体によっては家事代行サービスを助成してくれるところもあるようなので、気になる方は調べてみてくださいね。
妊娠の「相談窓口」を知る
発達障害の妊娠トラブルはなかなか人に言い出せないことだってありますよね。
オンライン相談は気軽にできて、相談は医師による専門的な意見を聞けるサポートもネット上にはあります。
女性健康支援センター
厚生労働省の紹介であるため非常に信頼できます。
思春期から更年期に至る女性を対象とし、医師や保健師、助産師などが身体的・精神的な悩みに関する相談指導を実施しています。
リンクを開くと都道府県各所のセンター一覧がありますので、お住まいの地域に近いセンターをお探しください。
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まとめ
いかがだったでしょうか?発達障害の原因になる妊娠中にトラブルは
- タバコ
- 酒
- カフェイン
- 薬(母体の命に関わるものは除く)
- ストレス
がありました。
嗜好品が習慣になっている方は、止めるためにさらにストレスを抱えなくてはならないのでもっと大変だと思います。
お腹の赤ちゃんを守るのは”お母さん”です。責任や不安を感じすぎず、ゆったりと幸せな気持ちで妊娠ライフを過ごしましょう。
これを機に、これまでの嗜好品の代わりになる新たな趣味を探すのもいいかもしれません。