皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害 子供 嘘つき」についてです。

お子さんに発達障害があると「もしかして、うちの子供は発達障害が原因で嘘つきになったの?だとしたら、なおらないの?」と思ってしまうこともあるかもしれません。

また、お子さんが嘘をつくことが多いと、お子さんを信じてあげられなくて不安になりますよね。

そして、それは放置しておくと、二次障害やトラブルにつながる可能性も。

お子さんが嘘をつく背景を知って、適切な対応をしてあげましょう。

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橋口
残念なことに、発達障害と「嘘つき」という言葉は関連付けて話されることも少なくないんですよね。
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小野田
そうですね。
しかし、間違った知識や思い込みでお子さんに接するのは、二次障害やトラブルの元。
きちんとお子さんのことを考え、適切な対応をしてあげたいものです。

子供が嘘つきに!?これって発達障害が原因?

お子さんがよく噓をつくとしても、それは発達障害が直接的な原因ではありません。

なぜなら、発達障害の症状に「嘘をつくようになる」といったものはないからです。

お子さんが発達障害の診断をされる場合、以下のいずれか、もしくは重複と診断名がつくことが多いです。

発達障害の主な診断名

・ADHD(注意欠陥多動性障害)
・広汎性発達障害(自閉症・アスペルガー症候群)
・LD(学習障害)

それぞれ、どのような特徴があるのか見てみましょう。

<ADHD>

  • 不注意(注意散漫で一つのことに集中できない)
  • 多動、多弁(じっとしていることができない)
  • 衝動的に行動する(後先を考えずに行動する)

<広汎性発達障害>

  • コミュニケーションがうまく図れない
  • 対人関係、社会性の障害
  • パターン化した行動、こだわり、興味関心の偏り

<LD>

読み・書き・計算等が、全体的な知的発達に比べて極端に苦手

(参考:国立障害者リハビリテーションセンター発達障害情報・支援センター

発達障害にはそれぞれ、上記のような特徴があります。

(▼発達障害の詳しい解説はこちらを参考にしてみてください。)

この中に「嘘をつくようになる」といったものはありません。発達障害は「嘘をつく」ことの直接的な原因ではないのです。

では、発達障害のあるお子さんがよく嘘をつくようになってしまったり、「嘘つき」呼ばわりされてしまったりする原因は、一体何なのでしょうか。

なぜ[発達障害]と[嘘つき]が関連付けられてしまうのか?

発達障害のお子さんの嘘には大きく分けて2つあります。

<障害特性によるもの>

本人は嘘をついたと思っていないが、発達障害の特性により嘘をついたと思われてしまうもの。

<定型発達の子供と同様のもの>

定型発達のお子さんと同様の嘘で、発達障害が原因ではないもの。

このうち障害特性によるものが目立ってしまった時に、発達障害と嘘つきが関連付けられてしまうのではないでしょうか。
しかし、この場合本人の感覚と周囲の受け取り方の間にズレが生じていることがほとんどです。「嘘をつく」という行為とは異なります。

自己肯定感の低さから防衛のために嘘をついてしまうこともあります。
発達障害のお子さんは上手くできないことを周囲と比べてしまったり、できないことを指摘されたりする経験が多いです。そのため、防衛のための嘘が多くなる場合があります。

また、むしろ嘘をつくのが下手で、嘘が発覚してしまうため「嘘つき」と判断されてしまうこともあるようです。

それぞれについて詳しく解説していきます。

障害特性によるもの

発達障害のお子さんが嘘をついた場合、本人の話をよく聞いてみると、嘘をついたわけではないということ、相手が「嘘をつかれた」と思っていることにすら気づいていない、ということがよくあります。

それは一体どのようなものなのでしょうか。

反射的な返事と忘却

反射的に返事をしてしまうこと、また返事をしたこと自体を忘れてしまうといったことです。

これはADHD傾向のあるお子さんには、よくあることでしょう。

<例>

友達「今日、3時に公園来れる?」

本人「はいはーい」

 ー3時になっても現れずー

友達「あいつ、来るって嘘ついたな」

上記のように、友達に誘われて、後先考えず反射的に返事をしてしまうということです。

しかし、反射的な返事なので、このような会話をしたことすら覚えていない、ということもしばしば。

なので、公園に行かずに、友達には結果的に「嘘をついた」と思われてしまうのです。

暗黙の了解が理解できない|独自の論理と表現

考え方や表現が独特で、他の人に分かってもらえず、嘘をついたと思われるケースです。

これは、広汎性発達障害のお子さんによく見られます。

友達「〇〇ランド行ったことある?」

本人「あるよ」

友達「何に乗ったの?」

本人「電車だよ」

友達「???(もしかして行ってないのに、嘘ついてるのかな)」

広汎性発達障害のお子さんは、一人一人かなり独自の考え方や表現があります。

たとえば、たとえ中に入っていなくても、そのものが見えるところまで行った場合は「行ったことがある」と考えているお子さんだった場合はどうでしょう?
「行ったことがある」と答えることは嘘をついていることにはなりませんよね。

しかし、上記の例の場合、一般的に「〇〇ランド行ったことある?」とは、「〇〇ランドに行き、遊んだことがあるか?」を指すでしょう。

このような、言葉にされない暗黙の了解は、広汎性発達障害のお子さんには理解が難しいことがあります。

「お子さんの考え方」と「一般的な暗黙の了解」の間にズレがあることがあります。その結果、最初の「〇〇ランド行ったことある?」に対して、お子さんの「あるよ」は、嘘をついているかのように思われてしまうのです。

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橋口
発達障害が原因で嘘をつくということではないんですね。
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小野田
そうなんです。
でも、障害の特性によって「嘘をついた」と思われてしまう場合も少なくないので、周囲の理解が大切になります。

▼発達障害(ADHDと広汎性発達障害)の方が嘘をついてしまうことについて、よくまとめられています。

定型発達の子供と同様のもの

定型発達のお子さんが嘘をつくことも珍しくありません。同じように、発達障害をもつお子さんが嘘をつくことも、もちろんあります。

では、子供が嘘をつくのは、どんな時なのでしょうか。

思い込みと現実の区別がつかない

小さなお子さんは、絵本で読んでもらったことや夢、自分の思い込みなどと、現実との区別がまだ曖昧で、嘘をついているような発言をしてしまうことがあります。

<例>

本人「先生、私キャンディーが好き。保育園のおやつに出る?」

先生「うーん。どうかな?出たらうれしいけどね」

ー家庭にてー

本人「明日、保育園のおやつにキャンディーが出るよ。先生もうれしいって」

このような場合、お子さんが先生との会話をしっかり理解できなかったり、自分の願望が混ざったりして、結果的に嘘になってしまっていますが、本人も「明日のおやつはキャンディーだ」と思っている場合がほとんどです。

なので、本人に嘘をついている自覚はありません。

▼小さなお子さんが嘘をつく背景についてわかりやすく解説していますので、参考にしてみてください。

怒られたくない

怒られたくない、叱られたくないという思いから嘘をついてしまうということがあります。

<例>

母「今日は漢字テストがあった曜日だよね?どうだった?」

本人「今日は先生の都合で、漢字テストはなかったんだ」

(本当は漢字テストは実施されたが、結果が悪かったため嘘をついて、叱られるのを回避した)

発達障害のお子さんは、その障害特性から先生や親に叱られたり、友達に怒られたりといった経験が比較的多いです。

なので、叱られたり怒られたりするのを回避するために嘘をつくというパターンも、多くなってしまうのかもしれません。

気を引くため

親や先生、友達に心配してほしい、気にかけてほしいという思いから嘘をついてしまうということもあります。

<例>

本人「毎日〇〇君にいじめられるんだ。学校に行きたくないよ」

(本当はそのような事実はない)

この例では、親御さんの関心を得たい、心配してもらいたいがために嘘をついています。

発達障害のお子さんは、普段から叱られたり、怒られたりする経験が多いために、このような嘘をついて、優しくしてほしい、心配してほしいという気持ちを表しているということもあるでしょう。

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橋口
定型発達のお子さんと同じように、発達障害のお子さんも嘘をつくんですよね。
でも、発達障害のお子さんが「怒られたくない」「気を引くため」という理由で嘘をつくことが多くなっているとすれば、周りの人がお子さんにどのように接しているか、見直す必要がありそうですね。
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小野田
そうなんです。
これらの嘘は、放っておくと深刻な二次障害やトラブルになってしまう危険性もありますので、きちんと対応したいところですね。

発達障害の子供は正直すぎる?

発達障害の子どもが嘘つきで困っている!」と思っていませんか?  むしろ逆で、正直すぎるのかもしれません。 

  • 嘘のつじつまを合わせるのが苦手
  • 表情や仕草に動揺が見られる

このようなことから、嘘をついたことが容易に発覚してしまうことがあります。定型発達の子どもであれば「嘘をついたことを隠し通せる」かもしれません。

「嘘をつけないタイプ」の人は一般にも好意的にみられることが多いですよね。捉え方ひとつでお子さんへの態度も変わってくるのではないでしょうか。

とは言え、お子さんが「嘘つき」呼ばわりされるのは本意ではないと思います。二次障害やトラブルになるのも避けたいところです。次からは嘘をやめさせるための対応について見ていきましょう。

嘘をつくのをやめさせたい!どんなことができるの?

お子さんが嘘をつくのをやめさせたいという場合に、一番大切なことは情報収集です。この場合の情報とは、書籍やインターネットで集めてくる一般的な情報ではありません。

お子さんが「どんな時にどんな嘘をつくのか」という情報を集めるのです。それによって対応の方針が変わってきます。

「このようにすれば絶対嘘をつかなくなる!」といった、万能な対応策はありません。
しかし、どのような嘘をついているかによって大体の方針は決められますので、これらを参考に、ぜひ色々な方法を試してみてください。

嘘をつくのは子どもの発達段階で必要な過程

一般的には「嘘をつくことは悪いこと」とされていますが、嘘をついたことがない人はいないでしょう。ご自身の子ども時代を振り返ってみても、嘘をついた経験がそれなりにあるのではないでしょうか。 

また、人間関係を円滑に進めるために小さな嘘をつくことは大人でもありますよね。「物は言いよう」なんて言葉もあります。 

つまり、嘘をつくのを覚えること自体も、子どもの成長には欠かせないことなのです。 

「嘘をつくことは悪くない」と言うつもりはありませんが、「絶対嘘をついたらダメ!」と頭ごなしに叱りつけるのはお子さんにとってもご両親にとっても得策ではありません。  ある程度の大らかさをもって接していきましょう。

障害特性による嘘の場合

この場合は周囲にお子さんの特性を理解してもらい、支援を求めるのが良いでしょう。

障害特性によるものである上に、本人は嘘をついているという自覚がないので、やめるように改善するのは非常に難しいです。

なので、周囲の人に障害の特性を説明し、対応してもらえるように話してみましょう。

・「A君は、嘘をつこうと思ってるわけじゃないんだ。よく考えないで返事しちゃうことがあるから、何回か確認してあげてくれるかな」

・「Bさんは、みんなの話してることが時々よくわからなくなっちゃうことがあるみたい。でも、詳しく説明してくれればちゃんとわかると思うから、Bさんがわかっていないようだったら、丁寧に話してあげてくれる?」

「発達障害だから」などと話さなくても、周囲の子供には上記のような言い方で伝える方法もあります。

子供同士の間で、お子さんが「嘘をついている」と思われてしまうことがあるようなら、担任の先生やスクールカウンセラーさんから、上手に説明してもらうのも手です。

▼周囲の人への理解を求める場合、どのような方法が考えられるか、専門家に相談するのも良いと思いますので、参考にしてみてください。

思い込みと現実の区別がついていない嘘の場合

このような嘘が多い時、だいたいの場合は、成長するにつれて改善されていくので、特に何か手を打つ必要はないと考えられます。

なので、お子さんの嘘を叱責したり否定したりせず、「そう思ったんだね。でも、本当は〇〇だったのかもしれないね」とやんわり正してあげる程度でよいでしょう。

怒られたくない/気を引きたいという思いからの嘘の場合

お子さんが嘘をつく時に、これらの嘘が多い場合、一番大切なことは、正しい方法を再学習させることです。

このような嘘の多いお子さんは、自分の得たい結果を得るために「嘘をつく」という間違った方法を学習してしまっているのです。

認知行動療法では、このような状態を「誤学習」と言います。

怒られないようにする嘘の場合

この場合、怒られないために嘘をつくという、間違った方法を学習してしまっています。

<例>

漢字テストで悪い成績だった

 ↓

本人「漢字テストで0点だったんだ」

 ↓

叱られた            (⇐本人にとってデメリット)

 ↓

「正直に話すと叱られる」と学習

 ↓

また漢字テストで悪い成績だった

 ↓

本人「漢字テストはなかったんだ」

 ↓

叱られずに済んだ        (⇐本人にとってメリット)

 ↓

「嘘をついたら叱られずに済む」と学習

上記の例の場合、正直に話したら本人にとってデメリットがあり、嘘をついたらメリットがあるという状態です。

この部分を、大人が改善することです。

「正直に話しても叱られない」と改めて学習させます。

そのために、正直に話した場合は強く叱責しないようにする、正直に話したことを褒めるといった対応をとると、お子さんは「悪かったことでも、正直に話せば大丈夫なんだ」と思うことができます

逆に、嘘をついて叱られることを回避しようとした場合には、「正直に話してくれなくて悲しい」といった話をします。「嘘をつくことでお母さんが悲しむ」というデメリットになる、とお子さんに学習させましょう。

嘘をつかせないために、どんなことでも叱らないようにしましょう、ということではありません。

ただ、小さなことでも叱られる経験が重なると、それを回避しようと嘘をつく可能性も高くなります。

なので、お子さんが怒られるのを回避するための嘘が多いならば、叱る場面を精査し、極力減らす必要があるでしょう。

気を引くための嘘の場合

このような嘘が多い場合は、お子さんは親御さんに「もっと自分を見てほしい」「もっと自分に優しくしてほしい」という願望がある可能性が高いです。

素直に甘える方法が分からず、「嘘をつく」という方法を学習してしまっているのかもしれません。

<例>

お母さんに甘えたい、優しくしてほしい

 ↓

本人「C君に意地悪されたの」

 ↓

母「そうなの!何で?どんなことされたの?」

 ↓

お母さんがたくさん話を聞いてくれた    (⇐本人にとってメリット)

 ↓

「お母さんにかまってほしい時は、意地悪されたと言おう」と学習

ここでは、嘘をつくことで本人の望む結果を得ることになっています。

なので、まずはお子さんの嘘に対して過剰に反応しないようにすることが大切です。

「嘘をついても、お母さんの関心は得られない」と再学習させます。

しかし、上記の例の場合は、親御さんにもっと自分を見てほしいという願望があると思われるので、その気持ちを満たしてあげる必要もあります。

お子さんにこのような嘘が多いと感じたら、もっと丁寧にお子さんの話を聞いたり、お子さんが嫌がらない程度のスキンシップを積極的に図ったりしましょう。

「嘘をつかなくても、お母さんは自分を見てくれている」という安心感が得られれば、お子さんは嘘をつく必要がなくなります。

▼怒られたくない/気を引きたいという気持ちからの嘘への対応がまとめられていますので、参考にしてみてください。

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お子さんが嘘をつくのには、それぞれ背景があるんですね。
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小野田
はい。
なので、毎回ただ「嘘はダメ」と言っても、なかなか改善されない可能性があります。
お子さんがどんな時にどんな嘘をついているかがわかれば効果的な対応ができるので、お子さんの嘘について情報収集することが大切なんです。

まとめ

  • 発達障害が原因で嘘をつくようになるわけではない。
  • 発達障害の子供が嘘をつく時は、障害特性によるものと、定型発達の子供と同様のものがある。
  • 怒られたくない、気を引きたいといった嘘が多い場合は、二次障害やトラブルにつながる可能性があるので注意。
  • 障害特性によるものの場合は、周囲の理解を得る必要がある。
  • 怒られないようにするための嘘の場合は、正直に話しても大丈夫だと思えるような対応をする。
  • 気を引くための嘘が多い場合は、嘘をつかなくても、きちんと自分を気にかけてもらっていると安心させる。

お子さんが嘘をつく背景がわかると、対応がはっきりするので親御さんにとって安心感につながるのではないでしょうか。

そのためにも、お子さんがどんな時にどんな嘘をつくのか、よく見てあげましょう。

そして、嘘をつかなくても大丈夫だという安心感を与えてあげてくださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。