皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害 聴覚優位」についてです。
人間はみな、五感を使って生きています。視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五つですね。
ですが、そのバランスは誰もみな同じ、というわけではありません。
たとえば、目で見たものを理解するのが得意な人がいたり、耳で聞いた情報を理解するのが得意な人がいたりします。
このように、得意な感覚と、苦手な感覚があるのです。
特に、発達障害の子どもには、得意な感覚と苦手な感覚のバランスが極端な場合があります。
今回は、発達障害の子どもと、耳からの情報が得意な特性である聴覚優位についてのお話です。
少しでもお役に立てれば幸いです。
目次
発達障害と聴覚優位
さて、聴覚優位というのは、そもそもどのような五感の特性のことを指すのでしょうか?
まずは、視覚優位という、視覚に偏った特性と一緒にみていきましょう。
視覚優位
視覚優位は、「目から取り入れる情報の方が処理するのが得意」である特性です。
例えば、「ニワトリをイメージしてください」と言われたとします。
このときに、赤いトサカのある白い鳥の姿がまず思い浮かんだら、視覚優位といえるでしょう。
視覚優位の子どもが得意なこと
視覚優位の子どもたちは、
- 人の顔を覚える
- 絵や図、写真、グラフなどを理解する
- 物事をことばではなく映像を使って考える
といったことが得意です。
視覚優位のお子さんの特性と、スマートフォンを使った課題解決についてまとめられた記事があります。気になった方は、以下の記事をご覧ください。
聴覚優位
聴覚優位は、「耳から取り入れる情報の方が処理するのが得意」である特性です。
例えば、「ニワトリをイメージしてください」と言われたとします。
このときに、「コケコッコー」という鳴き声がまず思い浮かんだら、聴覚優位といえるでしょう。
聴覚優位の子どもが得意なこと
聴覚優位の子どもたちは、以下のことが得意です。
- 口頭での指示を理解する
- 音楽を聴いてすぐに歌詞を覚える
- 英語のリスニング
- 人が言った言葉を正確に覚える
- 段階的に物事を理解する
聴覚優位と聴覚過敏は違う
耳から取り入れる情報に敏感、というと、音に敏感な「聴覚過敏」を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
聴覚優位の方は、たくさんの音の中から、自由に聞きたい音を選択して聞くことが出来ます。
その一方で、聴覚過敏の方はどんな音も等しく敏感に拾ってしまい、その結果情報過多で混乱したり、疲れてしまったりします。
別のものなので、注意しましょう。
聴覚過敏については、以下の記事で詳しくまとめられているので、気になった方はご覧ください。
聴覚優位の子どもが苦手なこと
ここでは、聴覚優位の子どもの苦手とすることについてまとめていきます。
こんなことが苦手
例として、以下のようなことが挙げられます。
- 絵や図を一目で理解すること
- 自分で文字を読むこと
- 文章の中のまとまりを掴むこと
- 人の顔を覚えること
一つずつ見ていきましょう。
絵や図を一目で理解することが苦手
耳で聞く指示はすぐに理解できても、目から得る情報を理解するのが苦手なようです。そのため、絵や図から情報を得ることは苦手です。
そのため、地図を見て目的地に行くのが苦手、ということがあります。
自分で文字を読むことが苦手
音で聞いて覚えてしまうため、文字を自分で読むのは苦手です。
そのため、読書の際は、自分で文字を追うよりも、読み聞かせをしてもらうほうが楽しむことが出来るようです。
文章のまとまりを掴むことが苦手
自分で文字を読むのが苦手なのと同じように、音で聞いて覚えてしまうために、文字になるとどこでことばが途切れるのかが理解できないようです。
例えば、「にわにはにわにわとりがいる」という文章があります。
これを音として覚えることはできるのですが、文字情報として「庭」「には」「二羽」「ニワトリ」「が」「いる」とまとまりを掴んで読むことが出来ないのです。
その結果、一文字ずつ拾い読みするような形になってしまうとも言います。
人の顔を覚えることが苦手
目からの情報を記憶するのが苦手な結果、人の顔を覚えるのが苦手なことがあります。
そうすると、人の顔と名前が一致せず、コミュニケーションをとるのが苦手になってしまうこともあるといいます。
聴覚優位の子どものサポート方法
ここでは、聴覚優位の子どもたちのサポート方法を紹介していきます。
手順はことばを交えて伝える
絵や図などから情報を得るのが苦手なので、図工や家庭科で何かを作る際には、困ってしまうことがあります。
そういったときは、「初めに○○します。次に、こっちをもって××します。」といったように、ことばで手順を説明してあげると、理解しやすくなります。
漢字などは、分解して声に出して覚える
「女」という漢字を、「くのいち」と読んで覚えた、という経験はないでしょうか?
これと同じように、漢字を部分ごとに分解して、それを口で唱えて覚えると有効的です。
顔と名前をセットにできるものを用意する
顔を覚えるのが苦手な場合は、顔と名前を照らし合わせることができるように顔写真と名前をセットで確認できるものを渡したり、一緒に写真を撮って何度も確認できるようにしたりすると良いようです。
褒めるときは、具体的に褒める
耳から入ってくる情報を理解しやすく覚えやすいため、聴覚優位の子どもたちは、言われたことを正確に記憶します。
そのため、ただ「すごいね」「偉いね」と褒めるのではなく、「何がどうすごかったのか」をきちんと伝えるととても効果的です。
例えば、計算ドリルを終わらせたとします。
そうしたら、「最後まで集中してできたね、偉いね」などのように、具体的によかった部分を褒める、といった具合です。
聴覚優位ということばは使われていませんが、YouTubeに「聴覚タイプ」の子どもの勉強のコツをまとめたものがありました。
ご覧になってはいかがでしょうか?
まとめ
いかがだったでしょうか?
聴覚優位の子どもたちについてまとめると、以下のようになります。
- 耳で聞く情報を理解しやすく、記憶しやすい
- 絵や図、文字などを理解するのは苦手
- 説明するときは、わかりやすくことばを使って説明する
- 何かを覚えるときは、自分で口に出して覚えさせる
耳からの情報に頼りきりになることがないように、見ることや触ることなどにも意識を傾けるよう、ことばで伝えてあげることも大切です。
苦手意識を持たない程度に、促してあげましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。