今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場となることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「食事でよくなる!子供の発達障害」についてです。
発達障害は、生まれつき脳の一部の機能に障害が生じることにより起こる障害ですが、食事も大きく関わってきます。
自閉症を持つ子供は、好き嫌いが多く、偏食になりがち。すると、栄養も偏ってしまい、二次障害を招いてしまう可能性もあります。
ぜひこの機会に、障害のある子どもに不足している栄養と、食事法について学んでみてください。
目次
『食事でよくなる!子供の発達障害』とはどんな本?
『食事でよくなる子供の発達障害』は、2019年2月に出版されました。
著者である、ともだかずこさんは、「糖質オフ・家庭料理研究家」であり、自身が開発した糖質オフメニューは、糖質量を抑えるだけでなく、栄養価が高いと評判になっています。
また自身もADHDの息子を育てており、食事で症状が改善させた経験があるので、とても実用的な本になっています。
この本では、「隠れ貧血」が発達障害の最大の原因だと主張し、「高たんぱく・低糖質+鉄」の食事でアスペルガー症候群、ADHD、自閉症、学習障害が続々改善されていると絶賛されています。
具体的な食事メニューから食事で症状を改善させた体験者の手記も載っています。育ち盛りな子供にとって大事な食事。一度見直してみませんか?
食事でよくなる!子供の発達障害posted with ヨメレバともだかずこ/藤川徳美 マキノ出版 2019年02月16日頃 楽天ブックスAmazonKindle
こちらの記事も、あわせてお読みください。
なぜ偏食になってしまうのでしょうか?
発達障害を抱えた子供は、特定のものごとやルールに強いこだわりがあり、好き嫌いがはっきりしていることが少なくありません。
強いこだわりを持つのはASD(自閉症スペクトラム症候群)に多い特徴ですが、発達障害は、複数の障害を併存していることが多くあります。
ADHDやLDと併存していることで、生活面での困難は辛くなるでしょう。
また、食事においても好き嫌いが多く、偏食気味になってしまいます。さらに感覚に敏感なため、味覚や嗅覚、食感や温度にも敏感です。
食べられる食品が、15品以下になるとビタミンやミネラルが不足し、栄養障害になりやすいので注意が必要です。
脳にとって必要かつ十分な栄養素を補給することが何よりも大切です。次に必ず摂取していただきたい栄養素を紹介します。
参照元:西日本新聞 「偏食は、わがままじゃない 発達障害 感覚過敏や強いこだわり 特性を見定めて 安心できる関係を」
摂取したい栄養素
紹介する栄養素は障害を持つ子供が普通の子供に比べて不足している栄養素です。
ビタミン
ビタミンと言っても様々な種類があります。わかりやすく解説していきます。
ビタミンA
ビタミンAは、視力の改善に役立つと言われています。
ビタミンB6
ビタミンB6は、正常な神経機能と赤血球を維持する働きがあります。
幸せホルモンと言われているセロトニンの生産に不可欠です。自閉症の子供は、神経伝達物質が欠乏していることが多く、進んで摂取する必要がありますが、取り過ぎると神経過敏や音に対する感受性に問題を起こすことがあるので、マグネシウムと一緒に摂取しましょう。
ビタミンB12
ビタミンB12が不足すると、神経に問題が生じます。
ビタミンB12は、新しい細胞を作るのに必要で、神経系の健康を維持する働きがあります。これが欠乏している子供に不足分を補ったところ、自閉症の症状のいくつかに改善が見られたという報告もあります。
必須脂肪酸(オメガ3EPA、DHA)
必須脂肪酸は、脳の発達と伝達において重要な役割を果たしています。
必須脂肪酸を十分に摂取したところ、すべての子供たちに、言語と学習スキルの向上、需要言語の著しい増加、口頭での要求、遊びのスキル、社会性が向上したという報告があります。ミ
ネソタ大学病院では、オメガ3を『自閉症の治療に奨励』しています。
GABA
GABAは、精神安定剤の役割を果たし、多動性と衝動性に改善が見込めます。
マグネシウム
マグネシウムが欠乏すると、興奮や眠気を起こします。エネルギーの生成を助け、他の栄養素のレベル調節や酵素の活性を担っています。また、便を柔らかくしてくれる働きがあります。
ミネラル
ミネラルを摂取することによって障害が軽くなるというデータもあります。
参照元:自閉症児『発達障害とビタミン・ミネラル・その他の関わり』
偏食の子供に食べてもらう工夫
まず子供の偏食の傾向を知ることが大切です。
- カリカリの食感が苦手な場合、少し柔らかめに調理してみる
- 色が苦手で食べられない場合、好きな色で盛り付けをしてみる
- 熱さに敏感な子供には、十分に冷ましてから食べてもらう
といったように、苦手なものを把握して代替え案を考えることが大切です。
さらに、「コミュニケーションが苦手」なことも偏食の克服を難しくしている要因です。
まずは食べる品数が少なくても、食べられるものがあること自体を認め、苦手な食べ物を食べ終えた後は、たくさん褒めてあげましょう。
子供の食べる意欲を引き出すことも大切です。
参照元:発達障害のある子どもの“偏食” その実態と解消へのヒント
まとめ
・書籍『食事でよくなる!子供の発達障害』の紹介
・偏食になる理由は『強いこだわり』
・接種したい栄養素(ビタミン・ミネラル)
・偏食の子供に食べてもらう工夫3つ
食事で障害が完全に治ることはありませんが、偏食が原因で症状が悪化する可能性があるので、やはり食事は重要です。
好き嫌いが多く、なかなか食べてもらえないお子さんには、普段からよく観察し、何が苦手なのかコミュニケーションをとり、好きになってもらうにはどうしたら良いかと考えることも大切です。
食事の大切さを理解していただき、ぜひ子供に栄養満点の料理を食べさせてあげてください。