皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害ひきこもり」についてです。

「ひきこもり」と言えば、社会問題の1つですよね。子どもの場合は、「不登校」という形で一種の引きこもり状態に陥ってしまうこともあるでしょう。

今回の記事では、「発達障害」と、その「ひきこもり」について解説したいと思います。

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橋口
発達障害は、ひきこもりに関係しているのでしょうか。

それでは、見ていきましょう。

発達障害はひきこもりに陥りやすい

単刀直入に言うと、発達障害でない子ども(健常者)に比べて、発達障害のある子どもは、ひきこもりになりやすいと言えます。

もちろん、一概に「発達障害は、ひきこもりになる」というわけではありません。

発達障害のある子どもがひきこもりになりやすいのには、それぞれ理由があるのです。

ひきこもりの定義

さて、発達障害のある子どもがひきこもりになりやすい理由の前に、ひきこもりとはどんな状態を指す言葉なのかを見ていきたいと思います。

厚生労働省は、ひきこもりについて、このように述べています。

仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態

引用元:厚生労働省-政策レポート(ひきこもり施策について)

どうでしょう、皆さんの頭の中のひきこもり像と一致していますか?

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橋口
ちなみに、平成27年、平成30年の内閣府による調査では、ひきこもり状態にある人の総数は100万人を超えています。

発達障害がひきこもりに陥る理由

まず、発達障害とはASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)、LD/SLD(学習障害/限局性学習症)などを総称する言葉です。

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橋口
発達障害の特徴としては、次のようなことがよく言われます。
発達障害の特徴

・社会性が乏しい
・感情や衝動のコントロールが難しい
・自分の興味があることにはのめり込むが、そうでないものに取り組むことが難しい
・発達に凹凸があり、苦手なことはとにかく苦手
・失敗経験や叱られた経験から、自己肯定感が低くなりがち

これらは発達障害の特徴のほんの一部で、かつ負の側面ばかりを取り上げたものです。

しかし、上記のような負の側面、つまり本人が苦手としている部分が影響して、あるいはその先の二次障害の影響でひきこもりになってしまうことがあるのです。

▼発達障害や二次障害については、こちらの記事をご覧ください。

ASDの場合

ASD(自閉スペクトラム症)の子どもには、①空気が読めない、②興味・関心が偏っている、③こだわりが強い、という特徴が見られます。

そして、こうしたことから、思春期に学校などで集団に馴染めず、孤立してしまうことがあるのです。 さらに、他の子とは違っているという理由でからかわれる、またはいじめの対象になってしまうという場合もあります。

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橋口
ASDの子どもには、社会への関心が低いこと、ネガティブな経験がフラッシュバックしてパニックになってしまうこと、好きなことに没頭する特性からゲームにのめり込んでしまうことなどの特性もあります。

つまりASDの場合、孤立やいじめなど、本人にとって強烈きっかけがあれば、不登校、最終的にはひきこもりへと陥ってしまいやすいと言えるのです。

▼ASDについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

ADHDの場合

ADHD(注意欠如・多動症)の子どもには、①注意が散漫である、②じっとしていられない、③衝動的な言動をとってしまう、という特徴が見られます。

このようなことから、ASDの場合と同様に孤立やいじめの対象になってしまうことも考えられますが、学校の先生などから繰り返し叱られることで、自己肯定感が低下する、または二次障害を引き起こしてしまうという場合も考えられます。

繰り返し失敗経験をすることにより、本人が不安を感じ、失敗することに強い恐怖を抱くようになれば、安心できる居場所である自宅にとどまるようになってしまうかもしれません。

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二次障害を引き起こしてしまえば、ひきこもってしまう可能性が高まってしまうでしょう。

▼ADHDについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

LDの場合

LD/SLD(学習障害/限局性学習症)の子どもの場合、①字の読み書きの苦手、②算数の苦手、③聞くことの苦手、という特徴が見られます。

このようなことから、学校(学習面)、また将来的には職場(仕事面)で困難を感じる、あるいはそれが原因で失敗を頻回してしまうことが考えられます。

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橋口
失敗を繰り返すことで、自己肯定感の低下や二次障害を引き起こしてしまうかもしれません。

そうなってしまうと、やはり強い不安や失敗への恐怖から、自分の居場所である自宅にとどまるようになってしまう可能性が高くなってしまいます。

▼LD/SLDについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

発達障害とひきこもりの実際

ひきこもりの状態にある人が全国で100万人を超えている、ということは既に述べましたね。とは言っても。

「このうちのどれくらいの人が発達障害なのか」という部分を明らかにしないと、発達障害がひきこもりになりやすいと結論付けることはできません。

実は、徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部などによって行われた、ひきこもりの実態に関する調査の結果として、次のようなことが報告されています。

  • ひきこもり当事者について、家族に行ったAQ-J-16(自閉スペクトラム症などの可能性を調べるテスト)の結果、ひきこもり男性の15.6%、ひきこもり女性の10%が自閉スペクトラム症などである可能性があった。
  • ひきこもり当事者に対して行ったAQ-J-16の結果、ひきこもり男性の26.3%、ひきこもり女性の15.8%が自閉スペクトラム症などの可能性があった。
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橋口
ちなみに、日本全体における自閉スペクトラム症の割合は1%前後とされていますよ。

このことから、ひきこもり当事者は全体に比べて、発達障害である割合が高いと言えます。

参考:「引きこもり」の実態に関する調査報告書⑧(PDF)

ひきこもりと不登校の関連性

ここまで、発達障害とひきこもりについての関係について見てきました。

しかし、発達障害のお子さんを育てる方なら、ひきこもりのいわば前段階としての「不登校」も気になるところだと思います。

まず、不登校(不登校児童生徒)とはどのような状態を指す言葉なのか、文部科学省の説明を紹介します。

何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間 30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの

引用元:不登校の現状に関する認識:文部科学省(PDF)
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橋口
令和2年度の文部科学省による調査では、全国で約24万人の小中高生が不登校であるという結果が示されています。

心配なのは、「不登校になるとひきこもりになってしまうの?」という点だと思います。

もちろん、不登校の子どもが全て、将来、ひきこもりに陥ってしまうというわけではありません。

ですが、思春期という不安定になりやすい時期に、クラスからの孤立、集団になじめないなど、人間関係や社会的なストレスにさらされて不登校に陥った場合、必然的に子どもは自宅にとどまることが多くなりますから、ひきこもりの状態になってしまう可能性はあると言えます。

発達障害の子どもがひきこもりに陥ってしまったら

では、もしも発達障害の子どもがひきこもり不登校になってしまったら、どうすればよいのでしょうか。

ここからは、そんな時の支援の仕方や、予防策について見ていきたいと思います。

発達障害のひきこもり支援

発達障害の特性が原因でひきこもり、またはひきこもり気味になってしまった場合、状況を改善するためには、本人の特性に応じて、ソーシャルスキルトレーニング(SST)などの専門的な支援や薬物療法を行うべきでしょう。

また、二次障害として別の精神疾患が生じている場合には、医療的なケアも必要になります。

こうした、ひきこもりの支援について相談できる場所として、【ひきこもり地域支援センター】があります。

【ひきこもり地域支援センター】はその名の通り、ひきこもりの支援に特化している専門の窓口です。

その他にも、以下のような支援体制が考えられます。

支援体制

・発達障害者支援センター
・精神保健福祉センター
・精神科や心療内科の病院
・放課後等デイサービス(本人が18歳以下であれば)
・その他の民間のひきこもり支援サービス

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橋口
私たちRISE(ライズ)は、大阪府内に放課後等デイサービスを展開しています。さらに、大阪府内には以下の機関があります。
  • 大阪府ひきこもり地域支援センター(電話相談窓口)
電話番号06-6697-2890
公式サイト大阪府/大阪府ひきこもり地域支援センター
  • 淀屋橋心理療法センター
住所〒561-0872 大阪府豊中市寺内2-13-49 TGCマンション8-302
電話番号06-6866-1510
公式サイトお子様の引きこもりへの家族療法カウンセリング | 淀屋橋心理療法センター

ひきこもりや不登校に対する親の考え方

我が子がひきこもり、もしくは不登校になってしまった時。当然、親の身としては心配や不安を抱えることになると思います。

ですが、そんな時だからこそ、親や周りの人間が①焦らない、②感情的な言葉かけを行わない、③指示的にならない、ということが大切です。

ひきこもりや不登校は、一般的に良くないことと認識されていますし、当事者の家族は世間の目が気になるところです。しかし、当の本人は、それ以上に辛い経験をしたからこそ、ひきこもり、または学校に行けなくなってしまったのではないでしょうか。

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橋口
ひきこもりや不登校を、本人にとっての「休養期間」と考えるのも1つですね。

さらに、そんな本人に対して、親から愛情を伝えてあげることも必要です。「私だけはあなたの味方よ」と、たとえ言葉にしなくとも、しっかりと本人に伝えることが、どんな支援より重要であると言えます。

知っておきたい「ひきこもりの段階」

ひきこもりには、実は段階があるとされています。

準備段階

本人が心の中で葛藤している時期。この頃は、学校に通ったり、仕事にも務めたりしているため、「ひきこもりに至るかもしれない」と周りが気づくことは少ない。また、ここから実際に引きこもりに至る場合とそうでない場合がある。

開始段階

ひきこもりが始まった時期。本人の中で、学校や仕事を休むことの後ろめたさと、それを上回る学校や職場を拒否する感情とによる激しい葛藤、さらに気分の不安定さが生じる。

ひきこもり段階

ひきこもりの状態が続き、本人がむしろ安定する時期。しかし、社会との接触や外部からの介入には抵抗感を示す。ちょっとした買い物など、軽い社会的な活動を再開することもある。この時期の終わりには、社会に対する関心が取り戻されてくる。

社会との再会段階

ひきこもりの状態から徐々に脱し、社会生活へと戻ろうとする時期。世間に出る前に、ステップとして中間的な場所を求める。この段階に至るまでにかかる日数は、個人差がある。ここから再び、ひきこもりの状態へと向かう場合もある。

参考:ひきこもり支援のガイドライン(PDF)

こうした段階を知った上で、お子さんが今どの段階に位置しているのかを把握することは、支援に役立つでしょう。

ひきこもりを防ぐ予防的支援

ひきこもりを防ぐのは、言うまでもなく非常に難しいことです。

ですが、ひきこもりに陥りやすいタイミングを知ることで、そこへ向けた支援を行うことができます。

ひきこもりに陥りやすいタイミング

発達障害のある人がひきこもりに陥りやすいタイミングとしては、学生であれば進級の時、進学の時などがあげられますが、ここでは就職の時をテーマとして話を進めたいと思います。

就労は、学校を卒業すれば誰しもが経験することでしょう。特別支援学校に在籍する生徒も、卒業後には障害者雇用での就労や福祉的就労という形で仕事に就くことになります。 それは発達障害の子どもも同じです。

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橋口
しかし、知的に遅れのない発達障害の子どもは、通常のクラスにいて、一般雇用での就労を行うことになることが多いです。

発達障害の特性を無視した職選び、職場選びが、本人に苦痛を与え、ひきこもりに陥ってしまう、ということは十分に考えられるでしょう。

就労に向けた支援

発達障害の子どもが、将来、就労する時のことを考えた支援としては、本人の発達障害としての特性を認めてあげる、ということが最重要です。

これは、発達障害のお子さんを育てる方、支援する方からすれば「そんなの当たり前でしょ」と思われることかもしれませんね。

発達障害は、得意・不得意の差が激しいことがその特徴です。

つまり、本人が苦手なことばかりやらされる職に就かなくて済むように、本人の得意を見つけ、成長を支援することで、将来、本人が得意な部分を活かした就労を行うことができるということです。

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橋口
中学生・高校生のうちに、就労準備型をうたう放課後等デイサービスを利用するなど、就労に備えた直接的な支援も大事ですね。

発達障害の人に向かない職種

発達障害の特徴から、彼らに向いていない職種、選ばない方が良い職種というものも考えられます。ここでは、その一例を紹介します。

発達障害の人に向かない職種

協調性やコミュニケーション能力が必要な職種(営業職など)
1度に多くのタスクをこなすことが求められる職種(飲食店のスタッフなど)
臨機応変な対応が求められる職種(接客業など)
1つのミスが大きな問題に直結してしまう職種(医療職など)

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もちろん、発達障害だと上記の仕事ができない、ということではありません。

ひきこもりに繋がる他の精神疾患

発達障害の他にも、ひきこもりに陥りやすい精神疾患があります。以下に、一覧として紹介します。

ひきこもりに陥りやすい精神疾患

・適応障害 ・不安障害 ・気分障害 ・強迫性障害 ・パーソナリティ障害
・統合失調症 ・妄想性障害 など

参考:ひきこもり支援のガイドライン(PDF)

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橋口
これらは発達障害の二次障害で生じる精神疾患とも重なります。

発達障害より、むしろこれらの精神疾患によってひきこもりに陥る、という場合の方が多いと言えます。

まとめ

今回の記事では、以下のことを解説しました。

  • 発達障害はひきこもりに陥るリスクがある
  • ひきこもりと発達障害の関係についての調査について
  • ひきこもりと不登校の関連性
  • 発達障害のひきこもり当事者に対する支援
  • 発達障害の子どもに対する将来的なひきこもり予防の支援
  • ひきこもりに繋がる精神疾患

たしかに、発達障害はひきこもりに陥りやすいと言えます。

しかし、それは発達障害を、さらにはひきこもりの当事者を単に否定することには結びつきません。

なぜなら、発達障害そのものより、むしろ二次障害の方がひきこもり原因となりえますし、さらに、ひきこもることや不登校になることは、彼らなりの休養期間だと言えるからです。

また、発達障害の子どもたち。彼ら1人1人の特性を知り、得意・不得意を見出すことで、現在、そして将来における彼らの生活を守ることができます。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。