皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「赤ちゃん打つことと発達障害との関係」についてです。

「幼い我が子が怪我をした!」

たとえ些細なものであっても、親は子どもの怪我に敏感ですよね。

もしそれが頭の怪我となれば、とびきりの心配してしまうと思います。

そんな時、「頭を打つと発達障害になるの?」あるいは「よく頭を打つのは発達障害だから?」と疑問を持つ方も多いでしょう。

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小野田
今回は、赤ちゃんないし子どもが頭を打つことと発達障害とが関係するのか、という点について解説します。

赤ちゃんが頭を打つと発達障害になるのか

  • 抱っこしている時に、誤って地面に落としてしまった。
  • 家具の角っこにぶつけてしまった。
  • よちよち歩きで転倒してしまった。
  • 自転車に乗せていて、自転車ごと倒れてしまった。
  • 階段から転落してしまった。
  • 交通事故にあってしまった。

などなど。

赤ちゃんが頭を打って怪我をする、という場面は、決して少なくありません。

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小野田
「頭を打ってしまったら発達障害になるかも」と、心配する方もいるかと思います。

ここでは、まずその可能性について見ていきます。

発達障害とは?

そもそも発達障害とは、主に

  • 注意欠如・多動症
  • 自閉スペクトラム症
  • 限局性学習症(学習障害)

という3つを総称する言葉として用いられます。

発達障害の原因については未解明な部分も多いですが、通常は先天性の脳機能の問題であるとされています。

「発達障害は先天性である」と言うと、怪我によって発達障害になることはない、と思えてしまいますが…。

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小野田
しかし、実は生まれた後の外傷によって発達障害になる可能性もあると言われています。

参考:アメリカ疾病管理予防センター 発達障害について

注意欠如・多動症

注意欠如・多動症は、ADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorderの略)とも呼ばれます。

注意欠如・多動症の特徴

不注意、多動性、衝動性を特徴とする。
・不注意…集中を維持できない、忘れ物が多い、周りからの刺激に反応しやすい。
・多動性…静かにじっとしていることが難しい、手や足をずっと動かしている。
・衝動性…衝動的に行動してしまう、順番を待つことが難しい。

▼注意欠如・多動症については、こちらの記事を合わせてご覧ください。

自閉スペクトラム症

自閉スペクトラム症は、ASD(Autism Spectrum Disorderの略)や広汎性発達障害などとも呼ばれます。

一般的に知られているアスペルガー症候群は、この自閉スペクトラム症の1種です。

自閉スペクトラム症の特徴

・社会的な対人関係における困難。
・興味や好きなことに偏りがある。
・強いこだわりがあり、予定や行動パターンの変更をとても嫌がる。

▼自閉スペクトラム症については、こちらの記事を合わせてご覧ください。

限局性学習症(学習障害)

限局性学習症は、学習障害という名称も用いられ、前者はSLD(Specific Learning Disabilityの略)、後者はLD(Learning Disabilityの略)とも呼ばれます。

限局性学習症(学習障害)の特徴

・知的な遅れはない。
・「読む」「書く」「計算する」「聞く」の能力のうち、いずれかに困難がある。
・学校の特定の教科に強い苦手意識を持つ。

▼限局性学習症(学習障害)については、こちらの記事を合わせてご覧ください。

重度の頭部外傷では危険性あり

お子さんが頭に負った怪我。

その程度が重傷だったなら、発達障害、もしくは高次脳機能障害を発症する可能性があります。

二次性の注意欠如・多動症

発達障害は、基本的には先天性で、遺伝や胎生期に受けた影響などが原因ではないかと言われていますが、怪我などによっても後天的に発症する可能性があるようです。

2018年に発表された論文では、次のようなことが述べられています。

  • 重度の頭部外傷(外傷性脳損傷)を負った3歳~7歳の子どもを対象に調査。
  • 一般の子どもと比較して、二次性の注意欠如・多動症を発症しやすい。

この研究の対象となったのは「赤ちゃん」とは言えない年齢の子どもたちですが、それでも子どもが頭にひどい怪我を負った場合、後天的に注意欠如・多動症を発症する確率が上がるということです。

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小野田
ただし、怪我が重度ではない事例は研究対象から除外されているため、軽度の怪我であれば、二次性の注意欠如・多動症のリスクは高くないと言えそうです。

参考:National Library of Medicine
   八重洲クリニック脳神経外科 頭部外傷を受けた小児はADHDをおこしやすい??

高次脳機能障害

頭部外傷は、主に頭蓋骨骨折と脳損傷に分けられますが、外部から受けた強い力によって脳に損傷を負った状態を外傷性脳損傷と言います。

この外傷性脳損傷の患者が高確率で発症するのが、高次脳機能障害です。

高次脳機能障害の特徴

【固執性】
 …強いこだわりを持ち、融通が利かない。急な変化にパニックを起こす。

【感情コントロール低下】
 …感情のコントロールが上手くできず、心理的な起伏が激しい。

【遂行機能障害】
 …ある目的に対する行動をとることに困難を抱える。

【地誌的障害】
 …物や場所の位置関係を認識できず、道に迷ったりする。

【記憶障害】
 …覚えられない、忘れやすい、思い出せないなど、記憶に困難を抱える。

【注意障害】
 …集中や注意の切り替え、複数のものに注意を向けるといったことに困難を抱える。

【失認】
 …見る、聞く、触れるなどで得た情報の認識が上手くできない。

【病識欠如】
 …障害があるということを自覚できない。年齢が低いほど顕著。

【発動性の低下】
 …するべきことは分かっているが行動できない。怠けている、と見られやすい。

【欲求コントロール低下】
 …我慢することができず、衝動的に行動してしまう。

【幼児化】
 …赤ちゃん返りや退行のような症状。年齢に不相応な言動をとる。

【易疲労性】
 …体だけでなく、頭もすぐに疲れてしまう。

【失語】
 …話す、聞く、書く、読むなどに困難を感じ、コミュニケーションを上手くとれない。

【半側空間無視】
 …体に対して左右どちらかの側の空間を認識できない。

【抑うつ】
 …気分が落ち込んだり、体に異常が現れたり。いわゆるうつ状態。

こうして見ると、随所に「発達障害のような症状」があることが分かりますね。

お子さんが以前に頭にひどい怪我を負った経験があり、なおかつ「発達障害のような症状」が見られる場合、高次脳機能障害を発症している可能性があると言えます。

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小野田
高次脳機能障害の支援には、発達障害児に対してと同様の対応が有効だとされています。また、適切にリハビリを受けることで機能を回復させられるとも言われています。

▼こちらは小児の高次脳機能障害について解説している動画です。

▼高次脳機能障害にも使える、発達障害の子どもへの対応については、こちらの記事を合わせてご覧ください。

参考:小児の高次脳機能障害支援ガイドブック(PDF)
   国立障害者リハビリテーションセンター研究所 可塑性に基づくリハビリ

頭を打つ子は発達障害か

ここまでは、「頭を打つことで発達障害になるか」ということについて見てきました。

しかし、お子さんが頭を打つ“頻度”や“状況”によって、もしかしたらお子さんは発達障害なのかもしれません。

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小野田
つまり、頭を打って発達障害になるのではなく、「頭を打つこと自体が発達障害の特性によるもの」かもしれないということです。

注意欠如・多動症の場合

注意欠如・多動症のお子さんの場合、一般的に「怪我をしやすい」または「重い怪我を負いやすい」と言われます。

と言うのも、前にご紹介した3つの特性(不注意、多動性、衝動性)のため、危険につながる行動をしてしまったり、あるいは危機回避行動をとれなかったりするのです。

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小野田
突然走り出して転ぶ、交通事故や転落事故にあうということがあります。

もし、お子さんが頭に限らず怪我が多く、またその原因が注意欠如・多動症の特徴として挙げた3つであると考えられる場合、「注意欠如・多動症かもしれない」と気にしてみると良いでしょう。

発達性協調運動症の場合

「発達障害とは?」の項でご紹介しませんでしたが、発達性協調運動症も発達障害の1種です。

発達性協調運動症のお子さんは、自分のボディーイメージ、つまり体の大きさや手足などの位置、物との距離などが上手く認識できていないと言われています。

そのため、極度に手先が不器用であったり、運動が苦手、どころか一見簡単な動作もぎこちなかったりする特徴があります。

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小野田
体を動かすことが苦手だと、転んでしまうことも多いです。

お子さんが、運動音痴でよく転んでしまう、そのせいで怪我をすることがあるという場合、「発達性協調運動症かもしれない」と気にしてみると良いでしょう。

▼発達性協調運動症などについては、こちらの記事を合わせてご覧ください。

参考:赤ちゃん・子どもの発達性協調運動症(ODC)とは?|たまひよ

自閉スペクトラム症の場合

自閉スペクトラム症のお子さん、また強度行動障害を持つお子さんの場合、自分の意思を上手く伝えられず、その結果として壁や床に頭を打ち付ける自傷行為をとることがあります。

強度行動障害は「直接的他害(噛みつき,頭つき,など)や間接的他害(睡眠の乱れ,同一性の保持),自傷行為などが,通常考えられない頻度と形式で出現し,その養育環境では著しく処遇の困難なものをいい,行動的に定義される群」と1988年に行動障害児(者)研究会において定義されました。

引用元:発達障害-自閉症.net
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小野田
強度行動障害は、自閉スペクトラム症でなおかつ知的障害を併発しているお子さんに多く見られると言われています。

もしお子さんが負った頭の怪我が、壁や床へのいわゆる頭突き行為によるものだったなら、「自閉スペクトラム症/強度行動障害かもしれない」と気にしてみると良いでしょう。

頭の怪我の予防策

頭の怪我は、言うまでもないことですが、まさに「百害あって一利なし」です。

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小野田
怪我をしないことが一番ですが、すでに怪我を経験したなら二度と大きな怪我を負わずに済むよう防止することが大切です。

小さい子の頭を守るグッズ

お子さんがまだ小さいうちは、発達障害の有無にかかわらず、転倒してしまったりしてどこかに頭をぶつけることがあります。

その状況を想定して、お子さんの頭を守ってくれるグッズを使用することをお勧めします。

価格1,290円(税込)
口コミ

・はじめは嫌がったが、慣れたら被ってくれるようになった。
・デザインがおしゃれだから、被っている姿が可愛い!
・内側がメッシュになっているのが良い。

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小野田
幼い子どもは、いくらこちらが口で注意しても理解することが難しいので、いっそのこと「頭をぶつけても安心」と割り切ってしまうと良いかもしれません。

発達障害の子どもへの対応

発達障害あるいは高次脳機能障害で、怪我を頻回するお子さんの場合、その特性に合わせた対応をすることで“怪我をしてしまう状況”を上手に避けられるかもしれません。

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小野田
危ないからと過保護になっては良くないです。「危険を避ける」ための対応が必要になります。

注意欠如・多動症への対応

注意欠如・多動症のお子さんが、不注意や突発的な行動によって怪我をすることがある、ということは前述のとおりです。

注意欠如・多動症の場合、「危険を避ける」ための対応として考えられるのは、次のものです。

家の中の環境を整備

注意欠如・多動症のお子さんは、気になるものがあると突発的にそちらへと行ってしまいます。そのため、まずは環境の整備が大事になります。

高いところ(家具の上)や階段の周辺にお子さんが興味を持ちそうなものを置いておくと、怪我をするリスクが高くなるので、なるべくそういった場所には物は置かないようにしましょう。

一緒に外を歩く時は手をつなぐ

家の中の環境を整えても、外に出ればたくさんの危険があるのが現実です。「よそ見をしながら歩く」「急に走り出す」といった行動があると、いつ事故に巻き込まれるか分かりません。

交通事故にあわないように、お子さんと一緒に外を歩く時は、基本的には手をつなぎましょう。

ルールをあらかじめ教えておく

注意欠如・多動症のお子さんは、根本的にルールや「何をすると危険か」といったことを分かっていないことがあります。

ですから、棄権に遭遇しそうな場面におけるルールをあらかじめ伝えて、理解させておくことも重要です。

そして、そのルールを守れた時には、たくさん褒めてあげましょう。

自閉スペクトラム症への対応

自閉スペクトラム症のお子さんが、自分の意思を伝えられないために頭を打ち付ける自傷行為をすることがある、ということは前述のとおりです。

自閉スペクトラム症の場合、「危険を避ける」ための対応として考えられるのは、次のものです。

問題行動の原因は「本人が困っているから」ということを理解する

壁や床に頭突きをする。それは親としては、とても心配になる行為ですし、必死に止めることでしょう。

しかし、お子さんのその行動は、本人の困りに起因している場合が多いです。

「 困っている、けれど言葉で伝えられない」というお子さんの心情を理解すると、問題行動の見え方が変わります。

目で見て分かるスケジュールを用意し、本人の混乱を防ぐ

困っている、けれど言葉で伝えられない、というお子さんの心情を理解すると、問題行動の見え方が変わります。

混乱すると、頭突き行為をしてしまうリスクが高まるので、そのような状況を避けるようにしましょう。

意思伝達を可能にするツールを用いる

自分の意思を伝えられないために頭突きをしてしまうのですから、それを可能にする道具を使用する、というのは妥当な対応でしょう。

よく使われるものでは、「絵カード」があります。「絵カード」は、物や動作、場所などを表すイラストが描かれたカードで、自閉スペクトラム症のお子さんとの意思伝達を視覚的に行うための道具です。

「絵カード」は紙で自作しても良いですが、スマホアプリを使って簡単に用意するのもお勧めです。

▼スマホやタブレットで使用できる「絵カード」アプリはこちらから。

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まとめ

今回の記事では、以下のことを解説しました。

  • 「頭を打つと発達障害になる」というリスクはゼロではない。
  • 頭の怪我が重傷の場合、高次脳機能障害を引き起こすかもしれない。
  • 頭をよく打つ子は、発達障害である可能性がある。
  • 幼い子どもには、頭を保護するグッズを使用すると良い。
  • 発達障害の子どもには、「頭を打つ」ことを防ぐための対応をとる必要がある。

今回の結論としては、お子さんが頭を打たないような対策をすることが最も重要である、ということが言えます。

頭は、他の体の部位に比べて、怪我を負うことで生じるリスクが重大ですからね。

また、もし頭を打ってしまった時には、お子さんの様子を見たうえで医療機関への受診をお勧めします。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。