皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所となることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは、「発達障害色彩感覚」です。

発達障害児にとって、光や音などの刺激の感じ方は、発達障害のない子どもと大きく異なります。

色も様々な刺激の1つであり、発達障害の種類によっても色に対する反応は様々です。

例えば、光や音に敏感な子どもは色にも敏感な傾向があり、様々な色で溢れている現代の日常生活の中で、保護者が気づかないうちに困難と感じていることがあるかも知れません。

どのような色彩感覚があり、発達障害者がどのような環境に置かれているのかを理解していきましょう。

発達障害児の色彩感覚が異なる理由

初めに、なぜ発達障害児の色彩感覚が健常児と異なるのかを見ていきましょう。

視覚過敏が大きく影響している

脳は光の反射によって色を識別します。1種の刺激として判断し、その情報はすべて視覚から得られます。そのため、視覚過敏の子どもはそうでない子どもに比べて異なった色彩感覚を持つことになるのです。

視覚過敏は、光や視覚からの刺激に対してとても敏感である症状のことを指します。発達障害児に多く見られる症状だと言われています。また、視覚過敏は感覚過敏の1つなので、音や味など他の刺激に対しても敏感である傾向があります。

▼例えば、聴覚過敏についても他の記事でご紹介しています。よろしければ、併せてお読みください。

視覚過敏による症状の程度には個人差があるので、発達障害児でも色彩感覚もそれぞれ異なるでしょう。

周りの大人が観察して、早期発見を

子どもは生まれた時から自分の感覚が普通の感覚だと思っているので、保護者を始め周りの大人が、その子の反応の仕方やどのように思っているのかを観察する必要があります

例えば、テーマパークやデパートなど、人混みが多く様々な色のものが多い場所に行った時にお子さんの様子を観察してみてください。

視覚が敏感だとそれらの刺激を調整するために、よく瞬きをしたり、片目を閉じて片目だけで見たり、無意識に取る行動があると言われています。

些細な行動かも知れませんが、保護者や周りの大人が気づけば、視覚過敏や発達障害の早期発見につながるでしょう。また、早く気づいてあげれることで発達障害について詳しく理解する機会にもなります。

耳をふさいだり目を閉じたりする仕草や、パニックになることがあれば、小児神経科の医師に診察してもらいましょう。

日本小児神経学会が発表している発達障害診療医師名簿で、お住いの地域の医師を探してみてください。

視覚過敏の見る世界とは?

視覚過敏や聴覚過敏の症状がある子どもが見る風景を知っていますか。

▼実際に、その風景を体感できる動画がこちらですので、一度ご覧ください。パソコンや携帯の画面を動かすとVRのように見ることができます。

ショッピングセンターの光は眩しすぎたり、風船の色は強すぎて頭が痛くなってしまったりする子どももいるでしょう。動画のように数分だけではなく、毎日このような風景を経験している子どもには、どれ程辛いか想像できません。

おすすめの書籍

発達障害に関する書籍が増えている中で、特に視覚の形成との関係について述べられているのは、「発達障害の素顔 脳の発達と視覚形成からのアプローチ」でしょう。

先に述べた、刺激を調整するために取る無意識な行動などを始め、さらに発達障害児に寄り添い、新しい対応の仕方が理解できるように、ぜひ読んでみてください。

才能を発見できるチャンス⁉

色彩感覚が異なるということは困難なことばかりだけではなく、隠れた才能を見つけられる機会になるかも知れません。どのような可能性が秘められているのかも知っていきましょう。

△色彩感覚が異なると困ることばかりではなく、才能を発見できる機会にもなり得ます。

画家のピカソやゴッホ、芸術家のダ・ヴィンチ、漫画家のさくらももこや水木しげるなども、子どもの頃の行動や仕事に対する集中力を見返すと発達障害だった可能性が高いと言われています。

もしかしたら視覚過敏により色彩感覚が異なっていたために、今の時代でも知られている作品を残せたのかも知れません。

当時、発達障害が認知されていなかったので彼らは何のサポートもなかったと想像できます。苦労した経験もあるかもしれません。しかし、発達障害が認知されるようになった現在、子どもに様々なサポートをしてあげられることができるでしょう。

▼視覚優位のお子さんへのアプローチ方法は以下の記事でもまとめています。是非参考にしてください。

発達障害の種類による違い

先にも述べたように、発達障害の種類によって色に対する反応は様々です。特徴を知ることで適切なサポートができます。

これから、自閉症スペクトラム障害(ASD)、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)に分けて詳しく見ていきましょう。

自閉症スペクトラム障害(ASD)の場合

様々な発達障害の中でも、視覚過敏は自閉症スペクトラム障害の子どもにと言われています。

自閉症スペクトラム障害児の色彩感覚に関する研究結果によると、苦手な色が黄色、好む色が緑である傾向があると発表されました。

参照:「自閉症児は黄色が苦手、そのかわり緑色を好む ー発達障害による特異な色彩感覚ー

この結果によると、黄色は色の中で明るさの程度が大きいので視覚過敏のある子どもにとって刺激が強いのですが、緑や茶色はその逆で刺激が弱いと感じると考察されています。

多くの看板には注目を引くために黄色が使われることが多かったり、ショッピングセンターなどでは自然(緑)が少なかったりします。普段から苦痛に感じやすい、疲れやすい環境にいることが理解できるでしょう。

また、自閉症の子どもは、自然の中の動物や昆虫などの観察には鋭いですが、人の表情を読み取ることが難しいとも言われています。それも、視覚過敏による色彩感覚の違いから生じるのかも知れません。

学習障害(LD)の場合

学習障害の子どもにとって、文字や数字を読んだり追ったりすることが困難な理由の1つに、視覚過敏が関係している場合があります。その場合、次のようなことが起きるでしょう。

  • 読んでいる途中でどこを読んでいるかわからなくなる
  • 紙の白い部分が異常に明るく見えて書かれている文字が見えづらくなる
  • 文字が動いたり重なったり浮いていたりしているように見える
  • 読むのが遅かったり、効率よく読めなかったりする
  • 読んでいると疲れてしまい、長い時間読めない

このようなことが続いていると、ディスレクシアである可能性があります。

ディスレクシア

知的発達に問題はありませんが、「読む」能力に困難があり、学習障害のある児童の多くに現れる症状です。似た文字や小さい文字の区別が難しく、読み方に特徴があります。
一方で、耳から得られる情報(発声、発音)の方が理解しやすい児童が多いとも言われています。

児童本人は真面目に読もうとしているにも関わらず、以上のようなことが起きると授業中に支障が出て注意されたり、怠けていると思われてしまう可能性があります。

早めに気づくことができれば、周囲の理解を得ておくなど対応もできるので、不要なトラブルを避けることができるでしょう。

注意欠陥多動性障害(ADHD)の場合

光に対してとても敏感で、ただ眩しいではなく焼かれるような痛みを感じることもあるようです。この感じ方は中々周囲に理解してもらうのは難しいでしょう。

また、注意欠陥多動性障害の代表的な症状である、「集中力が続かない、好きなことには集中する」ことも視覚過敏によって左右されることも多いです。

授業中に外の景色(色の移り変わりなど)に気を取られて集中できない場合があったり、知識がなくても何時間も美術館の絵に見入って集中してしまう場合もあったりします。

困難時の対策

これまでに、発達障害の種類によって色に対する反応の違いを見てきましたが、もし困難に感じることがある場合、どのように対応すればいいのでしょうか。

視覚過敏によって生活に支障が出たり、授業などで困難に感じることがある時、どのような対策をしていけばいいのか、先に述べてきた特徴に分けてまとめてみました。

好む色や苦手な色がある場合

部屋の家具、インテリア、壁紙、カーペットなどの色に配慮しましょう。また、照明は明るすぎない物や暖色系である物を選ぶようにしてみてください。

例えば、家具を木彫目で統一してみたり、黄色や白色を避けてパステル系の色か本人の好きな色の壁にしてみたりした方がいいかも知れません。

ディスレクシアである場合

学校での生活に困難を感じることが一番多い症状なので、まずはディスレクシアであることを先生に相談しましょう。学校や家でできる対応例としては、以下のようなものがあります。

  • プリントやテストを白ではなく色付きの紙に印刷してもらう
  • 授業中、音読など「読ませる」ことを強要しない
  • 家での宿題は保護者が問題文を読む

また、子ども自身ができる対策例もご紹介します。症状の程度によって調整を提案してあげてみてください。

  • 文章を読む時は色付きで柄のない下敷きを置く
  • 読んでいる場所がわからなくなってしまう場合、
    定規や手で文を隠し、少しづつずらしながら読む

外に出かける場合

なるべく黒目のサングラスや偏光レンズメガネをかけて外出してみてください。家族でレジャーを楽しむ際には、ショッピングセンターなどの照明や蛍光灯の多い場所は避けて、公園や川、山など自然が多い場所を選ぶようにしましょう。

先にも述べましたが、注目を引くために看板や広告に派手な色が使われていたり、都会のように夜でも眩しい環境が身近にあったり、現代の環境は視覚過敏にとって苦痛に感じる場面が多い環境です。

一方で、京都市の景観条例など、派手な外観の規制や黄色など景観を乱す色を控える指導をしている場所もあります。
目的は景観を損ねないことですが、視覚過敏の方に優しい環境が整っていると捉えることもできます。遊びに行く場所に選ぶのも一つの方法です。

参考元:自閉症者が人類社会に「不可欠」である理由 〜実は障害ではない!

まとめ

  • 発達障害児の色彩感覚が異なるのは、視覚過敏によるものである
  • 視覚過敏によって見る世界が違うので、様々な色がある場所は困難に感じている可能性がある
  • 色彩感覚が異なるので、絵や芸術に対する才能があるかも知れない
  • 発達障害の種類によって色に対する反応の違いがあり、その特徴によってサポートの仕方も異なる

まずは、保護者が理解してサポートをし、色彩感覚の違いによる才能を一緒に探してあげましょう。

この記事を読んでくださった貴方には、視覚過敏の人が受ける刺激に関する基礎知識が既についています。実際に工夫することで、身の回りの環境を変えていけるでしょう。

困難に感じる程度もどのような才能があるかも、それぞれ異なるので、その子を尊重することを忘れないでくださいね。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。