皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報を皆さんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害 適職」です。
発達障害のお子さんの将来に不安を抱えている方は多いでしょう。
うちの子はちゃんと適職に就くことが出来るのかな。
はい!
お子さんが子どものうちにやっておけること、ありますよ!
また、職業について気になった今のタイミングで、どのような仕事が向いているのか、どのような支援が受けられるのかなど、事前情報に触れておきましょう。
目次
[発達障害の適職探し]子供のうちからできること3つ
発達障害があって将来つける仕事があるか不安…そんな悩みを抱えていませんか?
特性を活かして生きていくために、子どものうちからできることは3つあります。
それはズバリ
- お子さんの強みを見つけること
- 強みを磨くこと
- 苦手を知ること
つまりは、自身について理解を深めておくことが将来の適職探しに役立ちます。子どものうちから特性を理解しておくと、課題点を見つけ対応する時間がとれますよね。いざ、困難なことに直面した時に焦らずに済むかもしれません。
では、具体的にどのようなポイントで特性を知っていけば良いのでしょうか?
お子さんの特性を知る
発達障害があると、出来ることとできないことがはっきりしていることが多いです。その強みを活かし、弱みをカバーすることの出来る職種はたくさんあります。
まずはお子さんの強みと苦手を見つけましょう。
見つけ方
- 何をしているときが楽しそうですか?
- 上手に出来ることは何ですか?
- 手伝うと出来ることは何ですか?
- 苦手なことは何ですか?
一言で「発達障害の人の適職」と言っても、人によって特性は様々。ひとくくりにはできません。
大事なのは、本人の特性をしっかり把握して得意なことを強みにし、苦手なことをカバーする方法を考えることなのです。
苦手なことをメインとする仕事では本人も辛く、周りにも迷惑をかけてしまいます。
苦手なことにあえて挑戦するよりも、得意を活かして苦手をカバーする(してもらう)環境があれば長く続けられるでしょう。
仕事に直結する特性
発達障害全般に見られる特性で、仕事に直結する有利なポイント・不利なポイントには次のようなものがあります。
有利
- 決められた手順を守る
- 知識に貪欲である
- 行動力がある
- 発想力がある
- 手先が器用
- 記憶力が高い
不利
- コミュニケーション力が低い
- 場の空気を読むのが苦手
- 気が散りやすい
- 時間が守れない
- 細かい情報を読み取るのが苦手
- スケジュール管理が苦手
苦手なことをカバーするためには職場に開示してフォローをしてもらうことが必要ですが、個人でも具体的な対処方法を身に着けておきたいところです。
スケジュール管理や時間を守る、忘れ物をしないようにするなど、ToDoリストの活用やタイマーに慣れておくと将来にも役立ちますね。
アプリで苦手をカバー
次にあげるアプリはお子さんにはまだ早いかもしれません。
しかし普段の仕事や家事にも使えるものなので、どんなものか大人が試してみて知っておくと使えるシーンでアドバイスが出来るでしょう。
Focus To-Do
発達障害のある人はスケジュール管理が苦手で、休憩を取り忘れて疲れるまで働き続けてしまうことも。
そんな人におすすめのアプリです。
このアプリではポモドーロテクニックという、25分働いて5分休憩する方法で集中力とモチベーションを高めることができます。
QuickMemo+
付箋を使って管理する感覚で利用できるアプリです。
ボードに貼って視覚的に管理ができるので、視覚認知力の高い人に向いています。
やることリスト・買い物メモなど、仕事と家庭で分けて管理できるので普段使いに最適です。
シンプルで使いやすいアプリです。
適職例の紹介
それでは次に、それぞれの発達障害に分けて向いている職種例を紹介していきます。
自閉スペクトラム症(ASD)
対人関係が苦手で臨機応変に上手く対応できないASDさん。
興味のないものには集中力を欠きますが、興味のある物には正確に粘り強く取り組むことが出来ます。
静かな事務室でのデスクワークも向いています。
ただし、事務でもマルチタスクが求められる業務は難しいかもしれません。
ADSさんの適職例
- 経理・財務・法務・情報管理の事務
- プログラマー
- 工場のライン
- ITエンジニア
- 家電販売員
- テクニカルサポート
- ルート販売
- 農作業
決まった手順をしっかり守れるので、マニュアルがしっかりしている業務であれば、対人の仕事でもこなせるでしょう。
手先の器用な人は、工芸品作りや農業でも力が発揮できますね。
注意欠如・多動症(ADHD)
気が散りやすく集中するのが苦手なADHDさん。
忘れ物やミスが多いのでマルチタスクが必要な一般事務などは向かないようです。
その反面、発想力が豊かで度胸があり、興味のあることには貪欲に学ぶ姿勢が見られます。
事務仕事よりアクティブに動ける仕事が向いているでしょう。
ADHDさんの適職例
- 営業職
- ITエンジニア
- 介護職員
- デザイナー
- ライター
- ジャーナリスト
明るくフットワークが軽いので、人を元気づける仕事も向いています。
自分のペースで進められる仕事の方が居心地よく続けられそうですね。
学習障害(LD)
学習障害だけの特性が見られるLDさんの場合、ASDやADHDとは異なります。
問題を抱えているのは一部の学習能力なので、弱点を補うことでどの職種にも対応できます。
補うツールなどを上手く取り入れ、職場の理解を得られると働きやすくなるでしょう。
ただし、ASD,ADHD,LDのそれぞれの特徴を複合的に併せ持つ場合、特性によっての見極めが必要です。
▼マルチタスクの弱点を乗り切る方法を紹介したこちらの記事も参考にどうぞ。
仕事の探し方
雇用形態には一般雇用と障害者雇用の2通りがあります。
障害者雇用の枠で就職する場合、障害者手帳が必要になります。
障害者手帳について
障害者手帳は、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の3種の手帳を総称した一般的な呼称です。
制度の根拠となる法律等はそれぞれ異なりますが、いずれの手帳をお持ちの場合でも、障害者総合支援法の対象となり、様々な支援策が講じられています。
また、自治体や事業者が独自に提供するサービスを受けられることもあります。
障害者手帳について 厚生労働省
発達障害の分類は「精神障害者保健福祉手帳」です。
申請には医師の診断が必要になります。
医師の診断後に申請してから交付されるまで2か月くらいかかりますので、余裕をもって準備しましょう。
一般雇用
障害の有無に関係なく、一般の人たちと同じ枠に応募して仕事を得ます。
障害について開示するかしないかは自分で決めます。
障害の特性や程度によっては開示した方が有利なことがあるので、よく考えて決めましょう。
≪一般雇用≫
メリット
- 障害者手帳が不要
- 選べる件数が多い
デメリット
- 障害に対する配慮が得られない
職場での配慮が得られないと、仕事が続かない恐れもあります。
仕事を探す場合、長く続けられる職場を探すのも大切なことです。
障害者雇用
本人の持つ特性を理解した上での採用なので、配慮が受けやすく続けやすいです。
しかし仕事内容に制限がある場合もあります。
≪障害者雇用≫
メリット
- 障害に対して配慮が得られる
- 苦手な分野にフォローが期待できる
デメリット
- 選べる件数が少ない
- 障害者手帳が必要
- 賃金が低め
障害者雇用とは?一般雇用との違いやメリット・デメリットを解説|LITALICOワークス
雇用の違いによるメリット・デメリットをもうすこし具体的に説明してくれるサイトです。
合理的配慮についても解説されています。
適職を探すためのサポート
公的な支援
国では働く意欲のある人たちの安定した雇用の実現を目指して、様々な雇用対策が行われています。
その一つが障害者雇用対策です。
障害者雇用対策
障害者等が希望や能力、適性を十分に活かし、障害の特性等に応じて活躍することが普通の社会、障害者と共に働くことが当たり前の社会を目指し、障害者雇用対策を進めています。
(中略)
リハビリテーションを実施し、それぞれの障害特性に応じたきめ細かな支援がなされるよう配慮しています。
引用:障害者雇用対策(厚生労働省)
その対策事業には様々なものが用意されていますが、なかでも代表的なものを紹介します。
ハローワークにおける職業相談・職業紹介
障害者に向けた求職手続きなどのサポートや、障害者雇用・一般雇用のお手伝いや、採用面接に同行してくれることもあります。
障害者トライアル雇用事業
障害者を一定期間試行雇用することで適正を見極め、求職者と事業主の相互理解を深めることを目的とした事業です。
若年コミュニケーション能力要支援者就職プログラム
34歳以下で、コミュニケーション能力に困難を抱える人に対して個別支援を行い、必要な場合は専門支援機関等への誘導をしてくれる事業です。
ハロートレーニング
国、自治体、ハローワーク、民間事業者と連携して、求職者の状況に配慮したきめ細かい訓練を実施しています。
どの支援を受けたらよいのか相談したいときは、お住いの自治体に設置された地域障害者職業センターに電話してみるのがいいでしょう。
近くの事業所の紹介もしてくれます。
地域障害者職業センター検索
各都道府県の障害者職業センターで、リハビリテーションや雇用関係の管理・相談を行うことができます。
一般の支援
一般の障害者就労支援事業・就労移行支援事業は全国にたくさんあります。
事業所に通って、働く力を身に付けるためのトレーニングを受けたり、就職支援や悩み相談、就労後のサポートまでをしてくれるところです。
生活リズムを整えるお手伝いから履歴書の書き方、面接の受け方など細かく支援してくれるのは嬉しいですね。
ただし利用するためには自治体の障害福祉サービスの受給者資格を受けなければなりません。
ほとんどは無料で利用できますが、内容や所得によって料金の発生する場合もあります。
原則は2年間までの利用です。
サポート内容や所得によって費用のかかる所もあるので、サービス内容をよく確認してから利用してください。
大阪エリアの支援事業所を紹介するサイトはこちらです。
就労移行ナビ/大阪
働き方
雇用形態
常勤だけでなく、週3日や時短など出勤日数や時間を抑えた働き方を選ぶ方も多くいます。
通院のため、心身安定のためなどがその理由です。
勤務時間が少なくなれば収入も少なくなるでしょう。
短い時間で働きながら実績や自信をつけて、徐々に増やしていける環境があるかどうかも確認したいところです。
厚生労働省平成30年度障害者雇用実態調査の結果〈発達障害〉
〈雇用形態〉
正社員…22.7%
〈労働時間〉
通常(週30時間以上)…59.8%
週20時間以上30時間未満…35.1%
週20時間未満…5.1%
離職の理由
離職の理由は職場環境だけでなく、本人の特性によっても様々です。
- 職場の雰囲気・人間関係
- 賃金・労働条件に不満
- 家庭の事情
- 疲れやすく体力意欲が続かなかった
どの理由も、誰にでも可能性のある問題です。
しかし発達障害のある人がより人間関係に影響を受けやすいのであれば、人との接触の少ない仕事を選ぶのがいいでしょう。
賃金や労働条件への不満は障害者枠に起こりがちな問題です。
何を重点に仕事を選ぶのかによって雇用枠や職業を選ぶ必要がありますね。
体が疲れやすい、体力的に続かないと言った理由の場合は就労形態に問題があると思われます。
定期的な通院の必要な場合もあるでしょう。
時短や就労日数を減らして勤めることも視野に入れて考えてください。
無理をせずに自分のペースで働ける環境が長続きの秘訣ではないでしょうか。
定着率
雇用方法によって定着率も変わってきます。
これは職場の居心地の良さの違いが表れていると思われます。
より長く務めるためには、職場の理解が欠かせないということでしょう。
≪一年後の定着率≫
一般雇用(障害非開示)…30.8%
一般雇用(障害開示)…49.9%
障害者雇用…70.4%
参照:障害者雇用の現状(厚生労働省)平成29年9月20日
~障害者の定着状況について(求人種類別)
給料
一番気になる所かもしれません。
定型の仕事をこなす業務では、賃金が抑えられる傾向が強いです。
しかし、経理やテクニカルサポートなど、ルーティンであっても豊富な知識が必要な職種では賃金も上がってくるでしょう。
仕事を続けるために
ただし、「続ける」ことに重点を置くと、より居心地の良い環境が必要になります。
転職はとてもエネルギーのいることで、繰り返すたびにダメージも大きくなるでしょう。
安定した仕事を考えると、ある程度の諦めは必要です。
中にはゆとりのある時間での就労を選び、副業を始める人もいます。
自分にあった形が見つかるといいですね。
障害年金
障害により生活や仕事に支障が出たときに支給される年金です。
仕事が出来なくなった時だけでなく、制限がかかってしまうときにも、基準によって適用されます。
障害年金支給の対象になるには、日本年金機構の基準を満たしている必要があります。
- 障害の程度が基準を満たしている
- 直近1年間に未納がない
- 公的年金加入期間のうち2/3以上納付されている
まとめ
お子さんが大人になり、社会に出ていくその時のことを不安に思うのはだれしも同じこと。
発達障害があればなおのこと心配でしょう。
でも、いまから心配し過ぎて悲観的に暮らしていくのはやめましょう。
今出来ることは、
- お子さんの強みを見つけること
- 強みを磨くこと
- 苦手を知ること
日々成長しているお子さんを信じて、しっかり見つめてください。
親だからこそできるフォローをしてあげたいですね。