皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「子供の発達障害」についてです。
発達障害は生まれつきのものと言われています。しかし生まれたばかりの赤ちゃんを見て、診断を下すことはできません。
この記事では、いつ症状が出始めるか、診断できるかなど、子供の発達障害に関する疑問や、その後の注意すべきポイントなどが分かります。ぜひ、最後までお読みください。
目次
発達障害とは
発達障害は生まれつき脳に機能障害があり、発達に偏りが出ることで、様々な特性が表れるとされています。なぜ脳に機能障害が起こるかは解明されていませんが、遺伝的・環境的な要因があるというのが主流になっています。
一方で、昔は「親のしつけの問題」「親の愛情不足」などと言われていたこともありますが、現在では医学的に否定されています。
発達障害にはいくつか種類がありますが、代表的なものは3つあります。
種類 | 特性 |
---|---|
自閉スペクトラム症(ASD) | 対人関係や社会性、コミュニケーションの問題、興味関心が狭く特定のものにこだわる、パターン化した行動。ここに言葉の遅れや不器用さ、知的な遅れなども伴うことがある。 |
注意欠如多動症(ADHD) | 集中できず不注意、多動・多弁で落ち着かない、衝動的で考えるよりも先に行動する、忘れ物が多い。 |
学習障害(LD) | 全般的な知的発達の遅れは見られないが、「話す」「聞く」「読む」「書く」「計算する」「推論する」などの特定の能力だけ極端に苦手。 |
いつ頃からどんな特性が見られる?
子供に見られやすい症状や特性が、いつ頃から表れるかを紹介します。
ASD
生後2ヶ月~2歳くらいまでに症状や特性が見られます。正式に診断が下されるのは、3歳になってからが多いようです。
<乳幼児期>
- 抱っこがしづらく、体をくねらせて逃れようとする。
- 正面から見ても視線が合わない。
- あまり笑わない。表情が乏しい。
- 好き嫌いが激しく、決まったものしか食べない。
- 言葉の発達が遅く、静か。
<未就学期>
- 同い年の子と一緒に遊ばない。1人で遊ぶことが多い。
- 話し掛けてもオウム返しをする。
- 名前を呼んでも反応しない、又は薄い。
- 「着替える前に朝食」を逆にするなど、いつもと違うことをするとパニックを起こす。
- 大きな音や光、皮膚刺激に過剰反応する。
- 電車の名前や野球選手の名前を全て覚えるなど、興味のあることへの記憶力が高い。
<就学以降>
- 担当の先生が変わるとパニックを起こすなど、対応が難しくなる。
- 得意と不得意が極端になる。
- 計画的に学習を進めることが苦手。
- 学校行事に参加することが苦手。
- 仲良しグループでの会話にもついていけない。
- 思ったことをすぐに口に出してしまい、トラブルになる。
・文字で分かりにくい場合は写真やイラストなどで伝える。
・指示はゆっくりと話し、短い言葉で分かりやすく、順を追って伝える。
・五感からの刺激を抑えるためにイヤーマフやサングラスなどを活用する。
・パニックや癇癪が出た時のため、又は予防するため、落ち着ける場所を確保する。
・社会のルールや物事の善悪をはっきり伝える。
ADHD
赤ちゃんの時は症状や特性が分かりづらいそうです。歩き始めると徐々に見られるようになり、2~3歳の健診などで気付くこともありますが、多くは小学校入学後に診断が下されます。
<幼児期>
- お友達が遊んでいるおもちゃを横取りする。
- 車が走っているのに道路へ飛び出す。
- 攻撃的で、お友達を叩いたりケンカをしたりが絶えない。
- 騒がしく喋り続ける。どんな人にも話しかける。
- 木登りや塀の上など、高いところも恐がらず登る。
- 何度注意してもやめない。
<就学以降>
- 授業に集中できず、歩き回ったり遊び始めたりする。
- 宿題や持ち物を忘れる。
- 持ち物をよく失くす。整理整頓が苦手。
- 計画的に学習することが苦手。
- 頼まれたことを断れない。
- ケンカや口論が多い。
・一度に多くの指示を出さない。説明や指示は分かりやすく伝える。
・気の散りにくい座席の位置や授業内容の工夫。
・体を動かす時間を設ける。
・予定の確認や持ち物の準備などを一緒に確認する。
・ストレスケア(気持ちの寄り添い、できたことへのこまめな評価)。
LD
知的障害ではないため、本格的に学習が始まるまでは症状や特性に気付かないことが殆どです。どんな子でも苦手な教科がありますから、気付くのが遅くなってしまうケースがあるそうです。
他の発達障害を併発していることも多く、その場合はその症状や特性が表れます。
<就学以降>
- 「書く」ことが苦手で、書くことに必死になり先生の話を聞き逃すことが多い。
- 「読む」ことが苦手なので、誰かに読んでもらうとスムーズに理解できる。
- 特定の科目だけ極端に苦手。
- 計算はできるが、文章題になった途端分からなくなる。
・何が苦手で得意なのかを見極める。
・得意な能力で情報を理解し、表現できるようにする。
・特性を見て、柔軟な評価をする。
LDに関して更に詳しくしりたい人は、以下の記事もお読みください。
気を付けること
親のストレス
親御さんが定型発達の健常者であれば、発達障害のあるお子さんの考え方や行動はなかなか理解し難いでしょう。
「これは脳の機能障害のせいだ」「努力で治るものではない」と分かっていても、イライラしてしまったり、落ち込んでしまったりと大きなストレスを抱えてしまうのは、想像に難くありません。
家族だけで抱え込まず、積極的に公的支援や周囲の人の助けを受けましょう。頑張り過ぎて育児ノイローゼやうつ病などの精神疾患に陥らないよう、適度にストレス発散をすることは大事です。
これらの症状が見られたら育児ノイローゼやうつ病の可能性があるかもしれません。
相談先
発達障害のあるお子さんの育児で悩んだら、お住まいの自治体にある保健センターや子育て支援センター、役所の子育て支援課などへ相談に行きましょう。お子さんが既に幼稚園や保育園に通っている場合、先生に相談するのも手です。
同じ境遇のママ友・パパ友を作ったり、イベントに参加したりすると、気持ちの共感や情報を得られることもあり、おすすめです。
以下に発達障害の親の会に関する記事がありますので、参考にしてください。
本人のストレス
ストレスを感じるのは親や家族だけではありません。当然、当事者のお子さんも苦悩を抱えることがあります。
学校入学以降は集団行動が増え、成長と共に仲間意識の高まりと、発達障害の子にとっては無理の連続となります。
上手くいかないことが増え、ストレスを溜め過ぎて不登校や二次障害の発症などに繋がらないよう、トラブルを未然に防ぐ予防策が重要になってきます。
発達障害とは全く別の、主に精神疾患が引き起こされる場合や、本来の発達障害の特性がより強化されてしまう場合があります。
周囲への問題行動として外部に出るもの…「家庭内暴力」「暴言」「非行」等
本人の内面に出てしまうもの…「うつ病」「引きこもり」「対人恐怖症」「不安障害」等
参考:BLAIN CLINIC 発達障害の二次障害とは?症状や治療について
大人になる前に身に付けておきたいこと
- 日常生活で必要なライフスキル
TPOに合った身だしなみ、時間の管理、お金の管理、身の回りの整理整頓など生活する上で必要な能力
- 社会生活で必要なソーシャルスキル
周囲の人と友好的な関係を築ける、チームで活動や仕事ができる、ルールやマナーを守るなど社会の中で必要な能力
未就学期までは親や専門職員が密に関われる時期であり、サポート体制により本人としては、あまり問題にならずに過ごせることもあります。
しかし親の手が離れ始める、小学校入学後からはお子さん自身が判断して行動することが増えていきます。更に成長と共に人間関係は複雑になり、社会人になってからは仕事の責任も上乗せされます。
そのため、早期から将来の自立を想定し、必要なスキルを身に付けることが重要になってきます。具体的な対策方法が知りたい人は、以下の記事をご参照ください。
まとめ
- 生まれつきの脳機能障害であるが、種類によって特性が目立ってくる時期はバラつきがある。
- 発達障害のあるお子さんを育てているご家庭では、親子共にストレスに注意する。
- 将来を見据えてスキルを身に付けておく。
子供にフォーカスした内容でご紹介しました。何も対策をしなければ、社会の中で様々な困難に直面することは容易に想像ができます。お子さんの特性を知り、知識をつけることで解決方法や対策が見えてくることでしょう。
症状や特性が完治することはありませんが、経験を積むことで苦手を克服できたり、軽減させたりができると言われています。
外部からの支援を上手に利用しながら、お子さんの明るい未来を切り開いていけたらと願っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。