皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害 いつわかる」についてです。
子育て中、気になる違和感があると「もしかしてうちの子、発達障害?それともまだ小さいから?」と不安になることもあるかもしれません。
お子さんが発達障害かどうかの判別は専門医によっても異なるもの。
しかし、発達障害がいつわかるのか、という目安があるんです。
目安の時期と症状で簡易チェックしてみましょう。
少しでも冷静にお子さんを見ることができるよう役立ててもらえたら嬉しいです。
目次
発達障害|いつわかる?時期の目安と気づきやすい症状
発達障害はその特性によって、症状に気づきやすい時期が異なります。
同じ障害をもっていても、人によってその症状の出方は様々なので、一概に「この時期になれば診断できる」とは言えません。
しかし、障害の種類によって身近な大人(親や担任の先生)が違和感に気づきやすい時期、というものがあります。
障害種別ごとに、気づいきやすい時期の目安と、その時期の症状について解説します。
ASD|早ければ1歳前から
1歳前にASDの診断をされることは滅多にありませんが、主に母親が1歳前からその兆候に気づき、違和感を覚えているということが多いです。
<1歳前後に気づかれるASDの兆候>
- 抱っこを嫌がる、喜ばない
- 視線が合いづらい、合っても反応しない
- 泣いて大人を呼ぶ(お腹がすいた、眠いなどの主張)ことが少ない
- 後追いをしない
- あやしても反応しない、喜ばない
- 名前を呼んでも反応しない
抱っこを求めなかったり、あまり泣かなかったりすることで、乳児期は「手がかからない赤ちゃん」という印象をもつお母さんも多いようです。
その後も、指差しをしない、大人が指差すものを見ないなど、社会的な行動が難しいことで、ASDであることがわかるケースもあります。
▼ASDについて、乳児期以降の症状についても詳しく解説しています。
ADHD|早くても4歳以降
ADHDは、ASDとは違い、早くても4歳以降に周囲の大人(親や担任の先生)に、その兆候に気づかれる場合が多くなります。
<4歳頃に気づかれるADHDの兆候>
- 順番などのルールを守れない
- 友達に暴力を振るってしまう
- そわそわと落ち着きなく常に身体を動かす
- 興味のあるものを見つけると、どんな状況でも向かっていってしまう
上記の症状は、3歳頃までは、定型発達のお子さんにも多く見られるもの。
しかし、4歳前後(年少)あたりから、定型発達のお子さんでは落ち着き始めます。
集団生活の中で目立つことが多くなり、ADHD傾向があることに気づかれるようになるのです。
そして、上記は全てADHDの多動・衝動優位型の症状。
不注意優勢型(女の子に多い)の場合は、ぼーっとしていて話を聞き漏らしたり、持ち物の整理ができなかったりなど、他の子との間でトラブルになるような症状ではありません。
4歳前後では、どんなお子さんもまだ先生の話を聞き漏らすことはよくあり、持ち物の管理もきちんとすることはできないもの。
なので、不注意優勢型の場合は4歳前後で気づいてもらうことは難しく、大人になってからも気づかれないということも少なくありません。
▼4歳頃の発達障害の症状についてまとめています。
LD|学齢期に入ってから
LDは学齢期に入ってから気づかれることが多いです。
以下のような症状で、学習面に困難が表れます。
- 書き写しが極端に遅い
- 音読が難しく、読み飛ばしや読み間違いが多い
- 文章読解力が年齢不相応に低い
- 数の大小などの概念理解が難しい
- 計算能力が年齢不相応に低い
- 算数の文章題が苦手
LDは学習面に表れる障害なので、学習場面のあまりない就学前に気づかれることは、ほとんどありません。
また、LDの症状として「学校の学習到達度に1、2学年分の遅れが見られる」と表現されることもあります。
そのため、小学校低学年のうちには、まだ気づいてもらえる可能性は低いと言えるでしょう。
▼学習障害の簡易チェックについての動画です。
なかでも、ご家族が違和感に気づくことがきっかけである場合が多いです。
「ちょっと他の子と違うな」と思ったら、慎重に様子を見てあげましょう。
成長とともに気にならなくなることも
子育て中、少し気になることがでてくると、「あれもこれも、発達障害の症状なんじゃ…?」と疑いたくなることもあるかもしれません。
しかし、少しくらい症状のような傾向が見られたからといって、必ずしも発達障害だとは言えないのです。更にいうと、成長とともに症状だと思っていた特徴が気にならなくなる、というケースもあります。
そのため診断は慎重に行う必要があり、ある程度の年齢にならないとわからないのです。
診断の目的と早期療養
「発達障害であるかどうか、いつわかるんだろう??」
このような疑問には「発達障害だったらどうしよう」という不安が背景にある場合が少なくないようです。赤ちゃんのうちから心配を抱えている親御さんもいらっしゃいます。
先ほどもお伝えした通り、発達障害の有無はある程度の年齢にならないとわかりません。それでも「発達障害の有無を早く知りたい」と思う目的はなんでしょうか?もしかしたらこの記事にたどり着くまでに「発達障害は早めに見つけることが大切」という情報を見かけたのかもしれませんね。
早く知ることができれば、特性に合った対応やサポートができます。そのため最近では『早期発見・早期療養』が重要である、とよく聞くようになりました。
つまり、「発達障害だったら身近な大人である親が、適切にサポートすれば良い」とも言えます。「どうしよう…」と漠然と不安を抱えて、可愛いお子さんの成長を見逃すのはもったいないことです。
発達障害|いつわかるかは人によって差があった
発達障害の有無や、どんな障害があるかということがわかるのは、早ければ1歳半健診で何らかの指摘があり、なかなか気づいてもらえない場合は大人になってからと、幅があります。
では、発達障害がわかるのに、人によってなぜこんなにも差があるのでしょう?以下のような理由が考えられます。
- 人によって障害の表れ方に差があるから。
- 気づいてもらいづらい障害特性だから。
- 世代。
人によって障害の表れ方に差があるから
発達障害と一言でいっても、その症状は様々。障害の症状の出方が強い方・弱い方、症状全般が出る方・一部の症状のみ出る方と、症状の出方は人によって異なります。
なので、症状の出方が弱い、症状が一部のみといった場合は、なかなか気づかれず、大人になるまで見過ごされてしまうということも少なくありません。
▼いわゆる「大人の発達障害」についてはこちらの記事でもご紹介しています。
気付かれにくい障害特性だから
障害特性によっては、気付かれにくいものがあります。
他の子供たちの中で目立ってしまうような症状であれば、親御さんが気づくだけでなく、担任の先生などから指摘されることもあるかもしれません。
しかし、大人しくて、人に迷惑をかけるような症状でない場合は、本人が一人静かに困っていることに、長らく気づいてもらえないということも。
また、障害によって、その症状が浮き彫りになりやすい年齢というものがあります。
その年齢に達していなければ、障害に気づいてもらうことは難しいでしょう。
▼大人になってからわかる、というケースも珍しくありません。
世代
世代によって、障害に気づいてもらうタイミングに差があったと言えます。
2005年に発達障害者支援法が施行され、発達障害が初めて法律の中で定義されました。
また、2007年に学校教育法が改正され、教育に特別支援という概念が取り入れられるようになりました。
その頃から、学校教育に発達障害という言葉が浸透し始めましたが、認知度は高くはなく、その当時はまだ教員でも、「この子は発達障害なのでは」と気づき、適切な支援につなげるということは少なかったと考えられます。
なので、その頃以前に学生時代を送っていた現在の大人は、発達障害に気づいてもらうことが難しかったと言えるでしょう。
ゆえに、自分で大人になってから受診し、発達障害だと判明するということがあるのです。
現在は、発達障害という言葉も一般的に広く知られるようになり、健診や保育園・幼稚園で、発達の凸凹に気づいてもらうチャンスが早く訪れています。
なので、今の子供は、今の大人が子供の頃と比べて、発達障害があることに気づいてもらいやすくなっていると言えるでしょう。
障害の表れ方によって、気づかれやすさに差が出てしまうので、周囲だけでなく、その子自身の困り感に着目することが大切になります。
発達障害への気づきと診断の実際
ここでは動画を中心に、発達障害に気づいたタイミングやその時の状況についてご紹介します。
▼ADHDとASDを併せ持つお子さんの学校生活を中心に解説した動画です。
▼ASD傾向の強いお子さんの成長記録になっており、「知る」ことの大切さについて訴えられています。
▼お子さんの状態に不安を感じたら、一人で抱え込まないことも大切ですね。
出発点から少しずつ、お子さんの困り感解消を目指していきましょう。
▼発達障害の兆候に気づいたら、お一人で抱え込まず、色々な人・機関を頼ってくださいね。
診断がまだでもできること
お子さんの違和感に早くから気づき、対処法がないか考えている親御さんは本当に素晴らしいです。日頃からしっかりお子さんの様子をみていて、お子さんのことを大切に思っているからこその行動だと思います。
ただ、ここまで見てきたように、お子さんが実際に発達障害であるかどうかはすぐに分からないことがほとんどです。診断できる年齢になっていないこともありますし、そもそも診断自体、慎重にすべきことです。
では診断できる年齢になるまで、できることはないのでしょうか?そんなことはありません。親御さんとのコミュニケーションはお子さんにとって、とても大切なものです。
子どもの観察を継続する
お子さんの様子をしっかり観察することは、今後も続けてください。記録をとっておくのも良い方法です。
診断をするときに参考になることもありますし、お子さんとのコミュニケーションの助けになるかもしれません。
子どもとのコミュニケーションを工夫する
お子さんとのコミュニケーションを分解して考えてみましょう。子どもからの情報を受け取ることと、親から発信して伝えることの2つに分けられます。
- 子どもの声に耳をかたむける
- 伝え方の工夫をする
子どもは皆個性があります。他の子とは違う、お子さんなりの伝え方があるかもしれません。その様子をしっかり受け止め、お子さんに合う方法や言葉で伝える努力をしてください。
これらが当たり前にできていること自体がすごいことです。
ここでお伝えした”今からでもできること”は、何も発達障害のあるお子さんだけに良い対応ではありません。結果的に発達障害と診断されない場合もあるでしょう。
これらの対応は、何か困ったことがでてきたとき、お子さんが伝えやすい環境をつくっておくことにも繋がります。
まとめ
- 発達障害がわかる時期には、早ければ1歳前、遅ければ大人になってから、と差がある。
- 発達障害がわかる時期に差が生じるのは、障害の表れ方、障害特性、世代の関連も考えられる。
- ASDは早ければ1歳前、ADHDは4歳以降、LDは学齢期に入ってから、その障害に気づいてもらいやすい。
中には「もっと早く気づいてあげていれば」とご自身を責めてしまう親御さんもいるかもしれません。
しかし、発達障害がいつわかるかは、個人の症状や状況によって様々。発達障害に気づいた時点が、お子さんのより良い生活・人生への出発点です。
親御さんお一人で抱え込まず、色々な人とお子さんのことを共有してください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。