皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害児を育てる親の気持ち」についてです。

自分のお子さんに発達障害があると分かったら、皆さんはどう思うでしょうか?

発達障害という言葉が広く認知されるようになり、医療機関にて発達障害と診断される人が多くなりました。クラスに2~3人は発達障害の子がいるとも言われています。

知っているようで知らない、発達障害のお子さんを育てる親御さんの気持ちについて紹介していきます。

親の気持ち

ネガティブなこと

育てにくさに悩む

発達障害は種類によって様々な特性があり、育児書通りの発達をしません。コミュニケーションの取りづらさや落ち着きのなさ、こだわりの強さなどで手を焼くことが多いでしょう。

定型発達の子と比較して、いつまで経ってもできるようにならない自分の子供に苛立ちや不安を覚えることも多々あります。

発達障害とは
自閉スペクトラム症3歳くらいまでに表れる。コミュニケーションが苦手、社会性の乏しさ、言葉の発達の遅れ、興味関心が狭く特定のものにこだわる。
注意欠如多動症注意力が散漫、忘れっぽい、衝動的・多動的で落ち着きがない。学校生活で支障をきたす場合が多い。
学習障害聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する能力のうち特定のものが極端に苦手。
チック症意図せずに起こってしまう素早い身体の動きや発声。まばたきや咳払いなどの運動チックや音声チックがある。
吃音滑らかに話せない状態。音を繰り返す、音が伸びる、なかなか発音できない、など様々な症状がある。

参考:厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス

こちらにも分かりやすく書かれている記事がありますので、参考にしてください。

理解者が少なくて悩む

発達障害のお子さんを育てる親御さんと定型発達のお子さんを育てる親御さんは、悩むポイントが違います

定型発達であれば、ママ友や育児書など情報が手に入りやすいですが、発達障害のお子さんの場合は、一人ひとり特性の出方が違うため、悩みも千差万別です。

発達障害の情報も、書籍やネットなどで簡単に手に入れることはできます。しかしリアルな体験談や共感を得たい場合、やはり人と人同士の繋がりが重要になります。

療育センターなどを利用していれば、同じ境遇の親御さんと仲良くなる機会があるでしょう。そうでなければ、情報交換や共感を得られる「ママ友」をつくるのは、なかなかハードルが高いかもしれません。

定型発達の子を育てる親御さんだけでなく、自分又は配偶者の親から理解を得られずに苦しむ人もいます。自分の親であるからこそ、理解してもらいたいのに、傷つく言葉を掛けられたこともあるそうです。

対処方法に関する記事はこちらです。

偏見に悩む

発達障害という言葉は世に広まりましたが、正しく理解がされている訳ではありません。誤った情報を持たれていることにより、言葉や行動に傷つけられることもあります。

「発達障害だから」と簡単に片づけられてしまったり、「障害」とついているため、過度に恐れられてしまったりもするそうです。

発達障害は外見からは分かりづらいので、理解やサポートがされにくいことにも繋がっています。

ポジティブなこと

生まれてきてくれてありがとう

発達障害の有無に関わらず、「自分達のもとへ生まれてきてくれてありがとう」という気持ちは共通です。

気持ちの紆余曲折を経て、特性を「個性」と捉えたり、ただただ受け止めたり、できるサポートをしていくという前向きな気持ちになれた人もいます。

思いがけない能力の発揮に驚嘆

発達障害と言われると、できないことばかりに注目されがちですが、人によっては突出した素晴らしい才能を持っていることがあります

  • 学校行事の日を全て覚えていた。
  • 計算力が高く、〇年〇月〇日は何曜日かを言い当てた。
  • ジグソーパズルを絵柄ではなく形を見て作り上げていく。
  • 少し聞いただけの歌の歌詞を、全て覚えていた。

特性的にも、興味が湧いたことに関しては高い探求心と学習意欲を発揮することがあるので、極められるのでしょう。自分の感性や直観を活かせることや行動力の高さも、得意分野と結びつくと思いがけない結果を出すことに繋がります。

歴史上の偉人や天才と呼ばれる人々の中には、発達障害だったと言われている人や、公言している人もいます。

気持ちの経過

子供の発達障害が分かった後、どのような気持ちの経過を辿るのでしょうか。有名な3つの障害受容の心理的過程を紹介します。

参考:ASDの森 有名な3つの受容モデルまとめ

段階的モデル

ダウン症や先天性奇形の子を持つ親の適応過程の研究から生まれました。

最初は大きなショックを受けますが、徐々に受け入れ、最終的には前向きになれるという考え方です。

①ショック障害の事実にショックや不安を受ける
②否認もしかしたら治るかもと事実を否定し、期待する
③悲しみと怒り期待には沿わないことなど、徐々に現実を理解し始め、悲しみや怒りが湧く
④適応障害を受け入れ始め、努力し始める
⑤再起事実を受け入れつつ、価値観を再構築していく

慢性的悲哀説

アメリカの小児発達クリニックの医師が提唱しました。

段階的モデルとは真逆で、慢性的悲哀も親としての自然な感情であり、長期間続いたとしても病気でも、間違っている訳でもないという考え方です。周囲の人も親の気持ちをそのまま受け止めるべきともされています。

知的障害のある子を持つ大多数の親の気持ちは慢性的悲哀説であると研究結果が出ているそうです。

螺旋形モデル

発達障害と家族支援について長く研究されている大学の名誉教授が提唱しました。

親は子供の障害について、肯定的な気持ちと否定的な気持ちが常にあって、交互に表れるという考え方です。段階的モデルと慢性的悲哀説が統合された考え方です。

否定する気持ちも障害受容の一過程、何度も乗り越えていくことで価値観が変わっていき、受け入れていく。ですが、場合によっては悲哀的な感情が再燃してしまうこともある、としています。

溜め込まないで

発達障害児の育児について、前向きな気持ちや良かったことなども見受けられますが、やはり大変で苦労している情報の方が多く見つかります。障害受容モデルからも、大きなショックを受けたり、葛藤したりしている様子が窺えます。

発達障害は生まれつき脳に機能障害があることが原因とされています。親御さんの育て方や躾の問題ではありません。1人で抱え込み過ぎてしまうと、育児ノイローゼやうつ病などを発症してしまう危険もあります。

育児ノイローゼすぐにイライラしてしまう、無気力、我が子を可愛いと思えなくなる、今まで好きだったものに興味がなくなる、不眠、食欲不振や過食
うつ気分の落ち込み、強い自責感、興味関心の低下、不眠、食欲低下、性欲低下
育児ノイローゼとうつの症状
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小野田
思い当たる場合は、早めに医療機関などで相談しましょう。
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都築
家族や友人がおかしいなと思ったら、力になってあげたいですね。

子育て中のストレスに関する記事を紹介します。

相談先

気持ちを共感してもらえるママ(パパ)友がいない、専門的な知識がある人に相談したい、支援を受けたい時は、お住まいの自治体の子育て支援センター、児童相談所、役所の子育て支援課などへ行きましょう。

お子さんが既に幼稚園や保育園又は療育に通っている場合、先生にも相談できます。

現代はスマホが普及していますので、SNSを利用している人も多いのではないでしょうか。SNSを利用すれば、発達障害関連の団体と簡単に繋がることができます。イベント情報も多数掲載されていますよ。

勿論個人でSNSを利用している人もたくさんいますので、同じ境遇の人を見付けられるかもしれません。直接の面識がない人の方が話やすいこともあるでしょう。

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橋口
電話やLINE、育児アプリから育児相談ができるサービスもありますよ。

こちらも参考になりますので、お読みください。

まとめ

  • 親の気持ちとして情報発信されている内容は、悩みなどのネガティブなものの方が多い。
  • 障害受容に関する心理的過程は、有名なものが3つある。
  • 親や家族だけで溜め込まず、周りに助けを求める。

発達障害のお子さんを育てる親御さんの気持ちとして、嬉しいことや良かったことの体験談も勿論ありましたが、多くは不安や悩みなどのネガティブなものでした。体験しないと分からない、測り知れない苦悩がそこにはあるのだと思います。

当事者でないと真の苦悩は分かりませんが、周囲に理解者が増えることで、和らぐ負担もあると確信しています。この記事が発達障害への理解に、少しでも役に立てたら幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。