皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「人前で話せない発達障害」についてです。

家にいる時や親の前では普通に話せるのに、学校にいる時や人前で話さなければいけない時、なぜか言葉が出てこない、話したいのに話せなくなってしまう、そのような経験があったり、周りの子供でそのような症状がある子がいたりしていませんか。

人前で話せないのは必ずしも、人見知りや「恥ずかしいから」という理由だけではありません。

近年、発達障害について取り上げられることが多く、その認知度は上がってきました。

様々な発達障害の中でも、まだ認知度が低く、常に誤解されやすい、人前になると話せなくなってしまう発達障害、「場面緘黙(かんもく)症」について紹介しようと思います。

もしかしたら、あなたの子供や生徒にそのような症状の子はいませんか?

子供は自分でなぜそう反応してしまうのかわからないので、大人に説明することもできません。また、自然に治るものではないので、放っておけば、大人になった時にもっと苦しむかも知れません。

実際に、それらの症状が治らないまま成長し、学業や仕事、人間関係に困っている人は多くいます。そのため、まずは大人がしっかりと理解し、早期発見の責任をわかっていなければいけません。

もし周りの大人が気づいて、しっかりと対応してあげられれば、その症状は治り、その子が学校で生活しやすくなるでしょう。

それだけではなく、学校や職場での評価も上がるかも知れません。

学校でしゃべらない子は緘黙症?

見極める基準とは?

ここでは、一定の条件に当てはまった時だけしゃべれなくなる、場面緘黙症について話します。

まず、どのような基準で場面緘黙症であるかどうかを見極められるのでしょうか。

基本的な判断の基準は次の2点です。

  1. 家族と、または家では普通に話せる。
  2. 学校で、先生や友達との個別の会話、人前での発表で話せない。

このように、「誰といるか、どこにいるか、何をするか」の3要素によって状況が異なります。

このような状態があるのに気づいてから、1ヵ月以上続いていれば、場面緘黙症である可能性があります。

話さない=自閉症と考える人もいるかも知れません。稀に他の発達障害を併せ持つ場合もありますが、場面緘黙症のほとんどの人は言語能力や知的能力に問題がないということを念頭においてください。

つまり、リラックスできる人や場所などの条件が合えば、普通にコミュニケーションが取れるので、言語や知識を学んでいないということではありません。

考慮や区別をしなければいけない点も…

では、すべて上記の条件に当てはまれば場面緘黙症であるかというと、そうではありません。

考慮や区別すべき点をいくつかまとめてみました。

  • 「入学や新学期など、環境が変わってすぐの1ヵ月も含めること」とされていますが、新しい環境に慣れるために時間が必要なだけの子もいるので見極めは難しい所です。
  • 話さないから無表情というわけではないので、表情豊かでも緘黙症の可能性がある子もいること。
  • うつ病による会話意識の低下、思春期の女性に多い失声症、声帯の過緊張によるけいれん性発声障害など、他の理由で声が出せない場合もあること。
  • 学校だけでなくどの場面においても話せない全緘黙や、家庭での虐待によって似た症状を示す場合もあること。

このような理由によって、誤解されやすく対応や支援が遅れてしまうのですね。

特に、後の2点は場面緘黙症ではないので、それぞれに適した別の支援が必要になります。

その原因は保護者が過保護だから!?

では、そうなってしまう原因は何でしょうか。

少し前までは、保護者が過保護であるために、子供が自分の意見を言いづらくなってしまうからと言われていましたが、現在それは間違いです。

場面緘黙症の定義は、精神医学的障害の一種です。

つまり、不安症や恐怖症などと似ています。

そのため、先天的に不安になりやすい気質や内向的な性格の人が発症しやすいとされていますが、まだまだ原因や発症メカニズムは研究されている段階です。

人見知りや恥ずかしがりやとの大きな違いは、その症状が長く続いたり、度合いが強いということです。

例えば、日本人の子供が海外に住んだ時、その国の言語を勉強しても中々学校では話さない子がいます。日本語でもその国の言語でも、家では話せるのに学校では話せません。

話したくないのではなく、話した時に周りの人に何て言われるかが不安で話せず、極度の緊張によって内向的な性格を示します。

保護者も先生も、「そのうち話すようになる」と言ってしまえば、その子は場面緘黙症を引き起こしたまま何の支援も受けずに大人になってしまいます。

せっかく、海外に住むという貴重な経験を持っていても、上手く自分を表現することが難しく感じてしまいます。

そのような帰国子女や留学生に会ったことがある、知っているという人は少なくないと思います。

どんな支援ができるの?

現在、行政では、知的および身体的な発達障害への対応に力を入れており、2016年に「障害者差別解消法」が始まったことによって、学校などからの「合理的配慮の提供」が義務付けられました。

しかしながら、これまでに述べたように、まだまだ誤解や認知されていないことが多く、小さな症状に気づくことが遅れてしまい、十分な支援を受けられなかった人も多いと言われています。

大人になってから、子供の頃その症状があった!という方もいるでしょう。

まずは、家庭での早い時期の気づきが重要になると思います。場面緘黙症は放っておいても治りません。支援や治療が必要なのです。

先に述べたように、判断が難しくても気づける点はいくつかあります。

学校などでしゃべれないので、もしかしたら一緒に遊んでくれる友達もいないかも知れません。静かで大人しいので、学校の先生も注意が届かないかも知れません。

もし、少しでも気がかりなことがあれば、担任の先生に相談し、家庭と学校で連携して情報交換ができるようにしてみましょう。

極度の緊張や不安の場面で話せなくなってしまうので、そのような場面になったら発話を強要せず、見本を見せてあげたり、全員でその動作をしたり、その子が動作しやすくなるように促すことから始めます。

そして、「話しても怖くない、話しても大丈夫!」と思えるように、段階的にサポートをしながら、個別や少人数の会話、人前での発表をしていけるようになります。

不安や緊張が収まっていることに気づけるように支援していくことが鍵となります。

わからない時はどこに相談すればいいの?

 
まずは、学校の先生やスクールカウンセラーに相談した方がいいでしょう。

そして、より細かな診断や治療を望んだ時、さらなる知識や支援が必要な時、発達障害などに詳しいクリニックや医師、心理士などにも相談してみましょう。また、場面緘黙症の子供を持っている保護者や、緘黙症経験者などの方々で組織されている、

「かんもくネット」という、情報交換ネットワーク団体があります。

かんもくネットでは、心理士でスクールカウンセラーのかくたけいこ先生による、場面緘黙調査票が掲載されています。これは症状の程度を見るために用いることができます。

さらに、リーフレットや「学校での行動表出チェックリスト」もあるので、気になる方は、「かんもくネット」をご覧ください。

〈参照リンク〉かんもくネット http://kanmoku.org/

まとめ

  • 家では話せるけど、学校など人前では話せない状態が1ヵ月以上続けば、場面緘黙症である可能性がある。(考慮しなければいけない点もいくつかある)
  • 原因は、先天的な気質や性格にある
  • 放置せず、適した支援や治療をすれば、場面緘黙症は治る
  • 気になることがあればすぐに、先生や専門家に相談する

場面緘黙症はまだ認知度が低いので、相談しても理解してもらえなかったり、専門家でもわからないことがあったりします。

しかし、諦めずにまずは情報を発信、共有していく必要があります。

しっかりとした知識を得て、家庭と学校、地域で協力していきましょう。

そして、支援も一概ではなく、それぞれの子供に合った方法で対応すれば、場面緘黙症の子供も症状が治り、学校で生活しずらいということがなくなっていくでしょう。

それが実現できるように全力を尽くしたいですね。

最期まで読んでいただきありがとうございます。