皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害とルールが理解できない状態」についてです。
発達障害を持つ我が子のことで、「ルールを理解できない」とお悩みではないでしょうか?
保育園や幼稚園・小学校と、集団で生活する環境が始まるとルールを守らないといけない場面が増えてきますよね。
この記事では、発達障害とルールの理解をテーマに、ルールの理解が進まない原因のパターン・対処の進め方をお伝えしていきます。ピッタリの解決方法を見つけていきましょう!
目次
発達障害とルールが理解できない関係は?
発達障害の子供が集団生活を送る際に、「決まり事が守れない」「そもそもルールを理解しているの?」と身近な大人が悩んでしまうケースは少なくありません。
ルールを記憶するのが苦手な状況にあるなど、発達障害による特性に答えがありそうです。発達障害がルールの理解に関わってくるのは、下記のようなパターンが考えられます。
- 集中することが苦手
- 衝動的に行動してしまう
- 対人関係が苦手
- 文字を読むことが苦手
- 音や光、特定の感触が苦手
どのパターンに当てはまるかは、個人によって違ってきます。まずは1つずつ詳しく解説していきますね。
生まれつき脳の構造に特徴があり、できること・できないことの差が大きく開いてしまう障害の総称です。症状に合わせて「ADHD」「ASD」「LD」と更に細かく分類されます。
集中することが苦手
「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」の特性を持つお子さんの場合、じっと座っていることが苦手であったり、1つのことに集中することが難しかったりと、気がそぞろになってしまいます。
ルールを話す場面でも集中して聞くことができず、理解し難いのかもしれません。
衝動的に行動してしまう
本人にもコントロールできないほどの「衝動性」が理解を困難にしているケースです。
たとえば、ルールが説明されている時にも「今、本が読みたい!」など違う欲求につき動かされてしまい、衝動的に行動してルールを聞く機会を逃してしまっているのではないでしょうか。
対人関係が苦手
「自閉症スペクトラム障害(ASD)」の特性では、対人関係に難しさを伴う場合があります。人と話すことが苦手で、ルールの説明に集中できない・真面目に聞いても覚えることが難しい、というパターンです。
- 人と対面して話すだけで強く緊張してしまう
- 相手の話に興味を持つことができない
- 比喩が苦手(言葉から状況を想像することが苦手)
- 「聞く」ことで精一杯で話の内容を覚えられない
など、困り事の原因は様々なケースに分かれていることも考えられます。
文字を読むことが苦手
「学習障害(LD)」では、聴覚や理解力に問題がないにもかかわらず文字が苦手なことが原因で、ルールが書かれている文面が上手く読めないことも考えられるでしょう。
本人は「読もう」と頑張っていても、特性から文字という記号が認識しにくいのです。読むだけで疲れ切ってしまい内容を覚えられない、というケースもあります。
音や光、特定の感触が苦手
発達障害の症状で、音・光・感触などに苦痛を感じてしまう「感覚過敏(かんかくかびん)」がある場合で、それらが原因で集中力の妨げになっているパターンも考えられるでしょう。
たとえば、周囲の音が気になってしまったり、窓からの光が苦痛であったり、着ている服が肌に触れる感触が苦手だったりといった具合です。
ルールが説明されていること自体よりも環境の方に気を取られてしまう・精神的に苦痛があり集中して話が聞けないのかもしれません。
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特性に合った対処法
決まり事を破ってしまう子の方も悪気があっての行動ではなく、「どの行動が問題だったのか」がキチンとわかっていない状態で叱られると、ストレスに感じてしまいかねません。
お子さんに無理なくルールを伝えられる工夫をしていきたいですよね。
下記のような手順で対処を進めてみて下さい。
Step1 どの特性がルールが理解できない原因か確かめる
どの特性が原因に結びついているかは本人それぞれに個人差がありますので、まずはどのパターンに当てはまっているのか確認していきましょう。
1人の子供が複数の特性を併せ持っているケースもあります。周囲と連携して、日頃の様子や、ルールを説明している時の様子などを確かめてみて下さい。
Step2 特性に合う伝え方を試していく
特性に合わせて、話をする時の環境を変えてみたり、ルールの説明方法を変えたりするなどの工夫をしてみると良いでしょう。
工夫の例
たとえば、下記のようなやり方があります。
- 集中して話がきけない・衝動的に別の事をしてしまう場合
- 話を短く区切って、短時間で小分けに説明する
- 集中できるように玩具などを先に片付ける
- 音楽やゲームなどを取り入れて説明する
- 対人関係が苦手な場合
- 対面ではなく横並びに座って話す
- 両者が落ち着いている時に話す
(怒ったり泣いたりしている時は難しい話を避ける) - 言葉だけで説明せず、イラストや図も使ってみる
- 興味のある話題を取り入れてみる
(好きなキャラクターを使って説明するなど) - 具体的に伝える
(「うるさくしない」→「廊下は静かに歩こう」など)
- 文字を読むことが苦手
- イラストで説明してみる
- 口頭で伝える
- 光・音・感触などで集中できない
- 本人がリラックスできる環境の時に話す
Step3 ルールをどのくらい理解しているか確認する
上述のStep2の工夫をして子供に伝えた後は、ルールをどのくらい理解できているか、本人が答えやすい環境・方法で確認してみて下さい。
「わかった?」などの確認だけでは、その子しだいではその場しのぎで「うん」と答えてしまうこともあるでしょう。特に叱られている最中などは、叱られたくない一心で、わかったフリをしてしまうかもしれません。
「間違えて答えても怒らないよ。一緒にちょっとずつ覚えていこう」と伝えていくと、子供もリラックスしてルールに向き合いやすいかもしれませんね。
確認方法の例
「●●の話をしていたのは覚えているけど、○○や△△のことは記憶にない」といったように、一部分だけしか聞いていないことも考えられるでしょう。
「●●の話覚えてる?」といった聞き方をしても、子供自身も●●のことは記憶にあるので「うん」と答えます。この場合、○○や△△のことを理解しているかどうかがチェックできませんね。
確認する際は具体的に「●●の時は、○○して△△も気をつける」みたいに、全体の理解をチェックしていくと良さそうです。
・ ルールを描いたイラストカードを用意して、「どれが合ってると思う?」と聞いて指さしてもらう
・「●●の時は○○する」など具体的に答え合わせをしてみる
など
Step4 成功したら褒めましょう
子供がルールを守れた時は、褒めてあげましょう。シールなどを使って達成が目に見えるようにするのも良さそうです。
上手くいった経験を積み重ねることで自信にも繋がるでしょう。
「ルールがわかっていない」ことに本人が気づいていないのかも…
ちょっと脱線しますが、子供の頃のことを思い出してみましょう。学校や地域のルールもそうですが、スポーツやゲームのように楽しいことでも、しっかりと細部まで決まり事が把握できていたでしょうか?
▼ 子供自身が、成長してから「あの時、ルール解ってなかったな……」と気付くことも。周りの方でも「わかっているだろう」と思い込んで、確認しなかったのかもしれません。
▼ 夢中になって遊んでいるように見えても、カードゲームのやり方をキチンと理解して遊んでいるわけではないかもしれませんね。
周囲も本人も、実は「なんとなくわかっているつもり」くらいだったりしませんか? 発達障害の有無に関わらず、理解して覚えるということは案外難しいのかもしれないですね。
難しい時は相談してみましょう
お母さん・お父さん、周囲の大人だけでは解決が難しいこともあるでしょう。子供への伝え方をどうすれば良いのか迷った時は、発達障害や子供の育て方に詳しい機関に相談してみることも検討してみて下さい。
地域の相談先
下記のような相談先があります。
- 市区町村の保健センター/子育て相談窓口
- 発達障害者支援センター
発達障害者支援センターでは、家族以外の身近な人からの相談なども受け付けてくれます。氏名を明かさずに相談できる場合もありますので、まずは電話やメールなどから相談をはじめてみましょう。
まとめ
この記事では、発達障害と「ルールが理解できない状態」についてお伝えしました。
1) どの特性がルールが理解できない原因か確かめる
2) 特性に合う伝え方を試してみる
3) ルールをどのくらい理解できているか、子供の答えやすい方法で確認
4) 成功したら褒めましょう
集団環境では、何らかのルールはつきものです。ルールを守らないことで他の人と衝突したり、事件・事故などの危険に遭うことも考えられますので、子供ごとに合わせた伝え方を見つけていきましょう。