皆さんこんにちは!本日も知って役立つ情報をみなさんと共有していきます!今回のキーワードは「発達障害 学校 トラブル」についてです。
発達障害は生まれつき脳に機能障害があることで、発達に偏りが出ると言われています。幼い内は親や周囲のサポート、周りの子供達の幼さなどもあり、大きな問題にならず過ごせてしまう場合があります。
しかし、小学校入学から徐々に問題が目立ち、成長するに従い、より困難に複雑化していきます。
目次
中学校ではどんなトラブルが起こるのか
発達障害のある子も成長するので、苦手なことができるようになっていたり、困った時の対処法を身に付けたりします。しかし、発達障害は生まれつきの脳の機能障害であり、特性が消えることは生涯ありません。
特性が治った、軽くなったように見えても、本人が人一倍努力しているだけです。
中学校で起こるトラブルの内容も基本は小学校で起こるトラブルと変わりません。しかし、学習内容は各段に増え、難しくなります。子供の成長に伴い、人間関係はより複雑になるでしょう。実際に中学校生活で起こるトラブルの内容について紹介していきます。
学習に関すること
- 学習理解の遅れが出る
- 計画的に学習することが苦手
- 担当毎に先生が変わり、対応が難しい
定型発達の子も同じですが、小学生の頃から苦手だったことは、更に学習内容が難しくなる中学校では、遅れが目立ってきます。
例えば国語では、要点は何か、主人公はどんな気持ちかを問われます。覚える漢字も増えます。数学では、文章問題や図形から答えを導き出すことを求められます。不器用さから体育や美術など実技教科でも苦手が目立つことがあるでしょう。
中学校では、成績や高校受験に直結する定期試験があります。順序立てて考えることが苦手な子には、計画的に勉強をするサポートが必要になります。
多くの中学校では教科毎に担当の先生が変わります。先生によって対応が違うと混乱したり、十分な配慮が受けられなかったりする恐れがあります。
学校内の活動に関すること
- 忘れものが多い
- 整理整頓が苦手
- 学校行事に参加するのが苦手
発達障害の中には忘れ物が多く、整理整頓が苦手な特性があります。学習科目が増えるので、必然的に持ち物も増え、管理が行き届かなくなりがちです。
学校行事はいつもと違う環境や雰囲気になり、苦手に感じる子がいます。行事内容によってはクラスの団結が求められることもあるので、空気を読んだり集団行動が苦手な子にとっては重荷になってしまいます。
人間関係に関すること
- 仲良しグループでも、集団行動は苦手
- 思ったことをすぐに口に出してしまう
- 頼まれたことを断ることが苦手
同時に複数の情報を処理できない、人の感情が読み取れないなどの特性があるため、仲良しの子でもグループになると苦手意識を持ちます。
マイペースでこだわりの強い、空気を読めず、言いたいことをすぐに口に出してしまうなど特性で、距離を置かれてしまうこともあるでしょう。
先を見通して計画を立てることが苦手なので、頼まれたことを簡単に受けてしまうことがあります。自分の出来る範囲を超えて引き受けるため、色々なことが中途半端になったり、出来なかったりすることがあります。
これらは信頼関係に影響が出てくることもあるでしょう。
なぜトラブルが起こるのか
原因を大きく分けると本人の発達障害の特性に起因するもの、周囲の環境に起因するものの2つがあります。
発達障害の特性が原因
2つ以上のことを同時に行うことが苦手、興味関心の有無で理解に大きな差が生まれる、集中できないなど、発達障害の特性的に学習面での理解が遅れやすいベースがあります。
言葉の遅れやコミュニケーションの取りづらさ、落ち着きがない、集団行動が苦手など周囲の人と適切に関わるための能力にも支障があります。
これらは先生の話を聞きながらノートに書いたり、グループでディスカッションしたりが求められる学習スタイルやイベント・行事の時に、上手くいかない状況になりやすいと言えるでしょう。
大きく分けると3つに分類されます。
ASD:3歳くらいまでに表れる。コミュニケーションが苦手、言葉の発達の遅れ、興味関心が狭く特定のものにこだわる。
ADHD:注意力が散漫、衝動的・多動的で落ち着きがない。学校生活で支障をきたす場合が多い。
LD:聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する能力のうち特定のものが極端に苦手
参考:厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス 総合サイト
発達障害グレーゾーンとは
発達障害グレーゾーンと言う言葉を聞いたことはありますか?これは正式な診断名ではありません。
発達障害の特性はいくつかあるものの、医師から診断を受けていない場合を差す。発達障害と確定する上で、診断基準があるが、その全てを満たしていないため、発達障害と断定できない状態。
グレーゾーンと言えども、発達障害の特性はあり、決して特性が軽い訳ではありません。診断を受けていないと言うだけで、サービスや支援を受けられない人もいます。
参考:BRAIN CLINIC 発達障害グレーゾーンとは?特徴や正確な診断、治療の可否について
周囲の理解の問題
生徒に関し、小学校高学年くらいから第二次性徴が始まり、中学生と言えば思春期真っ只中にいます。子供達は精神的に不安定になりやすい状態です。
そんな中、「空気が読めない」「話が嚙み合わない」などの違和感を敏感に察知します。小学生の頃は仲良くできていた人も、空気が読めないなどの違和感から距離を置くようになる子もいるようです。
先生に関し、中学校教育のシステム上、小学校の学習より専門的な内容になりますので、教える先生が科目ごとに変わります。そのため、教員全体が発達障害に関して適切な理解をしていないと、間違った対応や評価をしてしまう可能性があります。
中学校では成績や内申点などが、高校受験のために重要です。理解が得られず、「テストの点が低い」「不真面目だ」などと思われ、下げられてしまう恐れがあります。
なんとか理解してもらいたい!!
極力トラブルを回避するには?
集団行動、仲間意識の高まりと、発達障害の子にとっては無理の連続となります。ストレスを溜め過ぎて不登校や二次障害の発症などに繋がらないよう、トラブルを未然に防ぐ予防策が重要になってきます。
発達障害による「生きづらさ」がストレスとなり、発達障害の特性ではない精神疾患が引き起こされたり、本来の発達障害の特性がより強化されたりする症状のことです。
周囲への問題行動として外部に出るもの…「家庭内暴力」「暴言」「非行」など
本人の内面に出てしまうもの…「うつ病」「引きこもり」「対人恐怖症」「不安障害」など
参考:BRAIN CLINIC 発達障害の二次障害とは?症状や治療について
学校と連絡を密に取る
小学生の頃から支援学級を利用していると、中学校へ情報が申し送られますが、保護者からも学校側へ直接話をした方が良いでしょう。
全ての中学校に配置されている訳ではありませんが、スクールカウンセラーや特別支援教育コーディネーターなどの職員がいればきっと力になってくれるはずです。
生徒達に発達障害のことを伝える
中学生なら、発達障害について説明すれば、特性などを理解することはできるでしょう。生徒間に周知させることによって、協力やサポートを受けられるようになるかもしれません。
しかし、中学校は学区が広がり、生徒の人数も多くなります。幼稚園や小学校からの付き合いの子だけではなくなります。
周知することでプラスに働けば良いのですが、本人の精神的な負担になってしまうことも考えられます。生徒達に発達障害のことを知らせるかは、本人や学校側とよく相談した方が良いでしょう。
専門家に相談する
かかりつけ医はもちろん、自治体に発達障害支援センターや精神保健福祉センターはありませんか?そこでも専門的な知識を持った職員に相談することができます。
近頃は学習塾や家庭教師でも発達障害の子を対象にしているところがあります。日頃の学習のサポートは勿論、高校受験を考えている場合にも心強い味方になります。お住まいの地域にもあるか調べてみましょう。
こちらの記事に発達障害に対応できる家庭教師の探し方が紹介されています。参考にしてみてください。
適度に休ませる
発達障害の子は周りに合わせようと精一杯頑張っていたり、周りの環境に過敏に反応してしまったりします。疲れが溜まると、パニックも起こしやすくなります。ストレス発散や休息は非常に大事です。
親自身が発達障害の知識を深める
家族内でのコミュニケーションは大事です。中学生は定型発達の子でも親子関係は微妙です。干渉し過ぎず、「いつでも味方。頼っていい」と示しましょう。
発達障害の子は自分のことが上手くできなかったり、言動が幼く見えてしまったりと、つい口や手を出してしまいがちですが、見守ることと、適切な声掛け・フォローが大事です。
自分の子供の特性をよく知り、進路を含めた将来のことも早めに調べておくと良いでしょう。
発達障害がある中学生を育てる親向けの本がありますので、こちらを参考にしてみてはいかがでしょうか。幼児や小学生を対象にした書籍は多数あるものの、中学生について書かれているため、参考になるそうです。
こちらにも知識を深めるために役立つ記事がありますので、ご参照ください。
トラブルが起きてしまったら
トラブルの内容によっては学校で事実や状況を確認したり、保護者と話をしたりすることも出てくるかもしれません。相手を傷つけてしまった場合は謝罪させてもらい、いじめなど被害を受けた場合は、厳しく対処してもらった方が良いでしょう。
まずは話を聞き、子供の気持ちに寄り添うことが大事です。決めつけや否定は絶対にしてはいけません。「どんなことがあっても、いつでも味方でいる」というスタンスを貫きます。
トラブルの原因になったことや今後の対処法はきちんと言葉で教えましょう。この時、なるべくシンプルな言葉を選び、順序立てて説明すると伝わりやすくなります。あくまで行動に対して注意をするのであって、人格を否定するような発言は厳禁です。
中学生は親子関係にも変化が出てくる頃です。相談内容によっては親以外の選択肢も必要かもしれません。
まとめ
- 成長と共に発達障害の特性が軽くなったように見えても、治った訳ではない。
- 中学生は思春期の真っ只中で、我が子も周りの生徒も、そもそも心が不安定である。
- 中学生は学習面やコミュニケーション面でも、小学生の頃よりハードルが上がる。
- 予防策や対策を練っておくことで、トラブルを最小限に抑えることができる。
発達障害の子は、一生偏りのある特性と付き合っていかなければなりません。小学生から中学生になると、より社会性や協調性を求められます。そこに思春期特有の心の不安定さも加わってくるので、本人も親御さんも荒波に飲み込まれていくかもしれません。
しかし、手を差し伸べてくれる人はいます。学校の先生や助けてくれるクラスメイト、専門家の人などが力になってくれるでしょう。親御さん自身も発達障害の知識を深め、接し方を学ぶことで改善できることもあります。
この記事が、中学校生活を楽しく自分らしく過ごせる手助けになれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。